ぽんず
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ぽんず
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最近はアニメより映画をよく見ます。
やってるゲーム:シャニマス、スタレ、FGO
応援してるジャンプ漫画:暗号学園が終わったので鵺の陰陽師
聴いてる音楽:GRAPEVINE、Spoon、柴田聡子
温泉中也『現象X』2巻読了。奥行きの広がった世界観で繰り広げられる捜査を通じて世の理不尽や不条理に対し、怒りを抱きつつも理性と知性で立ち向かおうとする主人公の姿を描いている。正義は現代において脆く弱いが、だからこそ報われる確証がなくても進めるか、という問いにヨブ記の引用が刺さる構成が美しい。一人だけ箸が使えないアナン、かわいいね……。
December 16, 2025 at 11:14 AM
『シャドウズ・エッジ』観た。スタイリッシュでハイテンポなクライム・アクションと、緊張感あふれる追跡捜査という2つの要素がいずれもハイクオリティで、これらが映画の構成に緩急を与えている。チームとしての警察と疑似家族としての強盗団の対比が効いたドラマもあり、ウェルメイドの様相を見せる。
しかし特筆すべきはなんといってもレオン・カーフェイ演じるボスの存在。伝説の暗殺者としての老獪さ、孤児の息子たちを愛と力で支配する家父長の冷酷さ、孤独な老人としての寂しさ。哀愁と貫禄を背負うひとりの男の姿は、それだけでも作品を牽引する強度のあるものだが、この映画はそこからさらに飛躍する。
December 15, 2025 at 10:48 AM
『ナイブズ・アウト: ウェイク・アップ・デッドマン』観た。静謐で地味なクラシック・ミステリに回帰したシリーズ。密室モノの謎を丁寧にやりつつ、禁欲的な信仰と安易な物語化の対比を、SNSを介した陰謀論やデゴマークに動かされ怒りや欲望を駆り立てられる現代社会に重ね合わせる、技巧の光る佳作。現代における教会の無力さ、だからこそ試される信仰心の在り方を、アイロニーの効いたラストカットと、”名探偵のジレンマ”を神の啓示によって乗り越える一幕によって見事に表現してみせたシナリオに満足です。
December 13, 2025 at 11:06 AM
ジムシャニとかいう漫画、原作ゲーム特有のエッセンスを抽出しつつ、バラバラなエピソードを拾ってパズルのように嵌め合わせ、高解像度のキャラクターたちによる有機的なドラマとして再構成し、圧倒的演出力を以て情緒に訴えかけてくる最強のコミカライズになっている。なんなんだよマジで。
December 12, 2025 at 3:23 PM
『ズートピア2』観た。ジュディとニックの絆の話と、陰謀と差別で迫害された爬虫類の話と、アメリカの歴史やイスラエルの蛮行にも通ずる植民地主義の話等が、ズラッと並べ立てられ、まるでそれぞれが連動しているかのように矢継ぎ早に繰り出される活劇によって展開していき、最後にはすべてが一緒くたに解消されてハッピーエンドへと。詐術めいた物凄い力業だった。冷静になってみると「それってそれぞれ全く別の話じゃない?」というのを深く考えさせないための洪水のような情報量かと邪推したくなるような作劇で、ポリティカル・コレクトネスに目配せはするものの誠実に向き合いはしない小狡さが今のディズニーって感じ。
December 12, 2025 at 2:45 PM
『ペリリュー ─楽園のゲルニカ─』観た。戦争に出向した若い兵士の”英雄願望”や”名誉ある死”といった甘い幻想を無慈悲に打ち砕く、戦場に残された者たちの凄惨な有り様を描いた作品。美しい自然が赤黒い死屍累々の焦土に変貌し、戦禍の跡が赤錆びて、やがて自然の中で風化していく様を見事に表現した美術が一番の主役だったように思う。
軍国教育を内面化して、死への恐怖を「お国のために」「家族を守る」「天皇陛下万歳」という合言葉で強引に塗りつぶし、愚直に祖国の勝利を信じる兵士たちが、それゆえに終戦の気配を信じきれず戦争に取り残され、まさに”無駄な抵抗”を続ける日々が飢餓や病、味方への疑心暗鬼とともに描かれる。
December 6, 2025 at 1:25 AM
『WEAPONS/ウェポンズ』観た。視点が切り替わり、物語が進むにつれ、ホラーはホラーでも怖さのベクトルが次々を移り変わっていく(だからこその拍子抜け感もあるが)のが新鮮。露骨なオマージュやギャグめいた絵面もちゃんとある”笑える”ホラーで、アイコニックな走り姿が活きたクライマックスの爽快感はかなりのもの。全米No.1ヒットもむべなるかな。物語中で酒や注射器(=ドラッグ)がやたらとフィーチャーされ、それが後半の展開に接続されヤングケアラーの孤独と悲哀に繋がってくるのが脚本の妙味ではあるが、前面に押し出されたテーマと言えるほど緻密に構成されているかというと微妙で、あくまで背景に留まっていた印象。
November 30, 2025 at 5:21 AM
『ブラックフォン2』観た。シチュエーションはがらりと変わり、演出も現実と虚構の狭間を行き来する新たなビジュアルに挑戦しつつ、テーマやドラマは前作と地続きに。思いの外意欲的な続編で、1作目が物理的な密室からの脱出を試みたのに対し、本作では夢の中という”頭の中にある地獄”からの脱却を図る。恐怖に立ち向かう、という芯があるから精神性はブレない。
酒やドラッグ、ケンカといったマッチョイズムを逃避だと断じ、感情をさらけ出した上で向き合う勇気の在り方を男性陣に求めるのは今日的な筋書きだし、その上で「正しい目的のためなら暴力は手段として有効だぜ!」と前のめりになる作劇はブラムハウスに求めているもの。
November 23, 2025 at 2:06 AM
『トリツカレ男』観た。ワンカット目から惹き付ける美術、クレしん以上にぐにゃぐにゃな線のキャラデザ、Awesome city clubの自由度の高いアレンジと主演の見事なハーモニーが折り重なった楽曲、変幻自在の色彩と光により目まぐるしくトーンが変貌する演出、どれも垂涎モノの職人アニメーション映画。毎年尖った企画のアニメを劇場で流してくれる、シンエイ動画の矜持そのもののような作品で、本当に頭が下がる。映像作品としての楽しさだけでも十分魅力的ではあるが、何よりも刺さったのはまるでオー・ヘンリーの短編のような物語の強度。
November 14, 2025 at 11:40 AM
久し振りに家長むぎさんの随筆を読んだけど(「久し振り」だと言える事の尊さよ)、マジで読ませる文章で凄い。
「海と雲を好きだと思った。」の唐突さ、シビれるね。
mequrimequru.jp/kp/regulars/...
01/居酒屋-知らない小道|家長むぎ|メクリメクル
幼い頃から好奇心旺盛で、興味のあることは何でも吸収してきた家長むぎ。そんな彼女でも、まだまだ知らない新しいこと、馴染みのないことがたくさんある。中には、世間では当たり前のようなことも。人生というものは短い――後悔をしないように、たとえささやかなことだったとしても知らぬままではもったいない。日常に潜む“家長むぎが知らなかったもの”に触れ、初めての経験や発見を素直に綴ってゆくエッセイ。
mequrimequru.jp
November 14, 2025 at 10:00 AM
映画『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第2章』観た。実在の都市を舞台に、統制されたレイアウトとアンニュイな登場人物の姿が融和し、強靭な画面がスクリーンに映える。相変わらず取ってつけたような苦悩や障害に乗り切れないものを感じていたら、思いがけない飛躍に殴られ一気に目が覚めた。学生のモラトリアムも、グランプリという舞台も、単なる”器”に過ぎず、本質はそこにはない。自分にはどうしてもマクガフィンに拘泥し、自爆していっているようにしか見えなかったラブライブ!シリーズに通底する構造を、虹ヶ咲はやはり巧みに解体し、本来は無いはずの壁を突破して世界を真に広げてみせる。
November 11, 2025 at 12:49 PM
『羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来』観た。演出もアイデアも引出し無限のハイスピード能力バトル、所々で劇場にクスクス笑いを起こす確かなユーモア、軽妙で隙のないポリティカルな駆け引き、軍拡競争や異文化共生に纏る戦争の危機、そして小黒と鹿野を主軸としたエンパシーのドラマ。これらの要素を異様な密度でテンポよく詰め、完璧なまでにまとめ上げた最強のアクション活劇。エンタメとして傑作と言う他ない。みんな、観ろ。
November 8, 2025 at 1:03 PM
『プレデター:バッドランド』観た。ディズニー+のドラマシリーズを劇場版仕様に再編集しました、みたいなダイジェスト構成で、ぶっちゃけ主軸のドラマを語るには諸々積み上げが足りていないんだけど、一つ一つの要素の旨味はちゃんと拾えてるので、娯楽作品としては卒無くまとまっている。チョロかわキャラ萌えに振り切ってるあざとさをどう捉えるかだが、”狩るか狩られるか”というプレデターの持つテーゼを”利用する者される者”という道具たるアンドロイドのテーゼに接続し、『本当の強さ』として生命への敬意に飛躍させる話運びがとても綺麗だったので、トータル好印象です。なんかもうスター・ウォーズとやってること変わんないけど。
November 8, 2025 at 2:08 AM
『爆弾』観た。シナリオや演出が滑っていたら邦画の悪癖として映りそうな佐藤二朗の過剰演技っぷりも、見事な”ジョーカー(ダークナイト)”フォロワーとして機能し完全に映画を掌握していた。謎掛け勝負を仕掛けてくるサイコな爆弾魔、というありがちなプロットながら、事件の流れやディテールがいやに真に迫っているので、テロ犯罪としてちゃんと怖く、終始スリリング。そして佐藤二朗の存在感が強ければ強いほど、それに相対する警察サイドの面々こそが本作のメインである、という構造が良い。とぼけた態度や露悪的な言動で思考を誘導し、感情を弄ぶ知能犯と代わる代わる相対し、皆一様に憔悴しボロボロになっていく刑事や警官。
November 2, 2025 at 11:39 AM
ギレルモ・デル・トロ『フランケンシュタイン』観た。きれいはきたない、きたないはきれいの精神でグロテスクな実験も耽美に映る、作り込まれた美術と音楽によるゴシックな世界観がスクリーンいっぱいに広がる。ヴィクターと怪物、それぞれの人生を通して、「我が子を思い通りにしようと躾ける強権的な父親」の構図を反復し、氷の世界で純化される人の罪と罰を物語る美しき寓話。愛も野心も、すべてを失った男が見る氷上の地平線に佇む怪物、という構図を描きつつ、何もない虚しい世界にも生命の象徴たる太陽は等しく昇る、という計算された演出プランが見事にハマっていた。これは可能なら劇場で観た方がいいですよ……!
October 27, 2025 at 10:41 AM
『ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス』観た。佐賀を宇宙人が攻めてくるという、いよいよジャンルもリアリティラインもしっちゃかめっちゃかになるプロットも、たとえ体温が無くとも生命の旗を誰よりも熱く燃やす、最強の地域密着型アイドルにして不屈の偶像”フランシュシュ”の魂のステージを前に問答無用でねじ伏せられる。スケールがどれだけデカくなってもローカルなネタと底力を忘れない姿勢には、劇場版クレヨンしんちゃんのアトモスフィアを感じるし、そもそもずっと彼女たちの持つ偶像性には殴られ続けているので、尺内に収めるのに苦心したのが見て取れる強引な編集も、ゾンビィの継ぎ接ぎ文脈として好意的に解釈しよう。
October 24, 2025 at 3:39 PM
『ナイトコール』観た。一瞬にしてどん底に突き落とされた鍵屋の黒人青年が、命を賭けて夜のブリュッセルを駆けずり回るクライム・アクションの佳作。主人公の機転と巧みな演出によって逃走劇として申し分ない出来でありつつ、”一夜の街”で起こった出来事であることを活かした連続性が本作の鍵だと思う。大規模なBLM運動がずっと背景にあり、それが主人公の物語に直結はしないものの、彼が駆ける街で起こる事象として緊密に活劇に活かされている。ただ偶然そこで出会った人間同士による、共感と連帯。言葉よりも雄弁な視線の交錯が、誰かを救い、救われる切っ掛けになる。偶然同じ場所にいる、という事象と、同じ境遇にある、という共感。
October 23, 2025 at 1:46 PM
『M3GAN/ミーガン 2.0』観た。ホラーからSFアクションにジャンルはシフトしたものの、思ったよりちゃんと続編として作られている。”親と子/人間とAI”を軸とした物語が進められ、不信と確執から信頼と調和へ至る過程を、バディ・ムービーへの昇華を以て描く構成が良かった。ミーガンのキャラクターがやっぱり強烈で、今後もシリーズ化してくれると嬉しい。やっぱり映画館で観たかったよ。
www.amazon.co.jp/gp/video/det...
Amazon.co.jp: M3GAN/ミーガン 2.0を観る | Prime Video
驚異の人工知能を持つミーガン(M3GAN)が、暴走して人を殺し(そして、完璧なダンスで)大暴れした後に破壊されてから2年。ミーガンの開発者であるジェマは著名な作家となり、政府によるAIの監視を求める活動を行っていた。一方、ジェマの姪であるケイディは14歳になり、過保護なジェマに反抗するティーンエイジャーに。
www.amazon.co.jp
October 22, 2025 at 12:33 PM
Reposted by ぽんず
政治勢力のレイヤーで言えば、立憲民主党や共産党はもちろん、公明党すらも「これまで自民党の脚を引っ張ってきた悪」と表象されることになるだろうし、

一般市民のレイヤーでは…これ書くだけで憂鬱になるけど…在日外国人、性的少数者、心身障害者、生活保護受給者、ホームレスなどがそのターゲットにされる可能性が高い。

右派が単独/連立政権を取った国の多くはそうなる。政権は「内なる〈敵〉をサーチして排除・抑圧することが社会状況の改善に繋がる」というストーリーを発信し続け、我々はだんだん「そうなのかも…」と信じ始める。そうなる自分の姿も想像できる。

ここから先は、正気が大事。正気でいましょう、お互いに。
October 16, 2025 at 11:15 AM
Reposted by ぽんず
たとえば維新が持ち出してきた「外国人の労働者数の抑制」という政策ひとつ取っても、もう100%・間違いなく・確実に、日本の経済状況を悪化させる。それぐらいわかってる与党議員も多いはずだけど、ポピュリズム的センチメントへの最適化を目指せば、これが正解ということになってしまう。

うまくいかないことはわかってるけど、支持されるから、やる。やった結果うまくいかなければ、それは架空の〈敵〉のせいにされて、急進的支持者層はヘイトを鬱積し、与党支持を強める。このサイクルが廻ってるうちは安泰ということになる。
October 16, 2025 at 11:14 AM
Reposted by ぽんず
4党の理念・政策には明らかな不一致もあるけど、たぶん彼らはそれを熟議ではなく、4党にとって最大公約数的な〈敵〉の設定と非難によって乗り越えようとする。政権運営がうまくいかないことは前提で、そのうまくいかない理由を〈敵〉に押し付け続ける流れになるんじゃないか。
October 16, 2025 at 10:57 AM
Reposted by ぽんず
このまま行くと、「強権的リーダーによって率いられる右派主導政党が、人気低下で単独では政権を維持できなくなり、少数極右政党を複数抱え込んで連立を維持するも、そうした政党に連立離脱をチラつかされるたびに下野を恐れる主導政党側が宥和策を取らざるを得ず、結果的に連立政権の方向性がどんどん右傾化していく」というシナリオ、ありえるよね。

イスラエルがまさにそうだもん。
October 16, 2025 at 9:58 AM
『フレイムユニオン 最強殺し屋伝説国岡 [私闘編]』観た。”ちょっと笑えないレベルのクズ”真中を主人公に、意地と努力で自分の未来を掴み取る、泥と汗と古さが臭いたつ男の青春が描かれる。挫折からの奮起、努力からの勝利へ至る流れは間違いなく王道のそれで、やってることがほぼロッキーである。修行パートに必殺技の練習を挟む少年漫画エッセンスを取り入れつつ、何気ない会話一つ一つ、つまり真中が他人と関わり紡いできた青春のすべてを結実させる決闘のアクション構成は出色の出来で、物語性を踏まえた格闘シーンの熱量、面白さで言えば間違いなく今年ベストだと思う。
October 12, 2025 at 11:22 AM
『見える子ちゃん』観た。芝居付けや撮影の安さはいかにもな邦画だが、幽霊がいる日常の描写と世界観の構築、”無視”という霊への対処法がドラマのテーマにも繋がるシナリオと、一つの映画としてきっちりと纏まっているので憎めない、そんな作品だった。
www.amazon.co.jp/gp/video/det...
Amazon.co.jp: 見える子ちゃんを観る | Prime Video
ある日突然、霊が“見える”ようになった女子高生・みこ。ヤバすぎる霊たちに囲まれたみこが選んだ生き残り術は、まさかの「見えてないフリ」。親友のハナに霊が憑いても、同級生のユリアに見えることがバレそうになっても、ただひたすらに全力スルー。しかし、ハナの様子がどんどん異常になっていき……果たしてみこは「見えていないフリ」でこの危機を乗り越えられるのか!?Ⓒ2025「見える子ちゃん」製作委員会
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October 5, 2025 at 1:24 PM
MONO NO AWARE『ザ・ビュッフェ』聴いた。引き出しの多いアレンジセンスに、流行りのアーティストにありがちな過激な語彙には頼らない平易な言葉でユーモアとシニシズムを同居させた詞を音に上手く乗せる言語センスが合わさって、耳に心地よくも楽しいポップミュージックになってる。めっちゃええやん!
music.apple.com/jp/album/%E3...
MONO NO AWAREの「ザ・ビュッフェ」をApple Musicで
アルバム・2024年・12曲
music.apple.com
October 5, 2025 at 10:15 AM