佐藤竜一
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佐藤竜一
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岩手県陸前高田市生まれ。宮沢賢治学会副代表理事・岩手大学特命准教授歴任後岩手大学非常勤講師。主著に『高野長英と吉田松陰』『那珂通世と夏目漱石』『建築家・葛西萬司』『原敬と新渡戸稲造』「宮澤賢治 あるサラリーマンの生と死』『盛岡藩』『それぞれの戊辰戦争』『宮沢賢治 出会いの宇宙』『宮沢賢治の詩友・黄瀛の生涯』『国際外交の舞台で活躍した岩手の男たち』『海が消えた 陸前高田と東日本大震災』『石川啄木と宮沢賢治の人間学』『変わる中国、変わらぬ中国ー紀行・三国志異聞』など。
河童といえば遠野が有名ですが、熊本県八代にも河童伝説があり、本町商店街の前川橋のたもとには「河童九千坊音頭の碑」(写真)があります。
伝説によると、仁徳天皇時代(313―399)に中国から九千匹の河童が揚子江を下り黄海を経て八代に到着したといいます。かつては子供たちがよく川遊びをしましたが、八代では河童に引き込まれないようにと、水難よけの川祭りが集落ごとに行われていて、地域によっては河童祭りとも呼ばれていたということです。 #河童 #八代 #河童九千坊音頭 #河童祭り #揚子江
December 10, 2025 at 8:22 AM
井上亮『新左翼と天皇ー炎と爆弾の時代』(ちくま新書)を読み終えました。著者は元日本経済新聞記者として、公安を担当。著者が記者となったのは昭和から平成へと天皇が代替わりする時期で、新左翼によるゲリラ闘争が盛んだった時代です。
1955年日本共産党は極左冒険主義を自己批判し、幅広い層から支持を得る路線に転換しました。そのことがきっかけとなって新左翼が生まれましたが、本書は暴力化していった末に大衆の支持を失っていった新左翼の歴史を天皇制と絡めながら克明に描いています。読みごたえがありました。 #井上亮 #新左翼と天皇 #ちくま新書 #日本経済新聞 #日本共産党 #極左冒険主義 #天皇制 #ゲリラ闘争
December 9, 2025 at 9:50 PM
鹿児島といえば西郷隆盛。「西郷洞窟」(写真)は西南戦争末期西郷隆盛が立てこもった洞窟です。1873年征韓論争に敗れた西郷は下野しました。西郷を慕う鹿児島出身者約6千名も東京を離れ、故郷鹿児島に帰郷。1876年になると、政府と鹿児島との間は修復できない状態にまで達し、1877年2月17日、西郷隆盛をリーダーとする軍隊が熊本城に向けて出発。半年以上に及ぶ西南戦争が勃発したのです。
西郷軍は結果的に政府に制圧され、西郷は亡くなりました。鹿児島の人々は西郷隆盛を顕彰するために、西郷南洲顕彰館を建立。すぐ近くには西南戦争の死者が葬られた南洲墓地があります。 #鹿児島 #西郷隆盛 #西南戦争 #西郷洞窟
December 9, 2025 at 5:52 AM
隈研吾『日本の建築』(岩波新書)を読み終えました。チェコの建築家ブルーノ・タウトの来日から筆を起こし現在まで、日本建築の歩みを振り返っています。文章は明晰でわかりやすく、建築家が日本建築をどうとらえてきたかを自身の体験を盛り込んで記しているので、説得力があります。
著者は現場で仕事を共にした職人たちから多くのことを学んだ、といいます。建築の施工に関する具体的な知識だけではない、「頭からでなく、モノから考える方法を教わった」と。刺激的な建築論であり、日本建築の今後を洞察した好著です。 #隈研吾 #日本の建築 #岩波新書 #ブルーノ・タウト #チェコ
December 8, 2025 at 10:05 PM
今日は岩手県立図書館主催の映画会。新藤兼人脚本、神山征二郎監督の「宮澤賢治ーその愛ー」(1996年)を観ました。脚本が新藤兼人だけあって賢治の生涯を事実に沿ってていねいに作っています。
宮沢賢治(三上博史)のほか、妹のトシを酒井美紀、父政次郎を仲代達矢、母イチを八千草薫が演じるなど芸達者が多数出演していて、感銘を受けました。 #岩手県立図書館 #宮沢賢治 #新藤兼人 #神山征二郎 #三上博史 #酒井美紀 #仲代達矢 #八千草薫 #宮澤賢治ーその愛ー
December 8, 2025 at 8:15 AM
夏池優一『教科書には載っていない! 幕末志士の大誤解』(彩図社)を読み終えました。坂本龍馬、吉田松陰、高杉晋作、勝海舟、西郷隆盛ら幕末に活躍した13人の意外なエピソードを興味深く紹介していて、とても面白かった。
たとえば、「逃げの小五郎」と呼ばれた桂小五郎(木戸孝允)ですが、実は剣の達人(神道無念流)で、「剣を用いない」ことを理想としていたそうです。強い故に一人も殺さなかったとは、なかなかの人物ですね。 #夏池優一
 #幕末志士の大誤解 #彩図社 #桂小五郎 #坂本龍馬 #吉田松陰 #高杉晋作 #勝海舟 #西郷隆盛 #神道無念流 #木戸孝允
December 7, 2025 at 10:20 PM
熊本県八代市に城が築かれた歴史は古く、中世、名和氏・相良氏が治めていた時代に城はありました。
徳川家康は権力を強化する目的で、西国外様大名を中心に勢力削減に尽力。一国一城令を出し、多くの城が破却されました。1611年八代周辺を治めていた加藤清正が死去、翌年忠広による遺領相続が正式に決定された時、麦島(八代)城以外は破却されました。なぜ麦島城が残ったかといえば、薩摩を支配した島津氏の脅威があったためで、島津氏への牽制の意味があり存続したのです。
地震により崩壊した麦島城の対岸に1622年加藤忠広により新しい城(八代城)が築かれました(写真は八代宮、八代城)。 #八代 #八代城 #熊本 #加藤清正
December 7, 2025 at 4:58 AM
中條献『アメリカ史とレイシズム』(岩波新書)を読み終えました。レイシズムとは「人種」主義のこと。黒人への差別が「人種」という分類概念を生み、アメリカ社会は抑圧を生み続けてきました。本書は奴隷制度から筆を起こし、レイシズムを焦点を当ててアメリカの歩みを概観しています。
マーガレット・ミッチェル原作の『風と共に去りぬ」は南部アトランタを主な舞台に奴隷制度が存在していた時代の南北戦争を生き生きと描いた傑作ですが、本書を読みその背景がよくわかりました。 #中條献 #アメリカ史とレイシズム #岩波新書 #人種 #奴隷制度 #南北戦争 #アトランタ #風と共に去りぬ #マーガレット・ミッチェル #黒人差別
December 6, 2025 at 9:09 PM
JR丹波口駅で下車。「もてなしの文化美術館」となっている角屋から徒歩で15分。壬生寺(写真)や新選組屯所跡(八木邸、写真)があります。文久3年(1863)、新選組初代局長の芹沢鴨が角屋で遊宴後、壬生の屯所で近藤勇らに暗殺されたことは有名です。
元治元年(1864)6月5日、長州藩士らが池田屋に集結しているところに新選組が斬りこみました。ご褒美として新選組は幕府から五百両を拝領。羽振りが良くなった新選組隊士は、赤地に「誠」の旗、白山形の浅黄色の羽織を着て角屋に出かける等京都の街で豪遊しましたが、地元の人々は粗暴な振る舞いを嫌悪し、「壬生浪」と呼びました。 #京都 #新選組 #壬生寺 #八木邸
December 6, 2025 at 5:09 AM
谷沢永一『聖徳太子はいなかった』(新潮新書)を読み終えました。聖徳太子はいなかった、というのは学界の常識になっているそうですが、一般の人々は存在を信じている人が多いのではないでしょうか。本書は実在の根拠とされる文献などを克明に検証し、だれがこのフィクションを必要としたのか、をスリリングに解き明かしています。
天武天皇や妻だった持統天皇の後継者が次々に若死にしたことから、理想の皇太子像をつくりだす必要があって聖徳太子伝説が生まれた、ということです。古代史へのロマンを掻き立てる、刺激的な本でした。 #谷沢永一 #聖徳太子はいなかった #新潮新書 #天武天皇 #持統天皇 #古代史
December 5, 2025 at 10:19 PM
Reposted by 佐藤竜一
盛岡市の岩手県立博物館で、ツキノワグマ、ヒグマの生態を紹介するトピック展『緊急企画!ツキノワグマってどんな動物?』が開催中。クマに会わないためにはどうしたら良いのか、会ってしまったらどうすべきなのか、クマ対策についても紹介しています。2026年3月末まで👉🏼

クマ出没続く岩手 盛岡の県立博物館で緊急生態展 生態と対策を学ぶ|岩手日報 www.iwate-np.co.jp/article/2025...
クマ出没続く岩手 盛岡の県立博物館で緊急生態展 生態と対策を学ぶ | 岩手日報ONLINE
盛岡市の県立博物館(坂本美知治館長)は、県内各地でクマの出没や被害が相次いでいる現状を踏まえ、生態や遭遇時の対処法を紹介するトピック展を開いている。生々しい剝製がずらりと並び、間近で大きさなどの特徴を実感できる。展示を通じて身を守るための…
www.iwate-np.co.jp
December 5, 2025 at 4:31 AM
京都のJR丹波口駅で下車、「角屋もてなしの文化美術館」を訪ねました。周辺は「島原」と呼ばれていました。島原は江戸期以来の公許の花街(歌舞音曲を伴う遊園の町)として発展。1641年に六条三筋町から現在地朱雀野に移転。移転騒動が島原の乱を思わせたことからそう呼ばれましたが、正式な地名は西新屋敷。島原は饗宴の他和歌俳諧等の文芸活動が盛んでしたが、明治になるとすっかり寂れ現在は揚屋(今の料亭)であった「角屋」が江戸時代の名残を留めています。
角屋は開設当初から連綿と建物を維持。江戸時代の饗宴を伝える揚屋建築の唯一の遺構として1952年国の重要文化財に指定されています。 #京都 #角屋 #揚屋 #島原
December 5, 2025 at 6:23 AM
松本健一『秋月悌次郎ー老日本の面影』(中公文庫)を読み終えました。戊辰戦争で会津藩降伏を取り仕切ったのが秋月悌次郎。他藩に友人が多く、会津藩の外交官として活躍しました。江戸幕府の昌平黌に学んで学識が深く、熊本にあった五高(熊本大学の前身)で教鞭を執りました。
五高で同僚だったのが「ばけばけ」のモデル小泉八雲で、八雲は秋月を「神様のような人」と讃えました。さまざまな困難を切り抜けてきた人物ですが、周囲を明るくする好人物だったようです。本書はそんな秋月を活写した優れた評伝です(写真は小泉八雲熊本旧居)。 #松本健一 #秋月悌次郎 #老日本の面影 #中公文庫 #会津藩 #小泉八雲 #熊本 #ばけばけ
December 4, 2025 at 10:35 PM
先日の上京の折、北区立中央図書館(写真)と新宿区の林芙美子記念館(写真)を訪ねました。北区立中央図書館はかつての東京砲兵工廠銃砲製造所敷地にあり、弾丸製造工場だった赤レンガ棟は1919 年に建てられました。北区ではこの赤レンガ棟を利用して中央図書館として2008年にオープンし、平和的に利用されています。
林芙美子記念館は1951年、『放浪記』『浮雲』などの著作で知られる芙美子が亡くなるまで住んでいた家で、山口文象が設計しました。約300坪の敷地に見事な数寄屋造りの建物と豊かな庭木が魅力的な心和むスポットです。 #北区立中央図書館 #赤レンガ #新宿区 #林芙美子記念館 #山口文象 #数寄屋造り
December 4, 2025 at 6:16 AM
田澤耕『ガウディ伝 「時代の意志」を読む』(中公新書)を読み終えました。スペインを代表する建築家、アントニ・ガウディ(1852―1926)の生涯を克明に描いていて、読みごたえがありました。私はバルセロナに行ったことがあり、ガウディ設計のサグラダファミリア教会、カサ・ミラなどを訪ねたことがありますが、サグラダファミリア教会の巨大さに驚いたことを思い出します。
ガウディは晩年故郷のことばカタルーニャ語に固執し、スペイン語(カステーリャ語)を話さなかったということで、頑固な一面があったようです。 #田澤耕 #ガウディ伝 #バルセロナ #サグラダファミリア教会 #カサ・ミラ #カタルーニャ #スペイン
December 3, 2025 at 8:46 PM
京都の街は三方を山が囲み、街中を流れる鴨川が澄んでいることから「山紫水明」と呼ばれ、和歌に詠まれました。儒学者の頼山陽(1780―1832)は鴨川のほとりに居を構え、書斎を『山紫翠明処」(写真は上京区丸太町通りにある山紫翠明処)と名づけました。
元々山陽は広島藩に仕えていましたが、脱藩して京都に移り住み、多くの文人や学者と交際しながら書斎で『日本外史』を書き上げました。『日本外史』は長州藩の木戸孝允(桂小五郎)や伊藤博文など幕末期に尊皇攘夷運動を展開した多くの志士たちに影響を与えました。 #京都 #頼山陽 #山紫水明処 #広島藩 #尊皇攘夷 #木戸孝允 #日本外史 #伊藤博文 #長州藩 #鴨川
December 3, 2025 at 5:19 AM
斎藤環『集中講義 中井久夫 心の病の「豊かさ」を読む』(ǸHK出版)を読み終えました。「100分de名著」シリーズの一冊。優れた精神科医でエッセイストでもあった中井久夫(1934―2022)の著作をかみ砕いて紹介したガイドブックです。
中井は誰にでもわかりやすい平易な言葉を使用しました。『分裂病と人類』ではすべての人に統合失調症を発症し得る可能性があると語り、精神疾患に対する偏見を取り除こうとしました。本書を読み、中井が卓越した知性の持ち主だったと改めて思いました。 #斎藤環 #中井久夫 #ǸHK出版 #100分de名著 #分裂病と人類 #統合失調症 #精神疾患 #精神科医 #心の病
December 2, 2025 at 9:58 PM
盛岡を代表するタウン誌『街もりおか』(斎藤純編集長)12月号で、私の新刊『高野長英と吉田松陰』(日本地域社会研究所刊)が詳しく紹介されました。感謝です。 #街もりおか #斎藤純 #盛岡 #高野長英と吉田松陰 #日本地域社会研究所 #佐藤竜一
December 2, 2025 at 5:59 AM
桃崎有一郎『「京都」の誕生 武士が造った戦乱の都』(文春新書)を読み終えました。京都といえば、朝廷(天皇)との深い関係が思い浮かびますが、京都の原型をつくったのは武士だった、と著者は解説しています。
平家の台頭から平清盛の強力な完成までは、京都の誕生と軌を一にしていて、平家に代表される武士の登場によって京都が完成に動きはじめた、と著者は説きます。実に説得力ある論考で、京都を再発見した思いでした。名著だと思いました(写真は幕末期に坂本龍馬と深い関係があった、京都にある船宿・寺田屋)。 #桃崎有一郎 #京都 #武士が造った戦乱の都 #文春新書 #平家 #平清盛 #坂本龍馬 #寺田屋 #船宿 #天皇
December 1, 2025 at 9:24 PM
先ほど京都・東京方面の旅行から戻りました。京都ではまず伏見へ。月桂冠、黄桜といった酒造がある有名な酒どころですが、寺田屋(写真)という船宿があり坂本龍馬と縁が深いスポットです。女将のお登勢は龍馬の他多く志士を助けたことで知られています。中に入るとほぼ当時のまま残っていて感激しました。
近くにはかつて土佐藩邸や伏見奉行所(写真)がありました。龍馬は明治維新をみることなく亡くなりますが、戊辰戦争(鳥羽・伏見の戦い)の際は幕府軍は伏見奉行所に本陣を置き、薩摩や長州の軍と戦いました。そういった時代の息吹を感じ取ることができました。 #京都 #伏見 #伏見奉行所 #坂本龍馬 #戊辰戦争 #月桂冠 #黄桜
December 1, 2025 at 11:11 AM
松葉一清『集合住宅ー20世紀のユートピア』(ちくま新書)を読み終えました。20世紀前半にかけて庶民にも快適な生活を行き渡らせようと、世界各地で集合住宅が作られました。本書はウィーン、パリ、フランクフルト、日本などの跡地を訪ねたルポです。
アムステルダムでは『アンネの日記』で知られるアンネ・フランク一家がナチスドイツから逃れて「アムステルダム南」という集合住宅に暮らしました。アンネはナチスに捕らえられ亡くなりました。現在近くにはアンネ像が建っています。ヨーロッパの集合住宅の多くが現存しているのに対し、日本の「同潤会アパート」がすべてなくなったのは残念です。 #松葉一清 #集合住宅 #アンネの日記
November 26, 2025 at 6:17 PM
水俣駅から歩いて10分余り、徳富蘇峰・蘆花の生家(写真)があります。徳富蘇峰は明治から昭和にかけて活躍したジャーナリスト、蘆花は蘇峰の弟で『不如帰(ほととぎす)』で名を馳せた小説家です。
谷川健一も水俣の生まれです。東大卒業後平凡社に入社し、雑誌『太陽』の創刊編集長として辣腕を振るい、『風土記日本』などの著作を残し、地名研究を中心に民俗学者としても活躍しました。健一の弟谷川雁は詩人・評論家として有名です。サークル村という炭鉱労働者の文学運動を展開。その運動に参加したのが水俣病の悲劇を文学で表現した石牟礼道子でした。 #徳富蘇峰 #水俣 #徳富蘆花 #谷川健一 #谷川雁 #石牟礼道子 #水俣病
November 26, 2025 at 5:48 AM
川田稔『永田鉄山の総力戦』(文春新書)を読み終えました。昭和時代前期陸軍をリードした戦略家・永田鉄山が提唱した国家総動員体制を検証した、とても興味深い論考です。永田は統制派でしたが、陸軍内部での皇道派との対立、満州事変(1931年)や美濃部達吉による天皇機関説との激突など、当時の時代背景を生き生きと紹介しています。
国民が一丸になって戦争に突入してゆく昭和時代前期の世相が、よくわかりました。本書を読んで、二度とこういうことがあってはならない、と改めて思いました。名著です。 #川田稔 #永田鉄山の総力戦 #文春新書 #昭和時代 #統制派 #皇道派 #陸軍 #満州事変 #美濃部達吉 #天皇機関説
November 25, 2025 at 9:10 PM
水俣は熊本県の南端、鹿児島との県境にあり、元々、風光明媚な土地です。リアス式海岸が続く不知火海に臨み、日本の棚田百選に選ばれた久木野地区や7つの滝が点在する湯出川流域など山の景観が美しい街です。水俣病によるマイナスイメージを取り除こうと、観光客確保に努めています。
水俣病資料館(写真)は水俣病の歴史と現状を伝えるとともに、貴重な資料が散逸しないようにと1994年1月にオープンしました。受付の近くにシアタールームがあり、水俣病の歴史を伝えるビデオを観ました。漁業と共に生きていた水俣の人々がどのように苦しんできて、今も苦しんでいるか、よくわかる内容でした。 #水俣 #熊本県 #水俣病 #不知火海
November 25, 2025 at 5:47 AM
三枝暁子『日本中世の民衆世界ー西京神人の千年』(岩波新書)を読み終えました。京都にある北野天満宮は大宰府に流されて亡くなった菅原道真を祭神とする神社です。11世紀以降平安京がある西京には「神人」と呼ばれる商工業者が住んでいました。
本書は西京に住んでいた神人の千年の歴史を振り返る試みで、現代まで京都に脈々と受け継がれている人々の息遣いが伝わってきます。中世という時代を生き生きと伝えている名著だと思います(写真は京都にある東寺)。 #三枝暁子 #日本中世の民衆世界 #西京神人の千年 #岩波新書 #京都 #北野天満宮 #菅原道真 #平安京 #大宰府
November 24, 2025 at 9:19 PM