眠るように、水に体を横たえていた。
その背中では、たくさんの枯死木が龍になって、風に向かって叫んでいた。
ツバキの実は赤く実り、「龍と詩人」のなかで龍が吐く、赤い小さな珠のようだった。
セミが鳴き、波音が響き、岬は確かに、絶えず歌っているようだった。
宮澤賢治の作品の多くは、韻を意識している。
自然界に響く多くの音は、くり返すもので、韻を踏んでいると言える。
だからこそ賢治は、ただひとつだけ鳴る音にも、注意深く耳を澄ますのだろう。
自然を歩かずに、その作品を理解することは、ほとんど不可能に思われる。
#宮澤賢治
#生誕日
#龍と詩人
#水と陸の境
(知らなかったら、ごめんなさい)
(知らなかったら、ごめんなさい)