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主に読んだ本の感想を書きます。本は古めのものを中心に年間300冊くらい。その他クラシック音楽、ノベルゲームのことを書くことも。プロテスタントのクリスチャン。山口県下関市出身、北海道札幌市在住。気軽に絡んでください。

ノベルゲームレビューブログ http://nagisanet.blog.fc2.com/
Youtube https://www.youtube.com/@nagisapiano
松本清張「時間の習俗」読了。今年234冊目。「点と線」に登場した三原&鳥飼のコンビが再登場する。

神奈川県の相模湖畔で、交通業界紙を発行している会社の社長が死体で見つかった。容疑者ではあるが、動機もなければアリバイも完璧なタクシー会社の専務、峰岡。しかし三原警部補は、峰岡の「完璧すぎる」アリバイに不審を抱く。鮎川哲也とは違った味わいのアリバイ崩しミステリー。

「点と線」に比べると、ミステリーとしては少し弱さを感じるし、特に犯人の動機が後付けで、人間ドラマとしての魅力はいまいちだと思った。しかし三原と鳥飼が協力し、少しずつ真相に迫る面白さは十分味わえ、昭和の警察小説の面白さを堪能できる佳作。
November 17, 2025 at 1:07 PM
それと、Xの仕様変更で私が一番理解できないのは、「自分をブロックしている人の投稿も、表示されるようになった」こと。

自分をブロックしている人のアカウントにマウスカーソルを載せると、プロフィールが表示されないので、ブロックされていることがすぐに分かります。関わったことが一度もない人にブロックされていると、こちらも良い気持ちはしません。

わたし自身は、ブロックは無用なトラブルを生む危険もあるので、ミュートで済ませています。ブロックしても相手に表示されるのでは、単に相手に悪い印象を与えるだけで、何のメリットもありませんから。
November 17, 2025 at 12:59 PM
私は、TwitterがXになつ、一層「炎上SNS化」が加速してきたように思います。インプレッションが可視化されたのも大きいですが(なのでインプレッション稼ぎの炎上投稿が増えた印象)、「ツイート」が「ポスト」に変わったのも、一因ではないかと。

なんとなれば、「Tweet」とは「(鳥の)囀り」です。囀りなら、別に誰に届かなくても、好きなことを書いていればいいのです。が「Post」は「投稿」。つまり相手があることであり、「無差別拡散を前提にした、メディア的文章」化が、ますます進んだように感じます。

そしてインプレッション可視化により、投稿の数字が投稿者の評価に直結する。息苦しくなったものです。
November 17, 2025 at 12:51 PM
予報通り、午後6時頃から雪が降ってきました。

雪が降ると、いよいよチャイコフスキーの季節。大好きなヴァイオリン協奏曲ニ長調を聴きます。この曲は、昔からハイフェッツ&ライナーによる演奏が有名ですが、私にはこの演奏はちょっと味気なく感じ、好みではありません。なので諏訪内晶子とアシュケナージの演奏で。

実演を聞いた時、聴衆が第1楽章が終わった時点で拍手してしまい、若いロシアのヴァイオリニストが、それ以降やる気をなくしたのを今でも覚えています(笑)。

指揮者の小林研一郎は、後半のベートーヴェンの前に「拍手は全楽章終わってから」とお願いしてました。
youtu.be/fh0LaDWI2LA?...
Tchaikovsky: Violin Concerto in D major, Op.35/Akiko Suwanai/Czech Philharmonic Orchestra/Ashkenazy
YouTube video by LB MK
youtu.be
November 17, 2025 at 10:16 AM
さあ、夜は久々に編曲をやりましょう。明日は作曲もしたい。

私は、物語を作るのももちろん好きですし、本を読んで感想を書くのも好きなのですが、曲想を色々と考えたり、自分なりに編曲のアイディアを練っている時が、やはり一番楽しいのです。

「創作」というと、主に物語制作(ゲーム、小説)で、入っても絵まで。音楽制作はなかなか入れてもらえないのですが(笑)、私にとっての創作は、やはり音楽です。
November 16, 2025 at 8:36 AM
昨日の仕事後、いつものように地下鉄駅そばのスーパーで買い物をして帰ろうと思っていたら、なんと昨日に限って営業が午後6時で終了(改装工事のため?)。

仕方ないので、近くの個人経営の八百屋などで買い物をした。古き佳き時代の雰囲気が久々に味わえ、たまにはそういう店で買うのも悪くないなと思いました。スーパーよりもお買い得なものが多いですし。

八百屋でも魚屋でも肉屋でも、そういう地域のお店は、地域住民が大事に育てたいですね。面倒だからとスーパーで済ませていたら、駅前にはイオンしかなくなってしまいますから。
November 15, 2025 at 11:48 PM
「TGF10の感想のない作品を読もうプロジェクト」、今日3本目は「ギャルのショウブテ!月光」。将棋大好きな女子高生、麗がプロ棋士を目指す青春コメディの完結編。

1作目と2作目は読了済みです。果たして、麗はプロ棋士になれるのでしょうか(なお麗は今奨励会初段。かなりの実力ですね)。
November 14, 2025 at 1:09 PM
今日はもう1本、TGFの作品をプレイ。この作品にも感想がついていません。「夢、夢のあと」です。30分くらいで読めるようです。名作「うたいびと」の方ですね。

「うたいびと」はもっと話題になって良い素晴らしい物語ですし、この方は短編の切れ味も素晴らしいので、この作品にも期待です。
November 14, 2025 at 9:35 AM
読書がいち段落したので、TGF参加作の中から、感想がついていない作品を探し、これをプレイ開始。「読み解く者たち」。「盗まれた冬」「東雲に霞む」の方ですね。卓越した描写力を持つ作者さんなので、楽しみです。

なお私は作品をプレイしようとするとき、作者さんのTwitterアカウントに飛び、もしブロックされていたらプレイを取りやめます。ブロックするということは、「お前になんかプレイしてほしくねーよ」ということでしょう。無理にプレイしたところで、どちらも幸せになれませんからね。
November 14, 2025 at 4:58 AM
ゴーゴリ「狂人日記 他二篇」読了。今年233冊目。「ネフスキイ大通り」「肖像画」「狂人日記」の短・中編三作を収めている。どれもロシア文学らしく描写が込み入っているのだが、大変面白かった。

どの作品も、「幻想に逃げた人物が、現実に潰される」様子を書いており、ユーモアと悲劇のコントラストが味わえる点でも共通しているが、味わいは三作それぞれに異なる。特に「肖像画」における、チャルトコフの「貧乏→成功→狂気→破滅」というグラデーション描写には圧倒された。

ロシア文学としてはかなり読みやすい部類に入るため、いきなりトルストイやドストエフスキーはハードルが高いという人は、この辺りから手を出してみては。
November 14, 2025 at 2:25 AM
森絵都「架空の球を追う」読了。今年232冊目。表題作を含む11篇を収める短編集。舞台も設定も色々で(外国が舞台の物語も)、変化に富んだ物語を楽しめる。

表題作「架空の球を追う」は、小学生の野球チームの監督が、選手たちを指導する話。ユーモラスな中に温かみがあった。「銀座か、あるいは新宿か」は、道民からすると「知るか」という感じ(笑)。都会の女たちのかまびすしさと侘しさが感じられ、現代のサガン風味?

「ハチの巣退治」は、星新一を思わせる皮肉なコメディ。最後の「彼らが失ったものと失わなかったもの」は、ささやかな日常ドラマながら、読後に強い余韻が感じられ、ラストを締めくくるにふさわしい作品だった。
November 12, 2025 at 12:01 PM
政治や熊問題など何でもそうですが、「自分が絶対に正しいと信じ、それ故自分と反対意見の人は攻撃しても良いと思い込んでいる人」は、意見の如何を問わず絶対に関わり合いになりたくありません。宗教戦争を見ればわかるように、人間「自分に正義がある」と思った時が一番危険なんです。

私は、自分と正反対の意見には、同じ立体を反対方向から見ているのにも似て、むしろ自分には見えていない真実の一端があるのでは、とすら思います。

無論、反対意見を無条件で受け入れたりはしませんが(クリスチャンの私に、無神論を受け入れろといわれても、それは承服しかねる)、そういう視点を持つことで、視野がより広がるのではないでしょうか?
November 12, 2025 at 11:05 AM
日本ではヨドバシカメラの歌、あるいは「ともだち讃歌」として知られている曲は、元は南北戦争の時の軍歌であり(それの元になった旋律も、元々讃美歌だったと言われる)、後に讃美歌となりました。

日本の教会でこれを採用しているところは少ないですが、救世軍歌集に「こははらからを」として入っています。

「こは同胞(はらから)を滅びより 救わんためのいくさなり
 引くな進めよ救世軍 進め進め」

という歌詞が、完全に軍歌です(救世軍では、讃美歌を「軍歌」と言います)。名取裕子主演の映画「吉原炎上」で、救世軍がこの歌を歌いながら吉原(遊郭)を行進しています。
youtu.be/_Ic4w_UEpCQ?...
Mine Eyes Have Seen the Glory (Battle Hymn of the Republic - 4vv) [with lyrics for congregations]
YouTube video by Chet Valley Churches
youtu.be
November 11, 2025 at 1:12 PM
太宰治「惜別」読了。今年231冊目。「右大臣実朝」と「惜別」の2本を収める。どちらも、長編に入れて良いほどの長さ。

「右大臣実朝」は、鎌倉幕府の第3代将軍源実朝の生涯を、彼の部下であるとある武将の一人称で語る歴史小説。文章が「プルーストか!」と思えるほど長く(1ページの半分近く続く文章が頻出する)、現代文で書かれているはずのに、古文の物語を読んでいるかのような錯覚を覚えた。

「惜別」は、中国(清国)を代表する文豪、魯迅が文学を志すまでを、彼の仙台医専(現在の東北大学医学部)時代の友人の手記という形式で綴った物語。大変面白かった。私が読んだ太宰の物語の中では「津軽」と並んで、最も好きかも。
November 9, 2025 at 11:08 AM
ハクスリー「すばらしい新世界」読了。今年230冊目。ディストピアSFの歴史的傑作。赤ん坊が完全管理のもと「生産」されるようになり、生まれてくる人間の役割も最初から決められ、全ての苦しみがなくなった(ように見える)、一見楽園のような未来の物語。

全編ブラックユーモアに満ち溢れており、何度も笑えた。登場する世界を、登場人物が本気で「すばらしい新世界」だと思っている様子が、とにかく滑稽。

滑稽なだけでなく笑った後に怖くなる。後半に登場するジョンは「無駄こそが人間だ。見かけの幸福じゃなく、不幸をこそ人間は求めるべきだ!」と叫ぶ。そんな言葉を、登場人物たちは最後まで理解できないのが、また皮肉っぽい。
November 9, 2025 at 4:56 AM
川上弘美「古道具 中野商店」読了。今年229冊目。ちょっと変わった店主、中野さんが経営する古道具店で働くヒトミとタケオ。よく店にやってくる中野さんの姉、マサヨ。この4人を軸にした、等身大で不器用な人間ドラマ。

文章は女性作家らしい柔らかみを感じさせてくれる。心情描写も決して大袈裟にならず、ほのかな動きを行間で読ませるタイプの、慎みがある表現が多数見られ、じっくり読むと実に佳い。

恋愛ものとして見た場合は、ちょっと味が弱いような気もする。だが情熱的な恋があるのと同様、今作のような「虚空に揺蕩うような恋」があってもいい。そんな、日常の中にさざめく波で、登場人物の心が揺れる物語を楽しめる。
November 9, 2025 at 4:51 AM
制作中の、長編マルチシナリオノベルゲーム「ARISA - Echoes of Memory」。シナリオが1205KB(文字数60万文字)まで来ました。もうすぐ書き上がります。

北海道の架空の街(モデルは小樽)を舞台に、大学生の青年が、恋愛支援AI「ARISA」の助けを借りて、恋を成就させる恋愛物語です。ここまでシナリオを書いておいてなんですが、完成する気があまりしません(笑)。

今回は立ち絵を。AIで作りましたが、あくまで「暫定版」です。ここまでたどり着くのに、100時間くらいかかっている気がします(笑)。 #スーパーゲ制デー
November 8, 2025 at 10:13 AM
米澤穂信「巴里マカロンの謎」読了。今年228冊目。謎解きが得意な高校生小鳩常悟朗と、甘いものが大好きな小山内ゆきが、今回もちょっとした謎に挑む。短編4つ。表題はエラリイ・クイーンの国名シリーズのもじりなのだろう。

「伯林あげぱんの謎」は、雑誌の犯人当て企画のために書かれたものらしい。犯人はすぐに分かってしまったが、なかなか面白い構成の短編で、犯人に辿り着くロジックに無理がないため、先に犯人が分かった状態で読んでも、十分楽しめた。

そしてミステリーに文明の利器を持ち込むのは合わないなと、改めて感じた。今後もしかしたら、AIが絡むミステリーが書かれるかも知れないが、私は楽しめる気がしない。
November 6, 2025 at 1:05 AM
辻村深月「太陽の坐る場所」読了。今年227冊目。高校時代のクラス会で、元同級生で人気女優のキョウコのことが話題になったのをきっかけに、蘇る過去、掘り起こされる人間模様。20代の男女の人間関係が織りなす群像劇。

様々な人物にスポットが当たることで、徐々に過去の事件や人間関係、そこから派生する現在の事実が判明する構成は、面白いと思った。そして今作にはちょっとしたミステリー要素がある。

ここを面白いと思うかどうかは人によると思う。面白いと言えば面白いが、そのため描写が煩雑になって、物語を非常に把握しにくくなっているのも事実。個人的には、単に20代男女の群像劇でも、十分に水準以上の物語だと感じた。
November 6, 2025 at 1:02 AM
私はずっと、ChromeベースのVivaldiというwebブラウザーを使っていたのですが、多機能すぎて重いので、思い切って久々にFirefoxに乗り換えました。

以前よりも今風になって、AIを使ったページ要約機能などもあり、かなり便利。何より動作が軽い。私はアドオンとして、マウスジェスチャーの「Gesturef」と、広告ブロックの「uBlock Origin」を入れました。

この「uBlock Origin」の機能が凄く、TwitterやFacwebookの広告投稿が、ほぼ完全に消えて超快適。SNSの広告が煩わしいという方は、Firefox+uBlock Originをお試しあれ。
October 31, 2025 at 1:08 PM
ベルリオーズ「幻想交響曲」op.14。美しいファンタジーの世界を表現した曲……では全然なく、美しい女性に出会い、舞踏会で彼女と再会し、田園で彼女を思い、夢の中で彼女を殺してギロチン送りにされ、最後は地獄のお化けが変な踊りを踊ると言う、奇怪千万な曲。

でも、そんな訳の分からない物語を知らずに聴く方が楽しめるかも知れません。大変な名曲です。聴くとその異常な感性にやられてしまうのですが、時々聴きたくなってしまうという、不思議な魅力があります。

シャルル・ミュンシュとオットー・クレンペラーが昔から名盤として知られていますが、私の好みはクレンペラー。
youtu.be/T7G4sy--eWc?...
Berlioz:Symphonie Fantastique:Klemperer/Philharmonia O '63:High quality sound version
YouTube video by akitsuakane
youtu.be
October 30, 2025 at 10:29 AM
もう1本、カードマジックの動画。一番の見どころは、私の妻のカードの扱いかも知れません(シャッフルがなかなか上手い)。J.K. ハートマンの、「Pair Faced」というカードマジックです。これもどの本で覚えたのか、もう全然覚えていないのですが。

でも、これ、改めて自分で見ても、結構不思議に感じます。タネはどうなってるんだっけ(笑)。
October 29, 2025 at 1:42 PM
昔撮った手品動画でも。アレン・ラングの「Prelude」というカードマジックです。どの本で覚えたのか、もう忘れてしまいましたが(私の本棚の中のどこかにあるはず)。私の妻が、手だけ登場します。

今自分で見てみても、これはなかなか面白いマジックだなと思います。
October 29, 2025 at 1:31 PM
小川糸「にじいろガーデン」読了。今年226冊目。30代で夫との離婚に悩む泉は、ある日息子の草介と共に駅のプラットフォームにいたところ、自殺しようとしていた女子高生の千代子を止める。やがて三人は山奥の町に移住することに。

レズビアンの二人を中心に描かれた家族の物語。家族のドラマとしてはありだと思う。ただ恋愛ものとしては、女同士であるだけに衝突が生々しい。また共感できるポイントがなく、私は残念ながら楽しみきれなかった。

今作が訴えようとしているテーマ自体は、決して押し付けがましくないし(この手の物語が押し付けがましくなると、途中で付き合い切れなくなるので)、こういう物語があっても良いとは思う。
October 29, 2025 at 10:03 AM
三浦綾子「青い棘」読了。今年225冊目。医大で歴史を教える邦越康郎は、嫁(息子の妻)の夕起子に複雑な思いを抱いていた。戦時中に亡くした前の妻、緋紗子に声などの雰囲気が似ていたのだ。夕起子の方でも、康郎に憧れに近い感情を持っていた。

康郎と夕起子の、微妙な距離感が非常に上手い。また、康郎の娘であるなぎさのちょっとした変化、彼女の夫である兼介とのずれ具合の描写も、抑制が効いた中に生々しさを感じさせて印象的。

読後感はすっきりしており、大傑作とまでは思わないが、安心して読める長編小説。キリスト教要素が強い三浦の作品(「塩狩峠」「氷点」など)に抵抗があれば、この辺りから手を出すのも悪くないのでは。
October 29, 2025 at 10:00 AM