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『颶風の王』河﨑秋子、角川書店読了。おはようございます。

訳あって東北の山を逃走中、雪崩に巻き込まれ雪洞に閉じ込められた妊婦。最終的にはお供の愛馬を喰らって救助までの日々を生き延びて子を産んだ……その赤子はやがて開拓民募集に惹かれて北海道の根室へ、馬を生業に暮らしつつみずからの家族を築き孫、そのまた孫へと受け継がれる馬との関係。

ある日不慮の事故で愛馬たちが孤島に取り残されてしまう……圧倒的な自然には人の力など及ばない……という弩級スケールのお話。

序盤の妊婦が馬を喰らうシーン、現場を見ていたの??と勘違いするほどの筆致です。

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December 15, 2025 at 9:19 PM
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ジョーダン・ピール編『どこかで叫びが』フィルムアート社

今をときめく黒人作家19人が寄せた傑作ホラー短編集。
奴隷制、公民権運動など歴史を色濃く反映した作品から、土地の精霊、ヴードゥーの魔術など超常現象ホラー、人怖系、エイリアンが登場するSF的なものまで幅広く収録されてる。
ホラーでなくても、面白い短編集探しているなら是非手にとってご一読を!

自分の心身の安全を確保した上で恐怖と戯れるホラーの醍醐味を存分に味わえて超満足。
トニ・モリスンの『ビラヴド』やマット・ラフの『ラヴクラフト・カントリー』が好きな人なら、なおのことお勧め。

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どこかで叫びが
ニュー・ブラック・ホラー作品集
www.filmart.co.jp
December 15, 2025 at 12:45 PM
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『100万分の1回のねこ』読了。
1977年刊行の佐野洋子の絵本『100万回生きたねこ』に捧げる13の短編集。年代や作風のバラバラな作家さんたちの作品はなかなか面白かった。
初めて読む作家さんに触れたいい機会、『100万回~』の素晴らしさ感じる。
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December 15, 2025 at 10:13 AM
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アレステア・レナルズ/ 中原尚哉訳『反転領域』(創元SF文庫) 読了

19世紀の船による探検もので、「大建築物」が見つかったらそこが宇宙への入り口だったとかそういう話を予想していたら、まったく意表をつかれる展開だった。おもしろかったが、もうちょっと「大建築物」について、デュパンが考えついた「解」について知りたかったな。

finished reading "Eversion" by Alastair Reynolds 💙📚

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December 15, 2025 at 6:56 AM
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『AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて』 川野芽生 www.reads.jp/posts/666454 #Reads
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りなっこ "AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて" on 2025年12月15日 - Reads
AはアセクシュアルのA 「恋愛」から遠く離れて "
www.reads.jp
December 15, 2025 at 5:49 AM
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満願 #米澤穂信
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その犯行には、人生よりも深い謎がある
(帯より)
#読了 #罪本 📚💙 @libro.bsky.social
December 14, 2025 at 8:54 AM
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高田大介『エディシオン・クリティーク』読んだ。
books.bunshun.jp/ud/book/num/...
ちょうどいいサイズの連作短編。
これまでの著者の本の中で、この本がいちばん気楽に読める。
最初に読むのはこれがいいかも。
しかし、ラブコメになるとは思わなかった。

なお、第一話に登場する“欧州によくある『悪魔の橋』の逸話”の一例の本を作った身としては便乗したい。
絵本で広がる世界文学 ジェイムズ・ジョイス作『猫と悪魔』。悪魔と橋についての解説もあります!

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『エディシオン・クリティーク』高田大介 | 単行本 - 文藝春秋
「図書館の魔女」著者の知的探索ミステリー 失われたテクストの復元に勤しむ文献学者・嵯峨野修理解読すべきは、世界最高峰の奇書か、元妻の揺れ動く心か?『エディシオン・クリティーク』高田大介
books.bunshun.jp
December 13, 2025 at 12:32 PM
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『肉は美し』、やはりおもしろそうだな(土曜の朝刊の書評を読んで)

他に読書欄の下の広告欄に出てた『パレスチナ実験場』(アントニー・ローウェンスティン 新潮社)も興味をひかれる

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海外文学
December 13, 2025 at 12:15 AM
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マリオ・バルガス・リョサ『楽園への道』河出書房新社

妻子を、仕事を捨てタヒチに旅立ったものの、生前は売れなかった画家ゴーギャン。
その祖母で女性が労働力として頭数に入らない時代に、世の貧困を撲滅するため男女同権の労働組合を結成しようとしたバリバリの社会運動家フローレンス。
最先端を行き過ぎて社会と真正面から戦わざるを得なかった二人の奮闘ぶりを交互に描いた、読むのすっごく疲れる、でも止められない激しすぎる作品。

稀有な才能を発揮する人っていうのは得して当の本人も大変なんだなぁって思わざるを得ない。骨太な小説を読みたいときにお勧め。

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楽園への道 :マリオ・バルガス=リョサ,田村 さと子|河出書房新社
楽園への道 ゴーギャンとその祖母で革命家のフローラ・トリスタン。飽くことなく自由への道を求め続けた二人の反逆者の激動の生涯を、異なる時空を見事につなぎながら壮大な物語として描いたノーベル賞作家の代表作。
www.kawade.co.jp
December 12, 2025 at 12:15 PM
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モーム『月と六ペンス』光文社

時は19世紀、英国にて金融会社に務め、妻子もちの平凡な男がいた。ところがある日、妻子を捨ててパリに、その数年後なんとタヒチにまで出奔してしまう。それはなぜか?
ひょんなことから男と知り合った語り手は男から理由を聞き出すことに成功する。男は画家になりたったのだ_。

天才画家を巡る小説ってイメージだったけど、読んでみると語り手こそが主役だった。
自分が絶対に到達出来ない「天才」への羨望と、でも自分の方が真っ当だしっていう卑屈さもあって。その塩梅がすごく上手い。平凡であるが故に魅力的な語り手の創出をやってのけたモーム凄い!

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月と六ペンス - 光文社古典新訳文庫
創造の悪魔に憑かれ、すべてを捨てた天才画家の数奇な生涯。作家の「私」が情熱の謎に迫る。
www.kotensinyaku.jp
December 12, 2025 at 12:02 PM
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シェイクスピア/松岡和子訳『マクベス』を再々読した。

マクベスの苦悩が痛ましくて、自分でも意外だった。抱いてはいけない野望に憑かれたマクベスとマクベス夫人(シェイクスピア作品の主要な登場人物中、名前がないのはマクベス夫人ただ一人)、まだ迷いのあった弱気な夫を焚きつけたのは妻なのに、次第に良心の呵責に苛まれていく妻を置き去りにする夫…という立場の逆転は、距離感の近過ぎる夫婦ならではのように思える。
片翼を失ったマクベスは悲痛を誰にも見せないけれど、その先には失墜しかない。
#海外文学 @libro.bsky.social
December 12, 2025 at 4:35 AM
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皆川博子『昨日の肉は今日の豆』を読んだ。

首を長くして待っていたけれど、これだけ纏まった作品集として手にすることが出来、本当に嬉しいし有難い。既読の作品も多い中、ただ美しいのではなく底知れぬ怖ろしさの滲む幻想、ますます凄みを増す老いの描写、戦争許すまじ…の筆致に、畏敬と感嘆が胸に溢れる。

とりわけお気に入りは、「壜の中」や「夏を病む」「ララバイ」「『希望』」、表題作(タイトルが秀逸)など…。「人形の家」に出てくる人形の写真が『ゆめこ縮緬』の表紙に使われたものにそっくりで、とても好きな忘れがたい話になった。
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December 11, 2025 at 10:10 AM
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なかなか読書できていない師走。先週は『北京の台所、東京の台所 中国の母から学んだ知恵と暮らし』ウー・ウェン、ちくま文庫を読了。食にまつわる思い出とともに自身のライフヒストリーを綴った本。

小学生時代がモロに文革の時代と被った著者。インタビューなどでたまに前時代的発言をされることがあるなあとやや遠巻きに見ていたのですが、そのお育ちを思えば至極納得だなと感じました。

北京の食にまつわる話も盛りだくさんで素敵な一冊。中国の人は生卵にうへー!って思うんですね👀わかる!私も生は無理です🥚
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December 10, 2025 at 10:03 PM
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「イラストで出会う 女性たちのいる美術史」を読んだ。各家庭、各教室に一冊置いてほしいくらい良い本だった。

知っている男性芸術家の名前がたくさん出てきて、私はこれまでたくさんの女性芸術家の脇を素通りしてきたに違いないと思った。
どうして彼らのことは知っているのに彼女たちのことは知らなかったんだろう。
この差を「隠されてきた/無視されてきた」と表現しないならばなんと呼ぶのだろう。
去年北斎ミュージアムに行ったけど、娘について言及されていた記憶はない。葛飾応為も小布施に住んでいたのかな。
December 10, 2025 at 1:27 PM
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クローディ・ウンジンガー『食卓にきた犬』読了。
まるで詩のような文章。分かりやすいというのではないけど身近な言葉。
人里離れた自然の中で暮らす2人と1匹の物語の底に流れる静かな老い。イエスにもう一度会いたい。
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December 10, 2025 at 11:31 AM
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若き詩人への手紙 若き女性への手紙 #読了

- 孤独であることはいいことです。というのは、孤独は困難だからです。ある事が困難だということは、一層それをなす理由であらねばなりません。

- つまり生は、のちに起こるどのような貧困化に対しても、その尺度を凌駕してしまっている富によって、とっくにその先を越しているということです。

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December 10, 2025 at 3:19 AM
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ベラスケスの女王、スルバランの僧たち…と、スペインの悲愴に共鳴していく思索もまた回り道をしている。
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December 9, 2025 at 8:18 AM
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サラ・ピンスカー/ 市田泉訳『いつかどこかにあった場所』(竹書房) 読了

バラエティ豊かな短編集。その中にも正しいと思うことは正しいと主張する人たちが登場する作品がわりとあって、柔らかな筆致の中に凛とした印象を残す。特に印象的だったのは「宮廷魔術師」「今日はすべてが休業してる」。ピンスカーあディストピアものの長編を読んでみたい気がする。

finished reading “Lost Places” by Sarah Pinsker 💙📚

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海外文学
December 9, 2025 at 8:16 AM
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セース・ノーテボーム/𠮷用宣二訳『サンティアゴへの回り道』を再読した。

素晴らしい読み応え。オランダの作家の旅行記。旅人曰く、私はスペインに身を捧げた——よかれ悪しかれ。
10年前から何度もサンティアゴへ赴きながら、それについて書かなかった故にそこにいなかったという“私”の旅は、スペインの魂のうちへ入りこもうとして、横道の横道…へと誘われては内省を深めていく長い旅路となる。すべての風景、憧れに対する回答。

イスラム王朝の支配、レコンキスタの結果(どのようなイスラムがスペインに留まったのか)、スペイン・ハプスブルクの没落、(続く)
#海外文学 @libro.bsky.social
December 9, 2025 at 8:18 AM
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藤井恵『ちくわファンクラブ』誠文堂新光社

一冊丸ごとちくわを使った料理で構成されたレシピ本。だけれども、ちくわの種類、タの練り物との比較などちくわについての情報もたっぷり。
動物性タンパク質が豊富なちくわの持つポテンシャルを見逃すな!

表紙が反則的にいい。普段そんなに料理本て読まないんだけどもこれには負けた。ちくわファンクラブって響きが良いのよ。

磯辺揚げや、きゅうりとちくわっていう定番からヤンニョムチキン風から唐揚げ風までと「よくこんだけ考えるなぁ」っ感心半分、呆れ半分になるほどちくわ料理が繚乱してる。
作者のちくわ愛が伝わってくるね。

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ちくわファンクラブ | 株式会社誠文堂新光社
ちくわファンクラブへようこそ。昔からなじみがあり、とても身近にある食材ですが、こんなに便利な食材は他にありません。
www.seibundo-shinkosha.net
December 6, 2025 at 11:45 AM
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『ファンキー中国』読んだ。
音楽家や映画祭主催者、祭祀採音者、研究者などが集まり、自身の体験した「中国」をそれぞれが思う存分に綴ったエッセイ集。
本書は中国に滞在してたのしかった思い出が基本なので、しあわせな気持ちで読んだ。
なのでもう少しリサーチしておけば、宗荘に行けたかもしれなかったと後悔したり、 『自由・平等・豆腐』のタイトルにほれぼれしたり、濱田麻矢さんと『南京路に花吹雪』の話をまじえつつ張愛玲の講義を聞き、クラフトビールを飲みたい。 2010年が最後の中国旅行だった。いつかまた。
www.hanmoto.com/bd/isbn/9784...

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ファンキー中国 井口 淳子(編著) - 灯光舎
在庫あり 価格:2300円+税 音楽、クラフトビール、TikTok、豆腐屋、祭祀、ロックフェスに伝統劇―― 多彩な書き手が一堂に会し、それぞれの視点と切り口で描く、ファンキーな中国体験記! 音楽家… - 引用:版元ドットコム
www.hanmoto.com
December 5, 2025 at 1:59 PM
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角悠介『呪文の言語学』作品社

日本で悪いことが起きたら神社仏閣に行くように、呪文を唱える人達がいる国がある。東欧のルーマニアだ。日常生活にお呪いが溶け込んでいるこの国には今もってたくさんの魔女がいる。
 この本は著者が長らく滞在したルーマニアで出会った魔女たちが唱える呪文の秘密を言語学の視点から分析したもの。

呪文を通して知るルーマニアは、生活空間に幽霊や妖怪がいるって当たり前に受け止めて来た日本とちょっと似ている。格式張ってなくて、生活の知恵の結晶って雰囲気なんだよね。
 言語学的な分析も具体的で楽しい一冊。ルーマニア語勉強の息抜きにいいかも?

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呪文の言語学
ルーマニアの魔女に耳をすませて
www.sakuhinsha.com
December 5, 2025 at 11:18 AM