陸瑋妮（ルー・ウェイニー）は台湾・台北出身、2019年に京都市立芸術大学大学院版画専攻修了後、現在京都を拠点に活動しています。日常で撮影した写真をもとに、さまざまな印刷技術と素材を組み合わせることでオリジナルの風景を版画

関西を拠点に活動する写真家・力武拓也が2017～2022年の5年間で撮り溜めた写真を収録した作品集。彼自身の生活の中に広がる風景やオブジェクト等を日常的に観察する行為の中で撮られた断片が、複数の用紙と印刷方法により再提示される。外側から

HERBARIUM：君の森で迷う、記憶と官能の肖像 日常の喧騒から逃れ、どこか遠い場所へ、心の奥底で求めている「安らぎ」と「刺激」が共存する世界。一色さらさんの最新グラビア写真集『HERBARIUM −君の森で迷う−』は、まさにそんな、読む者の魂を静かに揺さぶる「記憶の標本」です。 HERBARIUM（植物標本）というタイトルが示す通り、この作品は、単なる美しい肉体の記録ではありません。それは、一色さらという女性が持つ、瞬間の感情、光と影が戯れる肌の質感、そして深い森の中にひっそりと息づくような「生命の輝き」を、永遠に紙の上に封じ込めたアート作品です。 彼女の眼差しは、時に無垢な少女のように透明で、時にすべてを見透かす大人の女性の官能性を帯びています。それは、私たちが誰しも心の中に秘めている、純粋さと背徳感の境界線を曖昧にするような、複雑な美しさです。 写真集の舞台となるのは、緑深き森や、静謐な光が差し込む部屋。その原風景のような空間の中で、一色さらさんはまるで、秘密の花園に咲く一輪の花のように佇みます。その姿は、私たちを誘惑しているようでいて、同時に、自分自身の内面へと深く迷い込ませる哲学的な問いを投げかけているようにも感じられます。 感想： この写真集を見たとき、私は強烈なデジャヴ（既視感）に襲われました。それは、初めて誰かを深く愛した時の、胸を締め付けるような切なさや、触れることへの強い衝動、そして、その関係がいつか終わってしまうことへの予感にも似た、複雑なエモーショナルな感覚です。彼女のグラビアは、ただ美しいだけでなく、「心の襞」に触れてくる力を持っています。 特に印象的なのは、光と影の使い方の巧みさです。柔らかな自然光が彼女の身体の輪郭を際立たせるとき、それは最も純粋な芸術性を帯びます。しかし、暗闇の中でわずかに露出する肌の白さは、見る者の想像力を掻き立てる、最も深い官能性を呼び覚まします。この両極端な表現が共存している点に、この写真集の比類なき価値があると言えるでしょう。 これは、刹那的な刺激を求めるのではなく、時間をかけて繰り返し、ページをめくるたびに新しい発見と感動をもたらしてくれる、大人のための写真集です。一色さらさんが作り上げたこの「君の森」で迷う体験は、私たち自身の心の奥底にある、忘れていた感情や記憶を呼び起こす、特別な旅となるでしょう。

HERBARIUM：君の森で迷う、記憶と官能の肖像 日常の喧騒から逃れ、どこか遠い場所へ、心の奥底で求めている「安らぎ」と「刺激」が共存する世界。一色さらさんの最新グラビア写真集『HERBARI...

病と向き合いながら写真を撮り続けた霧島市の写真家。やまぐちめぐみさんが、11月8日に亡くなりました。46歳でした。彼女が切り取ったのは、かけがえのない日常の風景。私たちに生きることの素晴らしさを伝えてくれました。

「大久野島 2014-15」から8年、近年撮影した日常や旅先での風景を30枚にまとめた小さな写真集。生活圏から南西諸島を経て基隆まで。コロナ禍数年前から今年までの途切れ途切れの巡礼のような長い散歩の記録の中から自然と編み上がった、眼

ふと、故郷の景色や、幼い頃に見た風景を思い出すことはありませんか。それは、私たち日本人の心の奥底に、深く根ざした「原風景」と呼ぶべきものです。今回ご紹介する『日本の原風景』は、そ...

生活も人も料理も毎日少しずつちがう。その日にしかない偶然があるから、自炊は面白い<br><br&...

ふと、故郷の景色や、幼い頃に見た風景を思い出すことはありませんか。それは、私たち日本人の心の奥底に、深く根ざした「原風景」と呼ぶべきものです。今回ご紹介する『日本の原風景』は、そ...