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ローレンス・ヴァン・デル・ポスト『戦場のメリークリスマス 〔影の獄にて〕映画版』思索社 1983年

会田雄次『アーロン収容所 西洋ヒューマニズムの限界』中央公論新社

ようかんさんが『アーロン〜』をあげていらっしゃったので、英国・日本・捕虜収容所つながりで『影の獄にて』を数10年ぶりに再読した。『影の〜』は、復刊ドットコムから出版されている版のほうが入手しやすい。
この版の『影さす牢格子』『種子と蒔く者』が、映画『戦メリ』の原作となる。
当時は、映画のデヴィッド・ボウイに目が眩んで原作のほうは冷静に読めなかったが、いま読むとなるほどこういう話だったのかと思う。
December 9, 2025 at 4:54 AM
収容所で捕虜達が芝居をしたりして、それぞれが個性をだしていくところが興味深かったです。
日本は帝大卒・帝大生(文系)だろうと一兵として戦場に送り出した、そこが英国と違うところ。
そして、白人とそれ以外。英国女性兵士が日本人捕虜を男性としては見ていない。もっといえば、同じ人間としては見ていない、それはそうだろうと思うが当人にしてみればショックだろうと思う。
以上が私の感想でした。
December 8, 2025 at 4:57 AM
12月っぽい?
December 8, 2025 at 1:39 AM
多和田葉子『エクソフォニー 母語の外へ出る旅』岩波書店

多和田葉子の言葉の秘密を知りたくて読んだ。
多和田葉子は言葉の芸術家だった。
December 7, 2025 at 11:29 PM
荒川洋治『文学は実学である』みすず書房

1992年から2020年までに発表されたエッセイより86編を精選。

I )主に1990年代に書かれたものが収められている、辛辣なものが多いように思う。
II)からは、2020年以降のものが多く、良き文学案内になっている。
新聞や雑誌に掲載されたエッセイで、数ページと短いから次々と読めるが、どれも一旦立ち止まってしみじみしたり、この作品が良いと言っているからこの人の感覚は信用できるなと思ってみたり、挙げられている作品を読んでみたいなと思ってみたりする。
December 7, 2025 at 1:06 AM
ハヤカワ文庫 SF

ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』

ブルース・スターリング『蟬の女王』

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』

トム・ゴドウィン『冷たい方程式』

ロバート・A・ハインライン『夏への扉』

スタニスワフ・レム『ソラリス』
December 6, 2025 at 10:44 AM
オーソン・スコット・カード
『ソングマスター』早川書房
『無伴奏ソナタ』早川書房

数十年ぶりに、O.S.カードの作品を読んでみた。

『無伴奏ソナタ』には11の短編が収められている。短編なので読みやすい。設定はバラエティがあるが意外とその世界に入って行きやすく楽しめた。

『ソングマスター』は、今では入手困難かもしれない。
December 6, 2025 at 7:03 AM
ジョーゼフ・キャンベル
『千の顔をもつ英雄』早川書房

1949年、初版刊行。比較神話学の古典。世界各地の英雄伝説を収集し研究した名著。(解説文から)

#関連本試食会
December 3, 2025 at 12:06 AM
ジル・ボルト・テイラー
『奇跡の脳ー脳科学者の脳が壊れたときー』新潮社

神経解剖学者が37歳のときに脳卒中におそわれた、その記録。

これが1996年の出来事なので、脳科学の研究については多少の古さを感じなくもない。
病状はケース・バイ・ケースなので脳卒中とはこうしたものだとは言えないが、n=1だからこその多少のユーモアを交えたリアリティがある。
そして、研究者だからこそのレポートでもある。
December 1, 2025 at 5:57 AM
朝比奈秋『受け手のいない祈り』新潮社

医師としての経験を元に救急現場の限界状況を描く。70余時間連続勤務する医師の、命と魂の相克を描く。(紹介文から)

数日、睡眠・食事を摂らないときのこの感覚はわかる気がする。なにか悟りをひらいたような、俯瞰して世界を見るような、それでいて感覚は鋭くなる。まあ脳に栄養が届いていないだけだと思いますが。

医療現場の限界状況というより、ひとりの人間がこの状況に追い込まれたときにどう思考していくのかのほうに読みごたえがあった。
December 1, 2025 at 1:15 AM
クロード・レヴィ=ストロース『神話と意味』みすず書房

〈神話と科学〉〈未開と文明〉〈神話と歴史〉〈神話と音楽〉などをテーマに放送された講話を編集。
フランス語でなく英語で話した、彼自身による入門書。(紹介文から)

構造人類学の創始者。
P.20「未開民族」という言葉は不当なので「無文字民族」と言いましょう。
無文字民族の神話と歴史の研究と考察と理解した。
November 29, 2025 at 11:26 PM
多和田葉子『献灯使』講談社

ディストピア文学の傑作(帯紹介文)

この人の文章は、この言葉にはこの言葉が続くだろうということが無い、それでいて読みづらいということが全く無い。それもそのはず、作者は詩人でもある。言葉に非常に敏感なわけだ。とても良い体験をさせて頂いた。

そういえば、家人がハシビロコウの歩き方を見て「膝が後ろに曲がってなんかへん」と言ったので、「あれは踵だと思いますよ」と言っておいた。
November 29, 2025 at 7:06 AM
ありがとうございます🥹

#岸政彦の20分休み
November 26, 2025 at 12:33 AM
ユクスキュル/クリサート『生物から見た世界』岩波書店

1934年に書かれた名著。
まえがき,序章、本文14章からなる。約150ページ。

それぞれがの章が短くトピックも面白いので、思ったより読みやすかった。

P.7「主体が知覚するものはすべてその知覚世界になり、作用するものはすべてその作用世界になる。知覚世界と作用世界が連れだって環世界という一つの完結した全体を作りあげている。」
つまり、環世界とはその主体(人間に限らない)が、意味を与えて構築した世界ということだ。

この本を哲学の人が勧める理由がわかった。
November 25, 2025 at 1:35 AM
『変身・判決・断食芸人』
カフカ 高安国世訳  講談社
『カフカ断片集』
カフカ 頭木弘樹 編訳 新潮社
『カフカ短編集』
カフカ 頭木弘樹 編  新潮社

長いものを読む根気が今はないので短編集を読んでみた。

『変身〜』は、昭和53年版、翻訳者は詩人、現在入手困難のようだ。この版には訳者によって丁寧な解説がなされている。

『変身』の「毒虫」を多和田葉子さんは「ウンゲツィーファー」と訳?している。カフカ自身も虫などの絵は載せないようにと言っていたそうだ。「ウンゲツィーファー」とは具体的な虫などではないのだ、
(続く)
November 24, 2025 at 6:33 AM
魔法辞書カレンダー缶
November 24, 2025 at 4:38 AM
メルヴィン・ブラッグ『英語の冒険』講談社

原著一部抜粋を読むために購入した。
1500年前のゲルマン人の言葉が、どのようにして現在に至ったかの歴史を冒険物語として語った一般書。
November 22, 2025 at 11:29 PM
マーカス・デュ・ソートイ『素数の音楽』新潮社

世紀を超えた難問「リーマン予想」に挑み、素数が奏でる音楽を聴こうとした天才たちの姿を描くノンフィクション。(紹介文から)

600頁と長いが、難問に挑む数学者達の姿を魅力的に描いた一般書(途中途中にさらりと恐ろしい事実が書かれている)。
フェルマーの最終定理と違い、リーマン予想は未解決のまま。
November 22, 2025 at 2:38 PM
共同通信大阪社会部
武田惇志 伊藤亜衣
『ある行旅死亡人の物語』
毎日新聞出版

「名もなき人」の半生を追った、記者たちの執念のルポルタージュ(帯紹介文から)

行旅死亡人という言葉から松本清張の数々の作品を連想する。

P122「一人の死者の人生を丁寧に追うって、本当に大切な仕事だと思いますよ。」これは社会学にも通じる言葉だと思う。
当然だが、ひとりひとりの死者には、それぞれの生きてきた道がある。

(続く)
November 22, 2025 at 3:00 AM
ベアトリス・シェンク・ド・レーニエ『あなただけの ちいさないえ』童話館出版

おかべ りか『よい子への道』福音館書店

『飛ぶ教室』が、4〜5年生からとあった。この年齢の人にはこちらをお勧めしたい。

#翻訳文学試食会 #関連本試食会
November 20, 2025 at 8:32 AM
エーリッヒ・ケストナー『飛ぶ教室』岩波書店
November 18, 2025 at 4:03 AM
カーク・ウォレス・ジョンソン
『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件ーなぜ美しい羽は狙われたのかー』 化学同人

教科書が一段落したので、一気読みした。内容はタイトル通り。8月に文庫化された。

博物館の在り方、美に取り憑かれた人間の傲慢さ。ただ美しい鳥を所有したいという欲望からの犯罪ではなく、もっと歪んだ欲望と妄想からの犯罪のルポルタージュ。
November 16, 2025 at 2:25 PM
テッド・チャン『あなたの人生の物語』早川書房
テッド・チャン『息吹』早川書房

8〜9の短編と、作品ノートを収録。

『あなたの〜』表題作は、ドゥニ・ヴィラヌーヴ監督により邦題『メッセージ』というタイトルで映画化されている。この作品はエイリアンの使用言語表記が時系列によらないというところにキモがある。

『息吹』表題作は、いずれ人類も絶滅する跡形もなく、と思っている私にそれでも良いじゃないかと呼吸を楽にしてくれる作品であった。

2冊ともアイデアが被らない素晴らしい作品群です。
November 14, 2025 at 12:46 AM
Jinさん、物理学には明るい方ですか、もしそうでしたら6番『時間は存在しない』の感想をぜひお聞かせ願えればと思います。
November 13, 2025 at 8:08 AM
そうですねぇ、折角かにかまさんが良さげな短編を紹介してくださっているので、いつかそのタイミングがくれば読むかもです。

ちなみに写真の対談集は卒研の役に立ちました。あと右の絵本もル=グウィンなので読みました。

小川洋子・河合隼雄『生きるとは、自分の物語をつくること』新潮社
河合隼雄・村上春樹『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』新潮社
アーシュラ・K・ル=グウィン 村上春樹=訳『空飛び猫』講談社
November 10, 2025 at 6:56 AM