細胞は転写(コピー)に転写(コピー)を重ねてる、長く生てるとそりゃあ細胞も劣化してくるよねと思うなど……。
細胞は転写(コピー)に転写(コピー)を重ねてる、長く生てるとそりゃあ細胞も劣化してくるよねと思うなど……。
会田雄次『アーロン収容所 西洋ヒューマニズムの限界』中央公論新社
ようかんさんが『アーロン〜』をあげていらっしゃったので、英国・日本・捕虜収容所つながりで『影の獄にて』を数10年ぶりに再読した。『影の〜』は、復刊ドットコムから出版されている版のほうが入手しやすい。
この版の『影さす牢格子』『種子と蒔く者』が、映画『戦メリ』の原作となる。
当時は、映画のデヴィッド・ボウイに目が眩んで原作のほうは冷静に読めなかったが、いま読むとなるほどこういう話だったのかと思う。
会田雄次『アーロン収容所 西洋ヒューマニズムの限界』中央公論新社
ようかんさんが『アーロン〜』をあげていらっしゃったので、英国・日本・捕虜収容所つながりで『影の獄にて』を数10年ぶりに再読した。『影の〜』は、復刊ドットコムから出版されている版のほうが入手しやすい。
この版の『影さす牢格子』『種子と蒔く者』が、映画『戦メリ』の原作となる。
当時は、映画のデヴィッド・ボウイに目が眩んで原作のほうは冷静に読めなかったが、いま読むとなるほどこういう話だったのかと思う。
「しじみさん」が「おときさん」に変わるのはいつだろう
「しじみさん」が「おときさん」に変わるのはいつだろう
多和田葉子の言葉の秘密を知りたくて読んだ。
多和田葉子は言葉の芸術家だった。
多和田葉子の言葉の秘密を知りたくて読んだ。
多和田葉子は言葉の芸術家だった。
1992年から2020年までに発表されたエッセイより86編を精選。
I )主に1990年代に書かれたものが収められている、辛辣なものが多いように思う。
II)からは、2020年以降のものが多く、良き文学案内になっている。
新聞や雑誌に掲載されたエッセイで、数ページと短いから次々と読めるが、どれも一旦立ち止まってしみじみしたり、この作品が良いと言っているからこの人の感覚は信用できるなと思ってみたり、挙げられている作品を読んでみたいなと思ってみたりする。
1992年から2020年までに発表されたエッセイより86編を精選。
I )主に1990年代に書かれたものが収められている、辛辣なものが多いように思う。
II)からは、2020年以降のものが多く、良き文学案内になっている。
新聞や雑誌に掲載されたエッセイで、数ページと短いから次々と読めるが、どれも一旦立ち止まってしみじみしたり、この作品が良いと言っているからこの人の感覚は信用できるなと思ってみたり、挙げられている作品を読んでみたいなと思ってみたりする。
ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』
ブルース・スターリング『蟬の女王』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
トム・ゴドウィン『冷たい方程式』
ロバート・A・ハインライン『夏への扉』
スタニスワフ・レム『ソラリス』
ジョージ・アレック・エフィンジャー『重力が衰えるとき』
ブルース・スターリング『蟬の女王』
フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
ウィリアム・ギブスン『ニューロマンサー』
トム・ゴドウィン『冷たい方程式』
ロバート・A・ハインライン『夏への扉』
スタニスワフ・レム『ソラリス』
『ソングマスター』早川書房
『無伴奏ソナタ』早川書房
数十年ぶりに、O.S.カードの作品を読んでみた。
『無伴奏ソナタ』には11の短編が収められている。短編なので読みやすい。設定はバラエティがあるが意外とその世界に入って行きやすく楽しめた。
『ソングマスター』は、今では入手困難かもしれない。
『ソングマスター』早川書房
『無伴奏ソナタ』早川書房
数十年ぶりに、O.S.カードの作品を読んでみた。
『無伴奏ソナタ』には11の短編が収められている。短編なので読みやすい。設定はバラエティがあるが意外とその世界に入って行きやすく楽しめた。
『ソングマスター』は、今では入手困難かもしれない。
『奇跡の脳ー脳科学者の脳が壊れたときー』新潮社
神経解剖学者が37歳のときに脳卒中におそわれた、その記録。
これが1996年の出来事なので、脳科学の研究については多少の古さを感じなくもない。
病状はケース・バイ・ケースなので脳卒中とはこうしたものだとは言えないが、n=1だからこその多少のユーモアを交えたリアリティがある。
そして、研究者だからこそのレポートでもある。
『奇跡の脳ー脳科学者の脳が壊れたときー』新潮社
神経解剖学者が37歳のときに脳卒中におそわれた、その記録。
これが1996年の出来事なので、脳科学の研究については多少の古さを感じなくもない。
病状はケース・バイ・ケースなので脳卒中とはこうしたものだとは言えないが、n=1だからこその多少のユーモアを交えたリアリティがある。
そして、研究者だからこそのレポートでもある。
医師としての経験を元に救急現場の限界状況を描く。70余時間連続勤務する医師の、命と魂の相克を描く。(紹介文から)
数日、睡眠・食事を摂らないときのこの感覚はわかる気がする。なにか悟りをひらいたような、俯瞰して世界を見るような、それでいて感覚は鋭くなる。まあ脳に栄養が届いていないだけだと思いますが。
医療現場の限界状況というより、ひとりの人間がこの状況に追い込まれたときにどう思考していくのかのほうに読みごたえがあった。
医師としての経験を元に救急現場の限界状況を描く。70余時間連続勤務する医師の、命と魂の相克を描く。(紹介文から)
数日、睡眠・食事を摂らないときのこの感覚はわかる気がする。なにか悟りをひらいたような、俯瞰して世界を見るような、それでいて感覚は鋭くなる。まあ脳に栄養が届いていないだけだと思いますが。
医療現場の限界状況というより、ひとりの人間がこの状況に追い込まれたときにどう思考していくのかのほうに読みごたえがあった。
〈神話と科学〉〈未開と文明〉〈神話と歴史〉〈神話と音楽〉などをテーマに放送された講話を編集。
フランス語でなく英語で話した、彼自身による入門書。(紹介文から)
構造人類学の創始者。
P.20「未開民族」という言葉は不当なので「無文字民族」と言いましょう。
無文字民族の神話と歴史の研究と考察と理解した。
〈神話と科学〉〈未開と文明〉〈神話と歴史〉〈神話と音楽〉などをテーマに放送された講話を編集。
フランス語でなく英語で話した、彼自身による入門書。(紹介文から)
構造人類学の創始者。
P.20「未開民族」という言葉は不当なので「無文字民族」と言いましょう。
無文字民族の神話と歴史の研究と考察と理解した。
ディストピア文学の傑作(帯紹介文)
この人の文章は、この言葉にはこの言葉が続くだろうということが無い、それでいて読みづらいということが全く無い。それもそのはず、作者は詩人でもある。言葉に非常に敏感なわけだ。とても良い体験をさせて頂いた。
そういえば、家人がハシビロコウの歩き方を見て「膝が後ろに曲がってなんかへん」と言ったので、「あれは踵だと思いますよ」と言っておいた。
ディストピア文学の傑作(帯紹介文)
この人の文章は、この言葉にはこの言葉が続くだろうということが無い、それでいて読みづらいということが全く無い。それもそのはず、作者は詩人でもある。言葉に非常に敏感なわけだ。とても良い体験をさせて頂いた。
そういえば、家人がハシビロコウの歩き方を見て「膝が後ろに曲がってなんかへん」と言ったので、「あれは踵だと思いますよ」と言っておいた。
1934年に書かれた名著。
まえがき,序章、本文14章からなる。約150ページ。
それぞれがの章が短くトピックも面白いので、思ったより読みやすかった。
P.7「主体が知覚するものはすべてその知覚世界になり、作用するものはすべてその作用世界になる。知覚世界と作用世界が連れだって環世界という一つの完結した全体を作りあげている。」
つまり、環世界とはその主体(人間に限らない)が、意味を与えて構築した世界ということだ。
この本を哲学の人が勧める理由がわかった。
1934年に書かれた名著。
まえがき,序章、本文14章からなる。約150ページ。
それぞれがの章が短くトピックも面白いので、思ったより読みやすかった。
P.7「主体が知覚するものはすべてその知覚世界になり、作用するものはすべてその作用世界になる。知覚世界と作用世界が連れだって環世界という一つの完結した全体を作りあげている。」
つまり、環世界とはその主体(人間に限らない)が、意味を与えて構築した世界ということだ。
この本を哲学の人が勧める理由がわかった。
カフカ 高安国世訳 講談社
『カフカ断片集』
カフカ 頭木弘樹 編訳 新潮社
『カフカ短編集』
カフカ 頭木弘樹 編 新潮社
長いものを読む根気が今はないので短編集を読んでみた。
『変身〜』は、昭和53年版、翻訳者は詩人、現在入手困難のようだ。この版には訳者によって丁寧な解説がなされている。
『変身』の「毒虫」を多和田葉子さんは「ウンゲツィーファー」と訳?している。カフカ自身も虫などの絵は載せないようにと言っていたそうだ。「ウンゲツィーファー」とは具体的な虫などではないのだ、
(続く)
カフカ 高安国世訳 講談社
『カフカ断片集』
カフカ 頭木弘樹 編訳 新潮社
『カフカ短編集』
カフカ 頭木弘樹 編 新潮社
長いものを読む根気が今はないので短編集を読んでみた。
『変身〜』は、昭和53年版、翻訳者は詩人、現在入手困難のようだ。この版には訳者によって丁寧な解説がなされている。
『変身』の「毒虫」を多和田葉子さんは「ウンゲツィーファー」と訳?している。カフカ自身も虫などの絵は載せないようにと言っていたそうだ。「ウンゲツィーファー」とは具体的な虫などではないのだ、
(続く)
原著一部抜粋を読むために購入した。
1500年前のゲルマン人の言葉が、どのようにして現在に至ったかの歴史を冒険物語として語った一般書。
原著一部抜粋を読むために購入した。
1500年前のゲルマン人の言葉が、どのようにして現在に至ったかの歴史を冒険物語として語った一般書。
世紀を超えた難問「リーマン予想」に挑み、素数が奏でる音楽を聴こうとした天才たちの姿を描くノンフィクション。(紹介文から)
600頁と長いが、難問に挑む数学者達の姿を魅力的に描いた一般書(途中途中にさらりと恐ろしい事実が書かれている)。
フェルマーの最終定理と違い、リーマン予想は未解決のまま。
世紀を超えた難問「リーマン予想」に挑み、素数が奏でる音楽を聴こうとした天才たちの姿を描くノンフィクション。(紹介文から)
600頁と長いが、難問に挑む数学者達の姿を魅力的に描いた一般書(途中途中にさらりと恐ろしい事実が書かれている)。
フェルマーの最終定理と違い、リーマン予想は未解決のまま。
武田惇志 伊藤亜衣
『ある行旅死亡人の物語』
毎日新聞出版
「名もなき人」の半生を追った、記者たちの執念のルポルタージュ(帯紹介文から)
行旅死亡人という言葉から松本清張の数々の作品を連想する。
P122「一人の死者の人生を丁寧に追うって、本当に大切な仕事だと思いますよ。」これは社会学にも通じる言葉だと思う。
当然だが、ひとりひとりの死者には、それぞれの生きてきた道がある。
(続く)
武田惇志 伊藤亜衣
『ある行旅死亡人の物語』
毎日新聞出版
「名もなき人」の半生を追った、記者たちの執念のルポルタージュ(帯紹介文から)
行旅死亡人という言葉から松本清張の数々の作品を連想する。
P122「一人の死者の人生を丁寧に追うって、本当に大切な仕事だと思いますよ。」これは社会学にも通じる言葉だと思う。
当然だが、ひとりひとりの死者には、それぞれの生きてきた道がある。
(続く)
それが未来の話であっても
それが未来の話であっても
『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件ーなぜ美しい羽は狙われたのかー』 化学同人
教科書が一段落したので、一気読みした。内容はタイトル通り。8月に文庫化された。
博物館の在り方、美に取り憑かれた人間の傲慢さ。ただ美しい鳥を所有したいという欲望からの犯罪ではなく、もっと歪んだ欲望と妄想からの犯罪のルポルタージュ。
『大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件ーなぜ美しい羽は狙われたのかー』 化学同人
教科書が一段落したので、一気読みした。内容はタイトル通り。8月に文庫化された。
博物館の在り方、美に取り憑かれた人間の傲慢さ。ただ美しい鳥を所有したいという欲望からの犯罪ではなく、もっと歪んだ欲望と妄想からの犯罪のルポルタージュ。
テッド・チャン『息吹』早川書房
8〜9の短編と、作品ノートを収録。
『あなたの〜』表題作は、ドゥニ・ヴィラヌーヴ監督により邦題『メッセージ』というタイトルで映画化されている。この作品はエイリアンの使用言語表記が時系列によらないというところにキモがある。
『息吹』表題作は、いずれ人類も絶滅する跡形もなく、と思っている私にそれでも良いじゃないかと呼吸を楽にしてくれる作品であった。
2冊ともアイデアが被らない素晴らしい作品群です。
テッド・チャン『息吹』早川書房
8〜9の短編と、作品ノートを収録。
『あなたの〜』表題作は、ドゥニ・ヴィラヌーヴ監督により邦題『メッセージ』というタイトルで映画化されている。この作品はエイリアンの使用言語表記が時系列によらないというところにキモがある。
『息吹』表題作は、いずれ人類も絶滅する跡形もなく、と思っている私にそれでも良いじゃないかと呼吸を楽にしてくれる作品であった。
2冊ともアイデアが被らない素晴らしい作品群です。