野口良平
senjihiranuma.bsky.social
野口良平
@senjihiranuma.bsky.social
経験の場としての読むこと、書くこと、つぶやくこと。
(告知などもここでします。)

新刊『列島哲学史』(みすず書房)、よろしくお願いいたします。
著書に『「大菩薩峠」の世界像』(平凡社)、『幕末的思考』(みすず書房)、訳書にルイ・メナンド『メタフィジカル・クラブ』、マイケル・ワート『明治維新の敗者たち』(みすず書房)ほか。

写真は、四万十川に架かる沈下橋の一つです。
近鉄・飛鳥駅近くの欽明天皇陵へ。
拙著『列島哲学史』(みすず書房)では、日本書紀に記されている欽明天皇の言葉に、列島の文字に残された最初の哲学的な問いを見てとっています。
思うところの多いひとときでした。
September 27, 2025 at 9:46 AM
グラングリーン大阪で開催中の坂本龍一展へ。
沈黙、音、音楽。「声」、そして言葉への遠く長い暗渠をたどる行程。
September 25, 2025 at 2:34 PM
『列島哲学史』(みすず書房)、いよいよ刊行の運びとなりました。
2500年の歩みの意味を探る試み。
どうぞよろしくお願いいたします。
September 16, 2025 at 10:21 AM
 松本に来るたびに、つい訪れてしまう「ものぐさ太郎像」。地元の教育会の敷地内に置かれているのが、何とも興趣の尽きないところ。ここに添えられている折口信夫の歌も素晴らしい。
 「まれまれは ここにつどひて いにしへの あたらしびとの ごとくはらばへ」。(時には昔の人の気分になって、ゴロリと今にむきあってみよう。)
August 30, 2025 at 1:07 PM
堀辰雄文学記念館へ。
堀辰雄が晩年、蔵書を納めるために建てた書庫。どこにどの本を置くか、こまごまと指定しているのだが、結局完成をみることなく堀はなくなった。
蔵書の数といい書庫の広さといい、私には理想の空間のように思えた。
August 28, 2025 at 1:09 PM
拙著『列島哲学史』(みすず書房)、カバーのデザインが決まり、予約受付がはじまりました(9月16日発行)。
この列島で探られてきた、「上からの普遍性」に拮抗する「下からの普遍性」の系譜を掘り起こす試みです。
お手にとっていただけると嬉しいです。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

www.msz.co.jp/book/detail/...
August 20, 2025 at 5:06 AM
京都工繊大の北沢恒彦展、素晴らしかった。
革命への志を街の診断士としての仕事に活かした行動的思想家の軌跡を辿る展示。社会科学の視線と文学の視線を兼ね備えた報告書、エセー、論文の数々は、社会科学批評であるとともに、文芸批評でもある。コンサルタントという仕事の可能性を思い知らされる。
4/7まで。
April 6, 2025 at 2:07 PM
期日前投票を済ませてきました。
会場には、いつになく熱気が。
October 26, 2024 at 8:40 AM
『安曇野』に現れる2000人に及ぶ登場人物のなかで、とりわけ作者が深い親しみを抱いていた、石川三四郎の書が展示されていた。
October 20, 2024 at 3:46 PM
 安曇野・臼井吉見文学館へ。
 大作『安曇野』、未完に終わった幕末の歴史小説『獅子座』の生原稿の複製を見る。
 臼井には、一木一草にまでゆきわたった天皇制が、自力の民主化を阻んでいるという認識があり、その問題に取り組むのに最もふさわしい風呂敷のような様式として、小説の可能性を考えていた。
October 20, 2024 at 3:41 PM
 軽井沢高原文庫に隣接した有島武郎記念室で、有島の心中が判明した際の、怖れと好奇心を隠さない新聞各紙の記事の書きぶりをみて、今の新聞記事の文体との違いを感じた。
 日本の新聞が大卒を採用の条件にしたのは大正末期で、この頃まではぎりぎり、江戸口語の呼吸が記者の文体にも生きていたのだろうか。
October 19, 2024 at 10:17 AM
 信濃追分の堀辰雄文学記念館へ。
 盧溝橋事件前後、国学院大学での宇津保・落窪物語の講義の聴講を機に生じた折口信夫との交流は、プルーストやリルケへの打ち込みと日本古典をつなぐ構想力を堀にもたらす。
 戦後まもなく、病床にあって万葉時代を舞台にした小説を構想したが、ついに実現をみなかったという話をはじめて知る。
October 18, 2024 at 12:24 PM
係り結びの法則の発見、てにをはの用法、音と仮名の関係のような、古典文法についての宣長の研究も実に面白い。「を」が鎌倉時代以来、「音軽い」あ行に分類されていたのを、「音重い」わ行に宣長が分類し直したという話は、まったく知らなかった。
August 10, 2024 at 3:51 PM
宣長で好きなのは、「講後談」という、医業のあいまに行った自宅での講義のあとに、聴き手たちと交わした質疑応答の記録を残していること。それこそが学問の核心であるという信念を、宣長は生涯保ち続けた。
August 10, 2024 at 6:56 AM
最初の『源氏物語』論『紫文要領』に加筆して、『源氏物語玉の小櫛』に仕立て直そうとする原稿。私は『紫文要領』に愛着がありますが。
August 10, 2024 at 6:18 AM
松阪の本居宣長記念館へ。
August 10, 2024 at 6:13 AM
August 8, 2024 at 12:54 AM
仙台・松音寺にある只野真葛の墓を訪ねる。
真葛は、仙台藩医工藤平助の娘で、『むかしばなし』『独考』などの著作をもつ、江戸期後半の文章家にして思索者。
平安期の清少納言、紫式部と、明治期の樋口一葉との奇妙な断層を埋めるような位置に立ち、現代を見すえている人のように思える。
April 10, 2024 at 2:53 PM
April 8, 2024 at 1:29 PM
念願の橋本治展へ。

時代に対するひとりの人間の全人的な拮抗を跡づける、充実した展示。

話にはきいていた、『双調平家物語』執筆時に橋本が作成していた、緻密の限りを尽くした年表と、『桃尻語訳枕草子』の逐語訳に際して作っていた単語カードの実物を見ることができて、感激した。
April 1, 2024 at 12:14 PM
千木良悠子『はじめての橋本治論』(河出書房新社)を読む。

評論からこれほどの幸福感を味わう経験は、どれほどぶりだろう。自分が大事にしてきた書き手について、その大事であるゆえんが、制度に守られない、しかも開かれた、徒手空拳の言葉で語られている。

「空も海も誰にも独占できないほど寛く、人間の考える利他や公共性の概念が恥ずかしくなるぐらい、ただそこにあって人を包み込む。それは橋本治の理想とする小説の形だったのだろう」。

書き手自身にとってはもちろんのことだっただろうが、読者である私にも、自分を開拓する楽しみを与えられる気がする。
April 1, 2024 at 9:54 AM
旅のお供の一つは、堀田善衛『海鳴りの底から』。

1960年の、安保反対運動の大きなうねりを背景に書かれた長編で、物語パートとプロムナードパートを交叉させる独特の書き方が試みられている。「天草四郎陣中旗」作者説のある南蛮絵師で、一揆勢のほぼ唯一の生存者と目されてきた内通者、山田右衛門作の視点を活かそうとしているところに、この作者らしさを感じる。
March 5, 2024 at 2:37 PM
念願の原城へ。
飢えと迫害に苦しめられた三万の人々が、十二万の大軍(それにオランダの軍船)に囲まれながら、五か月籠城し、最後には全滅した場所。
有明海を眼下にみる広く荒涼とした跡地だけが、往時のままの姿で残っている。
March 5, 2024 at 1:55 PM
天草の崎津集落を訪れる。

天草・島原の乱(一揆)ののちの厳しい禁教政策のなか、仏教徒たちに交じって多くの潜伏キリシタンたちが隠れ棲んだにもかかわらず、密告者を出さなかった場所。

アワビの貝殻の内側に水を浸すと浮かぶ紋様を、信者たちが聖母マリアに見立てて祈りを捧げた聖遺物をみて、イコン的な記号の成立条件を考えさせられた。
March 4, 2024 at 11:17 AM
博多にある、夢野久作の墓を訪ねてみると、筆名はもちろん、本名(杉山泰道)もみえず、杉山家の墓がただ一基あるだけだったことに強い印象をうけた。それが当然だ、ということなのかもしれないが、煙にまかれた思いにも襲われ、「あやかし」という言葉が心に浮かんだ。
March 1, 2024 at 5:59 AM