只今、写真と言葉のZINEを作成中。
profile illustration/Marie Mori
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
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「今日暑いですよね、出勤する時Tシャツ着てきちゃいました」
着替えてんのか。ジーパン派か。
#創作小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
「今日暑いですよね、出勤する時Tシャツ着てきちゃいました」
着替えてんのか。ジーパン派か。
#創作小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
私は今、娘を抱きながらスーパーで切花を見ている。芍薬がきれいで一本買った。
さて帰ろうと思い、立ち止まる。家は蜘蛛に明け渡してきた。
私は考える。芍薬と蜘蛛と一歳の娘は共存できるのだろうか。
「ママ」
声が聞こえる。誰の声かは、私にはわからない。
#創作小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
私は今、娘を抱きながらスーパーで切花を見ている。芍薬がきれいで一本買った。
さて帰ろうと思い、立ち止まる。家は蜘蛛に明け渡してきた。
私は考える。芍薬と蜘蛛と一歳の娘は共存できるのだろうか。
「ママ」
声が聞こえる。誰の声かは、私にはわからない。
#創作小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
大して混んでもいない電車の中で私は出口へ向かいながら叫んでいる。煙草を吸いたいと思う時ともう吸いたくないと思う時がある。吸いたくなるのはわかる、喫煙者だから。吸いたくないと思いながらも、吸う。私の異常性はそういう所かもしれない。「降ります」
#140字小説 #作品ごと #この物語はフィクションです
大して混んでもいない電車の中で私は出口へ向かいながら叫んでいる。煙草を吸いたいと思う時ともう吸いたくないと思う時がある。吸いたくなるのはわかる、喫煙者だから。吸いたくないと思いながらも、吸う。私の異常性はそういう所かもしれない。「降ります」
#140字小説 #作品ごと #この物語はフィクションです
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
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苺のショートケーキをホールで買って、好きなだけ食べたい衝動に、突然たまに襲われる。それが起こると何もかもが嫌になって、仕事も投げ出して帰りたくなる。
そう、私はダイエット中。仕事終わりだ。私が向かう先はケーキ屋。じゃなくてジム。じゃなくてやっぱりケーキ屋だバカヤロー。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと #ダイエット
苺のショートケーキをホールで買って、好きなだけ食べたい衝動に、突然たまに襲われる。それが起こると何もかもが嫌になって、仕事も投げ出して帰りたくなる。
そう、私はダイエット中。仕事終わりだ。私が向かう先はケーキ屋。じゃなくてジム。じゃなくてやっぱりケーキ屋だバカヤロー。
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『深夜に吉祥寺の駅で男を追いかける若い女』
今日絶対ホテル行くと迫って、付き合ってはいないけれど、な男を追いかけた。物理的に追いかけた。吉祥寺駅を走り回る。男は5m前。そしてするりとJRの改札を通り抜けた。時刻は23時。
「くそ、撒かれたか」というセリフを、生まれて初めて吐いたかもしれない。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
『深夜に吉祥寺の駅で男を追いかける若い女』
今日絶対ホテル行くと迫って、付き合ってはいないけれど、な男を追いかけた。物理的に追いかけた。吉祥寺駅を走り回る。男は5m前。そしてするりとJRの改札を通り抜けた。時刻は23時。
「くそ、撒かれたか」というセリフを、生まれて初めて吐いたかもしれない。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
今日、加熱式煙草を吸いながら歩いていたら、すれ違いざまに「パリみたいな匂いがする」と聞こえた。パリ?わたしは逡巡する。振り返ると、煙草の香ばしさと、とか言ってる女子高生たち。ああ、パイか。わたしの煙草のフレーバーはりんご。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
今日、加熱式煙草を吸いながら歩いていたら、すれ違いざまに「パリみたいな匂いがする」と聞こえた。パリ?わたしは逡巡する。振り返ると、煙草の香ばしさと、とか言ってる女子高生たち。ああ、パイか。わたしの煙草のフレーバーはりんご。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
今日は日差しが暖かいから上着はいらない。ざっくりとしたピンクのニット一枚で陽光の中を歩く。前から来るおばさんがわたしの胸元を見て怪訝な顔をしている。すぐに目を逸らす。わたしの胸には蝶のタトゥーが。誇らしい。早くお披露目したかった。とっておきの。さっきシールで貼りました。
#140字小説 #この物語はフィクションです
今日は日差しが暖かいから上着はいらない。ざっくりとしたピンクのニット一枚で陽光の中を歩く。前から来るおばさんがわたしの胸元を見て怪訝な顔をしている。すぐに目を逸らす。わたしの胸には蝶のタトゥーが。誇らしい。早くお披露目したかった。とっておきの。さっきシールで貼りました。
#140字小説 #この物語はフィクションです
電車で私は立っている。目の前に座る派手髪の女の子。私はこの子よりは年上なはず。いやでもね私まだ50代だし。席を譲られる程じゃないし。いや、でもこの子よりは年上なはず。荷物が重い。彼女だって譲ったら失礼かなと逡巡しているのかも。そうよ。いや、でも、この子よりは年上なはず私。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
電車で私は立っている。目の前に座る派手髪の女の子。私はこの子よりは年上なはず。いやでもね私まだ50代だし。席を譲られる程じゃないし。いや、でもこの子よりは年上なはず。荷物が重い。彼女だって譲ったら失礼かなと逡巡しているのかも。そうよ。いや、でも、この子よりは年上なはず私。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
先刻のお客さん、十九歳って言ってたな。
私が十九歳の時は蕎麦屋で働いていた。素敵な老夫婦に「随分きれいねえ、いつから?」と訊かれ、「私ですか?先月からです!」と満面の笑みで答えたら、「いや、お店の話。でももちろんあなたもきれいよ!」と言われたことをふと思い出した。
仕事しよ。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
先刻のお客さん、十九歳って言ってたな。
私が十九歳の時は蕎麦屋で働いていた。素敵な老夫婦に「随分きれいねえ、いつから?」と訊かれ、「私ですか?先月からです!」と満面の笑みで答えたら、「いや、お店の話。でももちろんあなたもきれいよ!」と言われたことをふと思い出した。
仕事しよ。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
「おい、あの女、さっきもパチ屋の前の喫煙所にいたよな」「いた」「さっき持ってなかったけど服屋の袋一個持ってる」「買い物したんじゃね」
三時間後、俺は友だちと別れた。帰路に着く前に駅前の喫煙所に行くと、またあの女がいた。
紙袋、五つ持ってる。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
「おい、あの女、さっきもパチ屋の前の喫煙所にいたよな」「いた」「さっき持ってなかったけど服屋の袋一個持ってる」「買い物したんじゃね」
三時間後、俺は友だちと別れた。帰路に着く前に駅前の喫煙所に行くと、またあの女がいた。
紙袋、五つ持ってる。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
何故、私は自分の為に5号の苺のケーキなんて買ったのだろうか。一人暮らしなのに。しかも誕生日三ヶ月前なのに。
意味がないようなケーキ。でもこのケーキには意味がある。私は私を祝福する。だってこんな日々を毎日生きているのだから。
もちろん、真ん中のプレートは私だけのもの。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
何故、私は自分の為に5号の苺のケーキなんて買ったのだろうか。一人暮らしなのに。しかも誕生日三ヶ月前なのに。
意味がないようなケーキ。でもこのケーキには意味がある。私は私を祝福する。だってこんな日々を毎日生きているのだから。
もちろん、真ん中のプレートは私だけのもの。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
今日はお天気もいいし、小川さんのお宅でお茶をしてきたの。そしたらお庭に沢山お花が咲いているからって、分けてくれて。
空が青くて空気が暖かい。私がお花を摘むと、小川さんが広告で包んでくれた。この包み紙が及川光博ってとこがまたいいじゃない。もう春ねえ、ミッチー。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
今日はお天気もいいし、小川さんのお宅でお茶をしてきたの。そしたらお庭に沢山お花が咲いているからって、分けてくれて。
空が青くて空気が暖かい。私がお花を摘むと、小川さんが広告で包んでくれた。この包み紙が及川光博ってとこがまたいいじゃない。もう春ねえ、ミッチー。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
わたしなんでここにいるんだっけ?何も考えられない。大音量の音楽が気持ち良くて。お酒も飲んだし。DJブースに立つ男の人は満足気な顔。「これが最後の曲です」。オアシスのあの曲。今は朝の五時。四時間後のことがふと頭をよぎる。オフィスの椅子。曲が終わる。
サリーは待ってくれない。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
わたしなんでここにいるんだっけ?何も考えられない。大音量の音楽が気持ち良くて。お酒も飲んだし。DJブースに立つ男の人は満足気な顔。「これが最後の曲です」。オアシスのあの曲。今は朝の五時。四時間後のことがふと頭をよぎる。オフィスの椅子。曲が終わる。
サリーは待ってくれない。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
何故こんなことになった。こめらく!
ご飯にsea foodが乗っていて、tableには海苔やrice crackers?のtopping缶。trayにはいくつかのsmall bowls。食べ方は少し丼で食べて、出汁をかけてchange the taste. なんということだ。
「My world has changed.」
知ってしまったら、もう前の世界には戻れない。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと #こめらく
何故こんなことになった。こめらく!
ご飯にsea foodが乗っていて、tableには海苔やrice crackers?のtopping缶。trayにはいくつかのsmall bowls。食べ方は少し丼で食べて、出汁をかけてchange the taste. なんということだ。
「My world has changed.」
知ってしまったら、もう前の世界には戻れない。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと #こめらく
若い女の子がやってきた。注文用のパソコンに苦戦しながらなんとかできたらしく、缶バッチを作りたいとの伝票を持ってレジに来る。「30分くらいでできますから」。彼女は笑顔で出て行く。できたものを見ると、女の子本人の缶バッチ。引き取りにきた彼女は言う。「旦那につけさせるの!」
満面の笑み。
#140時小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
若い女の子がやってきた。注文用のパソコンに苦戦しながらなんとかできたらしく、缶バッチを作りたいとの伝票を持ってレジに来る。「30分くらいでできますから」。彼女は笑顔で出て行く。できたものを見ると、女の子本人の缶バッチ。引き取りにきた彼女は言う。「旦那につけさせるの!」
満面の笑み。
#140時小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
『スーパーの野菜売り場で硬直する男』
昼時のスーパー。ピーマン158円。袋を確かめる。4つで?高いだろう。しかし今日はナポリタンが食べたい、ピーマンが要る。4つで158円。しかもこれは税抜きだ。税込170円位か。いや、高いだろ。自動ドアの向こうにのぼりが見える。サイゼリヤ、ランチ、500円、ナポリタン。
おれはカゴをそっと戻した。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
『スーパーの野菜売り場で硬直する男』
昼時のスーパー。ピーマン158円。袋を確かめる。4つで?高いだろう。しかし今日はナポリタンが食べたい、ピーマンが要る。4つで158円。しかもこれは税抜きだ。税込170円位か。いや、高いだろ。自動ドアの向こうにのぼりが見える。サイゼリヤ、ランチ、500円、ナポリタン。
おれはカゴをそっと戻した。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
ポートレートの撮影中。公園の前の広場でわたしは今寝そべっている。あらゆる角度から写真が撮られる。わたしは視線を変えたり、手の角度を変えたり。道行く外国人がこちらを見ている。そんなわたしが今何を考えているかというと、今晩の夫の夕食何作ろうかってことです。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
ポートレートの撮影中。公園の前の広場でわたしは今寝そべっている。あらゆる角度から写真が撮られる。わたしは視線を変えたり、手の角度を変えたり。道行く外国人がこちらを見ている。そんなわたしが今何を考えているかというと、今晩の夫の夕食何作ろうかってことです。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
「じゃあ行ってくるよ」「はーい、いってらっしゃい」妻はその時トイレに入っていた。ドア越しにトイレットペーパーをからからと引く音と声が聞こえる。玄関を開けて仕事へ向かう。玄関横のトイレの窓が開く。「いってらっしゃい!」妻は笑顔で隙間から手を振っている。
「うんこしてたやろ」
#140字小説 #この物語はフィクションではないかもしれません #作品ごと
「じゃあ行ってくるよ」「はーい、いってらっしゃい」妻はその時トイレに入っていた。ドア越しにトイレットペーパーをからからと引く音と声が聞こえる。玄関を開けて仕事へ向かう。玄関横のトイレの窓が開く。「いってらっしゃい!」妻は笑顔で隙間から手を振っている。
「うんこしてたやろ」
#140字小説 #この物語はフィクションではないかもしれません #作品ごと
人と話しながら食事をすると、何を食べているのだかよくわからない。わたしはさっきからよくわからないパスタをよくわからないまま食べている。友人は会社での話をさっきからしている。パスタを食べ終わって、友人と別れる。わたしはその足でよくわからないまま一人ラーメン屋へと向かう。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと
人と話しながら食事をすると、何を食べているのだかよくわからない。わたしはさっきからよくわからないパスタをよくわからないまま食べている。友人は会社での話をさっきからしている。パスタを食べ終わって、友人と別れる。わたしはその足でよくわからないまま一人ラーメン屋へと向かう。
#140字小説 #この物語はフィクションです #作品ごと