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おもに読んだ本について呟きます。訳書のお知らせもします。日英仏翻訳者。
noteに読書記録や仕事の話を書いています。 https://note.com/nat_kc
A random translator and booknerd living in Tokyo/Vancouver. Humanities.
『Cursed Bunny(呪いのウサギ)』
Bora Chung translated by Anton Hur

ボラ・チャンの、〈マジカル・レアリズム、ホラー、SFの垣根を超えた短編集〉。アントン・ハー氏の翻訳です。糞尿汗血液経血汚物汚水がてんこ盛りなのでご飯食べながらは読めません。韓国SFが流行ってると友人が言うので、2年ぶりに読み返し、またきもち悪くなりました。呪いや正体不明のなにかにまみれて脂汗かきながら読んだあとはヘンな爽快感が。

読書記録です:
note.com/nat_kc/n/n61...
November 23, 2025 at 8:20 AM
最近読んだ強烈な本たち!!
レベッカ・ソルニット。ミラン・クンデラ。岡野八代。

ソルニットの『Men Explain Things to Me』
人権や自由の概念に少しでも関心を寄せる人間なら、女でなくても憤死しそうなトピックが満載だ。家父長制社会、ミソジニー、マチズモ…。ソルニットの筆致がまた、怒りを煽ってくれていっそ気持ちよい(よくない)。
たとえば、「強姦妊娠は神の贈り物」というようなことをのたまった共和党の上院候補者。こんな狂人が政治家だとは恐れいる。(続く→)
November 20, 2025 at 10:21 AM
ブックカフェ「サッフォー」から、注文していた本が届きました。
『少年が来る』(ハン・ガン)にはすてきな特典が付いてきました。これ欲しかった!
『シモーヌ2025夏』、遅ればせながら、これから読みます。
つくばという微妙な遠さのせいか、まだ行ったことがないのです(出無精)。
勇気を出してイベントなどに参加してみたいと思います。
November 19, 2025 at 9:53 AM
『ランスへの帰郷』ディディエ・エリボン 塚原史訳 三島憲一解説 みすず書房 2020
社会学者ディディエ・エリボンは、フランス北東部で最底辺労働者階級の家庭に生まれた。学業優秀なために家族で唯一高等教育を受ける機会を得て、大学では哲学の勉強に励み、アグレガシオン(最難関の教員資格試験)を目指すも、結局試験には2度も失敗する。そもそも彼は、この試験を突破するための王道であるグランゼコールの存在さえ知らなかったのだ。なんという酷い経緯。(続く→)
November 16, 2025 at 10:23 AM
古本屋さんでイチキュッパで買えた🙌
November 16, 2025 at 4:43 AM
『五色の舟』(漫画:近藤ようこ/原作:津原奏水)KADOKAWA

マキューアンの『贖罪』やパワーズの『舞踏会へ向かう三人の農夫』でも描かれている「ありえたかもしれない世界」。それは小説のなかに語り込まれ、残酷な現実の反転さながら生命の祝福に溢れている。怒り、悲しみ、慚愧。激しい負の情動によって生成された「ありえたかもしれない世界」は、物語による鎮魂と救済だ。
広島の産業奨励館が戦後復興の象徴となるか、「原爆ドーム」として反戦の象徴となるか。見世物小屋一家が原爆の犠牲になるか、新しい身体を手に入れるか。異形の一家の運命は、科学技術の驚異の進歩に翻弄されるわたしたちのそれでもあります。
November 11, 2025 at 10:23 AM
食権力の現代史 ナチス「飢餓計画」とその水脈
藤原辰史 人文書院

〈食〉は、なんとなく私的な領域、自分でコントロール可能であると思わされている領域ではないだろうか。「工夫」「努力」「我慢」…〈食〉は自己責任であるとわたしたちは思わされている。さらに「働かざる者食うべからず」とくる。
〈食〉は「権力者」が一見合理的な説明のもとで、簡単に無名の民の生殺与奪を握るための装置となりうる。本書ではこれを「食権力」と呼ぶ。国家・穀物メジャー・西欧の植民地主義が複雑に絡み合って発揮される食権力は、効率的に、殺戮者自身の手は汚さず、罪悪感は与えずに利益を与えながら、弱い生き物から順番に確実に殺す(→続)
November 8, 2025 at 8:36 AM
旅行先では地元の本屋さんに行くのが楽しみです。

広島の紀伊國屋書店「郷土」コーナーで出会った本5冊。広大率高め。
(奥田民生本は友人へのお土産)

平和記念資料館で買った『ヒロシマ・ノート』大江健三郎
November 4, 2025 at 12:55 PM
広島大学を訪ねました。ちょうど学祭中であの懐かしい活気とカオスに浸りました。「懐かしい」と思えたのは、サークル屋台や模造紙の手書き文字のせいだけではないでしょう。スマホと睨めっこしてる学生さんがほぼいなかったのです。受付でぼんやり待機している学生も道端に腰掛けている子たちも目の前の現実をみてた。みんなでぶつかりあって絡みあって楽しいね😆
November 2, 2025 at 11:15 PM
連休を利用して広島に来ています。初めて来ました。
原爆ドーム。平和記念資料館。嗚咽を堪えるのに精一杯。
80年が経ち、今後どのようにこの痛みと悔しさの記憶を継承していくか。当時も原爆の翌年にはすでに「あの凄愴が薄れていく」感覚があった。そう書いて、死んでいった若者がいたのだ。うんと勉強して留学したいと渇望しながら。
November 2, 2025 at 2:01 PM
『チ。』が読めない。

2巻までがんばった。内容は深くて面白いし、この話を好きだという確信はある。続きを早く知りたい。
でも怖いんです。処刑やリンチがいっぱいでてくるところが。
昔から、映画や漫画で、殺人や殺戮のシーンがでてくると、即退場してました。フィクションだと頭ではわかっているのですが、ほんとうに体調が悪くなってしまうのです。
「異端」の迫害が描かれなければこの物語は成立しないので、わたしは自分の恐怖心を克服しなければなりません。

薄目で読めば大丈夫でしょうか。恐る恐る試してみます。
October 23, 2025 at 9:16 AM
最近読み終わった本
『私家版・ユダヤ文化論』 内田樹
『大衆の反逆』オルテガ・イ・ガセット
『ジェントルマン』山田詠美
スリリングなユダヤ文化論。

歴史や文化への畏怖と自省を促さずにはいない国家論。
ある“ジェントルマン”をめぐる恐るべき小説。
ジャンルや書かれた時代はバラバラですが、ある普遍的なテーマが共有されている、といったら強引に過ぎるでしょうか。
そのテーマとは、自己と他者とのあいだに引く線の問題です。線の太さや深さや強さ、材質、線の引きかた。そもそもどうして線を引きたくなるのか。その線はどうやって他者と共有するのか。頭のなかで線引きに励んでばかりいると、やがてそれは、(続く→)
October 20, 2025 at 9:42 AM
『カルメル会修道女の対話』ジョルジュ・ベルナノス
Dialogues des Carmélites Georges Bernanos
革命下のフランスで実際に断頭台で処刑されたカルメル会修道女たちの話を、ベルナノスが脚本にした作品。プーランクのオペラで有名です。
主人公ブランシュは大変な怖がりですが、最後には運命を受け入れます。何が修道女たちをこんなに強くしたのか。女子修道会が友愛の共同体だったから、軋轢や迫害を祈りによってともに乗り越えた仲間と一緒だったから。彼女たちは誇り高く聖歌を歌いながら、宗教的法悦のなかで死を受け入れます。
とても美しい祈りそのもののような作品。でも(→続く)
October 13, 2025 at 7:18 AM
たっぷり届いてすでにお腹いっぱい😂
連休はひとり読書合宿するのが楽しみです😊
October 9, 2025 at 9:10 AM
『文藝』冬号
山田詠美さまデビュー40周年特集です‼️🎊😭㊗️
October 7, 2025 at 3:43 AM
『雪国』 川端康成 新潮文庫

令和のスマホテキスト文化に毒された目を、たまには高度に洗練された耽美な文で洗い清めたいものです。しかしその文章が美しければ美しいほど、作者の気味悪いたくらみがこちらに迫ってくるのが、川端の小説です。『眠れる美女』の感想文でも書いたその凄さキモさを、今回も堪能しました。〈三人称島村一人視点〉の、審美と感傷に満ちた「島村劇場」は、たしかにうつくしいけれど、作者の意地悪な目線がなかったら、醤油なしの刺身のように生臭く、とても完食することはできません。

川端作品を読むと狂暴な感想文しか書けない気が↓
note.com/nat_kc/n/n16...
October 6, 2025 at 8:41 AM
オルテガ・イ・ガセット。
1883年生まれって?1983年とかじゃなくて??今生きている人じゃないって??
October 1, 2025 at 12:04 PM
『「他者」の起源 ノーベル賞作家のハーバード連続講演録』
トニ・モリスン 荒このみ訳
人種主義とは、悪のなかの悪だ。
法や習慣や暴力によって、「亡霊やファンタジー」でしかないものに忠誠を従わせ、「よそ者」を否定し、「人類の共通性」に抵抗させようとする現実世界の圧力だからだ。
「黒人」とはアメリカにしか存在しない呼称。モリスンは代表的なアメリカ文学作品の批判的な読みを通して、米国の人種差別および奴隷制度の歴史を精査し、米国における「黒人」、つまり「白人」にとっての「他者」はいかにして形成され、制度や社会慣習に取り込まれてきたのかを語る。
September 30, 2025 at 8:52 AM
『食権力の現代史 ナチス「飢餓計画」とその水脈』
藤原辰史著
人文書院

「施設化」した飢餓の歴史。怖い😱他人事ではありません。

とても読みたかった本が届いて嬉しい朝です。
September 24, 2025 at 1:26 AM
『国語3』光村図書
必要があり借りてきたのですが、豊かなで広大な世界がみっしり詰め込まれて、学習内容もその方法も魅惑に満ちていて、考えこんだり泣いたりしながら読み耽ってしまったのでした。これを手に取る中3のあなた達は恵まれている!
叶うなら中学生に戻ってこの本を血肉となるまで学び無敵幸福大人として再デビューしたい。
September 23, 2025 at 4:40 AM
文学作品の翻訳を手掛ける夢をまだ諦められなくて足掻いてます。しばらくは毎日お茶漬食べて節約…のつもりがお米も高い😢
September 17, 2025 at 7:09 AM
『言霊の幸う国で』 李琴峰 筑摩書房

台湾籍作家として初めて芥川賞を受賞した主人公(「L」)の、受賞後1年間にわたる「闘い」の記録。「L」は、在日外国人で、同性愛者でトランスジェンダーでもある。文学賞受賞により有名人になったこともあり「出る杭は打たれる」的にネット上での攻撃を受ける。「何においても必死すぎる」彼女は、誹謗中傷、ストーカー被害、そしてとりわけトランス差別に対し、決然と闘いを挑んでいく。満身創痍になり希死念慮にさいなまれながらも。
「差別する側の人間の心」は、わたしにとって最大の謎だ。
差別にかんする本を何冊か読んできたけれど、赤の他人を攻撃することがいったい「誰得」(続く→)
September 11, 2025 at 7:10 AM
The Memory Keeper’s Daughter by Kim Edwards

みずからとりあげたわが子である双子のひとりがダウン症候群児と知った、医師である父親。その場にいた唯一の目撃者である看護師に秘密裏に赤ん坊を施設に預けるよう頼み、お産を終えた妻にはその子が亡くなったと告げる。
"clean simple world"に生きたいと願うあまり、過去を隠し、障害を持つ娘を社会的に葬った男。悩みや問題と共存することを拒否した、「ネガティブ・ケイパビリティ」の低い弱虫!
ドラマチックな冒頭から引き込まれ、秘密と嘘への赦しとケアの物語を期待しましたが、(続く)
September 8, 2025 at 10:41 AM
「人が他者の言語に入っていくことを制限するのは、他者の言語に入っていけないからではなく、人生には限りがあるからである。こうして、すべての言語は一定のプライバシーをもつことになる」

『想像の共同体』ベネディクト・アンダーソン、白石隆・白石さや訳、書籍工房早山

言語/出版語とナショナリズムについての一節。言語習得と人生の短さという当たり前すぎて見逃しがちな点もまた国家という想像の共同体の背景にあるのだ…
September 2, 2025 at 6:34 AM
再び東京。熱いゼリーの中にいるみたいで外出するのが怖いです。
いろんな本が届いてた‼️
August 31, 2025 at 4:19 AM