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sawa yoko
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詩を書きます
現実からふっと何処かへ…
「風が吹いて立ち止まる」

強い風が吹いて
目に痛いものが入って
前に進めなくなったから立ち止まる
目を閉じて立ち止まる

今までどこを歩いてきたのか
今はどこを歩いていたのか
今どこへ行こうとしていたのか
目を閉じて考える

何か間違っていたかもしれないけれど
ここまで歩いてこれたから
正しいも間違いもないのだ
でも

目を開けて歩き出す時は
少し違う道を選んでみよう
ほんのちょっと角度を変えて。

ほら、また風が吹いてきた
でももう目は澄んでいる
September 20, 2025 at 1:02 AM
「詩」

私の血の中には詩が流れている

汗の中にも吐息の中にも涙にも
July 14, 2025 at 4:50 AM
「砂で出来ていた」

あの言葉は嘘だった

嘘は砂で出来ているから

強い風が吹けば

形をなくし

消えてしまう

もう

どこを探しても

見つからない
June 18, 2025 at 3:48 PM
「幸せのソファー」

幸せな思い出をふかふかのソファーのようにしつらえて
そこに沈み込んで過ごす
未来の私もこんなふうに幸せでありますように…

そのソファーの中の私は過去と未来に過ごしている
今は?
今は幸せ?
問いかける声は聞こえないふりをする
May 7, 2025 at 1:14 PM
「手放す」

どんどん手放して
風が強いうちに
風が桜を散らしているうちに
花びらに混ぜて飛ばしてしまおう
心配も
悲しみも
寂しさも
うらやましさも
みじめさも
花びらになって飛んで行く
あとに残るのは
ただ、心
April 20, 2025 at 10:38 AM
「すみれつみ」

すみれが咲いていた
足元に。
ぜんぶつんでしまおう
花をぜんぶつんでしまったら
もうここにすみれは咲かなくなるだろうか?
そんなことはない
次々に咲くすみれ
わたしの手には紫の春の光
April 12, 2025 at 10:54 PM
「ことば」

あの頃はまだ
ことばを信じていた
誰にでも伝わると
誰のことばも
私の綴ることばと
同じような重みだと

そうではないと知ったから
悲しみを胸に
ことばを胸に
こぼさぬように
そっと抱えて
黙って暮らしている
March 18, 2025 at 8:55 AM
「光」

明るい部屋に住みたい

朝の光が入り

夜明けが分かる部屋に

春の陽の暖かさに

着ているものも

心もホカホカする部屋

そんな部屋で光を浴びていたい

今は

日の差さない部屋で目覚め

日の当たらない場所で夜まで働く

気持ちはずっと下り坂を降りてゆく

足が弱くなって

もう坂をのぼれない
March 18, 2025 at 7:18 AM
「うつうつうつ」

からだの不調が心を重くする

うつうつうつ

お出かけできない

うつうつうつ

たくさん眠ろう

うつらうつらうつら

たくさん眠れる

うとうとうと

夢のなかでいろんな人と会う

こんにちはさようなら
March 16, 2025 at 1:20 PM
「さようなら」

さようなら大好きな二月

こんにちはちょっと好きな三月

そう思いながら檸檬をしぼり

そう思いながら檸檬タルトを焼き

そう思いながら紅茶を飲む土曜日
March 1, 2025 at 8:58 AM
「うらやましい」

本を読んでいて
書かれていることがうらましくて
涙が滲むバカみたいな私
February 20, 2025 at 8:51 AM
「優しい人」

いつも人から「優しいね」と言われる

そうすると心の奥で
「そんなことない」
「優しくなんかない」
と声がするので
「そう、私は優しくなんかない」
とつぶやく

わかった
私は自分に優しくしていなかった
いつも責められている自分が心の奥て小さくなって
「優しくしてもらったことなんかない」
「いつも怒っているくせに」
と泣いていた

今日から自分に優しい人になろう
February 3, 2025 at 12:24 AM
「投げた言葉が吸い込まれ…」

あの人へ、言葉を投げるとリアクションのマークがつく

私はまた次の言葉を投げ、またリアクションをもらう

また別の話を言葉にして投げる

既読がつく

相手からの言葉は一つもかえってこなくて

私の投げた言葉はどこかにたよりなく

ゆらゆら浮かんで流れていくような気がする

そのうちどこかに吸い込まれて消えてしまえばいいのに

そんな気持ちになって

せめて自分に見えないように削除した

でもまだどこかに漂っている、言葉たち。
January 27, 2025 at 12:20 PM
「ひとりで」

家の中にひとり

ひとりの心地よさと自由

日の当たる部屋のしずけさ

眠ってしまいたい
January 25, 2025 at 2:42 AM
「心を透明に」

詩を書くときは心を透明にして

風に乗せるように言葉をふうっと吐くのだ

見えないけれど何かの形をして飛んで行く
January 16, 2025 at 9:24 AM
「そのままで」

人はだれもそのままでいい

あなたもそのままでいい

あの人もそのままでいい

私もそのままでいい

もう二度と分かり合えなくても

だれもがそのまま生きればいいのだから
January 14, 2025 at 9:28 AM
「遠い海へ」

私に背を向けて逃げたあなたから遠くに

遠くに遠くに舟を漕ぎ出そう

広い海の気持ちよさにうっとりする

あの白い雲のところまで行こう
January 10, 2025 at 3:01 PM
「夢から醒めた日」

ある日突然、夢から醒めた

眠っていなくても夢を見ることがあるのだと知った

夢から醒めた私は
もうただの
人生後半を生きる
子宮もない
50代女性だ

朝はゴミをまとめて捨てに行く
そんな日々を過ごしている
January 7, 2025 at 12:03 AM
「新年」

新年がふわっと訪れた

旧年は夜空にそっと消えた
January 3, 2025 at 3:22 PM
「そおっとそおっと」

もう嫌われたかもしれないから
そおっとそおっと
まっすぐ見ないように気がつかれないように
しのび足でそおっと
少しずつあなたに近づいては
とびのくように距離をとる
そしてまたほんの少し近づいていく
December 30, 2024 at 1:22 PM
「不機嫌」

不機嫌な人が周りにいない

そういうところで暮したい

または

誰が不機嫌でも上機嫌でも

何の感情も起こらないないようになりたい
December 29, 2024 at 9:15 AM
「風のような」

そよ風のような文章を書きたい

誰かの心をそっと揺らす

心の熱を少しだけ冷ます
December 24, 2024 at 6:53 AM
「凍えない」

どんなに寒くても

絶対に凍えない

しっかりと見開いた

私の瞳

私の心

私の夢
December 23, 2024 at 5:21 AM
「暖炉の炎」

少しずつ千切って
暖炉の火に焚べる

怒り
悲しみ
絶望

自己嫌悪
罪悪感
無力感

最後に感謝を

暖炉の炎が
全て灰にする

でもまだ炎は消えない
私は冷たい手を
火にかざして
あたためる
あたためればまた
動くようになるから
December 12, 2024 at 10:45 AM
「言葉のない広場」

私が必死に
投げかけた問いに
誰も彼もが
返事でない言葉を
返してくる

意味がわからないよ

私は途方に暮れて
少しずつ
言葉を無くしてしまう

言葉のない広場で
一人立ち尽くす
December 12, 2024 at 10:38 AM