強い風が吹いて
目に痛いものが入って
前に進めなくなったから立ち止まる
目を閉じて立ち止まる
今までどこを歩いてきたのか
今はどこを歩いていたのか
今どこへ行こうとしていたのか
目を閉じて考える
何か間違っていたかもしれないけれど
ここまで歩いてこれたから
正しいも間違いもないのだ
でも
目を開けて歩き出す時は
少し違う道を選んでみよう
ほんのちょっと角度を変えて。
ほら、また風が吹いてきた
でももう目は澄んでいる
強い風が吹いて
目に痛いものが入って
前に進めなくなったから立ち止まる
目を閉じて立ち止まる
今までどこを歩いてきたのか
今はどこを歩いていたのか
今どこへ行こうとしていたのか
目を閉じて考える
何か間違っていたかもしれないけれど
ここまで歩いてこれたから
正しいも間違いもないのだ
でも
目を開けて歩き出す時は
少し違う道を選んでみよう
ほんのちょっと角度を変えて。
ほら、また風が吹いてきた
でももう目は澄んでいる
私の血の中には詩が流れている
汗の中にも吐息の中にも涙にも
私の血の中には詩が流れている
汗の中にも吐息の中にも涙にも
あの言葉は嘘だった
嘘は砂で出来ているから
強い風が吹けば
形をなくし
消えてしまう
もう
どこを探しても
見つからない
あの言葉は嘘だった
嘘は砂で出来ているから
強い風が吹けば
形をなくし
消えてしまう
もう
どこを探しても
見つからない
幸せな思い出をふかふかのソファーのようにしつらえて
そこに沈み込んで過ごす
未来の私もこんなふうに幸せでありますように…
そのソファーの中の私は過去と未来に過ごしている
今は?
今は幸せ?
問いかける声は聞こえないふりをする
幸せな思い出をふかふかのソファーのようにしつらえて
そこに沈み込んで過ごす
未来の私もこんなふうに幸せでありますように…
そのソファーの中の私は過去と未来に過ごしている
今は?
今は幸せ?
問いかける声は聞こえないふりをする
どんどん手放して
風が強いうちに
風が桜を散らしているうちに
花びらに混ぜて飛ばしてしまおう
心配も
悲しみも
寂しさも
うらやましさも
みじめさも
花びらになって飛んで行く
あとに残るのは
ただ、心
どんどん手放して
風が強いうちに
風が桜を散らしているうちに
花びらに混ぜて飛ばしてしまおう
心配も
悲しみも
寂しさも
うらやましさも
みじめさも
花びらになって飛んで行く
あとに残るのは
ただ、心
すみれが咲いていた
足元に。
ぜんぶつんでしまおう
花をぜんぶつんでしまったら
もうここにすみれは咲かなくなるだろうか?
そんなことはない
次々に咲くすみれ
わたしの手には紫の春の光
すみれが咲いていた
足元に。
ぜんぶつんでしまおう
花をぜんぶつんでしまったら
もうここにすみれは咲かなくなるだろうか?
そんなことはない
次々に咲くすみれ
わたしの手には紫の春の光
あの頃はまだ
ことばを信じていた
誰にでも伝わると
誰のことばも
私の綴ることばと
同じような重みだと
そうではないと知ったから
悲しみを胸に
ことばを胸に
こぼさぬように
そっと抱えて
黙って暮らしている
あの頃はまだ
ことばを信じていた
誰にでも伝わると
誰のことばも
私の綴ることばと
同じような重みだと
そうではないと知ったから
悲しみを胸に
ことばを胸に
こぼさぬように
そっと抱えて
黙って暮らしている
明るい部屋に住みたい
朝の光が入り
夜明けが分かる部屋に
春の陽の暖かさに
着ているものも
心もホカホカする部屋
そんな部屋で光を浴びていたい
今は
日の差さない部屋で目覚め
日の当たらない場所で夜まで働く
気持ちはずっと下り坂を降りてゆく
足が弱くなって
もう坂をのぼれない
明るい部屋に住みたい
朝の光が入り
夜明けが分かる部屋に
春の陽の暖かさに
着ているものも
心もホカホカする部屋
そんな部屋で光を浴びていたい
今は
日の差さない部屋で目覚め
日の当たらない場所で夜まで働く
気持ちはずっと下り坂を降りてゆく
足が弱くなって
もう坂をのぼれない
からだの不調が心を重くする
うつうつうつ
お出かけできない
うつうつうつ
たくさん眠ろう
うつらうつらうつら
たくさん眠れる
うとうとうと
夢のなかでいろんな人と会う
こんにちはさようなら
からだの不調が心を重くする
うつうつうつ
お出かけできない
うつうつうつ
たくさん眠ろう
うつらうつらうつら
たくさん眠れる
うとうとうと
夢のなかでいろんな人と会う
こんにちはさようなら
さようなら大好きな二月
こんにちはちょっと好きな三月
そう思いながら檸檬をしぼり
そう思いながら檸檬タルトを焼き
そう思いながら紅茶を飲む土曜日
さようなら大好きな二月
こんにちはちょっと好きな三月
そう思いながら檸檬をしぼり
そう思いながら檸檬タルトを焼き
そう思いながら紅茶を飲む土曜日
本を読んでいて
書かれていることがうらましくて
涙が滲むバカみたいな私
本を読んでいて
書かれていることがうらましくて
涙が滲むバカみたいな私
いつも人から「優しいね」と言われる
そうすると心の奥で
「そんなことない」
「優しくなんかない」
と声がするので
「そう、私は優しくなんかない」
とつぶやく
わかった
私は自分に優しくしていなかった
いつも責められている自分が心の奥て小さくなって
「優しくしてもらったことなんかない」
「いつも怒っているくせに」
と泣いていた
今日から自分に優しい人になろう
いつも人から「優しいね」と言われる
そうすると心の奥で
「そんなことない」
「優しくなんかない」
と声がするので
「そう、私は優しくなんかない」
とつぶやく
わかった
私は自分に優しくしていなかった
いつも責められている自分が心の奥て小さくなって
「優しくしてもらったことなんかない」
「いつも怒っているくせに」
と泣いていた
今日から自分に優しい人になろう
あの人へ、言葉を投げるとリアクションのマークがつく
私はまた次の言葉を投げ、またリアクションをもらう
また別の話を言葉にして投げる
既読がつく
相手からの言葉は一つもかえってこなくて
私の投げた言葉はどこかにたよりなく
ゆらゆら浮かんで流れていくような気がする
そのうちどこかに吸い込まれて消えてしまえばいいのに
そんな気持ちになって
せめて自分に見えないように削除した
でもまだどこかに漂っている、言葉たち。
あの人へ、言葉を投げるとリアクションのマークがつく
私はまた次の言葉を投げ、またリアクションをもらう
また別の話を言葉にして投げる
既読がつく
相手からの言葉は一つもかえってこなくて
私の投げた言葉はどこかにたよりなく
ゆらゆら浮かんで流れていくような気がする
そのうちどこかに吸い込まれて消えてしまえばいいのに
そんな気持ちになって
せめて自分に見えないように削除した
でもまだどこかに漂っている、言葉たち。
家の中にひとり
ひとりの心地よさと自由
日の当たる部屋のしずけさ
眠ってしまいたい
家の中にひとり
ひとりの心地よさと自由
日の当たる部屋のしずけさ
眠ってしまいたい
詩を書くときは心を透明にして
風に乗せるように言葉をふうっと吐くのだ
見えないけれど何かの形をして飛んで行く
詩を書くときは心を透明にして
風に乗せるように言葉をふうっと吐くのだ
見えないけれど何かの形をして飛んで行く
人はだれもそのままでいい
あなたもそのままでいい
あの人もそのままでいい
私もそのままでいい
もう二度と分かり合えなくても
だれもがそのまま生きればいいのだから
人はだれもそのままでいい
あなたもそのままでいい
あの人もそのままでいい
私もそのままでいい
もう二度と分かり合えなくても
だれもがそのまま生きればいいのだから
私に背を向けて逃げたあなたから遠くに
遠くに遠くに舟を漕ぎ出そう
広い海の気持ちよさにうっとりする
あの白い雲のところまで行こう
私に背を向けて逃げたあなたから遠くに
遠くに遠くに舟を漕ぎ出そう
広い海の気持ちよさにうっとりする
あの白い雲のところまで行こう
ある日突然、夢から醒めた
眠っていなくても夢を見ることがあるのだと知った
夢から醒めた私は
もうただの
人生後半を生きる
子宮もない
50代女性だ
朝はゴミをまとめて捨てに行く
そんな日々を過ごしている
ある日突然、夢から醒めた
眠っていなくても夢を見ることがあるのだと知った
夢から醒めた私は
もうただの
人生後半を生きる
子宮もない
50代女性だ
朝はゴミをまとめて捨てに行く
そんな日々を過ごしている
新年がふわっと訪れた
旧年は夜空にそっと消えた
新年がふわっと訪れた
旧年は夜空にそっと消えた
もう嫌われたかもしれないから
そおっとそおっと
まっすぐ見ないように気がつかれないように
しのび足でそおっと
少しずつあなたに近づいては
とびのくように距離をとる
そしてまたほんの少し近づいていく
もう嫌われたかもしれないから
そおっとそおっと
まっすぐ見ないように気がつかれないように
しのび足でそおっと
少しずつあなたに近づいては
とびのくように距離をとる
そしてまたほんの少し近づいていく
不機嫌な人が周りにいない
そういうところで暮したい
または
誰が不機嫌でも上機嫌でも
何の感情も起こらないないようになりたい
不機嫌な人が周りにいない
そういうところで暮したい
または
誰が不機嫌でも上機嫌でも
何の感情も起こらないないようになりたい
そよ風のような文章を書きたい
誰かの心をそっと揺らす
心の熱を少しだけ冷ます
そよ風のような文章を書きたい
誰かの心をそっと揺らす
心の熱を少しだけ冷ます
どんなに寒くても
絶対に凍えない
しっかりと見開いた
私の瞳
私の心
私の夢
どんなに寒くても
絶対に凍えない
しっかりと見開いた
私の瞳
私の心
私の夢
少しずつ千切って
暖炉の火に焚べる
怒り
悲しみ
絶望
自己嫌悪
罪悪感
無力感
最後に感謝を
暖炉の炎が
全て灰にする
でもまだ炎は消えない
私は冷たい手を
火にかざして
あたためる
あたためればまた
動くようになるから
少しずつ千切って
暖炉の火に焚べる
怒り
悲しみ
絶望
自己嫌悪
罪悪感
無力感
最後に感謝を
暖炉の炎が
全て灰にする
でもまだ炎は消えない
私は冷たい手を
火にかざして
あたためる
あたためればまた
動くようになるから
私が必死に
投げかけた問いに
誰も彼もが
返事でない言葉を
返してくる
意味がわからないよ
私は途方に暮れて
少しずつ
言葉を無くしてしまう
言葉のない広場で
一人立ち尽くす
私が必死に
投げかけた問いに
誰も彼もが
返事でない言葉を
返してくる
意味がわからないよ
私は途方に暮れて
少しずつ
言葉を無くしてしまう
言葉のない広場で
一人立ち尽くす