本の感想をブクログに置いています。http://booklog.jp/users/junsuido
『幽霊百話 』
「幽霊話コンテスト」が行われた。日本の「百物語」のようなもので、最後に幽霊が出てくるかも!?
はじめの人たちの幽霊話はどうにも中途半端。しかし最後に壇上に上がった女性はポル・ポト時代の悲惨な自分の人生と死を語る。
彼女は本物の幽霊、ポル・ポト時代の被害者の一人だったのだ。
荒削りだがだからこそ空恐ろしい。最後のオチが「審査員が幽霊に賞金を渡して気を失った」っていうのが「それどころですか!?」って感じ😅
『幽霊百話 』
「幽霊話コンテスト」が行われた。日本の「百物語」のようなもので、最後に幽霊が出てくるかも!?
はじめの人たちの幽霊話はどうにも中途半端。しかし最後に壇上に上がった女性はポル・ポト時代の悲惨な自分の人生と死を語る。
彼女は本物の幽霊、ポル・ポト時代の被害者の一人だったのだ。
荒削りだがだからこそ空恐ろしい。最後のオチが「審査員が幽霊に賞金を渡して気を失った」っていうのが「それどころですか!?」って感じ😅
『強者弱者 』
1993年総選挙でシハヌーク派と人民党が票をわけ、二人首相体制になったんだそうだ。
そんな「カンボジアの不可解な二つのこと」を書いた謎解き詩のような、散文のような形式。
この時代は検閲も厳しく、作者がこれを発表したのはかなり勇気ある行動だった。(解説より)
『被疑者 』
いきなりレイプ殺人者と言われた主人公。確かに被害者女性と揉め事があり、警察に事情は聞かれた。保釈されたが自分はすっかり悪人扱いで会社は首、恋人も去った。…という短い小説の章と、作者による解説の章で成り立っている。法律も国家も発展途上。いい加減な情報で運命が変わってしまう。
『強者弱者 』
1993年総選挙でシハヌーク派と人民党が票をわけ、二人首相体制になったんだそうだ。
そんな「カンボジアの不可解な二つのこと」を書いた謎解き詩のような、散文のような形式。
この時代は検閲も厳しく、作者がこれを発表したのはかなり勇気ある行動だった。(解説より)
『被疑者 』
いきなりレイプ殺人者と言われた主人公。確かに被害者女性と揉め事があり、警察に事情は聞かれた。保釈されたが自分はすっかり悪人扱いで会社は首、恋人も去った。…という短い小説の章と、作者による解説の章で成り立っている。法律も国家も発展途上。いい加減な情報で運命が変わってしまう。
【新時代に抱える問題】の章
『黒い犬』
電話が普及する前はトランシーバーを使っていた。電波が混乱すると別の回線の人に繋がってしまうんだ。そうだ、あのころプノンペンでは銃撃戦があったなあ。(1997年政府内の二つの党の武力衝突)
などを思い出す。
『小さき者の声は聞こえず』
ラジオ局員が爆撃による避難民を目撃し、受け入れの寺院にいき、支援グループとしてボランティアしたり避難民の様子を伝える。
【新時代に抱える問題】の章
『黒い犬』
電話が普及する前はトランシーバーを使っていた。電波が混乱すると別の回線の人に繋がってしまうんだ。そうだ、あのころプノンペンでは銃撃戦があったなあ。(1997年政府内の二つの党の武力衝突)
などを思い出す。
『小さき者の声は聞こえず』
ラジオ局員が爆撃による避難民を目撃し、受け入れの寺院にいき、支援グループとしてボランティアしたり避難民の様子を伝える。
【ポル・ポト時代の次の世代へ】
『スリルと隣りあわせの勉強 』
ポル・ポト時代にルール違反でも外国語を学ぶ人達がいた。
『最後の抱擁 』
おじいさんはお母さんを棄てて別の女性と新たに家庭を作った。お母さんは夢でおじいさんに危険が迫るのを見て会いに行った。
それが最後の抱擁になった。
『ショートヘアの女性の物語 』
亡母の日記から「兵士と強制結婚させられた女性の小説」を出版する弟と、反対する姉。しかし姉は母が自分で結婚相手を選んだことを喜んでいたことを知り…。
時代は変わる、真実と生きてゆくことで気持ちの整理ができる。悲しみは残っていても。
【ポル・ポト時代の次の世代へ】
『スリルと隣りあわせの勉強 』
ポル・ポト時代にルール違反でも外国語を学ぶ人達がいた。
『最後の抱擁 』
おじいさんはお母さんを棄てて別の女性と新たに家庭を作った。お母さんは夢でおじいさんに危険が迫るのを見て会いに行った。
それが最後の抱擁になった。
『ショートヘアの女性の物語 』
亡母の日記から「兵士と強制結婚させられた女性の小説」を出版する弟と、反対する姉。しかし姉は母が自分で結婚相手を選んだことを喜んでいたことを知り…。
時代は変わる、真実と生きてゆくことで気持ちの整理ができる。悲しみは残っていても。
【社会主義政権下の社会】の後半は、女性著者の子供から学生時代のエッセイが数点。
人々には「ポル・ポト政権では労働を強制されたが、その後は生きるために働かなければならなかった」という生活になる。作者の家族や周りの人たちは、農業、栽培業、そして密輸などに従事した。
開墾した土地の所有者になれるシステムなどがあったみたいです。
若者たちは新しい社会のために勉学にも励む。学生がソ連各国に留学に行くシステムも合ったようです。著者は教師になるためにロシアとかタジク共和国とかウクライナとかに留学した。そんな海外留学経験談です。
【社会主義政権下の社会】の後半は、女性著者の子供から学生時代のエッセイが数点。
人々には「ポル・ポト政権では労働を強制されたが、その後は生きるために働かなければならなかった」という生活になる。作者の家族や周りの人たちは、農業、栽培業、そして密輸などに従事した。
開墾した土地の所有者になれるシステムなどがあったみたいです。
若者たちは新しい社会のために勉学にも励む。学生がソ連各国に留学に行くシステムも合ったようです。著者は教師になるためにロシアとかタジク共和国とかウクライナとかに留学した。そんな海外留学経験談です。
【社会主義政権下の社会】
普通の暮らしが戻ったがポル・ポト派の残党とカンボジア政府はまだ戦っている。
でも子供たちにはそれが当然で怖くなかった。銃撃戦を見たことが自慢で、ある時叔父さんに抱っこされてシェルターに避難する時くすぐったがりの叔父さんが笑っちゃってバランスを取りながら逃げ込んだ。
長い年月が経って外国人にこの話をしたら「恐ろしい子供時代」と言われた。でも日常だったから恐ろしくなんかなかった。家族の良い思い出なんだ。
戦争中に隠したものを掘り出す作業も始まる。死んだ人の物を掘り出した時には「死んだ人の霊魂がここにあるって教えてくれてね」という言い方をした
【社会主義政権下の社会】
普通の暮らしが戻ったがポル・ポト派の残党とカンボジア政府はまだ戦っている。
でも子供たちにはそれが当然で怖くなかった。銃撃戦を見たことが自慢で、ある時叔父さんに抱っこされてシェルターに避難する時くすぐったがりの叔父さんが笑っちゃってバランスを取りながら逃げ込んだ。
長い年月が経って外国人にこの話をしたら「恐ろしい子供時代」と言われた。でも日常だったから恐ろしくなんかなかった。家族の良い思い出なんだ。
戦争中に隠したものを掘り出す作業も始まる。死んだ人の物を掘り出した時には「死んだ人の霊魂がここにあるって教えてくれてね」という言い方をした
【子どもの頃の思い出】の章の著者の子供時代は、クメール・ルージュが敗走(1979年)して、まだタイとの国境付近ではベトナム軍との戦闘が行われていたころ。
初めて「伝統」を知った子供たちには、それが真新しいものに見えた。例えば結婚式の花嫁衣装の美しさ!ポル・ポト時代に厳しく調べられたのに村人たちは結婚式装束や信仰の場を隠していたのだ。
人々は密売を生活の足しにして、著者の家は交通の途中にあったため、たくさんの客が来た。母は誰からも何も受け取らず客をもてなした。ポル・ポト政権では薄れていた人の信頼関係が戻っている。学校でも伝統舞踊の発表会が行われた。
【子どもの頃の思い出】の章の著者の子供時代は、クメール・ルージュが敗走(1979年)して、まだタイとの国境付近ではベトナム軍との戦闘が行われていたころ。
初めて「伝統」を知った子供たちには、それが真新しいものに見えた。例えば結婚式の花嫁衣装の美しさ!ポル・ポト時代に厳しく調べられたのに村人たちは結婚式装束や信仰の場を隠していたのだ。
人々は密売を生活の足しにして、著者の家は交通の途中にあったため、たくさんの客が来た。母は誰からも何も受け取らず客をもてなした。ポル・ポト政権では薄れていた人の信頼関係が戻っている。学校でも伝統舞踊の発表会が行われた。
『わらわい』
デパートの店員が、貧乏な幼少期、死んだ母のこと、就職難、客からの強烈なクレームを語っていく。
その合間に「私は笑いたくないんですが笑っています、しょっちゅう笑います毎日笑います、いまも笑ってるでしょ」「あなたは笑っていますか?どんなふうに笑うか詳しく教えてくださいよ、ねえ」というつぶやきが差し込まれる。
自分を大切なものだと思えないから、人からバカにされるのか。そんな仕打ちをされても笑うのが止まらないんです。これが笑いなのでしょうか?こんなのを笑いというからおかしくなるんじゃないでしょうか。
ほら、私笑ってるでしょ。笑ってるのに。笑ってんだよ。
笑ってんだよ。
『わらわい』
デパートの店員が、貧乏な幼少期、死んだ母のこと、就職難、客からの強烈なクレームを語っていく。
その合間に「私は笑いたくないんですが笑っています、しょっちゅう笑います毎日笑います、いまも笑ってるでしょ」「あなたは笑っていますか?どんなふうに笑うか詳しく教えてくださいよ、ねえ」というつぶやきが差し込まれる。
自分を大切なものだと思えないから、人からバカにされるのか。そんな仕打ちをされても笑うのが止まらないんです。これが笑いなのでしょうか?こんなのを笑いというからおかしくなるんじゃないでしょうか。
ほら、私笑ってるでしょ。笑ってるのに。笑ってんだよ。
笑ってんだよ。
『誰が』
静かな家を欲していてやっと手に入れた。しかし隣も上も迷惑住人。彼女の気持ちが爆発して、自分自身が「クソ女」になる。
『誰も行ったことがない』
哀しいことを経験した中年夫婦がヨーロッパ旅行に行く。旅の最中に少しずつズレが生じる。
そして韓国政府が経済主権を喪失したというニュースが入る。
『笑う男』
不思議な間取りの部屋に引きこもる男性がいる。実家の母親は病気になり、父親は節約のため家を改築してとても汚く臭く醜くなっている。
彼が自分を単純化させて生きているのは、後悔を抱えているからなのか。
『誰が』
静かな家を欲していてやっと手に入れた。しかし隣も上も迷惑住人。彼女の気持ちが爆発して、自分自身が「クソ女」になる。
『誰も行ったことがない』
哀しいことを経験した中年夫婦がヨーロッパ旅行に行く。旅の最中に少しずつズレが生じる。
そして韓国政府が経済主権を喪失したというニュースが入る。
『笑う男』
不思議な間取りの部屋に引きこもる男性がいる。実家の母親は病気になり、父親は節約のため家を改築してとても汚く臭く醜くなっている。
彼が自分を単純化させて生きているのは、後悔を抱えているからなのか。
『ヤンの未来』
語り手が働く店に来た女子高生と男たちに嫌な感じを受けるが、何もしなかった。そのまま女子高生は失踪した。
語り手は「何もしなかった人」として人々の目に晒される。
『上流には猛禽類』
恋人とその母と癌を患うその父とともにハイキングに行った。
両親は北朝鮮からの避難民で、巨額の借金を背負っていたが、支え合っている家族に見えた。
だが気持ちが通わないこと、価値観が違うことが露わになる。
『ミョンシル』
老婦人が亡くなった恋人(かな?)の遺品を引き継ぐ。彼女は万年筆を手に取りノートに向かう。
老婦人も痴呆症気味?時間の流れも曖昧なんだけど、哀しさを越えて静かな感じがした。
『ヤンの未来』
語り手が働く店に来た女子高生と男たちに嫌な感じを受けるが、何もしなかった。そのまま女子高生は失踪した。
語り手は「何もしなかった人」として人々の目に晒される。
『上流には猛禽類』
恋人とその母と癌を患うその父とともにハイキングに行った。
両親は北朝鮮からの避難民で、巨額の借金を背負っていたが、支え合っている家族に見えた。
だが気持ちが通わないこと、価値観が違うことが露わになる。
『ミョンシル』
老婦人が亡くなった恋人(かな?)の遺品を引き継ぐ。彼女は万年筆を手に取りノートに向かう。
老婦人も痴呆症気味?時間の流れも曖昧なんだけど、哀しさを越えて静かな感じがした。
「数万匹の群れ」には何度か遭遇していますが、コータロー先生にとっては「大群」ではないかもしれません😅
アフリカでも数十年ぶりの大発生の時は、コロナ発生により外国からはヘルプや研究に行けなかったようです。
本書で「バッタの繁殖について」の研究発表していますが、その数万匹の群れが雌ばっかりだったので「もしかして雌雄別居してるのか!?」と思い当たったようです。
そんな雌雄集団が出会って交尾する大量のバッタカップル(うわあ…😨)の群れにも遭遇しています。
ただし、本書は前作「バッタを倒しに」とも時期が重なる部分があるので、もしかしたら前作の時に出会った集団かもしれません。
「数万匹の群れ」には何度か遭遇していますが、コータロー先生にとっては「大群」ではないかもしれません😅
アフリカでも数十年ぶりの大発生の時は、コロナ発生により外国からはヘルプや研究に行けなかったようです。
本書で「バッタの繁殖について」の研究発表していますが、その数万匹の群れが雌ばっかりだったので「もしかして雌雄別居してるのか!?」と思い当たったようです。
そんな雌雄集団が出会って交尾する大量のバッタカップル(うわあ…😨)の群れにも遭遇しています。
ただし、本書は前作「バッタを倒しに」とも時期が重なる部分があるので、もしかしたら前作の時に出会った集団かもしれません。
私にとっては「困った時の阿刀田高」で、聖書、コーラン、シェイクスピア、ガリバーなどを読んでいたのですが、チェーホフも出ていたのですね!
戯曲は苦手なのですが読む前に阿刀田高で予習します。
私にとっては「困った時の阿刀田高」で、聖書、コーラン、シェイクスピア、ガリバーなどを読んでいたのですが、チェーホフも出ていたのですね!
戯曲は苦手なのですが読む前に阿刀田高で予習します。
私は「語り手である七人の淑女、三人の紳士にも何か個性や動きがあるのかな」と思ったけれど、かろうじてパン姐さん、ディオくんが判別できるくらいで、他の人達はただの語り手だった。
最後にはボッカッチョによる結びの言葉。
「皆様の楽しみになるように頑張って書いてきましたよ」
色々ツッコミどころはありますが、中世イタリアの人々の暮らしは感じられました。身分や貧富のさもかなり多いですが、王侯貴族だからといって突然全てを失うことも日常。女性は「淑女」「おかみさん」として持ち上げられる反面現実的な立場は寄る辺ない。これなら逢引きくらい楽しみたくなるよね…と感じましたよ。
booklog.jp/users/junsui...
9日目。
一同が森に散策する様子は「死によって打ち負かされることのない人たち。いや、もし死に打ち負かされたとしても幸せな人達」と思われるであろう様子だった。
ペスト吹き荒れるヨーロッパで、みんなが語るような理不尽なことが起きる人生でも、束の間の人生の休暇を楽しんでいる。
今日のお話は「テーマなし、自由に話す」。
おおらかな営みの話もありますが、ズルい人たちが人を騙す話はやっぱり楽しくない😑
booklog.jp/users/junsui...
9日目。
一同が森に散策する様子は「死によって打ち負かされることのない人たち。いや、もし死に打ち負かされたとしても幸せな人達」と思われるであろう様子だった。
ペスト吹き荒れるヨーロッパで、みんなが語るような理不尽なことが起きる人生でも、束の間の人生の休暇を楽しんでいる。
今日のお話は「テーマなし、自由に話す」。
おおらかな営みの話もありますが、ズルい人たちが人を騙す話はやっぱり楽しくない😑
やっと下巻!!
8日目の話のテーマは「悪戯を仕掛けた話」だが、知恵の回る者が、あまり知恵の回らない者を騙す話が多いので、あまり愉快ではない😓
その中では9話目の翻訳が遊びまくっていて楽しい。
P138「二人は医師の羊さ加減というか馬鹿さ加減をみて」
⇒イタリア語では羊が愚か者を示すようです。いきなり「羊さ加減」って書いてあるから誤植かと思った😲
P141「梨実詰子姫(なしのみのつめこひめ)」
⇒エチオピア発音で王妃のことらしい?翻訳者が各国の翻訳を参照してこれにしたらしい・笑
しかしこの話の内容は、ものすごく、思いっきり、徹底的に「排泄物ネタ」です😅