訳書『森を焼く人』(M・R・オコナー、英治出版)5月21日刊行。これまで『絶滅できない動物たち』(ダイヤモンド社、2018年)、『ようこそウェストエンドの悲喜劇へ』(論創社、2022)など訳しました。
M・R・オコナー『森を焼く人』(英治出版)、本日発売です。
著者のオコナーさんも、邦訳の刊行をとても喜んでいます。
オコナー作品を手掛けるのは第1作に続いてですが、本作で、「火」を通して彼女が自分を赤裸々に語っているのに驚き、生半可な気持ちではいかん、と居住まいを正して臨みました。一作ごとに、作品と彼女自身が進化・深化しています。女性として、母として、人間として、火とともに、火によって、彼女も変わっていきました。
彼女をはじめ、ふだんなら人生が交錯することなどないであろう人々が交わるときに発生するケミストリーや醍醐味も味わっていただけたらと思います。
大人の恋愛、とひとことで片づけられない12の恋愛の物語だ。すれ違い、片思い、不倫……一言で片付きそうな関係なのに、そこにいろんな事情やしがらみから逃れられない大人ふたりが絡むと、どうしてこうも哀しい物語になるのか。その哀しさを背負っていく辛さをわかっていながら、でも、その関係から得られる歓び、(まがいものかもしれない)嬉しさ、幸せという麻薬から逃れられない人間の性。
近所のリトル・フリー・ライブラリーで借りてきた。いつもきれいに手入れされている。面倒を見てくださっている方に感謝。
大人の恋愛、とひとことで片づけられない12の恋愛の物語だ。すれ違い、片思い、不倫……一言で片付きそうな関係なのに、そこにいろんな事情やしがらみから逃れられない大人ふたりが絡むと、どうしてこうも哀しい物語になるのか。その哀しさを背負っていく辛さをわかっていながら、でも、その関係から得られる歓び、(まがいものかもしれない)嬉しさ、幸せという麻薬から逃れられない人間の性。
近所のリトル・フリー・ライブラリーで借りてきた。いつもきれいに手入れされている。面倒を見てくださっている方に感謝。
www.newsweekjapan.jp/worldvoice/l...
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今回の劇場である楽園は、真ん中に柱があって、その両脇が客席という珍しいつくり。今回はその柱も、客席の通路も使って、演者は縦横無尽に動き回っていた。
音楽はチェロの生演奏で、弾くのは五十嵐あさかさん。五十嵐さんは劇中コールセンターのセンター長も演じ、木枯らしの風も口で吹かせと大活躍。「余白」は必要なのか、多いほうがいいのか、終わってからしみじみと考える。
塩田さんの言葉のチョイスが好きだ。ニーチェの格言をひとひねりしたかと思えば「四の五の言わずに」なんて表現がひょいと出てきたりする。今の若い人はあまり使わないだろう。
今回の劇場である楽園は、真ん中に柱があって、その両脇が客席という珍しいつくり。今回はその柱も、客席の通路も使って、演者は縦横無尽に動き回っていた。
音楽はチェロの生演奏で、弾くのは五十嵐あさかさん。五十嵐さんは劇中コールセンターのセンター長も演じ、木枯らしの風も口で吹かせと大活躍。「余白」は必要なのか、多いほうがいいのか、終わってからしみじみと考える。
塩田さんの言葉のチョイスが好きだ。ニーチェの格言をひとひねりしたかと思えば「四の五の言わずに」なんて表現がひょいと出てきたりする。今の若い人はあまり使わないだろう。
柴崎友香の文章は透明感があるのだが(女優の肌の描写か)、ところどころ挟まれる大阪弁で急に大阪のおばちゃんが顔を出し、性被害のエピソードなどは思わずこちらも真顔になる。そんなこんな全部ひっくるめての、柴崎の大阪だ。なんばパークスって、難波球場の跡地なのか。駅前スタジアムの走りだったのね。
いっぽう、岸政彦の文章には血肉があり、温度がある。相方のおさい先生といいコンビだ。ジャズと酒を中心に、それをめぐる人々の思い出が生き生きとしている。最後の「トニーのこと」はこれだけで一編の短編小説だ。
解説は西加奈子。パーフェクトな組み合わせ。
柴崎友香の文章は透明感があるのだが(女優の肌の描写か)、ところどころ挟まれる大阪弁で急に大阪のおばちゃんが顔を出し、性被害のエピソードなどは思わずこちらも真顔になる。そんなこんな全部ひっくるめての、柴崎の大阪だ。なんばパークスって、難波球場の跡地なのか。駅前スタジアムの走りだったのね。
いっぽう、岸政彦の文章には血肉があり、温度がある。相方のおさい先生といいコンビだ。ジャズと酒を中心に、それをめぐる人々の思い出が生き生きとしている。最後の「トニーのこと」はこれだけで一編の短編小説だ。
解説は西加奈子。パーフェクトな組み合わせ。
拾ってくれたくらげバンチありがとう!
女子二人が散歩するだけ、しかも地味な街ばかり! けど彼女らの持ち前の観察眼と好奇心(といくばくかの検索)でどの街も魅力的に見えてくる、というマンガです。
本日12/19より連載開始!
あ、映像化オファーもお待ちしてます!
オールロケでメインの役者さんも2人で済む、というたいへんコスパのいい作品となっております!
ご祝儀コメントもお待ちしてます!
kuragebunch.com/episode/2551...
拾ってくれたくらげバンチありがとう!
女子二人が散歩するだけ、しかも地味な街ばかり! けど彼女らの持ち前の観察眼と好奇心(といくばくかの検索)でどの街も魅力的に見えてくる、というマンガです。
本日12/19より連載開始!
あ、映像化オファーもお待ちしてます!
オールロケでメインの役者さんも2人で済む、というたいへんコスパのいい作品となっております!
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幼少期からの友人である雪野という人間を借りた赤瀬川青年の成長譚でもある。性の目覚め、自分の才能の見極め、周りの人間への評価……。1960年代の渋谷だろうか、そこでサンドイッチマンをやっているときの描写はカラーで目に浮かぶようだ。いつものがら、人生の哲学を抜群にうまいたとえでわかりやすく提示する技にしびれる。
最後には驚いたなあ。無理やり視点を変えられて、一瞬頭がついていかなくなるが、読み進むにつれて、雪野も人生を取り戻し、ほんのり幸せなエンディングだ。
幼少期からの友人である雪野という人間を借りた赤瀬川青年の成長譚でもある。性の目覚め、自分の才能の見極め、周りの人間への評価……。1960年代の渋谷だろうか、そこでサンドイッチマンをやっているときの描写はカラーで目に浮かぶようだ。いつものがら、人生の哲学を抜群にうまいたとえでわかりやすく提示する技にしびれる。
最後には驚いたなあ。無理やり視点を変えられて、一瞬頭がついていかなくなるが、読み進むにつれて、雪野も人生を取り戻し、ほんのり幸せなエンディングだ。
「夢を追い、夢をつかんだ代償は……45歳独身」って。自身の数々の恋愛失敗談をつぶさに記し、分析しているが、なぜうまくいかないのか。理由がはっきりしているのに、なぜ。
フィールドワークで海外に出て家を空ける期間が長いというのもあるんだろうけれど、読んでいて、この人、あまり結婚に向いてないんじゃないか、という気がなんとなくした。うまく説明できないけど。
この作品の刊行1年以内に結婚したいと公言しているので、わたしの予感を裏切り、ぜひうまくいくよう祈っている。そのために印税がんがん使ってください。
「夢を追い、夢をつかんだ代償は……45歳独身」って。自身の数々の恋愛失敗談をつぶさに記し、分析しているが、なぜうまくいかないのか。理由がはっきりしているのに、なぜ。
フィールドワークで海外に出て家を空ける期間が長いというのもあるんだろうけれど、読んでいて、この人、あまり結婚に向いてないんじゃないか、という気がなんとなくした。うまく説明できないけど。
この作品の刊行1年以内に結婚したいと公言しているので、わたしの予感を裏切り、ぜひうまくいくよう祈っている。そのために印税がんがん使ってください。
JJおじさんこと植草甚一が『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』で絶賛。JJおじさんは原書で読んで「行きづまり」という邦題をあてている。
登場人物のマット・ヒグビーの人物造形だけで満足感でいっぱい。フランシスに無償の愛を捧げるに至った経緯と、彼が背負っている過去だけで、一冊の作品を読んだ気分になる。フランシスと彼の「過去の男」についても、思わぬ展開にびっくりした。JJおじさんはフランシスをこのふたりの男の「情婦」って片づけちゃってるけど、そう片づけると作品の面白さが失せると思うんだけどな。
JJおじさんこと植草甚一が『雨降りだからミステリーでも勉強しよう』で絶賛。JJおじさんは原書で読んで「行きづまり」という邦題をあてている。
登場人物のマット・ヒグビーの人物造形だけで満足感でいっぱい。フランシスに無償の愛を捧げるに至った経緯と、彼が背負っている過去だけで、一冊の作品を読んだ気分になる。フランシスと彼の「過去の男」についても、思わぬ展開にびっくりした。JJおじさんはフランシスをこのふたりの男の「情婦」って片づけちゃってるけど、そう片づけると作品の面白さが失せると思うんだけどな。
『華麗なるギャツビー』が未読だというところに、わたしは絶大なる親しみと信頼を寄せていた。ここに取り上げた作品を読んだことがない理由と読後の感想が一般人に限りなく近いのだが、それを面白く読ませるのには脱帽する。たとえば、『華麗なるギャツビー』はこうだ。「ギャツビーは、わたしには華麗な人には思えなかったけれども、人気がある理由は辛くなるほど理解できた。少なくとも、『華麗さ』を『男性用スキンケア用品の名前だから』という理由で避けている人であればあるほど、本書の切実さが刺さると思う」
『華麗なるギャツビー』が未読だというところに、わたしは絶大なる親しみと信頼を寄せていた。ここに取り上げた作品を読んだことがない理由と読後の感想が一般人に限りなく近いのだが、それを面白く読ませるのには脱帽する。たとえば、『華麗なるギャツビー』はこうだ。「ギャツビーは、わたしには華麗な人には思えなかったけれども、人気がある理由は辛くなるほど理解できた。少なくとも、『華麗さ』を『男性用スキンケア用品の名前だから』という理由で避けている人であればあるほど、本書の切実さが刺さると思う」
運転手の兄さんに 「Easy, lady, easy! ちゃんと見えてるし、俺のバスはあなたを乗せるために走ってんだからー」と笑われてしまった。
そうだよねー、一本遅れたからって人生終わるわけじゃなし、ここのバスは時刻表より乗客を優先してくれるんだった。バス一本のことで必死に走る人を見ることなんて、ほんとないもんなあ。
と、息を整え、バスに揺られながら苦笑い。
運転手の兄さんに 「Easy, lady, easy! ちゃんと見えてるし、俺のバスはあなたを乗せるために走ってんだからー」と笑われてしまった。
そうだよねー、一本遅れたからって人生終わるわけじゃなし、ここのバスは時刻表より乗客を優先してくれるんだった。バス一本のことで必死に走る人を見ることなんて、ほんとないもんなあ。
と、息を整え、バスに揺られながら苦笑い。
またしても「今さら」映画。ガーシュインの音楽をバックに、ジーン・ケリーとレスリー・キャロンのダンスを堪能し、オスカー・レヴァントのピアノを味わう映画だ。冒頭のレスリー・キャロンの七変化で、その体の柔らかさに度肝を抜かれたが、元はバレリーナだったのか。
ガーシュインの音楽が素晴らしいのは言わずもがな。ケリーと恋敵の歌手が、まさかお互い同じ女性に恋していると知らずに幸せいっぱいに跳ねて歌っている"'S Wonderful"(このときのオスカー・レヴァントの演技に賞を授与したい)を聴けて大満足。
またしても「今さら」映画。ガーシュインの音楽をバックに、ジーン・ケリーとレスリー・キャロンのダンスを堪能し、オスカー・レヴァントのピアノを味わう映画だ。冒頭のレスリー・キャロンの七変化で、その体の柔らかさに度肝を抜かれたが、元はバレリーナだったのか。
ガーシュインの音楽が素晴らしいのは言わずもがな。ケリーと恋敵の歌手が、まさかお互い同じ女性に恋していると知らずに幸せいっぱいに跳ねて歌っている"'S Wonderful"(このときのオスカー・レヴァントの演技に賞を授与したい)を聴けて大満足。
https://natalie.mu/comic/news/651560?utm_source=bluesky&utm_medium=social
#このマンガがすごい #本なら売るほど #半分姉弟
耳にした音楽からどこに潜んでいたのかしらという記憶が思い出されるという随筆です。
open.substack.com/pub/yakumoiz...
耳にした音楽からどこに潜んでいたのかしらという記憶が思い出されるという随筆です。
open.substack.com/pub/yakumoiz...
今回は宮澤賢治記念館を案内する老齢のバスガイド(制服と制帽がショッキングピンク!)の「賢治をバスガイド」と、安倍晴明の流れを汲むと言い張る怪しげな陰陽師の「神主2」がよかった。バスガイドが案内しているツアーには「太宰治の生まれ変わり」も参加していて、青森VS岩手の戦いが勃発した。「神主2」の、陰陽師のうさんくささが実にいい。祈祷は松竹梅でそれぞれ120万円、110万円、そして……24,000円。24,000円の梅だと、大幣(おおぬさ、大麻とも書く)なんて0.5回しか振ってもらえない。
今回は宮澤賢治記念館を案内する老齢のバスガイド(制服と制帽がショッキングピンク!)の「賢治をバスガイド」と、安倍晴明の流れを汲むと言い張る怪しげな陰陽師の「神主2」がよかった。バスガイドが案内しているツアーには「太宰治の生まれ変わり」も参加していて、青森VS岩手の戦いが勃発した。「神主2」の、陰陽師のうさんくささが実にいい。祈祷は松竹梅でそれぞれ120万円、110万円、そして……24,000円。24,000円の梅だと、大幣(おおぬさ、大麻とも書く)なんて0.5回しか振ってもらえない。
巽昌幸の「埋もれた悪意」は、あとから言われれば、たしかにそうだよなあ、と己の迂闊さを恥じはするが、「それって揚げ足とじゃね?」と、ついつい言い返したくもなる。そうなるくらい、きれいにやられました。京大推理研究会の犯人当て朗読会のテキストとして書かれたものだが、兄弟推理研究会史上一、二を争う初期の傑作と有栖川有栖が太鼓判を押している。
今邑彩の「時鐘館の殺人」は、解答を読者からの反論で、また別の解答でひっくり返すという荒業をやってのけた。ユーモアもあって面白かった。
巽昌幸の「埋もれた悪意」は、あとから言われれば、たしかにそうだよなあ、と己の迂闊さを恥じはするが、「それって揚げ足とじゃね?」と、ついつい言い返したくもなる。そうなるくらい、きれいにやられました。京大推理研究会の犯人当て朗読会のテキストとして書かれたものだが、兄弟推理研究会史上一、二を争う初期の傑作と有栖川有栖が太鼓判を押している。
今邑彩の「時鐘館の殺人」は、解答を読者からの反論で、また別の解答でひっくり返すという荒業をやってのけた。ユーモアもあって面白かった。
建物自体、昭和13(1938)年に竣工された旧公衆衛生院で、風格があった。その中に、この博物館と区の施設が入っている。展示は小ぢんまりとしていたが、区の博物館とは思えない充実ぶりだった。
今日いちばん驚いた展示は、カバヤの景品が生きた動物だったこと。特等は猿!で、1等はスピッツ1匹か「赤い」カナリア1羽。よくこんなこと思いついたし、実行に移したよなあ。とはいえ、この時代は向田邦子が電車の車窓から人に飼われているライオンを見ていたくらいだからなあ。あまりに楽しかったので、家に帰ってからの反芻用でカタログも買った。
建物自体、昭和13(1938)年に竣工された旧公衆衛生院で、風格があった。その中に、この博物館と区の施設が入っている。展示は小ぢんまりとしていたが、区の博物館とは思えない充実ぶりだった。
今日いちばん驚いた展示は、カバヤの景品が生きた動物だったこと。特等は猿!で、1等はスピッツ1匹か「赤い」カナリア1羽。よくこんなこと思いついたし、実行に移したよなあ。とはいえ、この時代は向田邦子が電車の車窓から人に飼われているライオンを見ていたくらいだからなあ。あまりに楽しかったので、家に帰ってからの反芻用でカタログも買った。
この時代の出版物って尖ってたなあ、としみじみ実感する1冊。わたしが持っているのについている帯には、「アイロニカルな短篇集」という惹句が踊っているが、まさに。
びっくりしたのは「朝のコスモス」という短編で、四次元はお父さん、三次元はお母さん、二次元は幼児、一次元は赤ん坊らしき存在で、彼らが家庭生活を営んでいるのだ。二次元は「ニィちゃん」、一次元は「イッちゃん」と呼ばれている。そして三次元のお腹にはゼロ次元(胎児みたいなもの)がいるのだ。二次元までは感覚としてわかるが、一次元とゼロ次元の存在とは何ぞや?!
この時代の出版物って尖ってたなあ、としみじみ実感する1冊。わたしが持っているのについている帯には、「アイロニカルな短篇集」という惹句が踊っているが、まさに。
びっくりしたのは「朝のコスモス」という短編で、四次元はお父さん、三次元はお母さん、二次元は幼児、一次元は赤ん坊らしき存在で、彼らが家庭生活を営んでいるのだ。二次元は「ニィちゃん」、一次元は「イッちゃん」と呼ばれている。そして三次元のお腹にはゼロ次元(胎児みたいなもの)がいるのだ。二次元までは感覚としてわかるが、一次元とゼロ次元の存在とは何ぞや?!
井上ひさしの「エッセイとは自慢話のことである」という言葉が帯にど~ん。とはいえ、自慢話を楽しく読んでもらうのも芸が要る。おまけに、エッセイがうまい人というのは、エッセイだけしか書いていないというケースがきわめて少ない。別の世界で秀でた人が手がけたエッセイが面白い、というケースがきわめて多い。エッセイを書くための題材をその世界で見つけるからだろうな。
エッセイというジャンルの境界線も曖昧だ。ノンフィクションや私小説と交差するものもあるが、詩(!)と交差するものまであるとは。
井上ひさしの「エッセイとは自慢話のことである」という言葉が帯にど~ん。とはいえ、自慢話を楽しく読んでもらうのも芸が要る。おまけに、エッセイがうまい人というのは、エッセイだけしか書いていないというケースがきわめて少ない。別の世界で秀でた人が手がけたエッセイが面白い、というケースがきわめて多い。エッセイを書くための題材をその世界で見つけるからだろうな。
エッセイというジャンルの境界線も曖昧だ。ノンフィクションや私小説と交差するものもあるが、詩(!)と交差するものまであるとは。
演目は『替り目』、『まめだ』、『崇徳院』。どの噺もまくらをたっぷり語っていたので、3席でも2時間オーバー。
『替り目』の主人公は酒好きで貧乏でおかみさんを手足のようにこき使う、今でいえばクズだけれど、情に篤いところが垣間見えたりするから憎めない。だけど、ほんとにしょうむないやっちゃ。
『崇徳院』で、若い男女が出会うのが「こうづ」というお社なんだが、「仁徳天皇」などのキーワードが出てきて??となり、ググってみたら、大阪に、仁徳天皇を祀った高津宮(こうづぐう)という神社があるのね。今度行ってみよう。
演目は『替り目』、『まめだ』、『崇徳院』。どの噺もまくらをたっぷり語っていたので、3席でも2時間オーバー。
『替り目』の主人公は酒好きで貧乏でおかみさんを手足のようにこき使う、今でいえばクズだけれど、情に篤いところが垣間見えたりするから憎めない。だけど、ほんとにしょうむないやっちゃ。
『崇徳院』で、若い男女が出会うのが「こうづ」というお社なんだが、「仁徳天皇」などのキーワードが出てきて??となり、ググってみたら、大阪に、仁徳天皇を祀った高津宮(こうづぐう)という神社があるのね。今度行ってみよう。
丸谷才一の『いろんな色のインクで』で紹介されていたので手に取った。
丸谷は表題作の「4U」を褒めていたが、たしかに面白い。「外見を裏切らない男を持った男なんて、後ろから読むミステリーよりもつまらない」
「メサイアのレシピ」は、ニューヨークのダウンタウンのアパートメントに住むことになったシンガー志望の若い女性の住民のお話。お洒落なヴィレッジではなく、怖かった(今はジェントリフィケーションが進んで昔の面影はない)イーストヴィレッジとかロワーマンハッタンの辺り。Sing Singと聞いて歌を歌っちゃうなんて、どんだけ純朴なんだ、この主人公。
丸谷才一の『いろんな色のインクで』で紹介されていたので手に取った。
丸谷は表題作の「4U」を褒めていたが、たしかに面白い。「外見を裏切らない男を持った男なんて、後ろから読むミステリーよりもつまらない」
「メサイアのレシピ」は、ニューヨークのダウンタウンのアパートメントに住むことになったシンガー志望の若い女性の住民のお話。お洒落なヴィレッジではなく、怖かった(今はジェントリフィケーションが進んで昔の面影はない)イーストヴィレッジとかロワーマンハッタンの辺り。Sing Singと聞いて歌を歌っちゃうなんて、どんだけ純朴なんだ、この主人公。
ルーカスの「本当に読んだ?」は、良心が咎めるもの書きが少なからずいるに違いない。彼の友人が、献本のなかにさまざまな額の小切手を紛れ込ませて、贈呈したそうだが、「小切手が入っていました」と言ってきた人間が一人もいなかったそうだ。そして贈られた側は「読んだよ、面白かった」と判で押した返事。これを読んで、山本夏彦翁が「献本を受け取ったら『ありがとうございます。これから楽しみに拝読します』と着いたその日に礼状を出せ」と、部下に命じていたのは賢明だったとしみじみ思う。
ルーカスの「本当に読んだ?」は、良心が咎めるもの書きが少なからずいるに違いない。彼の友人が、献本のなかにさまざまな額の小切手を紛れ込ませて、贈呈したそうだが、「小切手が入っていました」と言ってきた人間が一人もいなかったそうだ。そして贈られた側は「読んだよ、面白かった」と判で押した返事。これを読んで、山本夏彦翁が「献本を受け取ったら『ありがとうございます。これから楽しみに拝読します』と着いたその日に礼状を出せ」と、部下に命じていたのは賢明だったとしみじみ思う。
ほんやくWebzineに『絶滅できない動物たち』と『森を焼く人』の翻訳裏話を書きました。
『絶滅~』の原書の謝辞の最後は”I hope our adventures are endless.”という文章で終わっていますが、オコナーさんと編集者さんと私の旅も続きますように。
あと、文中にも書いたけれど、『森を焼く人』の素晴らしいPOPを制作してくださった紀伊國屋書店新宿本店の方にも、いつかお礼を申し上げたいと思っています。願いが叶いますように。
ほんやくWebzineに『絶滅できない動物たち』と『森を焼く人』の翻訳裏話を書きました。
『絶滅~』の原書の謝辞の最後は”I hope our adventures are endless.”という文章で終わっていますが、オコナーさんと編集者さんと私の旅も続きますように。
あと、文中にも書いたけれど、『森を焼く人』の素晴らしいPOPを制作してくださった紀伊國屋書店新宿本店の方にも、いつかお礼を申し上げたいと思っています。願いが叶いますように。
実はうちの長男でして、10歳のある日から「毎日一枚、絵を描く」という生活をずーーーっと続けているこだわりの自閉症者です。ただいま26歳、……ということはおわかりですね、我が家はいたるところ画用紙の山、山、山、であります。
たとえ身内が関係していなくとも、小川典子さんの長年のご活動に大賛同、かなうことなら家族もろとも聴きに行きたかったのに残念です〜〜〜。浜松のお近くの方、ぜひご来場ください!
実はうちの長男でして、10歳のある日から「毎日一枚、絵を描く」という生活をずーーーっと続けているこだわりの自閉症者です。ただいま26歳、……ということはおわかりですね、我が家はいたるところ画用紙の山、山、山、であります。
たとえ身内が関係していなくとも、小川典子さんの長年のご活動に大賛同、かなうことなら家族もろとも聴きに行きたかったのに残念です〜〜〜。浜松のお近くの方、ぜひご来場ください!