ハマジン
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ハマジン
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映画を見に行く普通のだいふく(エビ味)
夢野久作『少女地獄』所収の「火星の女」、「血液の採取でヒロインが処女かどうか検査する」とかいうトンデモ疑似科学が唐突に出てくるのでギョッとしてしまう。「……何と言う恐ろしい科学の力……。」(164頁)じゃあないんだよ。(メロドラマ的小道具としては、まぁ機能してると言えば言えなくもない)(当時広まっていた俗説とかだったんかしら)
September 21, 2024 at 9:08 AM
廣瀬純『監督のクセから読み解く名作映画解剖図鑑』(彩図社)読了。
映像、音声、言葉、文字、身体など、複数のアスペクトが多面的に組み合わさる場としての「画面」の中で何が起こっているのかを具体的かつ丁寧に読み解いていくことで、映画監督がそれぞれの作品群で反復している「クセ」にフォーカスを当てる演出論。シンプルで軽やかな語り口ときわめて独創的な指摘の数々に、ページを繰るのが楽しくて仕方がなかった。「論」としては若干食い足りない部分もあれど、「映画を語る」際の入門書として、塩田明彦『映画術』と(「批評家視点/実作者視点」という対としても)抱き合わせで広く読まれてほしい本だな、と思った次第。
September 20, 2024 at 10:23 AM
濱口竜介監督が『他なる映画と』で、「映画を見ながら寝てしまう」と述べていたのホントその通りだなと思ったんだけど、ADHD当事者の視点で書かれた柴崎友香さんのエッセイ『あらゆることは今起こる』(医学書院)の中で、「ほんとうにつまらない映画は、寝れない。」(49頁)とよりド直球な書かれ方がされており、同意のしすぎで激分かり頷き丸になってしまった。
September 4, 2024 at 10:25 AM
沖田修一&玉澤恭平監督『0.5の男』完走(WOWOWの「連続ドラマW」枠で2023年放映なんすね。無知でお恥ずかしい)。
TVのちっさい画面にはもったいないほど贅沢な撮影、セット、美術、役者陣をふんだんに揃えた、堂々たる「映画」だった。「河川を2つに割ってド真ん中を走る遊歩道」というロケ地選びの時点で優勝。
旧宅の上空写真/新宅の図面と、沖田監督印の「俯瞰」モチーフが序盤からバシバシ出てくるけども、今回はドールハウス状の断面で見せる新宅セットが、枠をはみ出て撮影現場にまでフレームを後退させる徹底ぶりで、それはもはや『ライフ・アクアティック』を超えて『底抜けもててもてて』なんよ。ひたすら眼福。
August 26, 2024 at 5:08 AM
濱口竜介『他なる映画と 1』(インスクリプト)読了。映画というメディア特有の「他性(「映画を見ていて寝てしまう」問題)」、カメラ特有の「記録(の機械的無関心)性」「断片性(フレームの外は映らない)」といった、「当たり前のこと」から論を立ち上げつつ粘り強く思考を積み重ねていく、正攻法の映画講座集成。取り上げられた映画作品群(個人的には特に『晩春』)を今すぐ見たくなるのは、それだけでよい映画本の証左であります。
August 6, 2024 at 11:17 AM
TVOD『ポスト・サブカル焼け跡派』(百万年書房)読了。戦後日本の「サブカル」(特に音楽)の歴史的経緯の概観をとおして、「オトコノコ」の「自意識」をめぐる「(歴史・社会的文脈から切り離された)記号化」と「キャラクター化」の加速と、それが「あえて」の姿勢を徐々に忘却していった過程を丹念にたどっていくことで、2020年代に至って「なぜこんなこと(文化的「焼け跡」状態)になってしまったのか?」を検証していく対談本。とても面白く読んだ。
August 4, 2024 at 9:04 AM
ミーハーなので真夏の盛りにこんな本ばかり買ってしまう。(よくよく考えたら真夏にゾンビは腐臭が強すぎるので全く納涼にならんのでは……?という気がしなくもないが、まあよしとする)
August 2, 2024 at 11:22 AM
というわけで、8月の積読本崩し月間は岩波文庫赤帯に挑みます。倒す!
August 1, 2024 at 3:01 PM
『ピーター・シムプル』第十二章で、船大工のマドルこと「哲人チップス」が述べる「二萬七千六百七十二年後に現在の事象が凡て現在の住人とともに再現する。」(上巻112頁)という「学説」を読んで、ニ、ニーチェの永劫回帰!?と一瞬目を疑ってしまった(『ピーター・シムプル』が1833年、ニーチェが永劫回帰を本格的に論じた『ツァラトゥストラはかく語り』が1885年なので半世紀も前の話である)。
永劫回帰も、あの大哲人ニーチェが……!と気負わずに、そのへんの船大工のおっちゃんもこねくり回してた与太話だと思うと、なんだか取っつきやすく感じてきますわね。
August 1, 2024 at 11:14 AM
マリアット『ピーター・シムプル 上』(伊藤俊男訳、岩波文庫)読み。べらぼうに愉快で楽しい海洋小説。もうこういう本ばかりひたすら読んでいたい。感触としてはジョン・フォードのコメディ映画(『周遊する蒸気船』『ウィリーが凱旋するとき』など)を見たときの歓びに近い、おおらかで活き活きとした粗暴さに満ちている。中下巻読むのが楽しみ。
August 1, 2024 at 11:00 AM
思い立って、町田康『パンク侍、斬られて候』(角川文庫)読み。カルト集団「腹ふり党」の、藩の家老の面子のために仕組まれたマッチポンプ的まがい物に焚きつけられ、腹ふりから打ち毀しに雪崩れ込んだ「往来の者ども」が述べる一連の「感想」が画像↓のとおりなんだけど、なんというか、ロックフェス的盛り上がりに対する悪意の塊のような紋切型台詞のオンパレードで、これあの町田町蔵が書いたんだよね、と思うと、得心とともに背筋に冷たい汗がつたってしまう。
官僚社会/会社社会の不条理を生き抜こうと七転八倒するフリーランスの話でもあり、すごく虚無的で厭~な気持ちになる。少なくとも「笑える」小説ではないですね個人的には。
July 27, 2024 at 9:25 AM
藤高和輝『バトラー入門』(ちくま新書)読んでる。本文ともジュディス・バトラーとも直接関係ないんだけど、本書の特異にくだけた文体を読みながら、改めて橋本治が発明した(と言っていいでしょもはやあれは)日本語におけるクィアな語り=「桃尻語」の射程の深さを思い知った。本(例えば『桃尻語訳 枕草子』)の紹介などでは「現代の若者言葉」と書かれてるけど、あれやっぱり、近代日本の規範や制度に対して「ヤな男」と言い放つための戦略的な語りの技法の一つだったんだと思う。橋本治自身はクィアという語は使わず「へん」という日本語を(自称も含め)用いているわけだけど(『「わからない」という方法』など)。
July 26, 2024 at 12:17 PM
鮎川ぱて『東京大学「ボーカロイド音楽論」講義』(文藝春秋)読了。
「性」「重力」「時間」といった、人間にとっての「生得性=逃れ得ないもの」にとことん抗いつづける、「アンチ・セクシャル」「アンチ・フィジカル」「アンチ・クロノス」的感性の表出としての「ボーカロイド」論。その「厨二病」的潔癖性を全面擁護する著者の姿勢が何より誠実だと思った。「個別の具体的な複数の歌声が、同じ「時間のプール(貯水池)」から生まれ」「あらゆる可能な組み合わせによる歌が噴出しつづける」(502頁)ボーカロイドを、「愚直なほどに」「真に音楽な」営為として評する最終章は、ぽわぽわP(椎名もた)への追悼という意味でも感動的。
July 25, 2024 at 10:42 AM
小笠原鳥類から「読め!」って言われたらそれはもう読むしかないじゃんか!(謎の不貞腐れ)(吉岡実詩集出せるだけ段ボールから引っぱり出してきたので読みます。あと小笠原鳥類詩集も)
>小笠原鳥類『吉岡実を読め!』(ライトバース出版)
July 16, 2024 at 1:11 PM
森茉莉『恋人たちの森』表題作読み。以下主人公パウロの体や感情の動きについて抜粋↓
「これもまるで鳥のようなパウロの体が足を蹴上げて飛び出したが、上部に多すぎない肉附きのある脚の動きは、水面を飛ぶ蛙のように跳ね踊るようで、ギドウの眼を楽しませるのだ。」(168頁)
「(今ギドが向うから来たら、僕は飛んで行って飛びつくんだ。そうしてどんな時だって、どんなことがあったって、獅噛みついているんだ)」(181頁)
これ、猫の動き以外の何物でもないんだわ。猫のしなやかで気まぐれで用心深い仕草1つ1つを細やかに観察した人にしか描けない描写のつるべ打ち。それが1人物の筆致の内に昇華されてる。めっちゃ感動した。
July 16, 2024 at 11:49 AM
積読本崩し月間、昨晩は大岡昇平『武蔵野夫人』(新潮文庫)読了。想像の100倍えげつない話でドン引きした。野川の水源探索→村山貯水池旅行→キャスリーン颱風通過と、水にまつわる描写の変転がそのまま不倫の恋を盛り上げていく前半の流れからは想像できないほど、「金の切れ目が縁の切れ目」と言わんばかりに登場人物たちが金策に転げまわる(家の譲渡委任状をめぐる悶着など)後半の醜悪な喜劇的展開があまりにエグすぎてもはや笑ってしまう。ラストの「姦通」の相手も、「結局そっちなんかーい!」と思わずツッコミを入れてしまいたくなるほど腰砕けで、なんだか作者の悪意をヒシヒシと感じたのだわ……。
July 16, 2024 at 9:52 AM
今月刊行本のうち本命中の大本命、マフムード・ダルウィーシュ『パレスチナ詩集』(四方田 犬彦訳、ちくま文庫)をようやく入手。
心して読みますぞ。
July 13, 2024 at 1:35 PM
積読本崩し月間につき、殊能将之『ハサミ男』(講談社文庫)読了。
「みんながそれぞれに理解していたのよ。そして、彼らは彼らなりに正しく理解していた。」(p.361)という台詞が示すとおり、人は他者、出来事、世界、ひいては自分自身すらも「彼らなりに正しく理解」することしかできず、それはつまり「何かを本質的に理解することなど、端的に不可能である」ことの逆説的言い換えに過ぎないのだ。
このシニカルなテーゼを根幹に据え、「一見無関係な痕跡の断片から意味の体系を見出し「理解」に至る」プロセスをプロット上に組み込んだ「推理小説」というジャンルのフォーマット上で繰り広げる批評性の高さ。これは名作……。
July 12, 2024 at 1:36 PM
積読本崩し月間開催中につき、古栗を一旦読み止し島尾敏雄『魚雷艇学生』(新潮文庫)読了。
「大村湾内を疾走しているあいだに私は一種の指揮官としての呼吸を体得して行ったようであった。」(p.159)
「呼吸を体得して行った」という、あくまで語り手の身体の感覚に即して内側から知覚した世界を緻密に描きつつ、直後に「ようであった」を連結することで、その内実であるはずの出来事=記憶は、どこまでも曖昧で茫漠としてとらえどころがないものとして現出する。こんな奇体な文章を作品全編にわたって展開する島尾敏雄、めたんこテクニカルな作家やんけ、と改めて思った。
July 8, 2024 at 1:27 PM
木下古栗『ポジティヴシンキングの末裔』2/3まで読み。収録作の中では、今のところ『虎と戦いたい』(+『突然、自分が動物が――』)が一番好きかもしれん。虎への加虐の欲望をひたすら垂れ流す画像のくだりがドイヒーで最悪すぎて爆笑なんだけど、「ストレスで縞の黒い帯がグニャグニャ歪んで訳のわからない模様になるかどうか。」など、奇妙に詩的な文章がふいに立ち上がってくる瞬間が忘れ難い一篇。
July 6, 2024 at 11:54 AM
7月の積ん読本崩し月間、メインディッシュその1ゾーンに突入いたしました(ワクワク)
July 3, 2024 at 11:06 PM
今日も今日とて積ん読本崩し月間開催中なのであった。
ということで、田辺聖子『週末の鬱金香』(中公文庫)読み。おせいさんの書く、「はんなり」という情緒を体現したまろやかな大阪弁のダイアローグの数々が、どこまでも心地よい短編集。普段は「よそ行き」のことばである標準語で喋っている一人暮らしのキャリアウーマンや妙齢の女性のヒロインが、「温い湯にほとびるように、男に心が寄り添ってゆく」瞬間、ふとやわらかな大阪弁が口からまろび出る。そのつつましい官能性。
根底にある死生観が存外ドライでシビアなことにも、背筋がソクソクするようなよさがございました。
July 3, 2024 at 11:45 AM
ネットのみんなたち、
・自宅の本棚
・買った本
・借りてきた本
・積ん読本
を惜しげもなく軽率に見せびらかしてほしいところある。、と思ったので発言者が率先して本棚をさらします(なお9割積ん読本です)。
June 28, 2024 at 11:46 AM
桔梗のつぼみってかわいいのなー。小さな折り紙で作った風船みたい。
June 28, 2024 at 6:11 AM
アラン編み初めて挑戦してみてるけどめっちゃ楽しいですねこれ。模様編みキツキツに編んでしまうので、ゆるめを心がけたい。
April 26, 2024 at 11:47 AM