読谷 文
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読谷 文
@fumi-yomitani.bsky.social
海外文学とノンフィクションを読むのが好きです。長めの感想はブログに載せています。

ブログ「読谷文の本棚」
https://fumi-yomitani.hatenablog.com
「第七問」
リチャード・フラナガン 著/渡辺佐智江 訳
白水社(2025)

著者の母についての回想を中心とした第七章、滂沱の涙だった。
暴力、そして死について。
折々に煌めく美しい文章にハッとさせられる作品だった。
November 26, 2025 at 12:08 PM
酒とは何か、酒飲みとは何かが語られている本だった。お酒ってメンタルや肝臓や膵臓をぶっ壊す恐ろしいものだと思っていたし今も思うけど、お酒に救われる人もいるんだな…と思った。たろちんさんには酒とインターネットがあって本当によかったのだなと思う。

何度も死にかけて大きすぎる代償を払って断酒してもなお「命より大事な酒」と言い切れるのが逆に凄い。
本人と同じかそれ以上に不安だったろう妻のいみちんさんのシゴデキぶりに感服し、「ブレーキランプ5回点滅」の場面で大泣きしてしまった。→
October 23, 2025 at 6:41 AM
「激しく煌めく短い命」綿矢りさ/文藝春秋

まず装丁とタイトルに釘付けになる。
なんと美しいのか。

中学の入学式での2人の出会い方が抜群に詩情に溢れていてよかった。
京都の自然を背景に、あまりにも緻密にみっしりと描かれる中学生活の行事やテストなどの描写を読んでいると、未熟で劣等感の塊でしかなかった自身の中学時代にびゅーんと連れ去られて苦しくてたまらない。

第二部の再会編では、終盤に近づくにつれて幾度もギアが上がっていってテンションが振り回され、最後にはカタルシスの落涙。
タイトル出てくるのそこなのか!と意外に思いつつも、久乃にとって重要な場面に繋がるわけで、こう来るかぁ〜と唸らされた。→
October 14, 2025 at 2:10 AM
「ムーア人による報告」
レイラ・ララミ著/木原善彦訳/白水社

フィクションということもあり、スペイン遠征隊のフロリダ探検の部分は今ひとつノリきれなかったが、奴隷のエステバニコがかつてムスタファであったときの生活の描写が、生き生きと美しくて好きだった。そこだけずっと読んでいたかった。永遠に失われたものを振り返って書いているからというのもあると思うけど。「親愛なる読者よ」とか言っていきなり話しかけてくるのが油断ならなくてチャーミングだった。→
October 6, 2025 at 8:55 AM
『自分は「底辺の人間」です 京都アニメーション放火殺人事件』
京都新聞取材班/講談社
京アニ放火殺人事件の経緯と詳細、および遺族と加害者への取材をまとめたもの。

加害者は、人生に行き詰まり困窮した者が陥りがちな一発逆転的発想から小説投稿するものの落選。逆に「自分の小説をパクられた」という逆恨みを募らせ犯行に至る。
August 12, 2025 at 7:01 AM
「天使も踏むを畏れるところ」
松家仁之/新潮社

本書は、皇居新宮殿造営にまつわる顛末と、その設計を担った建築家・村井俊輔の半生を中心に、複数の人物の視点から戦前〜戦後の歴史を背景にして描かれた物語である。

あくまでも史実を元にした創作であるため、調べてみると登場人物に関しては大胆にフィクショナイズされている部分も多いが、皇室の方々や政治家、外国の建築家については実名や匿名で頻出し、実際の歴史的事件などの描写もあるため、まったく違和感のない物語世界が構築されている。→
August 2, 2025 at 1:57 AM
>RP チョコパイとエンゼルパイ、アメリカにもあったんだ?? すごい!!って結構衝撃だったのだけれど、“ない”とのことでした。判明。
May 24, 2025 at 10:38 AM
Reposted by 読谷 文
代わりに読んでくださいました。ありがとうございます。なお、訳本中のチョコパイとエンゼルパイは小生によるかなり苦しいジャパナイズです。
#代わりに読みました (17,000字ほどあります)

『失われたスクラップブック』を代わりに読む
sapphicalien.hatenablog.com/entry/2025/0....
March 12, 2025 at 9:26 PM
「失われたスクラップブック」
エヴァン・ダーラ著/木原善彦訳/幻戯書房

第11回日本翻訳大賞 受賞作。
読了した方々の感想の熱量がとにかくすごくて、いわく、400ページ位まで頑張って読めば、仕掛けが明らかになりめくるめく読書体験が待っていると。

そんな読書体験を私もしてみたい!と読み始め、途中でその仕掛けのネタバレをうっかり見てしまい地団駄を踏むが、気を取り直して読み続けると、果たして……
May 24, 2025 at 10:29 AM
これを読んだらこっちも読まなきゃでしょ!過ぎなラインナップ。完全に国書さんの策に嵌められているッ!恐ろしい子……。

「両膝を怪我したわたしの聖女」

「いっそあの方が死んで下すったなら」

bsky.app/profile/koku...
【新刊】『いっそあの方が死んで下すったなら 伊澤みゆき作品集』(伊澤みゆき著) x.gd/FTqJn 友愛のなかに潜む、暗い情念と烈しい感情――闇のオーラを纏う少女たちの内面。百年前の少女たちの叫びは、今もなお私たちの心に鮮烈な衝撃をもたらす。少女小説の黎明期に活躍した幻の作家、初の作品集。
May 23, 2025 at 11:03 PM
「両膝を怪我したわたしの聖女」
アンドレア・アブレウ 著/村岡直子・五十嵐絢音 訳/国書刊行会

裏表紙の帯に引用されている句読点のない文章を読んで、こここ、これが決壊する文体……ついていけるかしらんと一抹の不安を覚えるも、それはほんの一部で、全部が決壊している訳ではなく、むしろ一気読みだった。

自由なお金も移動手段も持たない子ども特有の、閉塞感あふれる田舎の長い夏休み。海が行き止まりとなる火山島で、別荘地には余所者が来ていて、でも住んでいるのは山の上の集落だから海には行けなくて水路でビーチごっこをする、臆病なわたしと物怖じしない親友のイソラ。→
May 23, 2025 at 11:00 PM
「つくって食べる日々の話」/Pヴァイン
各界の方々の「つくって食べる日々」=自炊について書かれたエッセイ集。

料理や食べることが大好きで一日中食事のことを考えている人、自炊は好きじゃないし面倒だから週2位でいいかなという人から、はたまた食に全く興味がないという人まで、自炊における様々なグラデーションがそこにあって、ホッとする。

自分も家族に出すための料理をするけれど、100パーセント料理が大好き!楽しい!とは思えない。どちらかというと義務を伴う労働だと思っているのが正直なところだ。→
May 21, 2025 at 4:52 AM
とある本の長文感想ツイートを見かけたのだが、箇条書きっぽい感じとか、めっちゃAI臭を感じる文章で、書いた本人が多少手を入れたにしても、せめてもうちょっとバレないようにしては?じゃないとあなたが書く意味なくないですか……?って思っちゃった。

ちなみに私はAI反対派とかではないです。
自分の文体を持っていて、それをガッツリAIに学習させて書かせる、とかはまあ普及しているのだろうなぁとは思う。

下記の文章とか、おおー完全にご本人が書いてると思った!と驚いたので。↓
note.com/marginalnote...
「仕事の1コマ」で弟子に文章を書かせてみた結果|仕事の1コマ/06 #5|栗下直也|MARGINAL NOTES
《〈文章を書くという「技術」の価値は下がっても、人間らしい感性や創造性は、まだ値がつけられない〉などとAI自身も言っているがそんな話なのか?》 栗下直也(Naoya KURISHITA) 1980年東京都生まれ。横浜国立大学大学院博士課程前期課程修了後、無職、専門紙記者を経て独立。著述家、書評家。経済記者出身でありながら、なぜか酒がらみの文章が多い。連載に「サボる偉人」、「あの人の引き際」、「...
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April 28, 2025 at 11:16 AM
「YABUNONAKA—ヤブノナカ—」
金原ひとみ/文藝春秋
“性加害の告発”が題材だというだけで、ああキツい、これはパス、と普段ならなるところだが、金原ひとみの最新作にして最長編となれば話は別だ。彼女の怒涛の毒舌を千枚分も浴びられるのかと思ったら、手に取らずにはいられなかった。

果たして読了した結果、それはもう存分に、これまでにないほど毒気にやられ、見事に蜂の巣状態になって放心してしまった。
題材からしてエロもグロもまああって、良きにつけ悪しきにつけ、とにかく生気を吸い取られる作品なので、元気な時に覚悟を決めて読むことをおすすめする。帰還者からの伝言だ。
April 27, 2025 at 1:08 AM
『FREE 歴史の終わりで大人になる』
レア・イピ著/山田文訳/勁草書房

社会主義下のアルバニアに育った政治学者の自伝。激動の時代を生きた11〜17歳までの少女の視点から描く。家族の出自がなかなかに複雑で引き裂かれるものがある。

時代の波に翻弄されながらも逞しく生き抜いてきた祖母のニニが、最も魅力的に映った。
友人を失い無気力になり、道ならぬ恋に泣いている主人公に「泣くんじゃありません」と諭す言葉が胸を打った。
「何かをするの。新しい本を読みなさい。新しいことばを学びなさい。やることを見つけるの」P268
April 19, 2025 at 11:49 PM
今日久々にマクドナルドに行ってうっかりセルフオーダーしたら、にっくき紙ストローが出てきて「あちゃー」となった。
今までは対面オーダーで「ストロープラスチックで」とお願いして回避してきたのだけど。

紙ストローは大嫌いだ。滅びてほしい。やったことないにもかかわらず、正真正銘トイレットペーパーの芯で飲まされている気分になるから。飲んでいて時間が経過するとべしょべしょになってきて、ますます飲み心地を損なうし。

脱プラスチックしたいならストローじゃなくてフタを紙にしてほしい。頼みます。
@mcdonaldsjp.bsky.social
April 10, 2025 at 10:17 AM
うわあーーまた楽しみにしていた未読本のネタバレを踏んでしまったあーーきぃぃ〜悔しいいいい〜〜😭😭😭
April 2, 2025 at 12:29 AM
扇風機をだした
March 26, 2025 at 6:41 AM
Reposted by 読谷 文
窓閉めてると蒸し焼きなりそうだけど開けたら黄砂
March 26, 2025 at 6:03 AM
SNSで読了を記すとともに、見かけた誤植を指摘している人がいるけれど、そして著訳者からお礼を言われたりしているのを見かけるけれど、それを見るたび、牟田都子著「文にあたる」の「人の誤植を拾わない」が思い起こされる。「間違えたくて間違える人はいません」と。

私とて読書中に誤植を見つけたら関係者さんの立場を想像してしまい(゚Д゚;≡;゚д゚) アワワワワ……となるけれども、わさわざ公衆の面前で指弾しなくてもいいでしょうに、と残念に思う。ご本人的には良かれと思って投稿されているのかもしれないけれど。
March 26, 2025 at 4:14 AM
ブログ更新。アフガニスタン系米国人の作者による短編集。イーユン・リーのお弟子さんによる移民文学とくれば、読まずにはいられない!

『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』ジャミル・ジャン・コチャイ著 / 矢倉喬士訳|アフガニスタンの超新星作家小説
fumi-yomitani.hatenablog.com/entry/kimimeta
『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』ジャミル・ジャン・コチャイ著 / 矢倉喬士訳|アフガニスタンの超新星作家小説 - 読谷文の本棚
きみはメタルギアソリッドV:ファントムペインをプレイする 作者:ジャミル・ジャン・コチャイ 河出書房新社 Amazon 『きみはメタルギアソリッドⅤ:ファントムペインをプレイする』ジャミル・ジャン・コチャイ著 矢倉喬士訳河出書房新社初版年月日 2025年2月27日 ネタバレ度:☆☆☆・・・概要だけでほとんどないから大丈夫だよ! 訳者さんの紹介ツイートを見て本書を知り、興味を持った。作者はイーユン・...
fumi-yomitani.hatenablog.com
March 18, 2025 at 8:21 AM
今日も晴天だがまあまあ風あり
関東、大体今がスギ花粉のピークだよね
散歩に行きたいけど、帰宅後ティッシュ濫用罪に苛まれるので行けない(。´Д⊂)うぅ・・・。(ちゃんと鼻を守ってくれる優しくてお高いやつ)
部屋でヨガにしとこうかな
早く散ってください頼む🙏
March 14, 2025 at 6:43 AM
あまりの座り過ぎと運動不足に危機を感じ、100均の花粉が入り込まない眼鏡を装着して、小一時間ほど散歩してみた。
散歩自体は気分転換も兼ねられてよかったが、帰宅後、案の定、目と鼻が完全にアレルギー症状まみれとなりキツい……。やはり相当な負荷がかかることを体感する。
March 13, 2025 at 1:51 PM
私の中のオスカルの声は、もっと低くて野太かったのだよな
ごめんね、映画の宣伝のベッドシーン、AV流れてきた⁉︎って思っちゃった
いやあの漫画の劇的ロマンチックな感じを再現するのはむつしかろうとは思うのだけどね……(^_^;)A
映像化は難しいね……
March 12, 2025 at 12:12 PM