サードロウ
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サードロウ
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Cinema, Music, etc.
Q&Aは太陽光線(マジックアワーなど)の撮影についての答えが興味深かった。デジタル撮影だと光が直接的に撮れ過ぎてしまうため、昼間の垂直の光ではなく、午後の水平の光を撮るように心がけた。映画的になるかテレビ的になるか、光を撮ることは闘いでもあると語った。

音楽について。本当は有名な曲を使いたかったが、自分たちのような規模の映画制作では使用料だけで映画一本分ぐらいかかってしまうため、作曲家にラジオのヒット曲っぽいものを作ってくれるよう頼んだ。その中では監督本人が歌っているものもあるとのこと。
April 27, 2025 at 11:01 PM
パート2の上映後はシタレラ監督によるオンラインQ&A。スクリーンの向こうのブエノスアイレスは朝の9時過ぎ。途中、監督の幼い娘さんが画面に姿を現す一幕もあった。彼女は映画で妊娠中の姿を見せた監督がその時に身ごもっていた子であり、生まれた後にはチーチョの幻想シーンにも出演している。
April 27, 2025 at 11:01 PM
意表をつくタイミングで流れるフアナ・モリーナの音楽も良かった。彼女の名前は知っていたが、ちゃんと聴いたのは初めて。フォークトロニカ、と言っていいのかな? 暖かさと鋭さが同居するような独特のサウンド。残念ながら配信にはなく、フィジカルも出ていなさそう。とりあえず、今配信で聴ける彼女の別のアルバムを聴いている。
April 26, 2025 at 2:18 PM
エマが真に絆を感じ、結び付くのは、夫でも、二人の娘でも、浮気相手の男たちでもなく、洗濯女リティニャただ一人であり、加えるなら浮気相手オゾリオ家の壁に掛けられた肖像写真の中の大奥様という二人の女性なのだという点にグッと来る。「女性同士の連帯」という言葉は強すぎるかもしれないけど。
April 20, 2025 at 10:01 PM
神の視点を持つ語り手によるボイスオーバーが、物語の状況や登場人物の心理を語るため、映像の方は説明的な描写やカット割りが最小限に抑えられているのかもしれない。そのためか、ところどころでサイレント映画(グリフィスのような)を思わせるところもあった。

物語の着想源となった『ボヴァリー夫人』との関係で言えば、ひたすら自滅していく『ボヴァリー』のエマに対し、こちらのエマには、同じく浮気を繰り返しながらもより強い主体性が感じられる。家父長制的な世界から離脱していくような凄みすら漂わせており、例えば『ジャンヌ・ディエルマン』や『ワンダ』あたりと並べて語りたくもなる。
April 20, 2025 at 10:01 PM
『IT’S NOT ME』は素晴らしかった。最後まで食い入るように観た。詳しい感想は本公開の際に改めて書きたいと思うけど、現代の混沌としてきた世界の危機、誰もが簡単に映像を撮れるようになったが故の(神の手を離れた)映像の危機、そして自らの眼で世界をクリーンに見ることが難しくなった「見ること」の危機の中で、今この映画を世に出してくれたことに対する感謝のような思いを抱いた。
March 24, 2025 at 10:11 PM
質問者は最後の1人を除き、すべて男性で、カラックスが「日本には女性がいないのですか?」と冗談めかして言う一幕もあった。また、自らをカオスと定義づけ、感覚的に映画を作ることを強調しており、その言葉と、質問への答え方を聞いていると、例えば映画批評などの論理的な言葉などとは微妙に相容れない人なのかもという印象を持った。
March 24, 2025 at 10:11 PM
最後の()内はフェイブルマンズのあれのことね。
March 9, 2025 at 2:04 PM
実際にはニューポートフォークフェスには出演していなかったはずのジョニー・キャッシュがとても効いていた。この映画のディランにとって、ピート・シーガーが“善き兄”だとすれば、キャッシュはもう一人の“魅力的な不良の兄”のような存在に見えてくる(となると、やはりウディ・ガスリーが父親になるか)。
March 6, 2025 at 10:32 PM
そんな不穏さを体現する存在として、シャラメは素晴らしかった。物真似に寄りすぎることなく、それでいて確かにこの時代のディランだった。カリスマ性とセクシーさを備えながらも、心の奥底を嘘や仮面で撹乱し、容易には捉えきれない人物がそこにいた。

(伝記映画にありがちな)ディラン本人の歌を最後の最後まで流さなかったのも良かった。実在の人物の人生に基づく伝記映画でありながら、同時にティモシー・シャラメ主演の非常に面白い劇映画でもあることを強く感じさせた。
March 6, 2025 at 10:32 PM
この場面だけでなく、この映画ではディランの歌詞が物語の重要な場面に対応する。まるでミュージカルのように。正直これは意外だった。もっと歌詞そのものをじっくり聴かせる演出になると思っていたから(何せノーベル賞受賞者だし)。しかしこの割り切った?演出は、これはこれでありだと思った。

史実を知る者にとっては、この映画は冒頭からどこか不穏だ。ディランとピート・シーガーの車内での会話や、シーガーが子供たちに冗談めかして「この裏切り者!」と言う台詞などに、すでに後のディランの転向(=映画のクライマックス)を思わせる伏線が仕込まれているように感じてしまう。
March 6, 2025 at 10:32 PM
上映後には、小田香監督と出演の吉開奈央さんによるトークイベントが開催され、渋谷哲也さんを聞き手にベルリン映画祭の話を中心に語られた。パレスチナ支持の帽子とバッジを身に付けて参加した小田監督に対し、映画祭側の対応は厳しいものではなく、周囲の反応からもさりげない連帯を実感したとのこと。

映画の内容については、森の中で吉開さんと沖縄の語り部の方が突然話し始めるロングショットの場面について、小田監督が「二人が勝手に話し出した」と語ると、吉開さんが「いや、監督の指示があった」と返し、記憶の相違をめぐってやり合う(もちろん和やかに)場面では、会場が大いに沸いた。
March 2, 2025 at 9:52 PM