岡﨑 晴輝
banner
okazakiseiki.bsky.social
岡﨑 晴輝
@okazakiseiki.bsky.social
政治学者(九州大学教授・放送大学客員教授) http://aktiv.sakura.ne.jp/
このアカウントにおける発言内容は私個人の見解であり、所属機関とは一切関係ありません。
Pinned
九州大学の岡﨑晴輝研究室では、政治理論・政治制度・市民活動・日本政治・外国政治を専攻する修士課程・博士課程の大学院生を募集しています。演習は夜間(19:30~21:00)にオンラインで開講していますので、社会人の方や遠方にお住まいの方でも入学・修了可能です。入学を希望される方は、メールでご連絡ください(okazaki.seiki.882【at】m.kyushu-u.ac.jp)。

aktiv.sakura.ne.jp/students.html
Christiano, Thomas and Sameer Bajaj (2024 [2006]) "Democracy," in Stanford Encyclopedia of Philosophy.

スタンフォード哲学事典の解説論文。第1節で民主主義の定義を扱った後、第2節では民主主義の正当化、第3節では民主主義の権威を扱っている(第4節以降は割愛)。民主主義の正当化については、意思決定方法がもたらす成果に注目する道具主義的正当化論と、意思決定方法に内在する価値に注目する非道具主義的正当化論に分けて整理している。

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 14, 2025 at 1:52 AM
プシェヴォスキ,アダム(2021)『それでも選挙に行く理由』粕谷祐子/山田安珠訳、白水社。

【再読】高名な比較政治学者が選挙の意味を考察した書籍(一般書)。著者によれば、「民主主義の危機」が叫ばれるなか、選挙に疑問が呈されている。しかし、そもそも選挙に過大な期待すべきではない。データが示しているように、選挙が「良い政府、合理性、正義、発展、平等など」をもたらすわけではないからである(167頁)。しかし選挙には、紛争を平和的に解決するという意義がある。……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 12, 2025 at 8:41 AM
Goodin, Robert E. (2007) "Enfranchising All Affected Interests, and Its Alternatives," Philosophy & Public Affairs, Vol. 35, No. 1, pp. 40-68.

【再読】 集合的自己決定をするデモスをどのように決定するのかという「デモス構成」(constituting the demos)問題を検討した論文。著者によれば、……

aktiv3.sblo.jp/article/1910...
November 11, 2025 at 7:33 AM
エレーヌ・ランデモア(2025)『民主的理性――みんなで決める政治の正しさ』上下、福家佑亮/小林卓人/小須田翔/田畑真一/山口晃人訳、勁草書房。

認識的民主主義論(epistemic democracy)の代表的著作。ランデモアによれば、民主主義は、正しい答えをもたらしやすい優れた意思決定手続きである。そこでは、「包摂的な熟議」と「多数決」という二つのメカニズムにより、十分な「認知的多様性」が確保されるため、人民の集合知としての「民主的理性」が生じやすいからである(「数が能力に勝る定理」)。……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 10, 2025 at 8:02 AM
24年前の下記の投稿で、リーディング・マラソンを開始しました。よく四半世紀も続けてこれたと思いますが、私もずば抜けた持続力があるわけではないので、習慣化のおかげなのだろうと思います。無理なく続けていれば、歯を磨いたりお風呂に入ったりするのと同じように生活の一部になります。

2001年10月21日(日) 経済企画庁編『アクティブライフのすすめ──高め、拡げ、参加するライフスタイルに向けて』(大蔵省印刷局、1998年)。

経済企画庁の審議会「生活ビジョン研究会」の報告書。新しいライフスタイルへの変化を分析し、政府や企業によるサポートを提言している。(書庫:政治技術)
November 9, 2025 at 10:39 AM
Christiano, Thomas (1996) The Rule of The Many: Fundamental Issues in Democratic Theory, Westview Press, Chapter 1: Self-Government.

【再読】 「自己統治」論を批判した章。クリスティアーノによれば、民主主義の価値を「自由」=「自己統治」に求める議論があるが、次の二つの問題を回避しえない。……これらの問題を回避するためには、民主主義の価値を「平等」に求める必要があるというのである。

aktiv3.sblo.jp/article/1914...
November 9, 2025 at 1:56 AM
最近は、洋書を取り寄せようとすると、3~5万円するものが増えています。個人研究費は年間5万円ですし、科研費では研究テーマに関連する文献しか購入できません。1冊3~5万円もすると、私費で購入するのも厳しいです。運営費交付金を増額して、個人研究費を増額しないと、大学図書館の貧困化は避けられません。もうすぐ全大教でオンライン署名を開始しますので、ぜひご協力ください。
November 8, 2025 at 2:41 AM
【新刊案内】 George Klosko, ed. (2025) The Oxford Handbook of Political Obligation, Oxford University Press.

global.oup.com/academic/pro...
global.oup.com
November 6, 2025 at 8:15 AM
Lafont, Cristina (2017) "Is the Ideal of a Deliberative Democracy Coherent?" in Jose Luis Marti and Samantha Besson, eds., Deliberative Democracy and its Discontents, Routledge, pp. 3-25.

熟議の理念と民主主義の理念が整合的でありうると論じた論文。著者によれば、……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 6, 2025 at 2:46 AM
Ingham, Sean, Dimitri Landa and Ryan Pevnick (2025) "Survey Article: Unfounded Pessimism about Electoral Accountability," Political Philosophy, 2(2), pp. 635-665.

ロトクラシーやエピストクラシーを主張する政治理論家が都合のよい実証研究だけを援用していると批判した論文。著者によれば、……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 4, 2025 at 7:37 AM
Post, Robert (2006) "Democracy and Equality," The Annals of the American Academy of Political and Social Science, Vol. 603, pp. 24-36.

民主主義と平等の複雑な関係(補強的かつ敵対的)を論じた論文。著者によれば、……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 3, 2025 at 11:28 AM
福家佑亮(2022)『デモクラシーの哲学的基礎づけについて』京都大学大学院文学研究科提出博士論文(論文博士)。

【再読】 関係的平等主義によって民主主義を基礎づけることを試みた博士論文。コロドニーやヴィーホフに違いが、ロトクラシーとの関連など、関係的平等主義を発展させようとしている。

doi.org/10.14989/doc...
November 2, 2025 at 8:26 AM
Wall, Steven (2007) "Democracy and Equality," The Philosophical Quarterly, 57(228), pp. 416–438.

民主主義の平等主義的正当化論を批判し、道具主義的正当化論を擁護した論文。……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
November 1, 2025 at 11:33 AM
石田光規(2025)『自己決定の落とし穴』筑摩書房(ちくまプリマー新書)。

「緩やかな自己決定」を提唱した新書。著者によれば、個人化した社会は、自分で決定できる領域が増えた反面、息苦しさを感じる社会でもある。……必要なのは自己決定を放棄することではなく、「強い個人」を前提にした「硬質な自己決定」論を「弱い個人」を前提にした「緩やかな自己決定」論へと転換することだというのである。……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 31, 2025 at 8:25 AM
高野はやと(2025)「参議院議員選挙でチラシ配りの達人を目指す人へ【チラシ配りの本質とその体系】」。

高野はやと・江東区議会議員(立憲民主党)がチラシ配りの技術を解説したブログ記事。高野議員によれば、……特に潜在層にチラシを受け取ってもらうためには、歩いてくる人に近づいて声をかけ、「できるだけ早く、できるだけ手前で」チラシの中身を認知させることが重要である。……ニーズがあると分かれば、受け取りやすいようにチラシを手もとに渡せばよい。これを高速回転させることが、チラシ配りの本質だというのである。……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 31, 2025 at 2:58 AM
山口晃人(2023)「自己統治は代表民主政を正当化できるか」、日本法哲学会編『法哲学年報2022 現代法実証主義』所収、有斐閣、151-163頁。

【再読】代表民主政(=選挙型代表民主政)の正当化論としての自己統治論を批判的に検討した論文。著者によれば、……

aktiv3.sblo.jp/article/1906...
October 31, 2025 at 1:47 AM
古谷経衡(2025)『参政党と神谷宗幣――不安と熱狂の正体』祥伝社。

古谷経衡の参政党論。古谷によれば、右派系の評論家だった古谷は、無名時代の神谷宗幣、さや(塩入清香)をよく知っていたようである。神谷もさやも政治や歴史の知識に乏しく、保守業界の中枢には食い込めなかった。古谷の印象では、神谷は「自己啓発セミナーの講師」である。事実、2012年の衆議院議員総選挙、2015年の大阪府議会議員選挙で落選した神谷は、自身のイシキカイカク大学を通じて陰謀論やスピリチュアル信仰を広めていった。他方、古谷の経験では、参政党支持者は……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 30, 2025 at 2:35 AM
List, Christian (2022) "Group Responsibility," in The Oxford Handbook of Moral Responsibility, Oxford University Press, pp. 131-154.

構成員の責任から独立した「集団の責任」があることを主張した論文。著者によれば、責任を負うための必要十分条件は、➀道徳的主体性、➁関連情報、➂自由選択である。大人だけでなく、ある種の集団――「意図を有する行為主体」――もこれらの三条件を満たすことができるため、……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 29, 2025 at 6:30 AM
ようやく「九州大学構成員におけるソーシャルメディア利用ガイドライン」が制定されました。ここまで来るのに実に長い年月を要しましたが、これでようやく正常化の一歩が踏み出されたと思うと感無量です。それはともかく、同ガイドラインに従って免責文を記載しました。

(1)法令順守
(2)権利の尊重
(3)ルール・マナーの遵守
(4)適切な情報の発信
(5)免責文の記載等
(6)情報発信の心得
October 28, 2025 at 2:44 AM
Stilz, Anna (2019) Territorial Sovereignty: A Philosophical Exploration, Oxford University Press, Chapter 5.

政治的自律としての集合的自己決定論を展開した章。拙稿との関連で重要なのは、次の二点である。……

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 28, 2025 at 2:30 AM
Reposted by 岡﨑 晴輝
第11回日本ミニ・パブリックス研究フォーラムのご案内。
2025年12月13日(土)13:30から。東邦大学習志野キャンパスにて。
 加藤秀樹氏(構想日本代表)講演など。
 リンク先から事前申込をお願いします。

jrfminipublics.wixsite.com/mysite/blank-2
シンポジウム | mysite
jrfminipublics.wixsite.com
October 26, 2025 at 9:15 AM
Stilz, Anna (2019) Territorial Sovereignty: A Philosophical Exploration, Oxford University Press, Chapter 4.

政治的自律としての集合的自己決定論を提示した章。著者によれば、国家がある領土において正統な管轄権を持つためには、個人の基本的権利を保障するだけでなく(基本的正義)、政治制度の「著者」になるという人々の利害関心を満たさなければならない(集合的自己決定)。基本的正義+集合的自己決定→国家の正統性。

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 26, 2025 at 6:14 AM
「報告や論文は本を呼ぶ。報告や論文でいったことは、大きな本にまとめられることで、初めてハッキリする。それで私は、いくら論文の数を重ねても、それを――論文集としてでなく―― 一つの本にまとめ上げる労をとらなくては、絶対に、当の本人にも、書きためてきたものについての透徹した理解はえられないと考えておりまして、……」(内田義彦『読書と社会科学』岩波新書、25-26頁。原文では「初めて」に傍点)。
October 25, 2025 at 4:36 AM
Reposted by 岡﨑 晴輝
【近刊】11月26日(水)発売予定『日本人の正義観』(平野浩著)の書影を公開しました。
どんな人にどれくらい分配すべき? 一般の人々が持っている分配の正義観とは? データ分析で浮かび上がった「正義観の分断線」。
www.keisoshobo.co.jp/book/b101522...
October 24, 2025 at 8:10 AM
Viehoff, Daniel (2017) "The Truth in Political Instrumentalism," 〔省略〕

…… ヴィーホフによれば、自律に訴えかけても民主主義を正当化することはできない。自律を個人的自己統治と解釈した場合、大規模社会では個人の意思決定力はごくわずかでしかないため、自律できているとはいえない。他方、自律を集合的自己統治と解釈した場合、…… 個人にたいする支配を伴い、道徳的自立と緊張関係にあるため、同じく自律できているとはいえない。

aktiv3.sblo.jp/article/1915...
October 24, 2025 at 8:29 AM