倉沢繭樹
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倉沢繭樹
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ミメーシス体質の言語奏者。
note: https://note.com/mayuqix
松野家の養女であったトキ。「産みの親」は雨清水タエと傳だった。トキは、誰に聞いたわけでもなく、その事実に気づいていた。また、松野フミと司之介が「本当の親」であるとも思っている。このふたつは、トキの中で複雑に両立しているようだ。そして、傳が病死。
「草木も眠る丑三(うしみ)つ時」。丑の刻参りの時間にちなんでいるだろう、雨清水という姓。実の娘を養女に出さねばならなかった恨めしさ。怪談「松風」由来の清光院をトキと訪れた「ランデブー」が、傳にとって最後の娘との水入らずの時間だったのかもしれない。 #ばけばけ
October 19, 2025 at 9:42 AM
明治時代のお見合いは、たとえ婿入りであろうと、女性が参会者にお茶を出す時間が唯一の顔見せで、男性が見初めれば結婚が成立するという、やはり家父長制色濃いものだったというのが、興味深い。そもそも、お見合いという「儀式」自体、ある程度の家格同士でないと行われないのだろう。トキは銀二郎とふたりだけの時間をつくり、怪談好きというところで意気投合。めでたく婚礼となるが、松野家の借金は思っていたより膨大。馬車馬のごとく働かされる毎日。狭いあばら家では、「初夜」もままならない。トキと銀二郎、お互い没落士族の家ではあるが、入婿は大変だ。 #ばけばけ
October 13, 2025 at 7:32 AM
「妖怪とは零落した神である」は民俗学者・柳田國男の説だが、零落しても、神だった時代の名残があるのかもしれない。兎の養殖商売が市場の暴落で失敗し、背負った借金を一家で働いて返済している没落士族の松野家。しかし、返済に難儀して、借金取りがトキを遊廓へ、と持ちかけたところ、勘右衛門は激怒。トキの幼馴染みのサワは、遊女のなみを軽侮。どんなに悲惨な生活でも、矜持を保とうとする旧士族たちのうらめしさ。カステラに喜ぶトキを見つめる親戚の傳の眼差しが、複雑な思いを物語っている。 #ばけばけ
October 2, 2025 at 11:39 PM
吉原が有名だが、色街や悪所は町の特定の区画に囲い込まれる。司之介がトキにおしえたように、松江は橋をはさんで武士の区域と町人・貧者の区域が分かれている。トキは「向こうの世界」を知らない。
兎はたくさん子をなすので縁起がいい、という俗信が関係あるのか不明だが、兎の転売の商いをはじめて当たったかに見える司之介。食事の膳が豪華になった。が、借金取りに連れて行かれる女たちに混じって、兎商売を斡旋した金成の顔が。 #ばけばけ
October 1, 2025 at 12:36 AM
子どもの頃、親から買い与えられた本の一冊に小泉八雲の怪談集があった。八雲の怪談で最も有名なのは『耳なし芳一』だろう。滅ぼされた平家の亡霊たちが、芳一の琵琶にすすり泣く。ヘブンにその話を語って聞かせるトキは、松江藩の没落士族の娘。時代に取り残された者たちが、世を恨み、呪う。OP曲「笑ったり転んだり」には「日に日に世界が悪くなる/気のせいかそうじゃない」「夕日がとても綺麗だね/野垂れ死ぬかもしれないね」との歌詞が。不吉だ。武士の世の終わりは、旧士族にとってそんな世界なのかもしれない。
稲川淳二は、寒い夜に家の中で語るものだから、怪談の季節は冬だと言っていた。『 #ばけばけ 』が後期朝ドラでよかった
September 29, 2025 at 12:24 AM
小学生の時にテレビで「ファースト・ガンダム」を見ていた世代なので、たとえば大学生ぐらいで『ジークアクス』みたいなリブートを見てれば「おぉ!」となったかもだけど、もういい年なので、「ほほう、そうきましたか」という感想になりますね。
ちなみに、シュウジの「~とガンダムが言っている」って、『攻殻機動隊』の素子の「囁くのよ、ゴーストが」のパロディですよね。
January 22, 2025 at 7:09 AM
『虎に翼 紅白特別編』は、1937年の年の瀬だ。日中戦争が始まったので、寅子が言う「海の向こうの戦争」はこれを指しているのだろうが、同時に現在続くウクライナ戦争やイスラエルのパレスチナ虐殺等も想起させる。紅白にあえて水を差すこのドラマらしい演出だ。パレスチナカラーのシンボルとして西瓜があるが、絨毯の緑のグラデーション、赤っぽい衣装、照明の発光、夜の闇。裁判所がパレスチナカラーだ。よねがいなくなって、米津玄師が現れる。燕=男が飛ぶ空に唾を吐く「さよーならまたいつか!」は、よねの主観世界なのかもしれない。『虎に翼』シナリオは「さよーならまたいつか!」の寅子の口パクで終わり、こうして始まる #虎に翼
January 3, 2025 at 1:11 PM
mixi2、一応つくってみました
mixi1には、まったく縁がありませんでしたが……
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倉沢繭樹 (@mayuqix) | mixi2
ミメーシス体質の言語奏者
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December 16, 2024 at 11:22 PM
Reposted by 倉沢繭樹
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A number of artists and creators have made their home on Bluesky, and we hear their concerns with other platforms training on their data. We do not use any of your content to train generative AI, and have no intention of doing so.
November 15, 2024 at 5:22 PM
Reposted by 倉沢繭樹
Another day at Bluesky, and it looks like growth is not slowing down! Welcome!

We’d like to take a moment to share our stance on AI and user data:
November 15, 2024 at 5:17 PM
『虎に翼』シナリオ集刊行記念・オンライントークイベント視聴。脚本の吉田恵里香さんが視聴者の様々な質問に答えてくださったが、中でも、寅子と桂場の関係を「法とは何か」を巡って対話する「ソウルメイト」だと表現していたのが印象的だった。桂場が、甘いものを食べているシーン以外のプライベートな部分が描かれなかったのは、その関係にウェットさを持ち込みたくなかったとのこと。
最後の質問は「登場人物の個性に沿った魅力的な台詞を書くにはどうしたらいいか?」だったが、「台詞をストーリー構成上のパーツにしないこと」と答えられていた。モブをモブで終わらせない『虎に翼』のシナリオライターらしい返答だな、と思った
#虎に翼
November 2, 2024 at 7:53 AM
●どんな生き方も否定しない「虎に翼」
大学院で寄生虫研究をしているという設定に、そんな伏線がどこかにあっただろうか、と少々面食らったが、しかし、優未は研究の道を断念。平成11年、男女共同参画社会基本法が施行された時には、着付け・茶道教室を開き、寄生虫研究雑誌を編集。本作のもうひとりの主人公・花江は、家族たちを見守りながら、猪爪家の「重鎮」に。寅子のように、ある分野で傑物にならなくても、「戦う女」でいなくても、どんな生き方も否定しない本作の視座がよく表れた最終回だった。
#虎に翼
September 29, 2024 at 8:49 AM
美位子の事件のモデルとなった「栃木実父殺害事件」に対する判決とほぼ同様、刑法第200条の尊属殺重罰規定は、同199条の普通殺と比較して差別的であり、憲法第14条違反だとの違憲判決が出た。昭和25年の合憲判決において、反対意見を述べていたひとりが穂高だった。23年を経て、教え子の桂場がその意志を継承したと言えるだろう。殺人に拭い難い罪悪感のあった美位子に「生きて、できる限りの幸せを感じ続けて」と声をかける寅子。
甘いものを断っていた桂場は、チョコを食べる
傍聴券を逃した遠藤は、自分たちの関係が認められる歴史的瞬間を、生きている間に見れるといいな、と轟に言う。同性婚は未だ認められていない
#虎に翼
September 24, 2024 at 11:58 PM
●憲法裁判所不在の日本
日本には法律が憲法に適合しているか、違憲審査を専門に扱う機関「憲法裁判所」が存在しない。よって、ある法律が合憲か違憲かを判断する場合、具体的な事件の審判を通じて最高裁でなされることになる。本作では、美位子の父親殺害事件において、刑法第200条の「尊属殺重罰規定」が違憲か否かを争うことになった。尊属殺に重罰を科すのは「人類普遍の道徳原理」だとする昭和25年の合憲判決理由に抗して、山田よねは、娘に暴力を振るい続け性的に凌辱した父親の行いこそ道徳蹂躙で畜生道に堕ちており、それを容認するなら、社会や我々も畜生以下のクソだ、と弁論を展開する。感情的に見えて実は論理明快だ
#虎に翼
September 24, 2024 at 12:15 PM
穂高も桂場も司法の独立を守る、という意志は同じだ。だが、変わるべき時は変わらねば、という穂高は進歩的。「時期尚早」を口にし、慎重な桂場は保守的。珍しく語気を荒げ、人権蹂躙を放置したまま、何が司法の独立か、と問うた航一。変化の中の一貫性を尊ぶのが、保守ではないのか
美佐江は死にました、と母の佐江子は寅子に告げた。亡くなりました、ではない。残されたメッセージは、自殺を示唆する。東京に出て来て、自分は特別ではなく、ただの女だと感じるようになったと。しかし「自分は特別だ」と思ったことのないひとなどいるだろうか。ひとは本源的には「特別な存在」として生まれ落ちる。そして特別でないことを受け入れる
#虎に翼
September 20, 2024 at 3:05 AM
評論家の浅羽通明氏は旧司法試験に合格した後弁護士にはならず、塾の講師をしながら、オカルトに耽溺していた。それはさておき、涼子は司法試験に合格後、弁護士への道を留保。自分なりの世の中への「股間の蹴り上げ方」だと。
ずっと法律事務所に居たいと言う美位子に、お前の父親や法律や世の中がクソなだけで、おまえが可哀相なわけじゃない、と告げる、人と比べて安堵するな、とも。伊藤沙莉との対談で米津玄師は、「社会の構造がもたらす理不尽」をさりげなく強調していた。姉の問題解決のため、悪徳弁護士と一夜を過ごしたよね。「ブルーパージ」に遭い左遷された朋一。社会に翻弄され、もがきながら、平然を装う。美雪はどうか
#虎に翼
September 19, 2024 at 9:52 AM
美佐江の姓は「森口」

寅子に声をかけたセーラー服の少女は「並木美雪」

迎えに来たのは「並木佐江子」

新潟と言えば、有名なのは米と豪雪

並木道は森の入り口へ

音羽の腕に赤い腕飾りがないか、確認する寅子……

やにわに緊迫してきた

#虎に翼
September 18, 2024 at 12:34 AM
なるほど。

Bluesky のユーザー数は現在 1,000 万人を超えており、私は #4,137,638 番目でした。
September 17, 2024 at 4:39 PM
西澤哲『子どものトラウマ』を読み、虐待を受けた子どもがショックから心を守るため、その体験をフリーズするというメカニズムを知った。それが深刻化すると、体験を受けた自分を分割する「解離」に至り、和田秀樹『多重人格』では多重人格障害の原因だと説明される
美位子への父親からの長年に渡る身体的・心理的・性的虐待とも言える行為は人間の所業とは思えないが、よねが言う通り「ありふれた悲劇」だ。そんな社会を変えたいと航一に訴えるよね
桂場は、寅子が口にした「穂高イズム」に対し、そんなものを掲げていてもこの場所にはいられない、と返す。多岐川の幻影は、桂場が自分を救うために無意識に呼び出したのかもしれない
#虎に翼
September 17, 2024 at 4:50 AM
ハワード・ゼア『修復的司法とは何か』では、「コミュニティ司法」に関してページが割かれている。法システムの機能は紛争解決だが、その規模は国際社会から個人間にまで渡る。刑罰を科す「応報的司法」は国家大になった法システムの主な紛争解決手段となったが、被害者と加害者の関係を調整する「修復的司法」はコミュニティ(共同体)大での解決手段でもあった。
法制審議会で、少年法改正を後押しする国民の空気がある、と言う時、それはどの程度か。そもそも「犯罪少年」の顔が、どれほど見えているか。尊属殺人に問われている美位子の裁判も上告された。
面識圏を超えた人々の事情を、私たちは想像し難い。よって不必要に恐れる
#虎に翼
September 16, 2024 at 4:26 AM
友人が少なそうな桂場だが、ライアンと多岐川は数少ない友人の内の親友だったろう。寅子とは、穂高という師を同じくする「兄妹弟子」的な関係かもしれない。その穂高が亡くなった際、司法の独立を貫く「穂高イズム」を守る、と決意を口にしていた桂場。彼のモデルとされるのは、第5代最高裁長官の石田和外だ。石田は、リベラル派法曹の集まりである「青年法律家協会(青法協)」所属者を冷遇した「ブルーパージ」を行ったことで知られる人物。これは、司法への政治の介入を嫌った石田が先手を打った、と解釈されている。法曹界が保守的であることを望んだ石田。桂場も、やはりそのようだ。が、裁判員制度導入など、司法は開かれていく
#虎に翼
September 13, 2024 at 12:16 AM
1956年経済白書の序文には「もはや戦後ではない」との一節があった。ここから高度経済成長が始まり、70年代初めに終焉。60年代後半から70年代初めにかけ、四大公害病裁判が起こり、学生運動が過激化(内ゲバ化)し、第二次安保闘争があり、あさま山荘事件が起こり、沖縄返還にいたる。59年の皇太子明仁と美智子のご成婚パレードをきっかけに一気に普及したテレビで、寅子は桂場の最高裁長官就任所感を見ていた。
航一の狼狽をよそに、寅子ははるに言われた「地獄を進む覚悟はある?」との言葉をかけ、頷いた優未は寄生虫研究を断念。のどかは「絵描きもどき」と結婚。少年法改正が俎上に。「大状況」も「小状況」も波乱だ
#虎に翼
September 12, 2024 at 4:40 AM