Makoto Yano
makotoyano.bsky.social
Makoto Yano
@makotoyano.bsky.social

Emeritus Professor of Economics, Kyoto University. Research covering international economics and market quality economics.

Makoto Yano is a Japanese economist, currently the president and chief research officer of the Research Institute of Economy, Trade and Industry. He is also a professor emeritus at Kyoto University and a professor by special appointment at Kyoto University's Institute of Economic Research and Sophia University. .. more

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2025/10/24 レーガン氏の演説の全部です

1.以下は、さきほどポストしたカナダの宣伝のもとになったレーガン大統領の話の全体です。日本との貿易交渉において、貿易に関して中曽根氏との交渉の中で出てきたものです。懐かしく感じました。時間があったら是非ご覧ください。

www.youtube.com/watch?v=5t5Q...
President Reagan's Radio Address on Free and Fair Trade on April 25, 1987
YouTube video by Reagan Library
www.youtube.com

2025/10/24 カナダのオンタリオ州の貿易に関するポスト

1.下のポストは貿易障壁に関するカナダのポストです。これは昔レーガン大統領の演説で、レーガンさんの画像も最後のところに出ています。貿易の重要さは、レーガンさんの言うとおりで、カナダの主張は非常に正しいものです。皆さん、ぜひご覧ください。これを見て、トランプ大統領はカナダとの交渉を打ち切ったそうです。どうしようもないですね。
Ontario launches the perfect ad. Canadians are true brothers 💙🇨🇦
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20251010 ファーストブランドの倒産について

1.以下の記事を見てください。

www.bloomberg.co.jp/news/article...

農林中金と三井が作ったジョイントベンチャー、カツミグループが出資しているファーストブランドという会社が倒産し、2700億円に上るジョイントベンチャーの資金が焦げ付いているということです。今、世界では、2000年のインターネットバブル崩壊と同様のクラッシュが来るという危惧が高まっていますが、この倒産が引き金になるかもしれません。皆さん、注目してみていてください。
農中や三井物出資の貿易金融、破綻の米部品製造に債権17.5億ドル
農林中央金庫や三井物産などが間接的に出資する貿易金融会社カツミ・グローバルが、経営破綻した米自動車部品メーカーのファースト・ブランズ・グループに対し、17億5000万ドル(約2700億円)規模のエクスポージャーを抱えていることが、裁判資料で明らかになった。
www.bloomberg.co.jp

8.前回の私のポストでも書いたように、そういう意味で、日本にとって、これ以上ない合意ができたというのが大方の評価である。それに対する今回の批判は、25パーセントの関税を受け入れようというのでないかぎり、過去に首相を務め、高い評価を受けてきた政治家が行うべきことではない。

7.野田氏が忘れているのは、これまでトランプ政権は海外諸国に対しても、自国の組織にたいしても、Take it or leave it タイプの高圧的な提案しかしていないことである。今回もまったく同じである。そういう提案が実行されようがされまいが、Take してもらったと国内に発表できれば、有権者の信任が高くなるという想定で、さまざまなことを提案し、いろいろな国や大学や企業を脅していることを忘れてはならない。

6.個人的には、アメリカと交渉せず、25パーセントの関税を受け入れ、報復関税をかけるのが日本にとって最適戦略だと思う。野田氏はそういう私の意見に合意してくれているのだろうか。

5.野田氏の求めているのは、単に、日本はもっとうまく交渉せよということなのかもしれない。しかし、トランプ氏の立ち位置は5500憶ドルの投資であって、それを譲るはずはない。そうだとすると、5550億ドルの投資を拒否し、交渉を決裂させ、25パーセントの関税を受け入れよというのが野田氏の主張なのだろうか。

4.しかし、書面をかわして、合意を形成するというのであれば、「日本がアメリカに関税を15パーセントに引き下げてもらうために、5500億ドルのアメリカ投資に合意し、さらに、投資収益の90パーセントがアメリカに帰属することに合意した」ということの明記をトランプ氏は求めるはずである。ここで注意すべきは、事業が失敗したときに元手が戻らないのが投資で、戻るのは貸与であることである。5500億ドルに上る、そのような投資を、野田氏は行えといういうのだろうか。

3.合意のあとで、トランプ氏はアメリカ国民に「日本がアメリカに関税を15パーセントに引き下げてもらうために、5500億ドルのアメリカ投資に合意し、さらに、投資収益の90パーセントがアメリカに帰属することに合意した」という伝えた。現在のトランプ氏にとっては、アメリカ経済が良くなるか、アメリカの利益になるかというようなことはどうでもよいというのは広く知られたことである。今回も同じで、彼の交渉によって、上の合意ができたというメッセージを伝えたいだけで、これが実行されようと、されなかろうとどうでもよいトランプ氏にとってどうでもよいことは明らかである。

2.この記事では、野田元首相が、「トランプ関税の「合意」が書面にされていないことを批判している」と報道されている。また、昨日、日本側の交渉担当者が再度、「合意」の内容を説明したという記事も見た。先日の私のポストでも書いたが、「合意」の解説を行うのは厳に慎むべきである。それにも関わらず、「合意」の内容が書面になっていないという批判を加え、さらなる説明を政府に求めるのは、愚の骨頂としか言いようがない。以下で若干の説明を加える。

2025/08/04 トランプ関税の合意への野田元首相のコメント

1.以下のような記事を見かけた。
www.japantimes.co.jp/news/2025/08...

Reposted by Makoto Yano

MORE: Senior Kremlin officials continue to set informational conditions that could support military operations against Lithuania (and other NATO states) by advancing narratives that deny the sovereignty of Lithuania and other former Soviet states. isw.pub/UkrWar050325

Reposted by Makoto Yano

BESPOKE: “Yesterday was the third-worst stock market reaction to a bond auction in history.”

(via Kevin Gordon)
Truly wild photos coming in from Los Angeles right now.

Reposted by Makoto Yano

“In a febrile political era, when many of the core assumptions about the global economy are being questioned, gold has once more become an anchor.”

This quote and the charts below are from the FT “Big Read” on “How gold became the world’s refuge from uncertainty.”

#gold @financialtimes.com

Reposted by Makoto Yano

the video:

3.心理学を専攻している知り合いにききましたが、トランプ氏のような病的ナルシストの場合、このような主張はとりあえず無視するのがよいということです。ここで、トランプ氏に反論すれば、泥沼の議論にひきずりこまれることになります。相手が興味をなくすまで(もしくは、新聞などが書かなくなるまで)、我慢するのがよいそうです。

2.これは、状況がよくないと判断したときに成果の誇張をするという、いつも使う手です。もし、日本がサイニングポーナスにサインしたとは考えられないので、ただの誇張です。見た目や聞き心地のよいことを、事実に基く、基づかずとは無関係に、とりあえず主張する戦略です。これまでもそうでしたが、トランプ氏にとっては実質的な成果はどうでもよいことだというこでしょう。

2025/07/27 日米合意について、続

1.トランプ氏は、日米が合意した500兆ドルの投資を、関税引き下げ合意のサイニングボーナスだと言っています。これは、アメリカ国内で日米合意が不評であることからきていると思います。そこで、サイニングボーナスとして、アメリカが自動的にもらえるものだという主張を始めたのでしょう。

これらの記事は、購読者しか読めないようなので、以下に簡単に内容を紹介します。(FTの記事は最後にRepostしたポストの元ポストにもどりれば、リンクから読めると思います。)

Trade Deal Could Give Japanese Cars a Leg Up in U.S. Market (New York Times, July 24, 2025)

Cracks widen in Japan and US’s interpretation of tariff trade deal (Financial Times, July 26?, 2025)

Detroit Carmakers Blast Japan Trade Deal, but Their Shares Are Rallying Anyway (Wall Streat Journal July 23, 2025)

What the US-Japan deal means for Asia and the world. (BBC, July 25, 2025)

10.イギリスやヨーロッパは、ここ1、2か月の間、トランプ氏が望むミバエの良さを提供することで、外交・経済面での実利をとるという戦略にシフトしています。今回は、日本もそれにのって、成功したということで、先進諸外国(アメリカを除く)からは高く評価されていると考えられます(その証拠がFTの記事です)。今後も同じような戦略をとる必要が出てくることでしょう。そうした戦略を練るためには、ヨーロッパ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどの戦略をつねに観察しておく必要があります。

9.その場合、過去数十年にわたり議論されてきたコメや、以前も書いたマララゴアコードのような話がでてきても不思議ではありません。それにどのような対処をするか、今のうちに考えておく必要があるということを心にとめておくべきでしょう。

8.ただ、今回は日本の大勝利に終わったとしても、それが恒久的なものとはとても言えません。実際、今回の合意については、うえでみたとおり、各方面から批判が寄せられています。これまで、トランプ政権は約束も自分に都合がわるくなれば、すぐに反故にするという戦略をとっています。そういう意味では、今回も、さらなる要求がすぐに出てくることは十分に予測されます。

7.トランプ政権のほうがずっと良い配牌をもちながら、自らが設定した8月という関税実行期日という制約を突いた日本および石破首相の大勝利に終わったと総括してもよいでしょう。第一次トランプ政権時代には、アメリカにすり寄るという戦略しかとることができず、日本の外交下手が露呈しました。それと比べ、今回、日本の外交は大きく進化したとも評価できます。自民党内には、石破首相を下ろそうという議論があるようですが、これだけの成果を残した政権を更迭しては、国を危うくすることが危惧されます。

6.全体として今回の合意は、FT紙も指摘するように、
“Political analysts said that on balance Japan appeared to have walked away with a good deal at little cost, setting an example that could become a model for other large exporters such as Germany and South Korea.”
ということになります。

5. このような合意が行われたのは、明らかに、トランプ氏が8月に設定した関税実行期日という制約があったと考えられます。それまでにどこの国とも合意が形成されなければ、政権の大きな失点になるため、合意を作るための焦りがあったはずだということです。さらに、FT紙によれば、今回の参議院選挙での自民党の大敗した結果、首相交代に至れば、合意形成が遅れざるをえないため、そのまえに合意を作ろうとしたともされています。

4.車の関税以外にも様々なことが今回の合意ではうたわれているが、アメリカにとっての実利はそこまで大きくないだろうともされています。日本が約500兆ドルのインフラ投資を行うという合意がなされたとされていますが、日本の産業政策に沿った投資になるので、どこまでの効果があるかも疑わしいとも指摘されます(NYT)。また、FT紙によれば、トランプ政権は、90パーセントの利益をアメリカがとるとされていますが、日本の発表では、投資規模や投資リスクに応じて利益が配分されるとなっているということです。