めちゃくちゃ楽しみにしていた高島野十郎展、期待以上の規模で存分に堪能してきました。静物、風景、月や蝋燭など主要モチーフの作品だけでもかなりの点数で、滞欧時の作品や人物画、さらに書簡や覚え書きなど周辺資料も展示。またゴッホの影響や岸田劉生らの写実表現との近似、親類や郷土の知己をはじめ東大関係者や柏の人々との交流など、時代や人との繋がりに焦点を当てる展示構成も面白かった。狷介な「孤高の画家」というイメージを覆す、「孤高ではあったが、孤独ではなかった」というメッセージを伝えるに十分な規模と熱量でした。
めちゃくちゃ楽しみにしていた高島野十郎展、期待以上の規模で存分に堪能してきました。静物、風景、月や蝋燭など主要モチーフの作品だけでもかなりの点数で、滞欧時の作品や人物画、さらに書簡や覚え書きなど周辺資料も展示。またゴッホの影響や岸田劉生らの写実表現との近似、親類や郷土の知己をはじめ東大関係者や柏の人々との交流など、時代や人との繋がりに焦点を当てる展示構成も面白かった。狷介な「孤高の画家」というイメージを覆す、「孤高ではあったが、孤独ではなかった」というメッセージを伝えるに十分な規模と熱量でした。
東京大学医科学研究所所蔵
彼の描く月の絵の夜空は深い青緑色で、それがとても好きなのだが、絵の全体を撮ったものがピンボケしていて痛恨。
没後50年 髙島野十郎展
2025年7月18日(金)〜9月28日(日)
千葉県立美術館
www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibiti...
東京大学医科学研究所所蔵
彼の描く月の絵の夜空は深い青緑色で、それがとても好きなのだが、絵の全体を撮ったものがピンボケしていて痛恨。
没後50年 髙島野十郎展
2025年7月18日(金)〜9月28日(日)
千葉県立美術館
www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibiti...
果実や風景は壮絶にリアルな描写だけど、薄い花びらを描くのはの得意ではないような気がした。妙に肉厚で造花っぽい。でも、絶筆の睡蓮はそうした部分が解消されて繊細な花びらになっていたいたのが、感慨深かった。
果実や風景は壮絶にリアルな描写だけど、薄い花びらを描くのはの得意ではないような気がした。妙に肉厚で造花っぽい。でも、絶筆の睡蓮はそうした部分が解消されて繊細な花びらになっていたいたのが、感慨深かった。
ゴッホや仏教に絡めた章立てが大変に的を得たものであろうと感心する也。
研ぎ澄まされた写実描写と思っていた《からすうり》も生で目を凝らすと確かに葉などはゴッホ風の筆致。意外!
背後に宗教的深みを湛える自然描写もミレーやゴッホの系譜にあるものと得心する。もっとも野十郎のそれはやはり日本仏教的なフィーリングである。
近代日本の洋画は、どこか垢抜け感に欠ける鈍く生真面目な貫禄を不可分の性質として帯びているものだが、その正体・根源は西洋とは異なる、ある種の"気品"なのだと認識を新たにした。
総じて、尊びと慈しみからくる写実だ。
ゴッホや仏教に絡めた章立てが大変に的を得たものであろうと感心する也。
研ぎ澄まされた写実描写と思っていた《からすうり》も生で目を凝らすと確かに葉などはゴッホ風の筆致。意外!
背後に宗教的深みを湛える自然描写もミレーやゴッホの系譜にあるものと得心する。もっとも野十郎のそれはやはり日本仏教的なフィーリングである。
近代日本の洋画は、どこか垢抜け感に欠ける鈍く生真面目な貫禄を不可分の性質として帯びているものだが、その正体・根源は西洋とは異なる、ある種の"気品"なのだと認識を新たにした。
総じて、尊びと慈しみからくる写実だ。