#名刺がわりの短編小説

文字数の関係で入れ損ねた2作。

・「凍った時間」星新一

・「判決」フランツ・カフカ

何かの短編アンソロジーに所収されていたのを読んで感銘を受けた「凍った時間」。

孤独な主人公ムントに、不条理で理不尽な環境で虐げられていた当時の我が身を重ね、皮肉な笑いが込み上げてくる。

それと同時に、やり場のない憤りと悲しさが押し寄せてきて、虚脱感に陥ってしまう。

「カフカがカフカになった」作品と言われ、たった一晩で書き上げた逸品。

「流刑地にて」や「断食芸人」もそうだが、カフカは短編が凄い。

ありふれた日常を背景に、平易な文章を使いながら、形而上を言語化できる作家。

手持ちの作品に、名刺がわりの一冊として使える短編小説欲しいな……と思った時、透カノは触れおとのネタバレがあるから無理で、預かり屋がシリーズ物で短編でないとすると、残りが「食人趣味の画家女が家出少女を誘拐してモデルにする話」か「男として育てられた少女が精神病で引きこもりの女に徐々に惹かれていくヤバい一夏」しかないのシンプルに怖いな

もじごと

#名刺がわり短編小説

《短編小説（順不同）》

・「火を熾す」ジャック・ロンドン

・「最後の扉を閉めて」トルーマン・カポーティ

・「あざ」アンナ・カヴァン

・「七階」ディーノ・ブッツァーティ

・「正午の島」フリオ・コルタサル

・「掟の前で」フランツ・カフカ

・「掃除婦のための手引書」ルシア・ベルリン

・「遮断機のない踏切」フリオ・リャマサーレス

・「誰もいないホテルで」ペーター・シュタム

・「時の声」Ｊ.G.バラード

・「エミリーに薔薇を」ウィリアム・フォークナー

・「雨」スティーヴン・ミルハウザー

・「ある崖上の感情」梶井基次郎

・「西瓜喰う人」牧野信一

#名刺がわりの小説10選

「死の島」福永武彦
「草の花」福永武彦
「夜の三部作」福永武彦
「忘却の河」福永武彦
「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー
「父と子」ツルゲーネフ
「ナターシャの踊り」オーランド・ファイジス
「妹たちへ・矢川澄子ベストエッセイ」矢川澄子
「不実な美女か貞淑な醜女か」米原万里
「愛の夢とか」川上未映子
そして12選になってしまうけれど、
「ピクニック・その他の短編」金井美恵子
「斜陽」太宰治
も入れたい…！

悩んだ末の10(12)選。美しい言葉を蒐集しています。福永武彦が多いのはもう仕方がありません。好きなんだもの！

#名刺がわりの小説10選

指輪物語/トールキン
闇の左手/ル・グィン
航路/コニー・ウィルス
〈エルリックサーガ〉/ムアコック
〈イルスの竪琴〉/マキリップ
桜の森の満開の下/坂口安吾
豊穣の海/三島由紀夫
虚無への供物/中井英夫
日影丈吉短編
赤江瀑短編