澁谷浩次
@yumboshibuya.bsky.social
yumbo / 現実レコーズ / Genjitsu Films / 喫茶ホルン
【現実レコーズbase shop→ https://genjitsu.base.shop 】
【yumbo Bandcamp→ https://yumbo1.bandcamp.com 】
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今年の647本目は『バイオ・インフェルノ』を観た。こういう話の常として重箱の隅をつつくような疑問は多々あるものの、達人ディーン・カンディに緊急事態の建物の内部を撮りまくられたら抗いようがない。武装して研究所に侵入しようとする集団の胸糞悪さはアメリカ映画の伝統である。
November 11, 2025 at 3:34 AM
今年の647本目は『バイオ・インフェルノ』を観た。こういう話の常として重箱の隅をつつくような疑問は多々あるものの、達人ディーン・カンディに緊急事態の建物の内部を撮りまくられたら抗いようがない。武装して研究所に侵入しようとする集団の胸糞悪さはアメリカ映画の伝統である。
今年の646本目は『やぶれかぶれの砦』を観た。話の鍵となる国境の河が良く撮れていると思ったら、撮影はアーヴィング・グラスバーグだった。50代を目前にしたジョエル・マクリーは渋くて良いのだが、イヴォンヌ・デ・カーロを見つめる目だけが、孫を見つめる好々爺のそれになってしまっている。
November 10, 2025 at 10:31 PM
今年の646本目は『やぶれかぶれの砦』を観た。話の鍵となる国境の河が良く撮れていると思ったら、撮影はアーヴィング・グラスバーグだった。50代を目前にしたジョエル・マクリーは渋くて良いのだが、イヴォンヌ・デ・カーロを見つめる目だけが、孫を見つめる好々爺のそれになってしまっている。
ブックストアペロンパーでのサイレント映画友の会in秋田はおかげさまで盛況のうちに終了しました。秋田の素敵な面々と知り合えて幸せな一夜となりました。ありがとうございます。ペロンパーでは念願のトレイシー・ソーンの本を購入。かなり良い品揃えの本屋さんでした。店内BGMがオレンジ・ジュース。
November 8, 2025 at 3:22 PM
ブックストアペロンパーでのサイレント映画友の会in秋田はおかげさまで盛況のうちに終了しました。秋田の素敵な面々と知り合えて幸せな一夜となりました。ありがとうございます。ペロンパーでは念願のトレイシー・ソーンの本を購入。かなり良い品揃えの本屋さんでした。店内BGMがオレンジ・ジュース。
今年の645本目は『Trois sous de poireaux』を観た。ジョルジュ・アトの演出によるアンドレ・デードの酔っ払いものは『Boireau déménage』の独特な輝きに及ばないものの、ネギを振り回しながらフラフラ歩く姿の微笑ましさは悪くない。簡単なパンショットも見ることができる。
November 6, 2025 at 11:28 PM
今年の645本目は『Trois sous de poireaux』を観た。ジョルジュ・アトの演出によるアンドレ・デードの酔っ払いものは『Boireau déménage』の独特な輝きに及ばないものの、ネギを振り回しながらフラフラ歩く姿の微笑ましさは悪くない。簡単なパンショットも見ることができる。
今年の644本目は『Boireau à l’école』を観た。ボワローの少年時代を描く「前日譚」的なノリがムカつくが、子供の頃から何事も真っ当に出来ず、厄介な異物として社会からつまみ出される姿は少々哀れでもある。小学校に地下牢があるのは唯一の笑える要素かもしれない。
November 6, 2025 at 11:07 PM
今年の644本目は『Boireau à l’école』を観た。ボワローの少年時代を描く「前日譚」的なノリがムカつくが、子供の頃から何事も真っ当に出来ず、厄介な異物として社会からつまみ出される姿は少々哀れでもある。小学校に地下牢があるのは唯一の笑える要素かもしれない。
今年の643本目は『想い出』を観た。スーパーヒーローになれないカーク・ダグラスの不甲斐なさこそがこの映画の「誠実さ」を保証しているが、常に死の影をちらつかせるダニー・ロバンには、それは何の役にも立たない。多少二人の距離が近づく可憐な演出がリトヴァクの職人芸を再確認させてくれる。
November 6, 2025 at 6:37 PM
今年の643本目は『想い出』を観た。スーパーヒーローになれないカーク・ダグラスの不甲斐なさこそがこの映画の「誠実さ」を保証しているが、常に死の影をちらつかせるダニー・ロバンには、それは何の役にも立たない。多少二人の距離が近づく可憐な演出がリトヴァクの職人芸を再確認させてくれる。
今年の642本目は『Les malheurs de Madame Durand』を観た。ご婦人が町のあちこちで小さな問題を起こした末に下水道に落ちてしまうが、町の人々の協力によって無事救出され家に帰る。下水道の非日常的空間を彷徨うご婦人、というイメージの効果だけを狙ったのだろう。
November 6, 2025 at 5:00 AM
今年の642本目は『Les malheurs de Madame Durand』を観た。ご婦人が町のあちこちで小さな問題を起こした末に下水道に落ちてしまうが、町の人々の協力によって無事救出され家に帰る。下水道の非日常的空間を彷徨うご婦人、というイメージの効果だけを狙ったのだろう。
今年の641本目は『Boireau déménage』を観た。ワインを飲みながら引っ越し作業をする男たちを淡々と描いたオフビートな喜劇。初期映画の奥ゆかしさが極まっている。事態を過剰にエスカレートさせず、死の予感すら漂わせる淋しい着地点を恐れないセンスの良さ。
November 6, 2025 at 4:33 AM
今年の641本目は『Boireau déménage』を観た。ワインを飲みながら引っ越し作業をする男たちを淡々と描いたオフビートな喜劇。初期映画の奥ゆかしさが極まっている。事態を過剰にエスカレートさせず、死の予感すら漂わせる淋しい着地点を恐れないセンスの良さ。
今年の640本目は『指紋なき男』を観た。アンソニー・クインがギラギラした目で女たちの間をウロチョロし、謎解きに励む。決まって最終的に誰が誰なのか分からなくなっていくので、このような映画は全く好きではないが、絶対に目を合わせないベルボーイのジェイ・アドラーが渋くて良かった。
November 5, 2025 at 5:28 PM
今年の640本目は『指紋なき男』を観た。アンソニー・クインがギラギラした目で女たちの間をウロチョロし、謎解きに励む。決まって最終的に誰が誰なのか分からなくなっていくので、このような映画は全く好きではないが、絶対に目を合わせないベルボーイのジェイ・アドラーが渋くて良かった。
今年の639本目は『ヘンリー八世の私生活』を観た。時代劇であるからこそ、いやますチャールズ・ロートンの生命体としての実在感。まだ駆け出しのマール・オベロンは自己主張をする猶予も与えられず早々に処刑されるが、「変な顔の女」として登場するエルザ・ランチェスターは印象的だ。
November 5, 2025 at 8:34 AM
今年の639本目は『ヘンリー八世の私生活』を観た。時代劇であるからこそ、いやますチャールズ・ロートンの生命体としての実在感。まだ駆け出しのマール・オベロンは自己主張をする猶予も与えられず早々に処刑されるが、「変な顔の女」として登場するエルザ・ランチェスターは印象的だ。
今年の638本目は『Le Maestro Do mi sol do』を観た。メリエスが好み似たようなものが複数撮られている楽器の怪異だが、これはアイディアの豊富さとタイミングの精巧さによって、特に注目すべきものになっている。終盤の煙の意味は分からないが、それ自体が言語のように現れる。
November 4, 2025 at 9:56 PM
今年の638本目は『Le Maestro Do mi sol do』を観た。メリエスが好み似たようなものが複数撮られている楽器の怪異だが、これはアイディアの豊富さとタイミングの精巧さによって、特に注目すべきものになっている。終盤の煙の意味は分からないが、それ自体が言語のように現れる。
今年の637本目は『La danseuse microscopique』を観た。ブライトン派の怪作『The Doll's Revenge』に先立つ5年前、朗らかで無害ではあるが同じ遠近法・二重露光のダンス人形をメリエスも撮っていた。手品師の助手が口から卵を吐き出すトリックには悪魔的な情緒の欠落を感じる。
November 4, 2025 at 9:26 PM
今年の637本目は『La danseuse microscopique』を観た。ブライトン派の怪作『The Doll's Revenge』に先立つ5年前、朗らかで無害ではあるが同じ遠近法・二重露光のダンス人形をメリエスも撮っていた。手品師の助手が口から卵を吐き出すトリックには悪魔的な情緒の欠落を感じる。
Genjitsu Filmsの動画作成・公開は、実に五ヶ月ぶり。ジョン・フォードやトッド・ブラウニング、ボーゼージ、ラオール・ウォルシュよりも先輩(!)のドワンの重要性を、どうしても主張しておきたかったのです。
November 4, 2025 at 3:57 AM
Genjitsu Filmsの動画作成・公開は、実に五ヶ月ぶり。ジョン・フォードやトッド・ブラウニング、ボーゼージ、ラオール・ウォルシュよりも先輩(!)のドワンの重要性を、どうしても主張しておきたかったのです。
今年の636本目は『Le Nain』を観た。1910年代などは異形の者への差別が普通だった、などといういいかげんな空想を一撃で否定する証拠である以上に、ブラウニングの『フリークス』以前に準備されていた、障害者の感情を描いたドラマ。劇作家の正体を知った時の女優のチンピラ感が凄まじい。
November 4, 2025 at 2:27 AM
今年の636本目は『Le Nain』を観た。1910年代などは異形の者への差別が普通だった、などといういいかげんな空想を一撃で否定する証拠である以上に、ブラウニングの『フリークス』以前に準備されていた、障害者の感情を描いたドラマ。劇作家の正体を知った時の女優のチンピラ感が凄まじい。
今年の635本目は『La maison des lions』を観た。ルネ・カールが猛獣使いのようにライオンたちを鞭でコントロールする様子を見せることが全てだったのかもしれないが、カールにも制御不能な雄ライオンへの対処法はドラマとしてあまりに粗末で腹立たしい。アラン・ドワンならどう撮っただろうか?
November 4, 2025 at 1:42 AM
今年の635本目は『La maison des lions』を観た。ルネ・カールが猛獣使いのようにライオンたちを鞭でコントロールする様子を見せることが全てだったのかもしれないが、カールにも制御不能な雄ライオンへの対処法はドラマとしてあまりに粗末で腹立たしい。アラン・ドワンならどう撮っただろうか?
今年の634本目は『The Thief's Wife』を観た。同年のドワンの映画『A Life for a Kiss』のヒロイン像と対照をなす、徹底して受け身で家から出られない、悪い男から善い男の手へと泣きながら受け渡されるポーリン・ブッシュのミクロコスモス。人物が少しずつ場に加わってくることで不思議な効果を生む。
November 2, 2025 at 9:53 AM
今年の634本目は『The Thief's Wife』を観た。同年のドワンの映画『A Life for a Kiss』のヒロイン像と対照をなす、徹底して受け身で家から出られない、悪い男から善い男の手へと泣きながら受け渡されるポーリン・ブッシュのミクロコスモス。人物が少しずつ場に加わってくることで不思議な効果を生む。
今年の633本目は『Maiden and Men』を観た。いい。愛と冒険を求めて家出した少女がジェンダーの高い壁と狭量なミソジニーに直面するという悲しい話でありながら、みすぼらしい小屋、そっけない荒野、男社会の埃っぽい牧場といったすべての空間は撮られた瞬間に祝福されている。
November 1, 2025 at 4:40 PM
今年の633本目は『Maiden and Men』を観た。いい。愛と冒険を求めて家出した少女がジェンダーの高い壁と狭量なミソジニーに直面するという悲しい話でありながら、みすぼらしい小屋、そっけない荒野、男社会の埃っぽい牧場といったすべての空間は撮られた瞬間に祝福されている。
今年の632本目は『リング ~事故か!変死か!4つの命を奪う少女の怨念~』を観た。世間に見世物として晒された超能力者の母から生まれたアンドロギュヌスの娘の怨霊、という途方もないミステリーが、二時間ドラマの枠でこんなにも熱く語られていたとは。ペンションの貸しビデオコーナーが最高!
November 1, 2025 at 6:35 AM
今年の632本目は『リング ~事故か!変死か!4つの命を奪う少女の怨念~』を観た。世間に見世物として晒された超能力者の母から生まれたアンドロギュヌスの娘の怨霊、という途方もないミステリーが、二時間ドラマの枠でこんなにも熱く語られていたとは。ペンションの貸しビデオコーナーが最高!
今年の631本目は『マオリ族の怒り』を観た。船乗りたちが夢のような島に流れ着いて終生平和に暮らす、という素朴な昔話で終わってくれたらどんなによかっただろう。極端にデフォルメされた歌と踊り、観客の拠り所だった誠実な主人公でさえ避けられないセックスの問題、そしてグリニス・ジョンズ。
November 1, 2025 at 6:18 AM
今年の631本目は『マオリ族の怒り』を観た。船乗りたちが夢のような島に流れ着いて終生平和に暮らす、という素朴な昔話で終わってくれたらどんなによかっただろう。極端にデフォルメされた歌と踊り、観客の拠り所だった誠実な主人公でさえ避けられないセックスの問題、そしてグリニス・ジョンズ。
今年の630本目は『黄金の腕』を観た。風邪の治りかけのぼんやりした頭には刺激が過ぎる映画だったが、エレノア・パーカーの面倒を見ているドロ・メランデ、という素朴な工芸品のようなドラマの設定が素晴らしかった。シナトラがオーディションで失敗する瞬間のハイハットの音は最高にクールだ。
October 29, 2025 at 5:02 PM
今年の630本目は『黄金の腕』を観た。風邪の治りかけのぼんやりした頭には刺激が過ぎる映画だったが、エレノア・パーカーの面倒を見ているドロ・メランデ、という素朴な工芸品のようなドラマの設定が素晴らしかった。シナトラがオーディションで失敗する瞬間のハイハットの音は最高にクールだ。
今年の629本目は『密林の宝石』を観た。部族間の対立を利用した密輸業者の悪巧みをジャングル・ジムが解決してくれる。ジムというキャラクターにはユーモアが与えられておらず、チンパンジーのタンバだけに映画の笑いを一身に背負わせているのはあんまりじゃないだろうか。
October 29, 2025 at 1:16 PM
今年の629本目は『密林の宝石』を観た。部族間の対立を利用した密輸業者の悪巧みをジャングル・ジムが解決してくれる。ジムというキャラクターにはユーモアが与えられておらず、チンパンジーのタンバだけに映画の笑いを一身に背負わせているのはあんまりじゃないだろうか。
今年の628本目は『善人は若死にする』を観た。酒場に偶然集まった男たちの負のパワーが、女たちの心配をよそにロクでもない方向へ転がってゆく。あまりにも性急で雑な強盗の描写はリアリズム以外の何物でもないが、全てはレイヴが見ている長い夢なのかも、という感じもする。
October 29, 2025 at 9:47 AM
今年の628本目は『善人は若死にする』を観た。酒場に偶然集まった男たちの負のパワーが、女たちの心配をよそにロクでもない方向へ転がってゆく。あまりにも性急で雑な強盗の描写はリアリズム以外の何物でもないが、全てはレイヴが見ている長い夢なのかも、という感じもする。
今年の627本目は『赤と黒』を観た。佳品。オータン=ララは恐らくイエズス会にも王党派にも興味は無く、明らかに、アントネッラ・ルアルディの深夜のチェンバロ弾き語り(お母さんも怒り出す騒音)を大真面目に撮ったり、往年のステンシル着色を想起させる微妙な色合いを出すことに力を注いでいる。
October 29, 2025 at 6:49 AM
今年の627本目は『赤と黒』を観た。佳品。オータン=ララは恐らくイエズス会にも王党派にも興味は無く、明らかに、アントネッラ・ルアルディの深夜のチェンバロ弾き語り(お母さんも怒り出す騒音)を大真面目に撮ったり、往年のステンシル着色を想起させる微妙な色合いを出すことに力を注いでいる。
今年の626本目は『掠奪された七人の花嫁』を観た。これも発熱で寝落ちと覚醒を繰り返しながら観たので、七人兄弟の名前がABC順になっていたこと、全員で春を迎える集合写真みたいなショットが完全にカルト教団みたいだったことぐらいしか印象に残っていない。
October 28, 2025 at 5:13 PM
今年の626本目は『掠奪された七人の花嫁』を観た。これも発熱で寝落ちと覚醒を繰り返しながら観たので、七人兄弟の名前がABC順になっていたこと、全員で春を迎える集合写真みたいなショットが完全にカルト教団みたいだったことぐらいしか印象に残っていない。
今年の625本目は『テキサス街道』を観た。ジョーン・レスリーといえば『私刑される女』だが、一年違いで撮られたこの2本の西部劇にはテーマの共通点こそあれ、映画としての語り方には、梅干しのおむすびとコンビニの「オムすび」ほどの落差がある(どちらも買うが)。撮影はジャック・A・マルタ。
October 28, 2025 at 4:58 PM
今年の625本目は『テキサス街道』を観た。ジョーン・レスリーといえば『私刑される女』だが、一年違いで撮られたこの2本の西部劇にはテーマの共通点こそあれ、映画としての語り方には、梅干しのおむすびとコンビニの「オムすび」ほどの落差がある(どちらも買うが)。撮影はジャック・A・マルタ。