Yoshihiro Hara
yoshi0507.bsky.social
Yoshihiro Hara
@yoshi0507.bsky.social
A researcher studying the history of curriculum in higher education, especially of north-east America in the 19th century. A lecturer of the Showa College of Music, teaching in the course for teacher training, Japan.
これとは別に3つ目のポイントとして、文科省の説明でたびたび出てくる「社会に信頼される大学」という考え方。そもそも今の社会に大学を評価する能力があるのか、その評価に正統性があるのかという点を全く考えずに脳死状態でこのフレーズを使っているようだが、そもそも大学は社会の進歩・変革に作用するような教育・研究を行う場でもあるし、その教育・研究を評価できる人間は同業者しかいない。社会において博士人材の有効活用が全くなされていない日本においては、社会の側がこれを評価する能力はないのでは、ということは検討の余地がある。
August 21, 2024 at 3:52 AM
ここで出てくる2つ目は1960年代の大学紛争。紛争自体に対する評価は避けるが、これによって学生組織(の自律性および正統性)はほぼ壊滅。なお昨日出てきた学生組織が非常に活発な大学の場合、1970年代創立なので紛争は未経験。
August 21, 2024 at 3:52 AM
こうなると高等教育進学はもはやある種のギャンブル。日本もこれの後追いになるんじゃないかと。ちなみにここで紹介した本は年内に日本語訳が出ます。
August 16, 2024 at 8:28 AM
特にアメリカの学生ローンはカオスそのもので連邦全体の基準がなく、学生はローンの申し込みはするけれども自分が何種類のローンをどのくらいの利率で申し込み、結果いくら返済しなくてはならないかを理解しきれていないことの方が多いそうで。(続)
August 16, 2024 at 8:28 AM
Geiger (2019) American Higher Education since World War IIの第8章には、「1兆ドルの借金」という節があり、州立大学ですら学費が平均的な家計では賄いきれないレベルに高騰し、借金で何とか通っている学生の状況が描写されている。その借金の3割は債務不履行だそうで。(続)
August 16, 2024 at 8:28 AM
印刷革命と大学についてはこちらを参照。
吉見俊也(2011)『大学とは何か』岩波新書.
August 9, 2024 at 4:18 AM
..日本語の「研究」という語(そもそもこの語がいつ成立したかは知らないけれど)が元々持つ意味はもっと広く、故にアカデミアの内外でこの語の持つ意味が食い違うことが多々あるんじゃなかろうかと。
August 9, 2024 at 4:17 AM
...ここから "research" の訳語としての「研究」は、必ず先行研究にあたり、その誤りを指摘したうえでより妥当性のある解釈を探究し、その結果が既存の知識体系をいかに変容させるかを論じないと成立しない、という認識となったわけだが、(続)
August 9, 2024 at 4:17 AM
...すなわちテーマを設定したら既存の書籍にいったん戻って(re-)矛盾や誤りを発見し、その訂正のために真実を探す(search)というのがどうやら "research" の意味らしい。(続)
August 9, 2024 at 4:17 AM
...そもそもresearchという営みが始まったのは印刷革命の後、それまで手書きで複写されていた本が誤植以外のミスなく広まり、しかも安価になったことにより、同一テーマで異なる内容(≒書き写しミスの蓄積)の書籍の存在が問題視されるようになったことが発端。(続)
August 9, 2024 at 4:17 AM
...なおこの論文が収録されている本は、アメリカにおける高等教育論/高等教育史の教科書的な論集ではあるが、最新の第5版(2023)ではBastedoが筆頭編者になると同時に、この論文は収録外となった。
August 7, 2024 at 5:31 AM
...実はあまり進展がなく、「保守か確信か」「必修か選択か」「リベラルかボケイショナルか」といった2項対立図式に基づく「振り子」のような描き方がされてきたが、これでは構図があまりに単純すぎ、カリキュラム編成のダイナミズムを描出できない、というのがバステドの主張。ただし「ではどう描けばいいか」といった具体的な提案は出されず。(続)
August 7, 2024 at 5:28 AM
これだけ古くから日本の学部学科制とアメリカのカレッジ制の違いが明確に述べられていながら、何故大学教育学会含めてこの前提を無視した議論になりがちなのか。
August 5, 2024 at 7:04 AM
…また米独の制度を比較した際、ドイツのUniversitaetはアメリカのgraduate schoolであり、それゆえアメリカのカレッジはそれより下の中等教育的要素を併せ持つとのこと。ただし大会での講演録なので、論拠は明示されず。
August 5, 2024 at 7:04 AM