八日
yoka8.bsky.social
八日
@yoka8.bsky.social
八日目に、まだなにかあるのなら。
好きで見に行く展覧会と、見ねておかば!という謎の衝動に駆られて見に行く展覧会とあって、「素描展」は前者。
素描、習作の類が無類に好きで、それは作者の検討や思考の跡、視点が見れて面白いからだ。何を考えていたか透けて見えそうな作品を前にすると、作者と対話してる気になる。今回特に天使の羽を描く場所を検討したんじゃないかと思う作品が秀逸で、現実に羽を生やした人間なんていないから、羽が生えるならやはり肩甲骨のあたりだろうか?などと、少し薄めのタッチで描き入れてるあたりが興味深かった(違うかもだけど)。
こんなにまとまって見る機会がないから後ろ髪をガッツリ引かれながら後にした。面白かった。
September 21, 2025 at 6:41 AM
「時代のプリズム」がとても面白く苦しく。特に、柳幸典《ザ ワールド フラッグ アント ファーム 1991―アジア》が静かにキレッキレだった。
蟻の巣で国旗を表す試みは、蟻(小さなもの)に国旗が「喰い散らかされる」ことで国という枠組みの取るに足らなさを、反面外来から侵入されること(「外」があること)で国がより意識されてしまうことも気付かされ、また蟻によって「他国」の砂が持ち込まれ道ができることはグローバル化や共生への希望にも思え、でも行き場のない砂が空白に山を作っていて、その空白にしか集えない砂はどうするんだろうと愕然としたりした。多義性があった。
まだ蟻生活してんのかな。
September 15, 2025 at 1:25 AM
Nerholを見ながら、ずっと「連続性」のことばかり考えていた。
線ではなく層としての連続性。同じ写真やstone paperを層状にして、そこに彫るという行為で新たなイメージを生み出す。いや、連続性ではなく同一性か?いや、木の表面に錫を流したり、木を切って貼ったのは同一性ではなく連続ではないか……

だから、ポッカリとあいた空間が異様に心地よかった。不在が、ここが「つながってない」ことが、よかった。
……確かに木でつながっているようにも思う。けど、この空間に安心を見た。
Nerhol「種まきと烏」埼玉県立近代美術館
August 31, 2025 at 9:11 AM
浮世絵現代、すごかった。
ロッカクアヤコは「ロッカクアヤコみ」が増してた気がしたし、興味がなかった塩田千春が初めて身近に思えたし、李禹煥はらしさが全く損なわれていなかった。
絵師の個性そのままを彫師や摺師が再現しつつ、彼らが間に入ることで、咀嚼され、親しみやすくなっている気がする。特に全く謎だった塩田千春を、初めて見てみたい、いや、見なければ、と思えたほどには。すごかった。
#浮世絵現代
April 29, 2025 at 8:20 AM
毎年VOCA展(かつてはDOMANIも)にはボディブローを喰らう。体の内側、みぞおち辺りをグッと捕まれて潰される感じ。知らなかった、というより見えてなかった面を提示されて愕然とする。苦しいけど面白い。とても面白い。
一番好きだったのは松本玲子さん「移行、ダメージIX:(紙コップ)コーヒーと雲と壁」
March 16, 2025 at 7:34 AM
今津景は、ネットを絵画したな、と思った。
手法ではなく、作品そのものの話だ。
とかく雑多なのだ。何か重要なものが隠されていそうで目を皿にして探すけど、結局は切れ端しかない。
例えば一つのキャンバスに、古代エジプトの神、ギリシャの彫像、アニメキャラの目が同居する。それぞれは判別可能だけど、でも一体となると意味が分からない。それを、何かあるに違いない、と必死に紐付けようとしている自分がいる。そうしてアドレナリンが出るだけ出て(?)、何が何だかわからないまま終わる。疲れる。まさにネットサーフィンさながら。
彼女はネットの様態だけでなく、それを使う人間の脳内もキャンバスに固定していた。素晴らしい。
February 9, 2025 at 8:44 AM