夜は歓声を待つためにある
私に、詰め込まれて剥がれない、過去が息を潜める。
あなたがかつて触れた門戸に触れる、辿った道筋を通る。ひどい臭気のなかで温度を探す。ポカリスエットほどの色を刺した肌が靡いて消えた声に輪唱して廻る廻る廻る回っていく。目が泳ぐ。人が通る誰が、落として、待つ。
耐えきれず立ち止まる。遍在する多元時間直線上に私はいる。この道を通る過去と未来のすべての人を私は知っている。右に目線を遣りながら、時が来るのを待っている。ここでは、すべての温度が忘れられない。壊した、全てが、ここには、
気がつけば私は通り魔になって、息を潜める、時を待つ、時は来ない、時を待つ。時は来ない。
夜は歓声を待つためにある
私に、詰め込まれて剥がれない、過去が息を潜める。
あなたがかつて触れた門戸に触れる、辿った道筋を通る。ひどい臭気のなかで温度を探す。ポカリスエットほどの色を刺した肌が靡いて消えた声に輪唱して廻る廻る廻る回っていく。目が泳ぐ。人が通る誰が、落として、待つ。
耐えきれず立ち止まる。遍在する多元時間直線上に私はいる。この道を通る過去と未来のすべての人を私は知っている。右に目線を遣りながら、時が来るのを待っている。ここでは、すべての温度が忘れられない。壊した、全てが、ここには、
気がつけば私は通り魔になって、息を潜める、時を待つ、時は来ない、時を待つ。時は来ない。
午前3時
繋がりっぱなしの電話に左耳を当てると
ジリジリかすかなノイズが鳴っている。
向こうの部屋の音。
右耳にはこちらの街の音が遠く響く
そうして電話の向こうの、
左耳の下の、
あなたの重みを考える。
小さな嗚咽が聞こえる。
声が聞こえていれば通話じゃなくてもいいのに、
ね
午前3時
繋がりっぱなしの電話に左耳を当てると
ジリジリかすかなノイズが鳴っている。
向こうの部屋の音。
右耳にはこちらの街の音が遠く響く
そうして電話の向こうの、
左耳の下の、
あなたの重みを考える。
小さな嗚咽が聞こえる。
声が聞こえていれば通話じゃなくてもいいのに、
ね