『ラミネート』
あそこにいる彼は、誰だったか。キラキラしている、金色の、ハチマキを巻いている彼。彼が住んでいるという絵本にありそうな小屋に案内された後、覚えてない自分自身に関することを彼と語り合う。悪い悪い夢を見ている反転ちょのお話
『ラミネート』
あそこにいる彼は、誰だったか。キラキラしている、金色の、ハチマキを巻いている彼。彼が住んでいるという絵本にありそうな小屋に案内された後、覚えてない自分自身に関することを彼と語り合う。悪い悪い夢を見ている反転ちょのお話
殺してしまったらしい。なんて他人事な思考をしている山………義から始まる話。手にかけた訳ではなく、ただ死にたがって単騎で出陣していく相棒の山………広を見送っただけだが、彼はそう考えた。本当は止めることができたからだ。
……多分、きっと、彼にとって俺はカミサマだったんだよ…なんて、冗談だ
『無題:404』
サラサラと山………広の髪をドライヤーで乾かしている山………義。なぜこうなったのかも分からない、自分と彼が極なのか初なのかも認識できない、これが現実なのかも怪しい。そんな世界の狭間にいるような感覚でぼんやりと下らないものから大切なことまでの色んな話をする夢現の状態な伯仲の話
殺してしまったらしい。なんて他人事な思考をしている山………義から始まる話。手にかけた訳ではなく、ただ死にたがって単騎で出陣していく相棒の山………広を見送っただけだが、彼はそう考えた。本当は止めることができたからだ。
……多分、きっと、彼にとって俺はカミサマだったんだよ…なんて、冗談だ
『無題:404』
サラサラと山………広の髪をドライヤーで乾かしている山………義。なぜこうなったのかも分からない、自分と彼が極なのか初なのかも認識できない、これが現実なのかも怪しい。そんな世界の狭間にいるような感覚でぼんやりと下らないものから大切なことまでの色んな話をする夢現の状態な伯仲の話
タロット占いができる山………広が、気になっている相手である本科山………義に占って欲しいと言われて占ったら約3ヶ月後に恋人ができる、と結果が出て山………義の好きな人を探る話。「やまんばぎり……好きな人がいるのか…?」「はぁ??」
『指先がじんわり』
主が死んで、刀解を決めた山………広。なんとなく山………義に報告しに行ったら「ふーん…そういえば、刀解ってどんな感覚なのかな。もし本当に刀解するのであれば、した後に教えてほしい、かな」と言われなんとか伝える方法を探す冬の話。
タロット占いができる山………広が、気になっている相手である本科山………義に占って欲しいと言われて占ったら約3ヶ月後に恋人ができる、と結果が出て山………義の好きな人を探る話。「やまんばぎり……好きな人がいるのか…?」「はぁ??」
『指先がじんわり』
主が死んで、刀解を決めた山………広。なんとなく山………義に報告しに行ったら「ふーん…そういえば、刀解ってどんな感覚なのかな。もし本当に刀解するのであれば、した後に教えてほしい、かな」と言われなんとか伝える方法を探す冬の話。
朝起きた!変なところに迷い込んだ!廃本丸の調査に来た!別のところに誘い込まれた!同部署の南………字には笑われる!今日もまた迷い込んだ!周りは血だらけ!ついでに偽物くん/本科がいる!いつもの事だな!脱出するか…
『大人になる、とは不思議なもので』
極になった山………広。最近迎えた山………義の背中が記憶よりもずっと小さく見えて驚き、回想でも山………義が怒っているようでさらに驚く。山………義の弱さを知り、何とも言えない気持ちになっていたら戦場で庇われることがあって、そんなに変わってなかったなぁと思う話。
朝起きた!変なところに迷い込んだ!廃本丸の調査に来た!別のところに誘い込まれた!同部署の南………字には笑われる!今日もまた迷い込んだ!周りは血だらけ!ついでに偽物くん/本科がいる!いつもの事だな!脱出するか…
『大人になる、とは不思議なもので』
極になった山………広。最近迎えた山………義の背中が記憶よりもずっと小さく見えて驚き、回想でも山………義が怒っているようでさらに驚く。山………義の弱さを知り、何とも言えない気持ちになっていたら戦場で庇われることがあって、そんなに変わってなかったなぁと思う話。
この本丸のはくちゅうの夢の中は繋がっている。これは俺、山………義のみが知っている秘密。他の誰にも言ってはいない。
俺は山………広の夢に引っ張られて、山…はぁ、偽物くんの夢を見ることになる。偽物くんはいつもいつも何かに追われているから、何となく逃げる手助けをしている。偽物くんはそのことは覚えてないらしい。捕まるとどうなるか気になるから、今度試してみようかと考えている。
─────山………義の日記
『指切り』
最近急に片手の小指が消えた山………広。痛みはなく、ただ本当に消えただけだし利き手ではないので放置していたが山………義の部屋に自分の小指があるのを見つけてしまい……?
この本丸のはくちゅうの夢の中は繋がっている。これは俺、山………義のみが知っている秘密。他の誰にも言ってはいない。
俺は山………広の夢に引っ張られて、山…はぁ、偽物くんの夢を見ることになる。偽物くんはいつもいつも何かに追われているから、何となく逃げる手助けをしている。偽物くんはそのことは覚えてないらしい。捕まるとどうなるか気になるから、今度試してみようかと考えている。
─────山………義の日記
『指切り』
最近急に片手の小指が消えた山………広。痛みはなく、ただ本当に消えただけだし利き手ではないので放置していたが山………義の部屋に自分の小指があるのを見つけてしまい……?
言い返そうとしたにせものくんの唇に、ひとつ、軽くこちらの唇を合わせる。
「ほら。どうかなにせものくん。満足した?」
「……で、きるわけ……ないだろう…………」
「ふーん、じゃあ……次はどこに欲しいのかな」
もご、もごと言葉を転がすにせものくんをじっと見つめる。心なしか先ほどよりも赤くなっているように見えた。
「……唇に」
「さっきと同じで、構わないのか?」
「い、いつもみたいにしてくれ……」
及第点、かな。そんな言葉を、にせものくんのもたついた言葉と合わせる。それはやはり、暑い暑い夏の味がした。
言い返そうとしたにせものくんの唇に、ひとつ、軽くこちらの唇を合わせる。
「ほら。どうかなにせものくん。満足した?」
「……で、きるわけ……ないだろう…………」
「ふーん、じゃあ……次はどこに欲しいのかな」
もご、もごと言葉を転がすにせものくんをじっと見つめる。心なしか先ほどよりも赤くなっているように見えた。
「……唇に」
「さっきと同じで、構わないのか?」
「い、いつもみたいにしてくれ……」
及第点、かな。そんな言葉を、にせものくんのもたついた言葉と合わせる。それはやはり、暑い暑い夏の味がした。
「ねぇ、良い?」
「……聞くな。恥ずかしいだろう。」
む、とした彼の唇をゆるく手でなぞる。少しカサついていて、これは前に与えたリップクリームをしっかりやっていないな?と考える。当てつけにいつもよりも長めにふに、ふにと彼の唇を弄る。
「……ま、まだか?」
「おや……急かしてくるなんて。にせものくんも欲しがりになったね」
「ねぇ、良い?」
「……聞くな。恥ずかしいだろう。」
む、とした彼の唇をゆるく手でなぞる。少しカサついていて、これは前に与えたリップクリームをしっかりやっていないな?と考える。当てつけにいつもよりも長めにふに、ふにと彼の唇を弄る。
「……ま、まだか?」
「おや……急かしてくるなんて。にせものくんも欲しがりになったね」
「……やっぱり、涼やかだ。ほんかのその目が、いっとう好きだ」
「……にせものくんは、まったく涼やかじゃないけどね。夏も夏だよ」
「そっちこそ、褒めてないだろう」
「うん、褒めてない」
「酷いな……」
俺と同じように、にせものくんの眉間にも皺が寄る。パチ、パチと動くまつ毛はほとんど俺と同じはずなのにまるで花火のように見えて、暑苦しかった。けれど、どうも離れ難い気がして。
「……やっぱり、涼やかだ。ほんかのその目が、いっとう好きだ」
「……にせものくんは、まったく涼やかじゃないけどね。夏も夏だよ」
「そっちこそ、褒めてないだろう」
「うん、褒めてない」
「酷いな……」
俺と同じように、にせものくんの眉間にも皺が寄る。パチ、パチと動くまつ毛はほとんど俺と同じはずなのにまるで花火のように見えて、暑苦しかった。けれど、どうも離れ難い気がして。
「……ほんか。ほんかは、涼やかだと思う……」
「……この、状況で?まったく、目はちゃんと着いているのかな……」
瞼は閉じたまま、眉間に皺を寄せる。前髪が肌に引っ付いているのが不快だ。
「……目の色と、髪の色が、涼やかだ……あと氷のような性格」
「褒めてないだろそれ」
「鬼のように褒めてる」
「……ほんか。ほんかは、涼やかだと思う……」
「……この、状況で?まったく、目はちゃんと着いているのかな……」
瞼は閉じたまま、眉間に皺を寄せる。前髪が肌に引っ付いているのが不快だ。
「……目の色と、髪の色が、涼やかだ……あと氷のような性格」
「褒めてないだろそれ」
「鬼のように褒めてる」