すこやかできれいなお手てです！　ご健勝を🥳

そのあと「全部終わらせたら、五分間は校庭で好きなだけ暴れていい」という条件どおりに教室の外へ飛び出したんだけど、興奮状態に足が追いつかなくて階段でぶっ転び、また生傷を増やしてしまうのだ。
うん。大変な子だ。親御さんの苦労を想像するだけで胸が痛む。でもめちゃくちゃ面白い。しかも、ペドフィリアに見つかったら秒で誘拐されそうな美少年だ。ぜんぜん将来が想像できなくて心配。

「君が先に示した条件が非現実的だったから仕方ないだろ。五分と十分の間を取って七分半だ。いまの私なら七分半でオッケーするけど、これ以上の交渉をするなら、七分半から交渉の時間を引くぞ？」「あああー！（頭を机に打ち付ける）」「見てて痛いからやめてくれ、さあ一緒に読むぞ」「一人で読める！（一瞬で読み終わる）さあ休憩だ！」「うん、約束したから休もうか。でも休憩から戻ったときに質問の内容を思い出せるか？　いまパパっと答えちゃって、そのあと八分半の休憩を取るのはどうだ」「九分にしろ！」「よし、今回はそれでディールだ。もう十問やっちまおうぜ」「くそ、めんどくせえ（でも一瞬で終えられる。なにしろ頭がいいのだ）」

たとえば彼は、たった一枚のプリント（選択式の問題十問、記入式の問題五問、自分で文章を作る問題二問）を終えるまでに、めちゃくちゃ喋らなければならない。
「やりたくない」「死んだほうがいい」「ぼくはライティングのアレルギーを持ってる」と毒づく彼を説得し、「よーし分かった、一緒に問題文を読むだけ、とりあえずいまは読むだけだ、問題を読み終えたら休憩しよう」「何分休憩？」「五分」「三十分くれ」「三十分だとランチタイム始まっちゃうぜ」「じゃあ十五分」「それは休み時間と同じ長さだろ」「十分」「仕方ない、七分にしよう」「八分！」「七分半で手を打て」「二分半しか増えてないぞ、こっちばかり大幅に譲ってるじゃん！」