携帯からくるまへ視線が移る、心なしか頬が赤い気がする「くるまくん、花言葉知ってた…？」「い、いやっそこまでは」さっき持ってくるとまで言ってしまいくるまの顔もボンと赤くなる「そこは知ってるって言ってよ…」小さな声で呟いた彼女のセリフにドキリと鳴る心臓「期待して、いいよ…」嘘偽りのないその言葉だけで六月まで待てる気がする。

「六月に咲く花なんだ、今は見れないね」「そうだね、中国では六月雪って呼ぶんだ」「くるまくんって本当に物知りだね」「家の庭に植えられていたから知ってるだけだよ」家の庭にこんな花が咲いている家だったことを思い出しさすがくるま家…！「今度君にも見せたいから持ってくるよ」「えっ嬉しい！」とはいえ六月までまだまだ先だね、と話しながらスクロールしている手が止まる「花言葉は『純愛』」「えっ」

言い終わらないうちに彼女がくしゃみをするので、思わず自分のマフラーをふわ、と彼女の首にかけるみわ「えっみわくん…？！」「風邪を引くぞ」「あ、ありがとっ」言葉は少ないけれど、ちゃんと優しいみわしゅうじが好き。

「いや…私は鍋の準備あるし…」「お風呂出てから一緒にやろう」なんだか今日のつつみだいちはゴーインだ「今日はなんか変じゃない？」「そうかもな」「一緒に入るのなんて久しぶりでさ…」「恥ずかしい？」こくこく、と頷いて見せれば小さく笑う声「嬉しいよ、ちゃんと意識してもらえるの」そう言ったかと思えば、するりと彼女の腕を取り浴室へ向かいはじめる「先に入ってて」強引なくせにちゃんと気が使えてスマートなつつみに今日もクラクラです。

苦笑いのじんにもちろん、と答える彼女「何色に染まっても好きでいてくれる？」ドラマみたいなセリフが出てしまいちょっと恥ずかしくなるじんと目をまんまるくして見上げている彼女「ごめん、変なしつも「もちろん」」そのままくしゃりと笑うので、つられてじんも笑う「敵わないや」雪みたいに溶けてしまわないように抱き寄せて幸せを噛み締める。

助けてもらっちゃったので次出会した時に「あの時はありがとうございました」ってお礼すれば「お前のためじゃない」とか言われちゃうけど、その日から少しずつ仕事以外の会話をするようになって「すずき様からいただいた、お前も食うか」ってお得意様からの差し入れくれるようになる。せれぶの贈り物はおいし〜な〜ってもぐもぐしてると「幸せそうに食うから餌付けしたくなるな」ってなんでそんな優しそうな目でこっち見てるの、好きになっちゃう。

過激派彼女に苦笑いしながら「ヤキモチ妬かなくていいように結婚するか？」ってサラッとプロポーズして欲しい、待ってる柿崎。

「先生って歯並びがいいとすごい喜びますよね」「悪いよりいい方がいいだろ」「そうですけど、それでもすごい喜ぶから」わかってねえな、と首を横に振るたちかわにイラッとしながら話聞いてると「キスした時に舌でなぞると気持ちいいじゃねえか」そう言ったたちかわけい、顎を持ち上げ「ちょっと試してみるか？」ってニヤリと笑うからもうやめて、私のライフはゼロよ。

体力おばけ突っ走りがちだけどセンスのいいみなみさわ、顔と愛想で生きてきたモテモテのおき、体力ないので現場では全体指揮やってることの多いみずかみとよくつるんでいる。

たまに会議で行く役所の広報課の女の子のことが気になっており「俺って話しかけたらあかん顔やん」という割にしれっと「今度うちのカレー食べに来いひん？」とただカレー食べさせたくて誘ってるので軽率にお邪魔したりする。いつも役所での会議の場では静かに座っているのに、消防署では和気藹々と楽しそうにしているのを見て以来「今日も借りてきた猫でしたね」と揶揄えば「飼い主募集中やで」と冗談か本気なのかわからないボケかまされる。静かに座ってるんじゃなく、どうやって彼女に話しかけようかを考えてて会議の内容なんて聞いてないだけ。