A級戦犯の霊という、ちょっと生々しいものを舞台にかけるとは、少し前では考えられなかったろう。とはいえ、こうやってすべてが「物語」していくのかと、いささか座りの悪さも(板垣の業績が美化されすぎているのはどうなのか。でも、まあ知盛や忠度だって同じことをやっていたのかもねと思ってみたり)。
ワキが「唐土の僧」という設定はどうなのか。満州、日中戦争に触れているのに、あまりにも当事者すぎやしないか。当事者ならではのプロットが用意されているのかと思えば、何もない。最後はジャラジャラと祈祷されて板垣の霊を退散してくれるのかと思えば、そうでもなかった。シテは負けた苦しみで意気消沈して舞台を去っていく。
A級戦犯の霊という、ちょっと生々しいものを舞台にかけるとは、少し前では考えられなかったろう。とはいえ、こうやってすべてが「物語」していくのかと、いささか座りの悪さも(板垣の業績が美化されすぎているのはどうなのか。でも、まあ知盛や忠度だって同じことをやっていたのかもねと思ってみたり)。
ワキが「唐土の僧」という設定はどうなのか。満州、日中戦争に触れているのに、あまりにも当事者すぎやしないか。当事者ならではのプロットが用意されているのかと思えば、何もない。最後はジャラジャラと祈祷されて板垣の霊を退散してくれるのかと思えば、そうでもなかった。シテは負けた苦しみで意気消沈して舞台を去っていく。