今日はマトリと捜一の合同慰労会。
ハロウィンだから仮装しよう!という菅野くんの提案で各々仮装して集まった。
(イケメンは仮装してもイケメン……)
華やかな集団の中でも目を引くのは耀さん。1番かっこいいと思ってしまうのは恋人の欲目だろうか。
「マトリちゃんはシスター?」
「はい、耀さんは魔女?いや魔法使いですか?どちらかというと魔王って感じですが」
「ほーん、言うねぇ……」
目を細めた耀さんの綺麗な顔が耳元に近づく。
「今夜はイタズラとお仕置だねぇ」
そんな恋人の言葉に顔の温度が一気に上昇する。イタズラかお菓子のはずがとんでもない事になりそうだ。魔王のハロウィンの夜は如何に?
今日はマトリと捜一の合同慰労会。
ハロウィンだから仮装しよう!という菅野くんの提案で各々仮装して集まった。
(イケメンは仮装してもイケメン……)
華やかな集団の中でも目を引くのは耀さん。1番かっこいいと思ってしまうのは恋人の欲目だろうか。
「マトリちゃんはシスター?」
「はい、耀さんは魔女?いや魔法使いですか?どちらかというと魔王って感じですが」
「ほーん、言うねぇ……」
目を細めた耀さんの綺麗な顔が耳元に近づく。
「今夜はイタズラとお仕置だねぇ」
そんな恋人の言葉に顔の温度が一気に上昇する。イタズラかお菓子のはずがとんでもない事になりそうだ。魔王のハロウィンの夜は如何に?
「ん」とだけ言って、いつもの様に素っ気なく渡されたケーキの箱。
「覚えててくれたんですか?」
「スケジュール共有アプリにあんだけスタンプ付けてりゃ誰だって気づくだろ」
そう、今日は私がマトリとなった日。課の皆さんには庁舎でお祝いし貰ったけど、峻さんは1日外出で不在だった。
「もう、出会って9年も経つんですね!いろいろあったなぁ…」
「まぁな」
「でも、峻さんと出逢えて、一緒に居れて幸せです」
「俺も」
「!!今日は砂糖ですね?」
「たまにはな」
そう言って降ってきたキスはいつもより優しくて甘い夜に溶けていく。
ケーキはまた明日。今は2人だけの甘い時間を優先しよう。
「ん」とだけ言って、いつもの様に素っ気なく渡されたケーキの箱。
「覚えててくれたんですか?」
「スケジュール共有アプリにあんだけスタンプ付けてりゃ誰だって気づくだろ」
そう、今日は私がマトリとなった日。課の皆さんには庁舎でお祝いし貰ったけど、峻さんは1日外出で不在だった。
「もう、出会って9年も経つんですね!いろいろあったなぁ…」
「まぁな」
「でも、峻さんと出逢えて、一緒に居れて幸せです」
「俺も」
「!!今日は砂糖ですね?」
「たまにはな」
そう言って降ってきたキスはいつもより優しくて甘い夜に溶けていく。
ケーキはまた明日。今は2人だけの甘い時間を優先しよう。
ターゲットを見張るために峻さんと喫茶店入って数時間。結局、収穫を得ることなく、私たちはお店を出た。
かなり、空調が効いていた事もあって、夏だというのにすっかり体が冷えてしまった。
「直帰して良いそうだ。何か食って帰るか?」
「そうですね…峻さんは何が食べたいですか?」
私の返事にすたすたと歩き出した峻さんが連れできてくれたのは、前から気になっていたラーメン屋さん。
冷えた体に温かいラーメンが身に染みる。
「美味しいです!」
「あ、そ」
返事は素っ気ないけど、私を見る目は優しい。温かいラーメンと峻さんの優しさに身も心もほかほかに温まった。
ターゲットを見張るために峻さんと喫茶店入って数時間。結局、収穫を得ることなく、私たちはお店を出た。
かなり、空調が効いていた事もあって、夏だというのにすっかり体が冷えてしまった。
「直帰して良いそうだ。何か食って帰るか?」
「そうですね…峻さんは何が食べたいですか?」
私の返事にすたすたと歩き出した峻さんが連れできてくれたのは、前から気になっていたラーメン屋さん。
冷えた体に温かいラーメンが身に染みる。
「美味しいです!」
「あ、そ」
返事は素っ気ないけど、私を見る目は優しい。温かいラーメンと峻さんの優しさに身も心もほかほかに温まった。
「美味しいぃぃぃぃ」
「ったく、朝から騒ぎやがって……」
期間限定の桃のフラペチーノがどうしても飲みたい私とめんどくせぇという峻さんとひと揉めした今朝。
結局、根負けした峻さんとカフェで念願のドリンクを飲めて私はとてもご機嫌でいる。
「お前、ほんと限定とか弱いよな」
「限定は魅惑の言葉なんですよ…」
峻さんの多少の嫌味もなんのその。
「峻さんも一口どうぞ!」
「ん」
カップを差し出すとストローに口を付ける様子が餌付けのようで少しキュンとする。
「美味しい?」
「まぁまぁ」
まぁまぁって顔じゃないくせに。この後こっそりしたキスは桃のように甘い味がした。
「美味しいぃぃぃぃ」
「ったく、朝から騒ぎやがって……」
期間限定の桃のフラペチーノがどうしても飲みたい私とめんどくせぇという峻さんとひと揉めした今朝。
結局、根負けした峻さんとカフェで念願のドリンクを飲めて私はとてもご機嫌でいる。
「お前、ほんと限定とか弱いよな」
「限定は魅惑の言葉なんですよ…」
峻さんの多少の嫌味もなんのその。
「峻さんも一口どうぞ!」
「ん」
カップを差し出すとストローに口を付ける様子が餌付けのようで少しキュンとする。
「美味しい?」
「まぁまぁ」
まぁまぁって顔じゃないくせに。この後こっそりしたキスは桃のように甘い味がした。
「暑い日に飲む冷たいドリンクは美味しいですね!」
「これだけ暑けりゃな…何にしたんだ?」
「オリジナルチャイです!峻さんは?」
「ティーソーダ」
「峻さんのも美味しそうですね」
「ん」
互いのドリンクを交換して飲む。シュワシュワと炭酸が口の中で弾けて美味しい。
「これも美味ぇな」
「でしょう?」
美味しい物を互いに分けて美味しいねと言い合える。そんな些細な事に幸せを感じる。
「何、ニヤニヤしてんだ?」
「幸せだなぁって思って」
「単純」
でも、そんな峻さんも幸せそうな顔をしてる。この後、人目に隠れてしたキスはいつもより甘いキスだった。
「暑い日に飲む冷たいドリンクは美味しいですね!」
「これだけ暑けりゃな…何にしたんだ?」
「オリジナルチャイです!峻さんは?」
「ティーソーダ」
「峻さんのも美味しそうですね」
「ん」
互いのドリンクを交換して飲む。シュワシュワと炭酸が口の中で弾けて美味しい。
「これも美味ぇな」
「でしょう?」
美味しい物を互いに分けて美味しいねと言い合える。そんな些細な事に幸せを感じる。
「何、ニヤニヤしてんだ?」
「幸せだなぁって思って」
「単純」
でも、そんな峻さんも幸せそうな顔をしてる。この後、人目に隠れてしたキスはいつもより甘いキスだった。
「あー、お腹いっぱい!楽しかった〜!」
「まぁ、あれだけ食えば、腹いっぱいにもなんだろ」
玲と約束していた中華街デート。思う存分、お目当てのものを食べ歩きして満足したようだ。
昼間の様子を思い出すと、どの顔も幸せそうに食ってるこいつの顔しか浮かばねー。
「お土産にごま団子も買いましたしね」
「まだ食う気かよ…」
「違います!これは明日のおやつです」
そう言って膨らました頬は今日食べた肉まんのようにふっくらしていて、思わず噛みつきたくなる。
なんて事を言うとますます頬が膨らみそうだ。
あした、またごま団子を食いながら幸せそうに笑うこいつの顔が楽しみだ。
「あー、お腹いっぱい!楽しかった〜!」
「まぁ、あれだけ食えば、腹いっぱいにもなんだろ」
玲と約束していた中華街デート。思う存分、お目当てのものを食べ歩きして満足したようだ。
昼間の様子を思い出すと、どの顔も幸せそうに食ってるこいつの顔しか浮かばねー。
「お土産にごま団子も買いましたしね」
「まだ食う気かよ…」
「違います!これは明日のおやつです」
そう言って膨らました頬は今日食べた肉まんのようにふっくらしていて、思わず噛みつきたくなる。
なんて事を言うとますます頬が膨らみそうだ。
あした、またごま団子を食いながら幸せそうに笑うこいつの顔が楽しみだ。
「ふっふっふー!念願の全部マシです!」
「おまえ、それ全部食い切れんのかよ?」
「た、食べきりますとも!」
先日、テレビで放送されていたラーメン特集を見て以来、すっかりラーメン口になっていたのだ。
食べきる宣言したものの、かなりのボリュームに怯みそうになる。
ニンニクが食欲をそそり、順調に食べ進めたが、あと少しというところで、限界が訪れた。
峻さんに助けを求めるよに見ると、それ見た事かという顔。
「峻さん、ヘルプです」
「しょーがねぇ奴」
結局、峻さんに手伝ってもらいながら何とか完食したのだった。
「ふっふっふー!念願の全部マシです!」
「おまえ、それ全部食い切れんのかよ?」
「た、食べきりますとも!」
先日、テレビで放送されていたラーメン特集を見て以来、すっかりラーメン口になっていたのだ。
食べきる宣言したものの、かなりのボリュームに怯みそうになる。
ニンニクが食欲をそそり、順調に食べ進めたが、あと少しというところで、限界が訪れた。
峻さんに助けを求めるよに見ると、それ見た事かという顔。
「峻さん、ヘルプです」
「しょーがねぇ奴」
結局、峻さんに手伝ってもらいながら何とか完食したのだった。
玲と外回りを終えて課に戻ると丁度、渡部さんが来ていた。
差し入れと思われるアップルパイに思わず目を輝かせる玲と、そんな玲を見て微笑む渡部さんに腹の奥に何とも言えない感情が湧く。
「アップルパイ美味しかったですね!」
給湯室で使い終わった食器を片付ける玲を手伝いながら、腹の奥に感じた感情はより一層黒くなる。
「いっ!ひゃにひゅるんですか!」
れるの柔らかい両頬を引っ張ると餅のように伸びる。
(あんな顔、他の男に見せるな)
と言えたら、楽なのに。
「林檎みたいに丸いなと思って」
「なっ!?」
林檎みたいに熟れた頬に軽く口付けをして、軽口叩きながら給湯室を後にした。
玲と外回りを終えて課に戻ると丁度、渡部さんが来ていた。
差し入れと思われるアップルパイに思わず目を輝かせる玲と、そんな玲を見て微笑む渡部さんに腹の奥に何とも言えない感情が湧く。
「アップルパイ美味しかったですね!」
給湯室で使い終わった食器を片付ける玲を手伝いながら、腹の奥に感じた感情はより一層黒くなる。
「いっ!ひゃにひゅるんですか!」
れるの柔らかい両頬を引っ張ると餅のように伸びる。
(あんな顔、他の男に見せるな)
と言えたら、楽なのに。
「林檎みたいに丸いなと思って」
「なっ!?」
林檎みたいに熟れた頬に軽く口付けをして、軽口叩きながら給湯室を後にした。
「峻さん、紫陽花が咲いてますよ!」
「見りゃわかる」
昨日は雨で1日引きこもった反動か、晴れてるうちにと朝から張り切りだした玲に促されるまま、洗濯と掃除を終え、近所のスーパーへ行く途中途中で、紫陽花を見かけては報告を受ける。
「綺麗ですね」
「そうだな」
花を見て何かを思う感情なんて持ち合わせていなかった。でも、やれ桜の季節だ、紫陽花が咲く頃だと浮かれるこいつのせいでまぁまぁ覚えるようにはなった。でも、1番好きな花は俺の隣りで馬鹿みたいに笑ってる玲だとは口が裂けても言えない。
「ほら行くぞ」
口には出せない分、手を繋いでやると、ほら、また綺麗な花を咲かせた。
「峻さん、紫陽花が咲いてますよ!」
「見りゃわかる」
昨日は雨で1日引きこもった反動か、晴れてるうちにと朝から張り切りだした玲に促されるまま、洗濯と掃除を終え、近所のスーパーへ行く途中途中で、紫陽花を見かけては報告を受ける。
「綺麗ですね」
「そうだな」
花を見て何かを思う感情なんて持ち合わせていなかった。でも、やれ桜の季節だ、紫陽花が咲く頃だと浮かれるこいつのせいでまぁまぁ覚えるようにはなった。でも、1番好きな花は俺の隣りで馬鹿みたいに笑ってる玲だとは口が裂けても言えない。
「ほら行くぞ」
口には出せない分、手を繋いでやると、ほら、また綺麗な花を咲かせた。
「美味しそう〜!」
今朝は近所に新しくできたパン屋さんのあんバターサンド。オープンしたてだと言うのに、早くも人気店で、休日となれば長蛇の列ができている。
なので、ようやく買いに行けたパン。
渋る峻さんを連れて、焼き立てのパンを選ぶのも楽しかった。
一口頬張れば、もちもちのパンに挟まった甘さ控えめな粒あんとバターの塩味が堪らない。
峻さんも気に入ったのかあっという間に平らげてしまった。
「また、買いに行きましょうね」
「気が向いたらな」
そうは言いつつ、次もお願いしたら絶対着いてきてくれるくせにとは口にしない。
だって、もう少しこの幸せな朝食を味わいたいから。
「美味しそう〜!」
今朝は近所に新しくできたパン屋さんのあんバターサンド。オープンしたてだと言うのに、早くも人気店で、休日となれば長蛇の列ができている。
なので、ようやく買いに行けたパン。
渋る峻さんを連れて、焼き立てのパンを選ぶのも楽しかった。
一口頬張れば、もちもちのパンに挟まった甘さ控えめな粒あんとバターの塩味が堪らない。
峻さんも気に入ったのかあっという間に平らげてしまった。
「また、買いに行きましょうね」
「気が向いたらな」
そうは言いつつ、次もお願いしたら絶対着いてきてくれるくせにとは口にしない。
だって、もう少しこの幸せな朝食を味わいたいから。
お預けしました分の通領が開始されました🙏✨ご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。
missing piece
ある日、マトリになってからの記憶を失ったら玲ちゃん。玲ちゃんと峻さんの関係はどうなる?果たして玲ちゃんの記憶は戻るのか!?
www.melonbooks.co.jp/fromagee/det...
お預けしました分の通領が開始されました🙏✨ご縁がありましたら、よろしくお願いいたします。
missing piece
ある日、マトリになってからの記憶を失ったら玲ちゃん。玲ちゃんと峻さんの関係はどうなる?果たして玲ちゃんの記憶は戻るのか!?
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「峻さん、今日は端午の節句だから柏餅買ってきました!」
「何でピンクなんだ?」
「なんと!味噌あんです!珍しいでしょ?」
「ふーん」
あまり興味は無さそうだが、お茶を入れて、早速食べてみるとあまじょっぱくて、なかなか美味しい。
「アメリカに端午の節句ってあるんですか?」
「ねーな、シンコ・デ・マヨの日だ」
「シンコ…?何の日ですか?」
「メキシコ軍がフランス軍に勝利した日」
「へー、国が違えば文化もやっぱり違いますね」
「そりゃそーだろ」
そう考えると、全然違った文化で育った二人が出逢えたことが奇跡のように思える。互いの文化をもっと知っていけるようになるといいな。
「峻さん、今日は端午の節句だから柏餅買ってきました!」
「何でピンクなんだ?」
「なんと!味噌あんです!珍しいでしょ?」
「ふーん」
あまり興味は無さそうだが、お茶を入れて、早速食べてみるとあまじょっぱくて、なかなか美味しい。
「アメリカに端午の節句ってあるんですか?」
「ねーな、シンコ・デ・マヨの日だ」
「シンコ…?何の日ですか?」
「メキシコ軍がフランス軍に勝利した日」
「へー、国が違えば文化もやっぱり違いますね」
「そりゃそーだろ」
そう考えると、全然違った文化で育った二人が出逢えたことが奇跡のように思える。互いの文化をもっと知っていけるようになるといいな。
ある日、マトリになってからの記憶を失った玲ちゃん。果たして、玲ちゃんは記憶を取り戻せるのか?二人の関係はどうなる?
ある日、マトリになってからの記憶を失った玲ちゃん。果たして、玲ちゃんは記憶を取り戻せるのか?二人の関係はどうなる?
新刊 R18 小説 A5/42P/¥400
missing piece
既刊 全年齢 小説 A5/26P/¥300
新刊サンプル短いですがツリーをご参照ください。
よろしくお願いします🙏✨
新刊 R18 小説 A5/42P/¥400
missing piece
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よろしくお願いします🙏✨
『おすすめの場所があるんです!』と連れて来られたのは近所の小さな公園。こんな所に公園があった事すら知らなかった。
「こんな所で良かったのかよ?」
「ん?何でですか?」
「何でって…」
確かに目当ての桜は咲いている。でも、桜の名所でも無ければ何の変哲もない公園だ。
「ここなら、ゆっくり桜が眺められるじゃないですか。それにご覧の通り、貸切状態だから、峻さんにくっついて見てても大丈夫でしょ?」
俺の思考を読んだかのように、そう言って腕を組んでくる。
ベンチに座って見上げるとちょうど見頃な桜。はらはらと花弁が舞う静かな時間を二人で満喫する贅沢に、めいいっぱい癒された。
『おすすめの場所があるんです!』と連れて来られたのは近所の小さな公園。こんな所に公園があった事すら知らなかった。
「こんな所で良かったのかよ?」
「ん?何でですか?」
「何でって…」
確かに目当ての桜は咲いている。でも、桜の名所でも無ければ何の変哲もない公園だ。
「ここなら、ゆっくり桜が眺められるじゃないですか。それにご覧の通り、貸切状態だから、峻さんにくっついて見てても大丈夫でしょ?」
俺の思考を読んだかのように、そう言って腕を組んでくる。
ベンチに座って見上げるとちょうど見頃な桜。はらはらと花弁が舞う静かな時間を二人で満喫する贅沢に、めいいっぱい癒された。