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2025.12.08 あれがミズキの木と思った時にはすでにミズキは自由を失い他の何にもなれないで苦しむことになる。誰にも知られず、誰にも悟られず、太陽の日に当たり、月の雫を受け、静かに根を伸ばし、葉を茂らせ、枝を天に突き刺し、それがなにかもわからないままに、わたしと平行に交わることなく息づく。わたしは取り残されているのか、それとも余計な後始末をしているだけなのか。詩に自由を求めてきたが、自由ということを正面に据えた時点で、わたしは自由を失い、なにかに囚われているのだろうと思う。今日も土手にゆきマルと散歩。ここ数日、晴れた空が気持ち良い。…
2025.12.08 あれがミズキの木と思った時にはすでにミズキは自由を失い他の何にもなれないで苦しむことになる。誰にも知られず、誰にも悟られず、太陽の日に当たり、月の雫を受け、静かに根を伸ばし、葉を茂らせ、枝を天に突き刺し、それがなにかもわからないままに、わたしと平行に交わることなく息づく。わたしは取り残されているのか、それとも余計な後始末をしているだけなのか。詩に自由を求めてきたが、自由ということを正面に据えた時点で、わたしは自由を失い、なにかに囚われているのだろうと思う。今日も土手にゆきマルと散歩。ここ数日、晴れた空が気持ち良い。…
2025.12.06 昨日、あれほどに美しかった月はどこに行ったのだろうか。土の中に潜ったらしいのだが、大地との境を足踏みをしてもどこからもそれらしき音は聞こえてこない。東の空が赤く頬を染め、黒い雲が周りを覆っている。これから、今日1日どう過ごせばいいのだろうかと、考えるが、過ごし方を決めるにも頼りになるのは周りに張り巡らされた大地と空とその間を行き交うものばかりなので、なにも決められない。わたし自身はどうかと言われれば、目まぐるしく変わる時間の距離に追い立てられて慌ただしい。今日も、土手に向かう。マルが・・・。いつものようであることを願う。…
2025.12.06 昨日、あれほどに美しかった月はどこに行ったのだろうか。土の中に潜ったらしいのだが、大地との境を足踏みをしてもどこからもそれらしき音は聞こえてこない。東の空が赤く頬を染め、黒い雲が周りを覆っている。これから、今日1日どう過ごせばいいのだろうかと、考えるが、過ごし方を決めるにも頼りになるのは周りに張り巡らされた大地と空とその間を行き交うものばかりなので、なにも決められない。わたし自身はどうかと言われれば、目まぐるしく変わる時間の距離に追い立てられて慌ただしい。今日も、土手に向かう。マルが・・・。いつものようであることを願う。…
2025.11.30 ミズキの葉はすっかり落ちて、残った枝にはもうすでに小さな赤い突起の芽が映っている。そうか、次の年の芽吹きの準備はすでに終わってるらしい。また、あの蝶々の羽ばたきのような黄緑色の世界がやってくる。その前に雪が降り、強い風が吹き、枝葉がガラス窓を打つ、そんな季節を通り越す。想像ができない今年の冬の生活。マルは冬を越せるのだろうか。春を迎えられるのだろうか。わからない。今朝もマルト散歩。久しぶりに児童公園を一周。だいぶ足腰が弱くなっている。…
2025.11.30 ミズキの葉はすっかり落ちて、残った枝にはもうすでに小さな赤い突起の芽が映っている。そうか、次の年の芽吹きの準備はすでに終わってるらしい。また、あの蝶々の羽ばたきのような黄緑色の世界がやってくる。その前に雪が降り、強い風が吹き、枝葉がガラス窓を打つ、そんな季節を通り越す。想像ができない今年の冬の生活。マルは冬を越せるのだろうか。春を迎えられるのだろうか。わからない。今朝もマルト散歩。久しぶりに児童公園を一周。だいぶ足腰が弱くなっている。…
2025.11.29 灰色に染まったビルが、これが元々の色なんだと思っている。そこに住む人も、ビルの前にある道を通る人も、歩道橋で信号待ちをして見上げた先にあるビルを眺めている人も、そのことには気づいていない。そのうちの誰かが、無くした。なにを無くしたのか彼は知らない。けれど、確実になにかを無くしている。その灰色のビルを見たときに気がついた様子だ。始まりというものが、際限のない入れ子状態になっていることになんとなく違和感を持っているということなのかもしれない。これからマルと散歩に出かける、その前。…
2025.11.29 灰色に染まったビルが、これが元々の色なんだと思っている。そこに住む人も、ビルの前にある道を通る人も、歩道橋で信号待ちをして見上げた先にあるビルを眺めている人も、そのことには気づいていない。そのうちの誰かが、無くした。なにを無くしたのか彼は知らない。けれど、確実になにかを無くしている。その灰色のビルを見たときに気がついた様子だ。始まりというものが、際限のない入れ子状態になっていることになんとなく違和感を持っているということなのかもしれない。これからマルと散歩に出かける、その前。…
尾形亀之助『障子のある家』初版本のことを特集した吉田美和子さんの個人誌『木槿通信』第75号(抜き刷り号)については、オンラインストアでの配布のほかに実店舗での配布を行います。 以下の書店で配布をしています。配布価格及び配布の方法については、それぞれの書店さんにお任せしておりますので、ご確認の上、入手してください。 * 開風社 待賢ブックセンター(京都) * カモシカ書店(大分) * 曲線(仙台) ---- 今後増える予定です。 nao,オンラインストアでの販売再開は12月の第2週を予定しております。
尾形亀之助『障子のある家』初版本のことを特集した吉田美和子さんの個人誌『木槿通信』第75号(抜き刷り号)については、オンラインストアでの配布のほかに実店舗での配布を行います。 以下の書店で配布をしています。配布価格及び配布の方法については、それぞれの書店さんにお任せしておりますので、ご確認の上、入手してください。 * 開風社 待賢ブックセンター(京都) * カモシカ書店(大分) * 曲線(仙台) ---- 今後増える予定です。 nao,オンラインストアでの販売再開は12月の第2週を予定しております。
2025.11.28 冬に近づくとデンパサールの空気を思い出す。一気に押し寄せてくる密度の高い空気の塊。生温い壁。わたしを取り囲む家や畑や田んぼが、遠くで光っている。夏を懐かしんでいるわけではない。古い時代を懐かしんでいるわけでもない。わからない風が南から吹いてくる。インド洋を見ても、ただ生温かい。遠くにある景色は、いつもデンパサールの空気や風景を思い出させる。今日も、土手に向かう。マルと散歩。白鳥は、ずっと川下にいる。風が強い日。…
2025.11.28 冬に近づくとデンパサールの空気を思い出す。一気に押し寄せてくる密度の高い空気の塊。生温い壁。わたしを取り囲む家や畑や田んぼが、遠くで光っている。夏を懐かしんでいるわけではない。古い時代を懐かしんでいるわけでもない。わからない風が南から吹いてくる。インド洋を見ても、ただ生温かい。遠くにある景色は、いつもデンパサールの空気や風景を思い出させる。今日も、土手に向かう。マルと散歩。白鳥は、ずっと川下にいる。風が強い日。…
2025.11.26 靄。 少し休憩。のんびりと8ポイント活字をまとめたすだれの整理。最初に、こぼれ落ちた活字を元の位置に戻し、次に使うためにすだれから出していた8ポイントのセンチュリーオールドの欧文活字を元のすだれに戻す。そして、来週のワークショップで使う文章の活字を揃える。ない活字は注文しなければいけないので、明日までには決めたい。 注文を受けていた『木槿通信』第75号抜き刷り号の発送を行う。 夕、マルと散歩。土手に向かう。白鳥たちは朝は目の前の川面に浮かんでいるが、夕のこの時刻はもっと下流の橋の袂の手前に浮かんでいる。雨で濡れた道を草原を歩いたので、みんあで濡れる(嘘)。
2025.11.26 靄。 少し休憩。のんびりと8ポイント活字をまとめたすだれの整理。最初に、こぼれ落ちた活字を元の位置に戻し、次に使うためにすだれから出していた8ポイントのセンチュリーオールドの欧文活字を元のすだれに戻す。そして、来週のワークショップで使う文章の活字を揃える。ない活字は注文しなければいけないので、明日までには決めたい。 注文を受けていた『木槿通信』第75号抜き刷り号の発送を行う。 夕、マルと散歩。土手に向かう。白鳥たちは朝は目の前の川面に浮かんでいるが、夕のこの時刻はもっと下流の橋の袂の手前に浮かんでいる。雨で濡れた道を草原を歩いたので、みんあで濡れる(嘘)。
2025.11.25 夜が明けると、列車の窓の灯りが消える。灰色の隙間を縫って、目立たない入りをした隊列が面白くない顔をして走り去る。そうかと思うと、向こうから黙りこくった顔をしてやってくる。どれも、押し黙り、さっさと仕事を終わらせる。さあ、これからだというのに、1日の始まりはこれからだというのに、今日も終わってしまったと言って、明日のことばかり考えている。今日も土手に行き、マルと散歩。白鳥の隊列が真上を飛んでいる。…
2025.11.25 夜が明けると、列車の窓の灯りが消える。灰色の隙間を縫って、目立たない入りをした隊列が面白くない顔をして走り去る。そうかと思うと、向こうから黙りこくった顔をしてやってくる。どれも、押し黙り、さっさと仕事を終わらせる。さあ、これからだというのに、1日の始まりはこれからだというのに、今日も終わってしまったと言って、明日のことばかり考えている。今日も土手に行き、マルと散歩。白鳥の隊列が真上を飛んでいる。…
2025.11.24 ざわざわと目覚める。土手にゆく。いく人かの人たちが歩いている。川面にはたくさんの白鳥がときどき大きな声を張り上げながら、川上に向かって泳いだり、川下に向かって流れたりしている。開発された土手の遊歩道を歩く。マルは初めてきた場所なので、眼を輝かせ、あっちに行ったりこっちに来たりと落ち着かない。けれど足腰が弱くなった彼の移動距離は短い。土手の斜面を降りようかどうしようか思案している。もう、彼の体力では無理なのを本人もわかっているようで、けっして降りようとはしない。もう少し後の時間になると白鳥たちは餌場に飛び立つのだろうか。わからない。…
2025.11.24 ざわざわと目覚める。土手にゆく。いく人かの人たちが歩いている。川面にはたくさんの白鳥がときどき大きな声を張り上げながら、川上に向かって泳いだり、川下に向かって流れたりしている。開発された土手の遊歩道を歩く。マルは初めてきた場所なので、眼を輝かせ、あっちに行ったりこっちに来たりと落ち着かない。けれど足腰が弱くなった彼の移動距離は短い。土手の斜面を降りようかどうしようか思案している。もう、彼の体力では無理なのを本人もわかっているようで、けっして降りようとはしない。もう少し後の時間になると白鳥たちは餌場に飛び立つのだろうか。わからない。…
2025.11.23 電信柱に思いっきり頭をぶつけたことがある。広い海の中に走って消えたことがある。線路を横切って迷路にはまったことがある。どれもその後のことは覚えていない。現在がいまであることがわからなくなっている。わからないくて構やしないと言ってくれる人もいない。そうか、俺は人に優しくしてもらいたいのか。それもわからない。とにかくじっとしている。マルと散歩。家の周りを一周する。しだいに歩く距離が短くなってくる。…
2025.11.23 電信柱に思いっきり頭をぶつけたことがある。広い海の中に走って消えたことがある。線路を横切って迷路にはまったことがある。どれもその後のことは覚えていない。現在がいまであることがわからなくなっている。わからないくて構やしないと言ってくれる人もいない。そうか、俺は人に優しくしてもらいたいのか。それもわからない。とにかくじっとしている。マルと散歩。家の周りを一周する。しだいに歩く距離が短くなってくる。…
2025.11.22 眼を覚ます。ザワザワと襲ってくる。どうやったら逃れられるのだろうか。毎日同じことを考えている。黒い影が隣家の庭で動いた。どうも気になる。猫に違いないのだが、もしやと思う。今日もまだらな濡れた地図をせっせと切り取って、なだらかにする。これでもうひと月になるだろうか。これをこれから先もやることを考えると居た堪れなくなるのだが、これからのことを考えていても仕方がない。今日もマルと散歩。今朝は近くの道を回る。…
2025.11.22 眼を覚ます。ザワザワと襲ってくる。どうやったら逃れられるのだろうか。毎日同じことを考えている。黒い影が隣家の庭で動いた。どうも気になる。猫に違いないのだが、もしやと思う。今日もまだらな濡れた地図をせっせと切り取って、なだらかにする。これでもうひと月になるだろうか。これをこれから先もやることを考えると居た堪れなくなるのだが、これからのことを考えていても仕方がない。今日もマルと散歩。今朝は近くの道を回る。…
2025.11.21…
2025.11.21…
盛岡の吉田美和子さんが出している個人誌『木槿通信』第75号で尾形亀之助の最後の詩集『障子のある家』の初版本についての特集を組んでいただきました。ご希望の方に実費と送料負担でお分けできるかと思います。 ご興味のある方はこちらのこちらのページをご覧ください。
盛岡の吉田美和子さんが出している個人誌『木槿通信』第75号で尾形亀之助の最後の詩集『障子のある家』の初版本についての特集を組んでいただきました。ご希望の方に実費と送料負担でお分けできるかと思います。 ご興味のある方はこちらのこちらのページをご覧ください。
2025.11.20 脚を引きずる。ときに前脚だったり、ときにうしろ脚だったり、そのたびに体が左によったり、右にょったり、前のめりになったり、ぐらぐらと揺れる。ひかりが当たると光も影も一緒になって揺らぐ。風のない日、歩いている彼の姿を見ている。すると向こうから同じように揺れているもう一人がやってくる。やあやあと挨拶をして、すれ違う。彼らは、何を考えているのだろう。今日もマルと一周。児童公園を一周。…
2025.11.20 脚を引きずる。ときに前脚だったり、ときにうしろ脚だったり、そのたびに体が左によったり、右にょったり、前のめりになったり、ぐらぐらと揺れる。ひかりが当たると光も影も一緒になって揺らぐ。風のない日、歩いている彼の姿を見ている。すると向こうから同じように揺れているもう一人がやってくる。やあやあと挨拶をして、すれ違う。彼らは、何を考えているのだろう。今日もマルと一周。児童公園を一周。…
2025.11.19 雑事に追われ、記載なし。 仙台へ。用を済ませ、帰路に藤崎で買い物。それと、村上かつみさんの個展を拝見。色鮮やか。新しい挑戦が見られる。 夕、マルと散歩。線路脇を歩く。 吉田さんから『木槿通信』75号切抜号が10冊届く。 2025.11.18…
2025.11.19 雑事に追われ、記載なし。 仙台へ。用を済ませ、帰路に藤崎で買い物。それと、村上かつみさんの個展を拝見。色鮮やか。新しい挑戦が見られる。 夕、マルと散歩。線路脇を歩く。 吉田さんから『木槿通信』75号切抜号が10冊届く。 2025.11.18…
2025.11.17 あの道路を走っていると、真っ正面に、大きく、地上すれすれに月が浮かぶ。進めば進むほど月は大きくなり、道が登っているせいかだろうか、あと少しで月に届く距離に到達しそうだ。ふと気づくと、月が大きくなっっているのではなく、運転しているわたしの体が大きくなっている。それに合わせて運転している車も大きくなっている。しだいしだいに周りの景色から遠ざかり、そらを飛んでいるような気持ちになる。そうやって、幾度もあの道を通ってきた。今日もそんなような道を走り、いまここにいる。…
2025.11.17 あの道路を走っていると、真っ正面に、大きく、地上すれすれに月が浮かぶ。進めば進むほど月は大きくなり、道が登っているせいかだろうか、あと少しで月に届く距離に到達しそうだ。ふと気づくと、月が大きくなっっているのではなく、運転しているわたしの体が大きくなっている。それに合わせて運転している車も大きくなっている。しだいしだいに周りの景色から遠ざかり、そらを飛んでいるような気持ちになる。そうやって、幾度もあの道を通ってきた。今日もそんなような道を走り、いまここにいる。…
2025.11.16 空いちめんを鱗を散り散りに撒いた雲が輪郭を光らせて泳いでいる。地上半分の面積では収まりきらない大きな魚が泳いでいる。それに朝の太陽の光が差し、輝いている。一刻いっこくと表情を変える空を背に追いながら、歩いている。あれから数分過ぎたとき、日差しが強まり、眩しい光が目に飛び込んできた。少しの坂を登り切った見晴らしの良い交差点に差し掛かると、シャッターの音が響く、かしゃかしゃと写し取ろうとするヒトカゲを後にして、進む。今日もマルと散歩。児童公園を一周。…
2025.11.16 空いちめんを鱗を散り散りに撒いた雲が輪郭を光らせて泳いでいる。地上半分の面積では収まりきらない大きな魚が泳いでいる。それに朝の太陽の光が差し、輝いている。一刻いっこくと表情を変える空を背に追いながら、歩いている。あれから数分過ぎたとき、日差しが強まり、眩しい光が目に飛び込んできた。少しの坂を登り切った見晴らしの良い交差点に差し掛かると、シャッターの音が響く、かしゃかしゃと写し取ろうとするヒトカゲを後にして、進む。今日もマルと散歩。児童公園を一周。…