タイマーが鳴った。ボタンを押して、湯切りをして、
「あっやべっ」
これは湯切りいらなかった。まあ許容範囲内に残ったスープと麺をすする。味はよくわからない。
あっという間に食べ終わった。空のカップは水につけておいて、箸は洗って、まっすぐ布団に入り込む。
「ちゃんと磨くつもりだったし、」
あいつが言うのがわるい、と目を閉じた。
タイマーが鳴った。ボタンを押して、湯切りをして、
「あっやべっ」
これは湯切りいらなかった。まあ許容範囲内に残ったスープと麺をすする。味はよくわからない。
あっという間に食べ終わった。空のカップは水につけておいて、箸は洗って、まっすぐ布団に入り込む。
「ちゃんと磨くつもりだったし、」
あいつが言うのがわるい、と目を閉じた。
「ああ阿弥陀さまよ、わたしを極楽浄土へお導きください」
掠れ声であったが、脹相の耳には確かに届いた。
朝靄がかかる頃、ざわざわと講堂の外が騒がしくなる。「早くこちらへ!」と叫ぶ声と共に、旅人を先頭に医師や村人の一団が講堂へ乗りこんでくる。「もう大丈夫だ、」旅人が目を向けた先に相手はおらず、ただ上着がぺたんと落ちていた。
「ああ阿弥陀さまよ、わたしを極楽浄土へお導きください」
掠れ声であったが、脹相の耳には確かに届いた。
朝靄がかかる頃、ざわざわと講堂の外が騒がしくなる。「早くこちらへ!」と叫ぶ声と共に、旅人を先頭に医師や村人の一団が講堂へ乗りこんでくる。「もう大丈夫だ、」旅人が目を向けた先に相手はおらず、ただ上着がぺたんと落ちていた。