じぇすたー
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読書。
猫ミームに今更ハマっている。
この四匹一番すこ。
April 24, 2024 at 12:01 PM
五分後の世界 村上龍 #読了

『半島を出よ』を想起するゲリラ戦、あちらは緻密な取材と知識量に基づいたリアルさがあったが、こちらは読み手が没入するリアルさがあった。
村上龍の文章は五感に凄い影響してくる文章だと思っていたが、脳の中を揺さぶるようなものに近いと思う。
日本から失われてきているもの、例えばこの作品に出てくる兵士のプライドと明晰さのようなものに対して危機感を持てと警鐘を鳴らされているようにも思えた。
帯やあらすじで大きく書かれるほどファンタジーやSFではなく、読んでいると掻き回される。
April 24, 2024 at 12:00 PM
有限と微小のパン 森博嗣 #読了

S &Mシリーズ最終巻。
事件の裏に真賀田四季がいるというだけでシリーズ読者はワクワクする。
『すべてがFになる』を読んですぐにこちらを読んでもいいが、登場人物の兼ね合いや萌絵のこれまで辿った軌跡を知ると、その変化が感じられると思う。
840ページは冗長な気もするが、読んでいると終わって欲しいけど終わるなというジレンマに陥る。
この作品に限らず密室や不可能状況はミステリーのお約束としてあるのではなく、このシリーズではきちんとなぜそうする必要があったか、なぜそうならざるを得なかったかという所まで合理的に説明されるのが良い。→続
April 11, 2024 at 10:40 AM
さくさくさんってさくさくパンダさん?
April 5, 2024 at 12:03 AM
幽霊屋敷 ジョン・ディクスン・カー #読了

カー好きの読者は振り回されるが、初読者はもっとぶんまわされる内容。
帯コメがあまりにも滑稽すぎて期待せずに読んで実際に事件が起きるまでは退屈だったが、起きてからは止まらなくなった。
読み終わった後は、カー好き放題やってんな!ってなったがちゃんと筋が通ってるしギリギリの所で惑わして仕掛けてるのが持ち味が出てると思う。
あとがきにも触れているが想像の余白が広ければ広いほど人は無意識に勝手に考えたいように考えてしまうようになってるのだなぁと思う。
フェル博士のところどころのほのめかしや示唆、章終わりの衝撃の一言がどの作品もやみつきになる。
April 3, 2024 at 1:38 PM
アクロイド殺し アガサ・クリスティー #読了

クリスティーは二作目。
というのも、ディクスン・カーの『幽霊屋敷』を読もうとしたら、巻頭に「20章ではアガサ・クリスティーアクロイド殺しの結末に触れています」とあった為に買ったのとビッグタイトルである割に読んだ事なかったので読んだ。
正直、うすらうすら違和感を覚えながら読んでいたのとディクスン・カーにあれほどしてやられてなければおそらく犯人は分からなかったと思う。
寧ろミステリー読み初めに読みたかったからミステリー読み始めの人にはこれを勧めたい。→続
March 28, 2024 at 3:19 AM
カード師 中村文則 #読了

中村文則はなんやかんや19冊も読んでいて驚く。
「人生をやり過ごす」という表現は他作品にもよく出てくる。
世界と個人の接続。世界から拒まれていると感じる瞬間、又は世界を拒んでいる瞬間というのは大なり小なり誰もが持ち得る感情だと思う。
作中のポーカーのシーンはドストエフスキー『賭博者』を読んだあとばであるから余計に意識してるなぁと感じた。
こんな事があっていいのだろうかという事が特に近年立て続いており、具体的にこの小説でも少し触れている。
ただ見ているままの世界がその世界の全てではない事をささやかな希望として埋め込んでいるのも繰り返し作者が伝えたがっている事と思う。
March 26, 2024 at 9:24 AM
東海道戦争 筒井康隆 #読了

筒井康隆は初期作品を中心に読み漁っているが、この短編も面白かった。
無駄なものが削ぎ落とされて面白い所だけがある様な、短編としてまとまりがあって読みやすい。
表題や、「しゃっくり」のような群衆心理や狂乱を描いたものも良いし、「いじめないで」、「うるさがた」のようなロボットものも面白い。
ロボットものといっても、ハイテクなSFではなく実際目の前にしたらほんとに同じ様に感じるのだろうなという、もう今すぐそこまで来ている直近の時代の様な感覚がしてくる。→
March 18, 2024 at 10:21 AM
リボルバー 原田マハ #読了

第一章を読んでいた時は、この感じでどうやって物語を閉じるのだろうと思っていたが、第二章からうわーとなって没頭して読んでいた。
ゴッホとゴーギャンについて史実の関係性や、それぞれの作品の時期や滞在地が繰り返し触れられるので、知識ゼロから読んでもある程度学べて分かりやすかった。
史実の少ない事実からこのドラマティックな物語を作れたのは作者の造詣の深さと主人公同様の熱気を感じる。
現代の自分達が過去を見つめる時、どうしても今の尺度で物事を見て浅い部分に留まってしまう事を再認識した。
読んだ後の謎が解けたという意味ではない爽やかさがこの作者の良いところだと思う。
March 18, 2024 at 10:11 AM
愛と幻想のファシズム 村上龍 #読了

久しぶりの村上龍。今回はストーリー的な展開も激しいがそれを抜きにしても面白い。
主人公の物事を捉える視点がハンターである所と、システムに対する疎ましさ、組織的な依存、時々の感情など曖昧なものを嫌い自身のブレなさを認識している所が良かった。
特に後者は作者自身もそれっぽいなと思う。
コインロッカーベイビーズの三人組を連想しながら途中読んでいたが、作者のあとがきにその事が触れられていたのは嬉しかった。
今回は作品の規模だけに主要人物以外も魅力的な癖のある人物が数多く出て来たと思う。→
March 18, 2024 at 10:09 AM
古義人氏元気かな
February 7, 2024 at 10:18 AM
Blueskyちゃん status
February 7, 2024 at 10:17 AM
ファラオの密室 白川尚史 #読了

美麗な表紙と分かりやすいタイトル。
「ファラオの密室」という言葉ですぐに「墓」が連想できてシンプルで上手い。
ガチガチなミステリーというよりは謎解きに近く作中の事件ではなく作品全体の謎解きといった感じを読後に強く思った。
読者への挑戦状がある訳でもないので、トリックといわれる部分はヒントが足りないように思えた。
しかし、数々の伏線は散りばめられており、これは特殊設定ミステリと分類されそうだが、実在した文化を背景にしているのであまりそうも分類したくないほど自然に受け入れられた。→
February 6, 2024 at 12:43 PM
2/1と2/2に千代田区に仕事で滞在だが土日もあるので延泊したろうか悩むむむ
January 28, 2024 at 2:55 PM
ヒッキーヒッキーシェイク 津原泰水 読了

割と最近、亡くなった事をきっかけにと言ってはおかしいが、存在は前から知っており読むタイミングとして重なった。
引きこもりのメンバーが何か大きな事を成し遂げるという、王道のような設定だがそれぞれのキャラ造形も分かりやすく文章も読みやすかった。
その分続編というかシリーズ化されても良いような作品だと終わり方も相まって思った。
人々と何かしらゆるく繋がってはいても、実際はなんとなく孤独であるというのが今自分が生きている社会そのものだなぁとなった。
January 28, 2024 at 2:54 PM
もはや呟かない事が当たり前の生活になり、何か言いたくなったらシンプルに友達にラインするようになった。
November 22, 2023 at 3:48 PM
白い僧院の殺人 カーター・ディクスン #読了

別館で見つかったハリウッド女優の死体。
しかし、別館の周りには雪が積もっており発見者の足跡しか残っていない。
作者お得意の不可能状況ミステリー。
読んでから思い返すと作者の誘導通り訳分からなくさせられているなぁと感嘆させられる。
手掛かりが手掛かりらしく与えられてなく、何気なく読んでいる事が大事な事であったり、作中の誘導通りに考えてしまう。
人によってはこんなのアリかとなるかならないかの感じが面白い。
ただ、きちんとフェアな部分をギリギリ保っている所が巧くもある。→続
November 19, 2023 at 1:33 PM
正直ドストエフスキーの作品の中ではイロモノみたいな位置だと思ってたけどちゃんとドストエフスキーだった。
October 29, 2023 at 3:20 AM
賭博者 ドストエフスキー #読了

最初読み始めは誰がどういう関係なのか分からないまま流されるまま読んでたが途中とある作中の出来事から一挙に面白くなった。
ドストエフスキーの文章は深い洞察による心理小説という所が癖になる上に、賭博(この作品ではルーレット)をすると破滅するという自明の理だけではなく、別の角度から切り込んでいるのがとても良かった。
人生の起伏に賭博をする事でそのうまくいってない人生までもがどうにかなるのではないかという錯覚。
賭博をする成功体験は単にお金を得られるという意味だけではない、何か状況が変わるだろうという希望。→
October 29, 2023 at 3:18 AM
村上龍久々に読むわぜ。
October 19, 2023 at 11:48 AM
雪密室 法月綸太郎 #読了

探偵法月綸太郎シリーズの第一作。
ミステリーや作中の描写は荒削りながら面白くて最後の終わり方も含めて、この本一冊の小説的なまとまりが良かった。
何より殺された女性に弱みを握られた者達が別荘に集いその女性が殺されるという流れが王道で『そして誰もいなくなった』みたいで面白い。
このミステリーではそんなに人は死なないが、人間関係の最悪さも相まって事件前と事件後で人間が変わりすぎてるのも初期作品らしさがある。
法月親子のコンビも良く、警視の父と探偵の息子という本来は水と油みたいなバディが成り立ち、息子を信頼してる父法月が微笑ましい。→
October 15, 2023 at 11:00 AM
定期的にドストエフスキー読みたくなるな。
という訳で『賭博者』を読みます。
October 12, 2023 at 1:55 PM
馬鹿一 武者小路実篤 #読了

各話で山谷五兵衛が僕として語る小話の数々。
どれもスッキリとした読み口で文章も柔らかくて読みやすい。
どの登場人物も癖はあるが気持ちの良さもあって、些かユートピアすぎるが、「真心」というものをどこかで信じたい作者らしさを感じる。
他と比べず目を向けずありのまま目の前の事にひたすら打ち込んでいくというブレなさがどの話にも共通して繰り返し触れられている。
自分もこういう折れない梁を心に打ち立てたく思う。
『真理先生』の登場人物が出てきた短編集だったため元のそちらの方も読みたい。
October 12, 2023 at 1:18 PM
海から陸に上がると面白くなくなるとか書かれてたけど普通にシークレット・エージェント面白かった。
October 9, 2023 at 2:13 PM
シークレット・エージェント コンラッド #読了

起きた事件は一見衝撃であるのに、それはミステリー的に解決される訳ではないのが、作中人物の言葉は大仰であるのに行動が伴わない事にリンクしていて面白い。
一見するとスパイミステリーを期待する様な帯文だが、そうでなくて逆に面白かった。
事件に対して様々な登場人物がそれぞれの利害や事情で関わっていき、そこに人間関係が絡んでいき、アイロニーの効いた文体が良かった。
海外作品に見られるこういった人間劇場、構成的でありながら本質をついた描写がとても良い。→
October 9, 2023 at 2:09 PM