#読了
これを読んだ感想を言葉でどう表現したらいいんだろう。
白のもたらす様々なイメージ、清浄、気品、沈黙、孤独、冷酷……それから生と死。
そうしたイメージにぼんやりと包まれて、たくさんの感情が波のように押し寄せて、そして静かに消えていく、読んでいる間はその繰り返しだった。
生きたかもしれない人生と存在しなかったかもしれない人生の重なる部分で、「私」と亡くなった姉の瞳が重なる、そこに世界が映る。
それを一緒に見ている読者の私自身の目にも、もう今はいなくなってしまった人の目が重なっているような気がする→
#読了
これを読んだ感想を言葉でどう表現したらいいんだろう。
白のもたらす様々なイメージ、清浄、気品、沈黙、孤独、冷酷……それから生と死。
そうしたイメージにぼんやりと包まれて、たくさんの感情が波のように押し寄せて、そして静かに消えていく、読んでいる間はその繰り返しだった。
生きたかもしれない人生と存在しなかったかもしれない人生の重なる部分で、「私」と亡くなった姉の瞳が重なる、そこに世界が映る。
それを一緒に見ている読者の私自身の目にも、もう今はいなくなってしまった人の目が重なっているような気がする→
#読了
1980年韓国で起きた「光州事件」で犠牲になった人々と生き残った人々を描いた作品。
目を覆いたくなるような人間の暴力性や残虐性が、とても静かな文体で語られる。
少し読んでは一度本を閉じて息継ぎをしないととても読み進められず、読了にとても時間がかかった。
読みながら「傷の不可逆さ」みたいなことをずっと考えていた。
その人の尊厳や存在の本質がひとたび傷つけられてしまったら、その人の生活は不可逆なものになる。
事件が終わっても、見えなくなっても、傷つけられる前と同じには戻れない、それでも生きている。→
#読了
1980年韓国で起きた「光州事件」で犠牲になった人々と生き残った人々を描いた作品。
目を覆いたくなるような人間の暴力性や残虐性が、とても静かな文体で語られる。
少し読んでは一度本を閉じて息継ぎをしないととても読み進められず、読了にとても時間がかかった。
読みながら「傷の不可逆さ」みたいなことをずっと考えていた。
その人の尊厳や存在の本質がひとたび傷つけられてしまったら、その人の生活は不可逆なものになる。
事件が終わっても、見えなくなっても、傷つけられる前と同じには戻れない、それでも生きている。→
ものすごかった。
耳を塞ぎたくなるくらい痛々しい叫びに満ちているのに、文体は静謐で美しい。
境界を超えて彼岸に行ってしまった人間、境界を超えようとして踏みとどまってしまった人間。
私たちは当たり前のように「人間」してるけど、薄皮一枚めくればそこには狂気が満ちている。
私の狂気は他の誰にも分からないし、きっと目の前の誰かの狂気も理解することはできない、そのことは寂しいけど、同時にどこか荘厳でもあるなとヨンヘを見ていて感じた→
ものすごかった。
耳を塞ぎたくなるくらい痛々しい叫びに満ちているのに、文体は静謐で美しい。
境界を超えて彼岸に行ってしまった人間、境界を超えようとして踏みとどまってしまった人間。
私たちは当たり前のように「人間」してるけど、薄皮一枚めくればそこには狂気が満ちている。
私の狂気は他の誰にも分からないし、きっと目の前の誰かの狂気も理解することはできない、そのことは寂しいけど、同時にどこか荘厳でもあるなとヨンヘを見ていて感じた→
恒川先生の作品は2作目。『夜市』が好みだったので読んでみたのだけど、……いやーやっぱり好き〜〜〜〜。
終末世界を描いたファンタジーSFとでも言うべきなのか……これだけ悲惨な世界でもどこか物悲しく、ノスタルジックで、記憶の奥底にしまっておいた大事な箱をひっそり開けられるような……恒川先生の描く世界にはそういう美しさや切なさを感じる。
特に理剣くんの「誰もいない法律もないすべてがプーニーに埋め尽くされた世界の終わり」への憧憬がとても印象的だった。
没入感がすごくて恒川ワールドを自分自身が旅してきたような、「ファンタジー読んだ〜!」という満足感がありました
恒川先生の作品は2作目。『夜市』が好みだったので読んでみたのだけど、……いやーやっぱり好き〜〜〜〜。
終末世界を描いたファンタジーSFとでも言うべきなのか……これだけ悲惨な世界でもどこか物悲しく、ノスタルジックで、記憶の奥底にしまっておいた大事な箱をひっそり開けられるような……恒川先生の描く世界にはそういう美しさや切なさを感じる。
特に理剣くんの「誰もいない法律もないすべてがプーニーに埋め尽くされた世界の終わり」への憧憬がとても印象的だった。
没入感がすごくて恒川ワールドを自分自身が旅してきたような、「ファンタジー読んだ〜!」という満足感がありました
日々の生活の中にあるとるにたらないけれど気になるあれやこれやについてのエッセイ集。
何気ない場面や見慣れたものたちの、江國先生の切りとり方とそれらを表現することばの使い方がとても瑞々しくあまりに素敵で何度悶えたことか…!
特に好きなのは「緑いろの信号」「食前酒と食後酒」「トライアングル」「石けん」「りぼん」……ああ挙げきれない。
借りてきた本だったけど、手元に置いて何度でも読み返したいことばばかりなので文庫本を買ってきました
日々の生活の中にあるとるにたらないけれど気になるあれやこれやについてのエッセイ集。
何気ない場面や見慣れたものたちの、江國先生の切りとり方とそれらを表現することばの使い方がとても瑞々しくあまりに素敵で何度悶えたことか…!
特に好きなのは「緑いろの信号」「食前酒と食後酒」「トライアングル」「石けん」「りぼん」……ああ挙げきれない。
借りてきた本だったけど、手元に置いて何度でも読み返したいことばばかりなので文庫本を買ってきました
前に読んだのは20年近く前?
ムルソーの熱のない日々が淡々と続き、特になにも面白くはないのになぜかこの灰色の世界に取り込まれていく。
自分自身がムルソーの目となって異界を覗き込んでいるような没入感。
特に第一部の最後、アラビア人を撃つシーンの描写がすごく良くて、そこだけ何度も繰り返し読んだ。ここは本当に好き。
ムルソーと社会との間に絶望的な深さの断絶を感じるが、彼が普通でない異常者だからで終わらせることはとてもできない…
社会との間に一切の亀裂の入っていない個人なんてきっといない
前に読んだのは20年近く前?
ムルソーの熱のない日々が淡々と続き、特になにも面白くはないのになぜかこの灰色の世界に取り込まれていく。
自分自身がムルソーの目となって異界を覗き込んでいるような没入感。
特に第一部の最後、アラビア人を撃つシーンの描写がすごく良くて、そこだけ何度も繰り返し読んだ。ここは本当に好き。
ムルソーと社会との間に絶望的な深さの断絶を感じるが、彼が普通でない異常者だからで終わらせることはとてもできない…
社会との間に一切の亀裂の入っていない個人なんてきっといない
あーーー好き〜〜〜。
現実とは違う異世界が、この世界とほんの少しずれてすぐそばに存在している感じ。
不気味で少し怖い世界だけど、どこか懐かしくて一度は自分もいたことがあるような気がする異世界。
小さい頃はこういう別の世界を日常的に覗いていた気がするし、現実と幻の境もずっと曖昧だった。だからこういう物語にノスタルジーを感じるのかも。
二作目の『風の古道』は特に好き。
気になりつつもホラーということで敬遠してた作品。そんなにホラーな怖さじゃないよとおすすめされたので読んでみたけど、読んで良かった!
あーーー好き〜〜〜。
現実とは違う異世界が、この世界とほんの少しずれてすぐそばに存在している感じ。
不気味で少し怖い世界だけど、どこか懐かしくて一度は自分もいたことがあるような気がする異世界。
小さい頃はこういう別の世界を日常的に覗いていた気がするし、現実と幻の境もずっと曖昧だった。だからこういう物語にノスタルジーを感じるのかも。
二作目の『風の古道』は特に好き。
気になりつつもホラーということで敬遠してた作品。そんなにホラーな怖さじゃないよとおすすめされたので読んでみたけど、読んで良かった!
土岐くん、カラリとしてていいなあ向さんもかわいいなあ
毎回、熱海くんたちの日常をのぞかせてもらうのがとても楽しくて気持ちが和らぐ漫画で大好き、続きも楽しみにしてます
土岐くん、カラリとしてていいなあ向さんもかわいいなあ
毎回、熱海くんたちの日常をのぞかせてもらうのがとても楽しくて気持ちが和らぐ漫画で大好き、続きも楽しみにしてます
めちゃくちゃカッコイイ3人の女子高生が暴力で悪い大人をただただぶちのめすという最高な展開の小説でした。購入後に会場近くの喫茶店でアイスを食べながら一気に読んでしまった。
帰りがけに再度寄ったら作者の方にお会いできたので、感想をお伝えできてよかった
#文学フリマで買った本
めちゃくちゃカッコイイ3人の女子高生が暴力で悪い大人をただただぶちのめすという最高な展開の小説でした。購入後に会場近くの喫茶店でアイスを食べながら一気に読んでしまった。
帰りがけに再度寄ったら作者の方にお会いできたので、感想をお伝えできてよかった
#文学フリマで買った本
あーーー面白かった!
かなり序盤で「この人好きだな…」と薄々感じたけど、読み終わるときには天羽カインが大好きになってしまった。なんて魅力的なキャラクターなんだ!
村山先生の文章、まったく嫌な抵抗がなくするすると脳内に吸収されていく感じがするというか……読み応えはしっかりあるのに、分かりにくいところがなくすごく読みやすい。洗練されたクラシック音楽が流れていくみたいだ。
読み終わったとき「読んでよかった!」と思える一冊だった
#読了
あーーー面白かった!
かなり序盤で「この人好きだな…」と薄々感じたけど、読み終わるときには天羽カインが大好きになってしまった。なんて魅力的なキャラクターなんだ!
村山先生の文章、まったく嫌な抵抗がなくするすると脳内に吸収されていく感じがするというか……読み応えはしっかりあるのに、分かりにくいところがなくすごく読みやすい。洗練されたクラシック音楽が流れていくみたいだ。
読み終わったとき「読んでよかった!」と思える一冊だった
#読了
面白くて頁をめくるのが止まらなかった…!
カジマナの言動に主人公と一緒になって翻弄され、ああでもないこうでもないとぐるぐる考えて本当に「ちびくろさんぼの虎」みたいにバターになってしまいそうだった。
主人公にも、怜子にも、カジマナにさえもそれぞれ共感できるところがあって「この人たち全部自分だ」と思えた
#読了
面白くて頁をめくるのが止まらなかった…!
カジマナの言動に主人公と一緒になって翻弄され、ああでもないこうでもないとぐるぐる考えて本当に「ちびくろさんぼの虎」みたいにバターになってしまいそうだった。
主人公にも、怜子にも、カジマナにさえもそれぞれ共感できるところがあって「この人たち全部自分だ」と思えた
#読了
他人や社会から消費され自分がすり減って行く中で人間がうっすら嫌いになっていく、他人の人間性を意図的にマスキングして無視するようになっていく感じ。高瀬さんのその切り取り方が本当にうまいし、その言語化がとても鋭くて好きだ。
「いい子」として飲み込んだあくびの空気がどこかに溜まっていく。いい子の自分やそうでない自分の間を行ったり来たりする。うまく立ち回っているように見えるのにものすごく不自由で息苦しい。とても好きな小説だった。
装丁も素敵!
他人や社会から消費され自分がすり減って行く中で人間がうっすら嫌いになっていく、他人の人間性を意図的にマスキングして無視するようになっていく感じ。高瀬さんのその切り取り方が本当にうまいし、その言語化がとても鋭くて好きだ。
「いい子」として飲み込んだあくびの空気がどこかに溜まっていく。いい子の自分やそうでない自分の間を行ったり来たりする。うまく立ち回っているように見えるのにものすごく不自由で息苦しい。とても好きな小説だった。
装丁も素敵!