エンジニア、研究者ら専門家は、「問題群を分割し、特定の問題に集中すること」や「結果を数値指標で評価すること」に慣れ親しんでいる。
しかし以前説明したように、人権や公共善を思考するうえでは、異なる思考のフレームワークが必要になる。すなわち「すべての複雑な問題はつながっている」「数値評価の前に、原則をプロセスに適用する」こと。
私の考えるゴールは、ITに取り組む人々が人権の原則と思考のフレームワークを共有し、製品やサービスやビジネスの企画、設計、開発の段階から人権の思考を織り込むようになることです。
エンジニア、研究者ら専門家は、「問題群を分割し、特定の問題に集中すること」や「結果を数値指標で評価すること」に慣れ親しんでいる。
しかし以前説明したように、人権や公共善を思考するうえでは、異なる思考のフレームワークが必要になる。すなわち「すべての複雑な問題はつながっている」「数値評価の前に、原則をプロセスに適用する」こと。
私の考えるゴールは、ITに取り組む人々が人権の原則と思考のフレームワークを共有し、製品やサービスやビジネスの企画、設計、開発の段階から人権の思考を織り込むようになることです。
かつて重工業の廃棄物は公害病を起こし、諸々の基準ができた。水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなどの事例を思い出そう。
自動車の普及で事故が増加し「交通戦争」と呼ばれた。信号や標識、標示、ガードレールなど道路の整備、交通ルールの普及、自動車の安全装備の普及などが進んだ。
建築、土木、運輸など、危険が伴う作業には必ず安全規則がある。
ITが人を傷つけるようになったのは最近のこと。まだ基準や規則、社会規範が整っていない。これから整備しないといけないのです。
しかし米国のビッグテックは規制に反対し続け、日本のIT企業も対応に消極的。人々の声が必要です。
かつて重工業の廃棄物は公害病を起こし、諸々の基準ができた。水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそくなどの事例を思い出そう。
自動車の普及で事故が増加し「交通戦争」と呼ばれた。信号や標識、標示、ガードレールなど道路の整備、交通ルールの普及、自動車の安全装備の普及などが進んだ。
建築、土木、運輸など、危険が伴う作業には必ず安全規則がある。
ITが人を傷つけるようになったのは最近のこと。まだ基準や規則、社会規範が整っていない。これから整備しないといけないのです。
しかし米国のビッグテックは規制に反対し続け、日本のIT企業も対応に消極的。人々の声が必要です。
例えばEUのデジタル法規制——GDPR(EU一般データ保護規則)には「プライバシーは人権である」と書かれています。ヨーロッパは、ナチス・ドイツが国勢調査のデータとIBMのパンチカードシステムを駆使して、収容所送りにする人間を効率よく選別したという暗い過去があります。GDPRは、人権を損なうような個人情報の使われ方を禁止するための法律なのです。こういう理解は日本ではほぼ見かけません。
デジタルテクノロジーは社会の改善にも使えるが、人々を監視、管理してコントロールするうえで非常に便利だ。中国では人々のネット上の振る舞いを政府が監視する(デジタル・レーニン主義)。GoogleやFacebookは人々の関心や挙動を察知して広告収益を最大化する(監視資本主義)。どちらも構造の邪悪さにおいて大差ない。
現状を放置すれば、デジタルテクノロジーは民主主義を弱体化させていく。
「デジタルテクノロジーの邪悪な使い方にNoを言い続けること」は、私たちが信用できる政府を得る上では不可欠である。
デジタル人権の確立を。
デジタルテクノロジーは社会の改善にも使えるが、人々を監視、管理してコントロールするうえで非常に便利だ。中国では人々のネット上の振る舞いを政府が監視する(デジタル・レーニン主義)。GoogleやFacebookは人々の関心や挙動を察知して広告収益を最大化する(監視資本主義)。どちらも構造の邪悪さにおいて大差ない。
現状を放置すれば、デジタルテクノロジーは民主主義を弱体化させていく。
「デジタルテクノロジーの邪悪な使い方にNoを言い続けること」は、私たちが信用できる政府を得る上では不可欠である。
デジタル人権の確立を。
山田哲子さん、授業を丁寧に準備してこられてきたのを覚えています。
山田哲子さん、授業を丁寧に準備してこられてきたのを覚えています。