ここでは今はぼ喜多(ぼ攻×喜多受固定厨)しか語らん
『ひとりちゃん、ひとりちゃん』
いつの間にか目線が低くなり、嬉しそうに尾を振ってる。今日はそっちかぁって苦笑いしながら、その毛並みをなぞるように撫でていく。すると狼は黄緑の瞳を細め、低く唸った――。
『ひとりちゃん、ひとりちゃん』
いつの間にか目線が低くなり、嬉しそうに尾を振ってる。今日はそっちかぁって苦笑いしながら、その毛並みをなぞるように撫でていく。すると狼は黄緑の瞳を細め、低く唸った――。
――いっその事、諦めてしまおうか――
そんな考えが何度も頭によぎってしまう。ちなみに今世での彼女はギターをやって無いので関わりは0に等しい。リョウさん曰く、前のバンドに入る前に虹夏ちゃんの所に突撃したとのこと、つまり喜多ちゃんがリョウさんに惚れてバンドを始めるきっかけが無くなったからでは、と答えが出てしまい、頭を抱えた。なお今の結束バンドはスリーピースバンドである。
――いっその事、諦めてしまおうか――
そんな考えが何度も頭によぎってしまう。ちなみに今世での彼女はギターをやって無いので関わりは0に等しい。リョウさん曰く、前のバンドに入る前に虹夏ちゃんの所に突撃したとのこと、つまり喜多ちゃんがリョウさんに惚れてバンドを始めるきっかけが無くなったからでは、と答えが出てしまい、頭を抱えた。なお今の結束バンドはスリーピースバンドである。
だいすきだよ、そうして彼女の腕から伝わる想いに、私は次第に涙が溢れ出す。少しすると彼女の腕が離れていき、私の目元に指先が触れた。
「郁ちゃん、ちょっとこっち見てよ」
本当は今の顔は見られたくないけど、言われるままに彼女の方を向けば真っ直ぐな蒼の双眸が私を見た。
「ん……」
それから唇が重なって、また涙が頬を伝っていった。
だいすきだよ、そうして彼女の腕から伝わる想いに、私は次第に涙が溢れ出す。少しすると彼女の腕が離れていき、私の目元に指先が触れた。
「郁ちゃん、ちょっとこっち見てよ」
本当は今の顔は見られたくないけど、言われるままに彼女の方を向けば真っ直ぐな蒼の双眸が私を見た。
「ん……」
それから唇が重なって、また涙が頬を伝っていった。
「ホントだ、これなら郁ちゃんと同じになれるね」
ひとりちゃんはそう言って嬉しそうに笑った。すき。すき。だいすき。いつからか遠くなってしまったその顔が近い。少し手を伸ばせばあなたの頬に触れられる。
「……おいてかないで」
口をついて出た言葉に彼女は目を見開き、次には優しげに細められた。
「じゃあ、ちゃんと掴んでて……郁ちゃんが私を掴んでずっと離さないようにしてよ……」
「……いいの?」
「郁ちゃんが望むなら私にあげられるものは全部あげるよ、なんならギターも捨てる」
「っ……!だめっ!それはひとりちゃんの、」
「ホントだ、これなら郁ちゃんと同じになれるね」
ひとりちゃんはそう言って嬉しそうに笑った。すき。すき。だいすき。いつからか遠くなってしまったその顔が近い。少し手を伸ばせばあなたの頬に触れられる。
「……おいてかないで」
口をついて出た言葉に彼女は目を見開き、次には優しげに細められた。
「じゃあ、ちゃんと掴んでて……郁ちゃんが私を掴んでずっと離さないようにしてよ……」
「……いいの?」
「郁ちゃんが望むなら私にあげられるものは全部あげるよ、なんならギターも捨てる」
「っ……!だめっ!それはひとりちゃんの、」
「余所見なんてさせないから」
「元々郁ちゃんしか見えないから無意味だってばぁ……」
「じゃあ……もっと、」
ひとりちゃんでいっぱいにして、そう言っておねだりする彼女に、私は全身全霊で抱きしめるのだった――。
# ハグの日 ぼ喜多
「余所見なんてさせないから」
「元々郁ちゃんしか見えないから無意味だってばぁ……」
「じゃあ……もっと、」
ひとりちゃんでいっぱいにして、そう言っておねだりする彼女に、私は全身全霊で抱きしめるのだった――。
# ハグの日 ぼ喜多
「ちょっと、何で泣くのよ……」
「だっ、て……郁ちゃんが優しい、から……」
「ふーん、それはいつも優しくないって意味かしら」
「っ、違う!!」
「声でかっ、ふふ……分かってるわよ、でもそれはひとりちゃんもでしょ」
「え?」
「こんなに私のことを世界一ヤキモキさせて、世界一甘やかしてくれる人なんて、ひとりちゃん以外居ないわ」
「ヤキモキ……ああ、嫉妬ですね」
私は郁ちゃん以外眼中に無いのに……って、何度も伝えてるけど子どもみたいに嫉妬してくれる。
「ちょっと、何で泣くのよ……」
「だっ、て……郁ちゃんが優しい、から……」
「ふーん、それはいつも優しくないって意味かしら」
「っ、違う!!」
「声でかっ、ふふ……分かってるわよ、でもそれはひとりちゃんもでしょ」
「え?」
「こんなに私のことを世界一ヤキモキさせて、世界一甘やかしてくれる人なんて、ひとりちゃん以外居ないわ」
「ヤキモキ……ああ、嫉妬ですね」
私は郁ちゃん以外眼中に無いのに……って、何度も伝えてるけど子どもみたいに嫉妬してくれる。
「き、喜多ちゃん……」
目の前に立ってたのは、小さな袋を片手にぎこちなく笑うひとりちゃんだった。えっ、と、声が出た後に彼女の名前を呼んで「なんで、どうして」と聞いていた。
「あっ……今バイトの帰りで……それで多分勉強を頑張っているだろうから、少しでも息抜きになれば、って……」
「っ……そう……なのね」
ああ私に会いたかった訳じゃない、のか。
「き、喜多ちゃん……」
目の前に立ってたのは、小さな袋を片手にぎこちなく笑うひとりちゃんだった。えっ、と、声が出た後に彼女の名前を呼んで「なんで、どうして」と聞いていた。
「あっ……今バイトの帰りで……それで多分勉強を頑張っているだろうから、少しでも息抜きになれば、って……」
「っ……そう……なのね」
ああ私に会いたかった訳じゃない、のか。