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高橋秀実『ことばの番人』を読んだ。221冊目。校正をテーマに据えた一冊。著者らしいいつもの調子で、テーマに付かず離れずといった感じで話が進んでいき、特にどこにも辿り着かないのだが……本書の出版直後に著者が他界したと知ったうえで読み始めたので、今回に限ってどこかに辿り着くような気がしてならず、読んでいて終始落ち着かなかった。
December 16, 2025 at 12:00 PM
三浦麻子『「答えを急がない」ほうがうまくいく あいまいな世界でよりよい判断をするための社会心理学』を読んだ。220冊目。タイトルのとおりの内容。いい加減な書籍や研究者への不満をこぼしたり、再現できない実験もあるということを紹介したりしているので、読んでいるこちらとしては、じゃあ心理学はあまり信用しないほうがいいなと思ってしまうが、それは著者の真意ではないようで、しかしそう言われてもね、と思った。
December 13, 2025 at 8:14 AM
春日武彦『猫と偶然』を読んだ。219冊目。著者の名前をAmazonで検索してみたら著書がすごくたくさん出てきて驚いた。以前に何か読んだことがあったかもしれないが思い出せない。猫を題材にしたエッセイ集で、楽しく読める。ときどきすごく今っぽい言葉が出てきて、ああ、そんな最近に書かれたものなのかと意識が現在に引っ張られるが、少し経つとまた時間のことが意識から抜けてしまう、そんな感じがした。だからどうということはないのだけれど。
December 6, 2025 at 2:11 PM
吉田健一『甘酸っぱい味』を読んだ。218冊目。新聞に連載していた随筆ということで、日々の締め切りに追われていた感が見てとれて、吉田健一特有のうねうねとした感じがちょっと弱いようなところもあり、あのうねうねは推敲によって強まっていたところもあったのかと、意外な感じがした。
December 6, 2025 at 2:04 PM
柏原兵三『兎の結末・独身者の憂鬱』を読んだ。217冊目。1970年ごろともなると言葉遣いは今とだいたい一緒になるが、それでも、長男がどうとか見合いがどうとかいう話が出てくるので、なんだか不思議な感じがした。今とは半歩ずれたような世界で、SFっぽく感じられるといってもいいかもしれない。
November 27, 2025 at 2:26 PM
藤本和子『イリノイ遠景近景』を読んだ。216冊目。世間では評判が良い本のようだったが、私には面白くなかった。何が気に入らないのか考えながら読んでいると、順接の「が」がいっぱい出てくることに気がついたが、それが原因というわけではない、と思う。
November 20, 2025 at 11:29 AM
小倉千加子『醤油と薔薇の日々』を読んだ。215冊目。『フェルメールの作品の中でとりわけ「牛乳を注ぐ女」が好まれるのは、自分の「身分」を受け入れ、「黙々と家事をする女性」が渇仰される気分が存在するからである。この女性は多くの人の空虚感と欠落感を埋め合わせてくれる』とか、とんでもないことが書いてあるのを笑えるかどうかで評価は大きく分かれると思うが、私はニコニコしながら読めた。ただ男をなじっているばかりではないから、複雑な、容易には窺い知れない認知の仕組みがあるのだと思うが、結局よくわからない。
November 18, 2025 at 1:26 PM
王銘琬『読みの地平線: 最小限の読みで強くなる』を読んだ。214冊目。読んでもわからない場面では読まなくてよいが、どうしたいのかという方針は明確にしておくべきである、という内容。人間の世界ではよくそのように言われるが、AIはただ一手一手大きいところを指し示してくるので、今の人にとっては鵜呑みにするのは難しい教えかもしれない。……囲碁の本だと先に書いておくべきだった。
November 15, 2025 at 2:14 AM
高校の先輩後輩らしい黒井千次(93)と阿刀田高(90)が、黒井は高校の頃モテていて……なんていう話をしている。
www.bookbang.jp/review/artic...
洋服の着脱が遅い、浴槽からでられない…90代の作家・黒井千次と阿刀田高が語った“老い”との向き合い方 | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-
黒井千次さんと阿刀田高さん  洋服の着脱に手間取り、浴槽から出るのにひと苦労……。…
www.bookbang.jp
November 14, 2025 at 11:45 PM
『世界カフェ紀行 5分で巡る50の想い出』を読んだ。213冊目。短いエッセイの詰め合わせで、その多くは海外のカフェでの話。海外に行ってカフェに辿り着くまでの描写が半分近くを占めている文章も多く、それを延々と繰り返し読まされるループ物。上品な仕上がりではあるが、そんなに楽しくはなかった。
November 14, 2025 at 1:01 PM
山﨑努『俳優のノート』を読んだ。212冊目。新国立劇場でリア王の舞台をやる前から公演の千秋楽までの日記という体裁で、俳優が何を考え、何をしているかを……と言ってしまうとちょっと語弊があるかもしれない。というのは、読まれることを十二分に意識した、サービス盛りだくさんの内容になっているからで、普通の俳優、普段の山﨑努はこうではないんだろうなと思わざるを得ない。それでも十分面白いのは、職業柄、著者が日頃から言葉と真摯に向き合っているからだろう。
November 13, 2025 at 9:46 AM
夢の中で現代短歌の歌人の本を読んだ。面白いなと思っていたけど、やっぱり細かいところまでは覚えていない。起きたらすぐ、どうでもよくなった。
November 10, 2025 at 9:36 PM
エリック・ホッファー『現代という時代の気質』を読んだ。211冊目。考えすぎじゃないかと声をかけてあげたくなるホッファーだが、現代にも通ずる重要なことを言っているような……いや、やっぱりただの考えすぎのような……と判断が難しい。ホッファーが人間的に魅力的であることは間違いなく、柄谷行人による文庫版のための解説は思想の話から魅力の話へとスライドしていってかっこよく着地する。
November 7, 2025 at 2:29 PM
行方 昭夫編訳『たいした問題じゃないが: イギリス・コラム傑作選』を読んだ。210冊目。イギリスのコラム文化はいいぞ、という一冊。たしかに面白かった。日本のエッセイを読んでいても、第二次世界大戦前は文化的にすごくいい時代だったんだなと思うので、インターネットがなんか嫌な感じで今の時代は文化的にイマイチじゃないかと思っても、そのくらいがいいのかもしれないと前向きに捉えられる、といったらひねくれすぎだろうか。
November 6, 2025 at 12:09 PM
ちゃんとソシャゲっぽくなってる。ドリルっぽいものも入っているし、よくできてるなあと思いました。はやるといいけど。 #囲碁シル
November 5, 2025 at 2:28 PM
片岡義男『僕は珈琲』を読んだ。209冊目。コーヒー縛りで――といってもゆるい縛りだが――とにかく頭に浮かんだことを書き出し続けた、という感じの一冊。いい具合に力が抜けていて、著者の印象も変わった。とはいえびっくりするほど生活感がないのはいつもの通り。一文が短いのはかっこいいなと思った。真似してみたい。
November 4, 2025 at 2:14 PM
佐藤正英『隠遁の思想: 西行をめぐって』を読んだ。208冊目。隠遁について学びたかったのだが、熱い西行論を延々と読まされる羽目になった。しかし読み終わってみると、結局西行は何がしたかったのか、どうやって生活していたのか、どうも今ひとつすっきりしなかった。
November 3, 2025 at 7:10 AM
ロバート・フルガム『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ 決定版』を読んだ。207冊目。幼稚園のくだりにはなるほど、と思ったが、ほかはそれほど感心しなかった。感心はしなかったが読み物としては面白かったので、感心させてやろうという体裁の本になっているように感じられたところが気に入らなかったのかもしれないが、どうでもいいことであった。
November 1, 2025 at 9:33 AM
谷川徹三『哲学案内』を読んだ。206冊目。谷川徹三は谷川俊太郎の父親であり、哲学者。ただ元々は徹三さんのほうが有名人で、なんかその子供が詩人に、という感じだったらしい。ラジオ番組で哲学について話した内容をまとめた本らしいが、「もともと形相の原語に当たるギリシャ語エードスはイデアと同じ語源、同じ意味をもった言葉で、いずれもアナクサゴラスのヌースの考えを受けて、感覚的に受動的に与えられるものに対してそれを素材としてはっきりした形や意味をもったものを形成する秩序の原理として……」という放送を想像してニヤニヤした。
October 23, 2025 at 12:02 PM
『ダンマパダ ブッダ 真理の言葉』を読んだ。205冊目。今枝由郎訳。毎日経典を読むような生活になんとなく憧れはあるが、信仰心のようなものはない。でもブッダはいいこと言うよなと思うので、ダンマパダとスッタニパータをコツコツ読んでみようと思ってまずこちらを買った。仏教徒など誰もいない世界で、ブッダはやさしい言葉でバラモン教徒に語りかけ始めたのだと、私たちの知る仏教用語を使わずに訳されている。読んでみるとちっとも優しくない! 厳しい! まあ編集したのは熱心なお弟子さんたちなわけで、それを目指せということなんだな。
October 22, 2025 at 11:09 AM
深代惇郎『深代惇郎エッセイ集』を読んだ。204冊目。東大法学部から朝日新聞に入り、論説委員になって天声人語を担当し……という経歴の人らしい。天声人語で有名なようだが、本書はそれ以外のエッセイ集。有名な海外文学作品の舞台となった場所を訪ねたルポなどを読んでいると、天声人語なんぞに縛り付けるより、あちこちふらふらしてもらっていたほうがよほど良いものを書いてくれたのでは……と思ってしまうが、それでは新聞社に勤めていた意味がわからない。人はなぜ新聞記者になるのか。
October 21, 2025 at 1:58 PM
小川明子『ケアする声のメディア: ホスピタルラジオという希望』を読んだ。203冊目。ホスピタルラジオの話というよりはメディア論だった。ポッドキャストはカネの匂いを嗅ぎつけた嫌な奴らが集まりつつあるけれども、もっとつぶやきっぽさが出てくるといいなと思う。でもなかなか自分では始められない。最後に脚注で示されている「仮)かんたんなラジオのはじめかた」はせっかくなのだから完成させて欲しいところ。
mediaconte.net/ogawa/2024/0...
仮)かんたんなラジオのはじめかた – 立命館大学映像学部小川明子研究室
mediaconte.net
October 20, 2025 at 10:33 AM
高川秀格『秀格烏鷺うろばなし』を読んだ。202冊目。本因坊戦9連覇の経緯を中心に囲碁人生を振り返っている感じのエッセイ集。はっきりと戦う感じではなく、異常な手や鋭い手を打つ感じでもなく、終盤にどうにか頭一つ抜け出す、という地味な棋風だったことを本人は自虐的なユーモアのネタとしているが、アマチュアが手本とすべき棋士としてかつてよく名前を挙げられていたのは、教科書的な棋風によるものだけではなく、その人柄もあってのことだったのかなと思った。
October 18, 2025 at 6:35 AM