何か小説として淡白で物足りないと思ったら、ドラマの小説化ということで向田邦子の小説ではなかった。脚本のまま読みたかった。
正しくなくも温かみのある人物たちが半歩だけ前に出る爽やかさのある三つの物語は筋としては明るく読めてよかった。
何か小説として淡白で物足りないと思ったら、ドラマの小説化ということで向田邦子の小説ではなかった。脚本のまま読みたかった。
正しくなくも温かみのある人物たちが半歩だけ前に出る爽やかさのある三つの物語は筋としては明るく読めてよかった。
囚われるように内向的で、手招きをするように魅力的な表題作が危うくてよい。文章の輪郭線が薄く、思考が揺蕩うので水の中で読んでいるだった。恐ろしいと声に出すまではいかない仄暗さが背中にひたひたと纏わりつく。
囚われるように内向的で、手招きをするように魅力的な表題作が危うくてよい。文章の輪郭線が薄く、思考が揺蕩うので水の中で読んでいるだった。恐ろしいと声に出すまではいかない仄暗さが背中にひたひたと纏わりつく。
それでも、軽やかでだめだけど楽しそうで、子どもの頃の私が見たら少し羨ましくもあるくらい。
ロードムービーとして、母娘として、子どもが主人公の物語として、あの結末はよかった。
それでも、軽やかでだめだけど楽しそうで、子どもの頃の私が見たら少し羨ましくもあるくらい。
ロードムービーとして、母娘として、子どもが主人公の物語として、あの結末はよかった。
言語が話の軸のひとつであり、内面描写や台詞での言葉の選び方が自然にその人物の匂いや体温をそのまま感じるようで面白い。すべて日本語で書かれた小説であるものの、作中で使われる言語によっての違いが細かく含まれていてとても体験的だった。
言語が話の軸のひとつであり、内面描写や台詞での言葉の選び方が自然にその人物の匂いや体温をそのまま感じるようで面白い。すべて日本語で書かれた小説であるものの、作中で使われる言語によっての違いが細かく含まれていてとても体験的だった。
地に足のついた暮らしの中のことがユーモラスに綴られたエッセイ集。読めば読むほどに魅力的な人すぎて、長生きしてほしかったと思い悔しくなりながらも噛むように読んだ。特に少女だった時代の話の数々と中野のライオンが好き。
地に足のついた暮らしの中のことがユーモラスに綴られたエッセイ集。読めば読むほどに魅力的な人すぎて、長生きしてほしかったと思い悔しくなりながらも噛むように読んだ。特に少女だった時代の話の数々と中野のライオンが好き。
ウミウシをはじめとした海洋生物などについて興味深く心地よいエッセイ。ウミウシに関して美しいこと以外知らなかったので楽しく読めた。行動生物学に対する興味も湧いた。海の生き物を観察してみたいし、ウミウシを見に行きたい。
ウミウシをはじめとした海洋生物などについて興味深く心地よいエッセイ。ウミウシに関して美しいこと以外知らなかったので楽しく読めた。行動生物学に対する興味も湧いた。海の生き物を観察してみたいし、ウミウシを見に行きたい。
翻訳小説に慣れない頃に読もうとして挫折した記憶があるので、読みやすくて驚いた。主人公は悩み続けているのに、展開のテンポがいいので引き込まれる。アンドロイドに感情移入しそうになるたび引き戻される感覚が気持ち悪くてよい。
翻訳小説に慣れない頃に読もうとして挫折した記憶があるので、読みやすくて驚いた。主人公は悩み続けているのに、展開のテンポがいいので引き込まれる。アンドロイドに感情移入しそうになるたび引き戻される感覚が気持ち悪くてよい。
ずっとずっと面白くて、信じられないほど完璧。早く読んでいればと悔いてる。
人の嫌らしく弱いところを誰かに言うこともないような思い出を通して、愛おしく描きつつ現在のぬるい仄暗さ広がる。「かわうそ」「酸っぱい家族」「花の名前」が特に好き。
ずっとずっと面白くて、信じられないほど完璧。早く読んでいればと悔いてる。
人の嫌らしく弱いところを誰かに言うこともないような思い出を通して、愛おしく描きつつ現在のぬるい仄暗さ広がる。「かわうそ」「酸っぱい家族」「花の名前」が特に好き。