伊藤さんの場合はPTSDの症状の出方が「突然寝てしまう」というもの。この映画を作っている最中にも、何度も倒れたそうだ。
トークの途中、伊藤さんは「座ってもいいですか」と、舞台に座り込んでトークを続ける。自分の映画を観たダメージで、立ち続けられない。
これらの事情は、分からない人には分からないままだろう。
伊藤さんの場合はPTSDの症状の出方が「突然寝てしまう」というもの。この映画を作っている最中にも、何度も倒れたそうだ。
トークの途中、伊藤さんは「座ってもいいですか」と、舞台に座り込んでトークを続ける。自分の映画を観たダメージで、立ち続けられない。
これらの事情は、分からない人には分からないままだろう。
レイプ時の記憶がない理由は、おそらくは薬物の影響(強い催眠剤を慣れない人が服用すると、昏睡し、きれいに記憶が飛ぶ)、加えて自分を守るために記憶が消えている側面がある。
その失われた記憶を、タクシー運転手への取材やホテルの監視カメラ映像などの材料を使って、後から復元しようとする。この映画そのものが、伊藤監督の失われた記憶と失われた尊厳の復元を意図したものだ。
一緒に観た妻に言わせれば、生き延びるために忘れている記憶をあえて思い出す行為は「死に近づく行為」である。実際、映画の中で伊藤詩織さんは自殺未遂をおこす。その前後の記憶はないという。
レイプ時の記憶がない理由は、おそらくは薬物の影響(強い催眠剤を慣れない人が服用すると、昏睡し、きれいに記憶が飛ぶ)、加えて自分を守るために記憶が消えている側面がある。
その失われた記憶を、タクシー運転手への取材やホテルの監視カメラ映像などの材料を使って、後から復元しようとする。この映画そのものが、伊藤監督の失われた記憶と失われた尊厳の復元を意図したものだ。
一緒に観た妻に言わせれば、生き延びるために忘れている記憶をあえて思い出す行為は「死に近づく行為」である。実際、映画の中で伊藤詩織さんは自殺未遂をおこす。その前後の記憶はないという。