斎さんが離れたあと。

「だからこれ持っててな」
「？原さんが使うんじゃないんですか？」
「俺が持ってたら目立つだろ。こういうのは目立たない、普通に見えるってのが大事なんだ」
「なるほど…？」
「…昔、贈ってやりたかったんだ。寝室に持ち込んでも、邪魔にならねぇだろ」
「………」
「刀抱いてると寝にくいだろ。…昔はこんなもん渡したら密偵だってわかっちまうから、渡せなかったけど」
「…じゃあ、貰います。」
「ん。そうしてくれると嬉しい。ありがとう」
「なんで貴方がお礼いうんですか。…こちらこそ、有難うございます」

ジェネリックとうどうくんは服さんの両手に収まるくらいのふわふわ。あんまりちっちゃいと存在感がなくてさみしいので…。
いつもはふかふかの座布団の上で日当たりのいい場所に置かれてる。

定期的に藤の座に行って扉の前で話をしたりお菓子を置いていったりするんだけどたまに出てくるふわふわのとうどうくんという単語に？を飛ばす藤はいる。僕はここですが…

藤のおひざもおやつもごはんもおふろもおふとんも独り占め。はらださん大勝利。

藤「あれ？ふせんたくさん…」
原「藤はどれがいい？藤が好きそうだなってところ付箋したんだけど」
藤「えっ？」
原（わかりにくいけど藤が自己主張してくれた！結婚式したいって言ってくれた！ってキラキラ嬉しいの顔）
藤「えっと、その、まだ具体的に考えられなくて…とりあえず参考みたいな」
原「じゃあ次の日の休みにでも一緒にこれみような」
藤（じわじわと自分が結婚式したがってるのを嬉しがってる原さん可愛いなって思ってる）「原さん…淡いブルーかピンクのドレス似合いそうですよね…」

ばかっぷるめ！！

斎さんって伝えないところで愛を示さない？？？ぜったいになくさないピアスに若い子より頭一つ抜けた女性がこそこそと今の若い子の流行と自分の似合うと言う価値観を合わせて選んでくれるやつ………そして値段が安くなっちゃったのでデートを全奢りにするやつ…一つでも言葉にして伝えなさい…。

藤のシルバーピアスは万が一にでもアレルギー反応起こさないように気を使ってるやつで斎さんはわざわざ若い子のお店に行って買いました。シンプルなお星さまのやつ。
だからその分その日のデートは全部斎さんが出したんですねー。藤ちゃんはなんで今日おごりなのか分からない顔をしていました。

平がピアス開けるときは一悶着あった。
平「僕もつけたいんですけど…ピアス」
斎「えっ！？………イヤリングとかにしない？」
平「いやピアスのほうが落とさなくて済むなって」
斎「身体に穴開けるんだよ？」
平「空いてるあなたがいいます！？」

何年後とかにデート行くときに斎がいそいそつけてるのを藤が（当時の精一杯とはいえ他のものに比べたら随分安いものを贈ってたな…）と気まずくなるときもある。隣に置いてあったカルティエのピアス、さっき方っぽソファのすき間から出てきましたね。

でも大事にしてるなんて一言も言わないし分かりにくいからそろそろそのピアス捨てたほうが…って藤が（自分が贈ったから好みじゃなくても義理でつけてるんだって思ってる）って言うから不機嫌になって喧嘩になるよ。

肩ポンする永さん。永さんは男の人。化粧ってよくわかってない。

藤ちゃんの清潔感のあるペールブルーのポーチとキャンメイクとかがたくさんあるなか一つだけ存在感のある黒いパッケージのリップかわいいねーーー。時々一人の時でも勇気づけてほしいときとかつけてるんだ。かわいいー。

この藤は原にずっと愛されてるのでたくさん人に愛を返すことができます。
原リリィに「僕はね、君のこれまで積み重ねてきたなにもかも、これから積み重ねていく総て、愛おしくてたまらないんだよ」ってほほ笑んでくれ。そしてリリィは知恵熱を出す（愛の過剰摂取）