迷盤地帯
katytried.bsky.social
迷盤地帯
@katytried.bsky.social
10枚売って11枚買う。CD沼の住人。
映画/古楽/本/大貫妙子などなど
「磔の地」(ジェイムズ・リー・バーク)読了。お懐かしや刑事ロビショー・シリーズ。
彼が暮らすルイジアナ、かつて組合運動家が惨殺され二人の遺児は児童施設へ送られる。歳月が経ち、彼らが戻ってきた。姉は気鋭の社会派フォトジャーナリスト、弟は映画監督として--。
何も起こらないわけがない。
主人公の危惧の通り、事態は徐々に転がり始めて留まることがない。
何か事件が起こって犯人を捜すという形ではなく、小さな齟齬や過去の因縁が膨れ上がっていくというものでスッパリ割り切れる所はないのだ。
ラストの彼の感慨が全てを語っている。
October 4, 2025 at 12:44 PM
Nerhol(ネルホル)「種蒔きと鳥」@埼玉県近代美術館-二人組アートユニットの個展。動画から静止画像を出力し重ねたり剥がしたり裁断したり--その行為により時の変化は融解し全く異なる姿を示す。そして具象と抽象の意味も消失する。(何の意味があるというのか)

シロツメクサを写した画像は細い幅の紙に裁断され積み重ねられる。またハナミズキは流動性を持った液体のように変換されていく。極めてスリリングである。
不可解なのは40番の作品が床に倒れていて誰も見られないこと。62番なんかどこにあるのか分からない。(これから行く人は要チェック)
September 30, 2025 at 12:48 PM
イタリア映画祭「ヴェルミリオ」-昨年のヴェネチア映画祭で銀獅子賞獲得。舞台はイタリアの山間の村。「戦場」を先に見たせいで第一次大戦時の話だと思っていたら1944年だった。それほどに旧弊な村である。
村唯一のインテリである教師の父の下の大家族、既に7人の子どもに加え赤ん坊がいる。
家庭内では鼻持ちならない父は家長として断固君臨する。しかし信念によって逃亡兵をかくまったことが裏目に出る。
結局3人の娘たちが自らの希望と共に歩き出す、ということで前向きにとらえていいのだろうか。だが母親は11人目の子供を妊娠中--では救いがないよなあ。
May 5, 2025 at 11:59 AM
イタリア映画祭「ディーヴァ・フトゥーラ」-なぜこれを見ようと思ったかというと「チッチョリーナ懐かしいな🙂」という単純な理由。主人公のスキッキはイタリアに初めてポルノをもたらした人物とのこと。タイトルは彼のプロダクション(?)の名。3人のスター女優と彼の軌跡をたどる。
女性をリスペクトし、暴力を描くことは無縁。そんな破天荒な男の生き方は面白かったが、時系列が途中から遡っては戻りを繰り返して、なんだか映画全体の勢いまで落ちてきたようだった。
終了後のQ&Aで監督がその意図を語ったが、うまく行ってるようには思えなかった。
May 3, 2025 at 1:31 PM
イタリア映画祭「隣り合わせの人生」-生まれた娘の顔には大きなあざが!母親は我が子を顧みなくなるが、娘はピアノの才能を発揮……このあらすじだとてっきり萩尾望都の「イグアナの娘」みたいな内容かと思ったら、途中からあらぬ方向へ向かっていくのであった。
大人の因果が子に報い、なんて今どき幻想仕立てにしてもどうなのか。さらにその後の「解決」はこれでいいのかと問いたくなった。
なぜここに入れたのか分からない意図不明のエピソードが二、三あって放置されたまま終了。ベロッキオが脚本に参加しているそうだがガックリである。
子役は優秀。
May 3, 2025 at 1:28 PM
語り口はかなり悠然とし、カメラの動きはまだるっこしい。男女の別離再会を描くにはドラマチックに欠け、戦争の非道さか、戦争より怖い疫病か、どこに焦点を置いているのかよく分からないままだった。
主役の医官は「帰れない山」の友人役なのか! 全く分かりませんでした(^^;ゞ
May 1, 2025 at 10:51 AM
出品作品で一番古いジョットの絵。なぜかフレームに入りきらず欠けてしまった。
April 15, 2025 at 12:56 PM
ちょうど、さいたま芸術劇場ではアート集団「目」が企画展を開催中だった。光の庭とガラス屋根の通路に作品が展示してある。打ち捨てられたトウシューズみたいのは何?
あと何ものかが色々と劇場内に出没するらしいのだが、目撃者はそのレポートを所定の報告用紙に書いて投書するようになっている。
そのレポートの過去のものはファイルに閉じられて閲覧できた。見てみると「熊の着ぐるみがいた」とか「割烹着のおばさんが疾走していた」とか……(~_~;)
本当かっ💥
私も目撃したような気がしたので投書してみましたよ。
February 10, 2025 at 12:27 PM
ド・ヴィゼのテオルボ独奏曲は生でなかなか聞く機会がないので貴重。オトテールとは関係ない、ボエセ作曲のエール・ド・クールもしっとり感があってよかった。
地道なプログラムたけど充実したひと時でした。(後半会場が少し寒かった😑)

今井館聖書講堂へ行く途中のフレーベル館もクリスマス仕様。
December 22, 2024 at 1:30 PM
「三島喜美代 未来への記憶」@練馬区立美術館-以前「日曜美術館」で紹介されてたのを見て気になっていたアーティスト。
陶で空き缶や古雑誌・古新聞など役に立たないものを再現。この展覧会では初期の平面から近年の巨大作品までも年代順にとらえていく。
情報としては使い捨てられるもの過ぎ去るものを陶作品として固定する。しかし陶は物体としては割れやすいという相反する要素。雑誌や段ボールは通常は蹴とばしても落としても壊れることはない。が、長持ちはしない。
移ろいゆくものを別の意味でもろいもので作り上げる。その存在自体が矛盾。
ラスト、1万個のレンガを使って近代日本をたどる大作に圧倒される。パワフルである。
June 21, 2024 at 1:04 PM