コザ暴動に参加したおじいから「あれは静かな革命でした。わたしたちはナンバーを全て調べ、黒人の車には火をつけませんでした」と聞かされた時に感じた、
「カラード」の連なりの中にある自分と、キャブやニコラス兄弟がコットンクラブやTV番組でこじ開けてきたものへの共感が込められている。
コザ暴動に参加したおじいから「あれは静かな革命でした。わたしたちはナンバーを全て調べ、黒人の車には火をつけませんでした」と聞かされた時に感じた、
「カラード」の連なりの中にある自分と、キャブやニコラス兄弟がコットンクラブやTV番組でこじ開けてきたものへの共感が込められている。
黒人音楽に対する自分の立ち位置についてより深く考える機会になった。
これは決して借りものというレベルではなく、わたしの幼いころの音楽的風景であり、
政治的にはいまだにどこか宗主国としてふるまうアメリカと自分の関係性の物語でもあり、
オキュパイドがとけて間もないあの時代の、属国的な空気の濃さが込められている。
黒人音楽に対する自分の立ち位置についてより深く考える機会になった。
これは決して借りものというレベルではなく、わたしの幼いころの音楽的風景であり、
政治的にはいまだにどこか宗主国としてふるまうアメリカと自分の関係性の物語でもあり、
オキュパイドがとけて間もないあの時代の、属国的な空気の濃さが込められている。
正反対のグルーヴを故郷に持つことになった。
ただ、その二つには共通点が。どちらも「ダンスミュージック」人を踊らせずにはいられないものだったのだ。
謡いも深いグルーヴがあり、思わず鼓を打ちたくなり、ゆったりと舞いたくなるものなのだ。
正反対のグルーヴを故郷に持つことになった。
ただ、その二つには共通点が。どちらも「ダンスミュージック」人を踊らせずにはいられないものだったのだ。
謡いも深いグルーヴがあり、思わず鼓を打ちたくなり、ゆったりと舞いたくなるものなのだ。
その冬には家業の内職を引き受けた賃金で買ったビートルズのLP青盤と赤盤もあったのだが、そのイギリスの音よりも、
ラジオのS&Gや、姉が買ったドーナツ盤の...ダイアナ・ロスの「アメリカ音」が親しげに、まるで故郷の音のように響いた。
ベースを弾き始め、セッションに通うようになったあたりで、
アメリカ音楽偏向がただの「好みの問題」ではなかったことに気づく。
その冬には家業の内職を引き受けた賃金で買ったビートルズのLP青盤と赤盤もあったのだが、そのイギリスの音よりも、
ラジオのS&Gや、姉が買ったドーナツ盤の...ダイアナ・ロスの「アメリカ音」が親しげに、まるで故郷の音のように響いた。
ベースを弾き始め、セッションに通うようになったあたりで、
アメリカ音楽偏向がただの「好みの問題」ではなかったことに気づく。
邦楽に囲まれて暮らしていたものの、私はアメリカのTV番組に夢中になりかじりつくように没頭する幼児だった。
ティーンエイジになると、アメリカTVの音楽がどれほどアイデンティティに深く食い込んでいるかを思いしることに。
友人たちが夢中になっていた、和製のアイドルやロックの方に「外国」を感じるようになっていた。
邦楽に囲まれて暮らしていたものの、私はアメリカのTV番組に夢中になりかじりつくように没頭する幼児だった。
ティーンエイジになると、アメリカTVの音楽がどれほどアイデンティティに深く食い込んでいるかを思いしることに。
友人たちが夢中になっていた、和製のアイドルやロックの方に「外国」を感じるようになっていた。
そういえば、ワンダーモールの主は、何となく、市民ケーンのイメージで書いていたんだけど、
実作提出後に映画をみたら、舞台がフロリダで。そんなこと覚えてなかったので、さらにびっくり。
無意識に小説を動かされている感じがする。
そういえば、ワンダーモールの主は、何となく、市民ケーンのイメージで書いていたんだけど、
実作提出後に映画をみたら、舞台がフロリダで。そんなこと覚えてなかったので、さらにびっくり。
無意識に小説を動かされている感じがする。
後半で梗概にない人物、セーラーハットのノッポな男をどうしても入れたくなったあたりで、ああ、いま、オズの魔法使いを書こうとしてるな、と感じた。
・ミホ→ドロシー(家出する、魔法の靴をはく)
・空気缶詰→ブリキ男(からっぽ)
・ワンダーワンワン→トト+ライオン(従者と臆病者)
・セーラハット男→かかし男(中身がおがくず)
・バッファローマン→魔女たち
・ハイブランド・エリア→エメラルドシティ
・ショーケースの写真→オズの魔法使い
と山ほど符合していた。このうち意図して入れたのは、ミホとコンバットブーツ(魔法の靴)の絡みだけだった。
後半で梗概にない人物、セーラーハットのノッポな男をどうしても入れたくなったあたりで、ああ、いま、オズの魔法使いを書こうとしてるな、と感じた。
・ミホ→ドロシー(家出する、魔法の靴をはく)
・空気缶詰→ブリキ男(からっぽ)
・ワンダーワンワン→トト+ライオン(従者と臆病者)
・セーラハット男→かかし男(中身がおがくず)
・バッファローマン→魔女たち
・ハイブランド・エリア→エメラルドシティ
・ショーケースの写真→オズの魔法使い
と山ほど符合していた。このうち意図して入れたのは、ミホとコンバットブーツ(魔法の靴)の絡みだけだった。
とはいえ、そんな技量も個性もないいま、
まず梗概、というプロセスの中で、即没になるようなテクノロジーは、よほど面白くないと、と自分を戒める。
とはいえ、そんな技量も個性もないいま、
まず梗概、というプロセスの中で、即没になるようなテクノロジーは、よほど面白くないと、と自分を戒める。
河出書房の伊藤さんも、テレポートは嘘くさい、とコメント。
スタートレックの「転送」のような使い古されたブラックボックスは、こういう位置にある、と学んだ。
テレポートに代わるものを考えなくてはね。
河出書房の伊藤さんも、テレポートは嘘くさい、とコメント。
スタートレックの「転送」のような使い古されたブラックボックスは、こういう位置にある、と学んだ。
テレポートに代わるものを考えなくてはね。
娯楽性や重なり合う世界を意識した甲斐があったと思う。
また、保坂和志さんが言ってた、次作のために温存せず、現作に全てを入れた方がいい、を実践すべく、
可能なかぎり全部ぶちこんでみたのだが、やってみると保坂さんのいうように...使い切った先に、次がでてくる感じがわかるような気がする。
焼け畑から何か芽吹くような、そんな感じが。
娯楽性や重なり合う世界を意識した甲斐があったと思う。
また、保坂和志さんが言ってた、次作のために温存せず、現作に全てを入れた方がいい、を実践すべく、
可能なかぎり全部ぶちこんでみたのだが、やってみると保坂さんのいうように...使い切った先に、次がでてくる感じがわかるような気がする。
焼け畑から何か芽吹くような、そんな感じが。
初期の入植者、ピルグリム・ファーザーズが次々と病気や飢餓で死者をだしていたところを、地元のワンパグアグ族がトウモロコシ栽培や魚のとり方を教えて助けたので、1621年にそれを感謝する収穫祭の祝宴をひらいた、というのが起源なんですが、
入植者の子孫が「感謝祭」というこの祭日は、ネイティブ・アメリカンにとっては平和の終焉と迫害の始まり、服喪の日National Day of Mourningなので、
この日を物語の舞台にしたのです。
◉感謝祭に関する部族の視点
snoqualmietribe.us/tribal-persp....
初期の入植者、ピルグリム・ファーザーズが次々と病気や飢餓で死者をだしていたところを、地元のワンパグアグ族がトウモロコシ栽培や魚のとり方を教えて助けたので、1621年にそれを感謝する収穫祭の祝宴をひらいた、というのが起源なんですが、
入植者の子孫が「感謝祭」というこの祭日は、ネイティブ・アメリカンにとっては平和の終焉と迫害の始まり、服喪の日National Day of Mourningなので、
この日を物語の舞台にしたのです。
◉感謝祭に関する部族の視点
snoqualmietribe.us/tribal-persp....
日本の明治維新でも幕府にフランスが、薩長にイギリスがついた戦いだったので、似たような背景があり、
鎖国して国力や武士による全国規模の官僚組織を育てていなければ...とか、戦国時代にキリシタン大名が天下を取っていたら...もしかすると同じやり方でやられていたかも知れない、
と思うようなところもありました。
日本の明治維新でも幕府にフランスが、薩長にイギリスがついた戦いだったので、似たような背景があり、
鎖国して国力や武士による全国規模の官僚組織を育てていなければ...とか、戦国時代にキリシタン大名が天下を取っていたら...もしかすると同じやり方でやられていたかも知れない、
と思うようなところもありました。
この物語の先に待っている更なる地獄、涙のトレイルにはフロリダのセミノール族も含まれるのです。
「わが魂を聖地に埋めよ」(U-NEXT)
video-share.unext.jp/video/title/...
この物語の先に待っている更なる地獄、涙のトレイルにはフロリダのセミノール族も含まれるのです。
「わが魂を聖地に埋めよ」(U-NEXT)
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中国人労働者や、日系人が大陸横断鉄道の工事にあたったことや、
安い賃金で牛馬のようにこき使われた果てに、中国人は排斥法で追い払われ、日系人は戦争中の収容所で全財産を失うという、
アフリカン・アメリカンとはまた別の、東洋人の酷使と差別の歴史を知り、
こうしたすべてが、ネイティブ・アメリカンの悲史と根底で重なり合うような気がしていたので、最初に公表する物語として、こうした形で、ある意味鎮魂に近いものを書けて本当によかったと思っているところです。
中国人労働者や、日系人が大陸横断鉄道の工事にあたったことや、
安い賃金で牛馬のようにこき使われた果てに、中国人は排斥法で追い払われ、日系人は戦争中の収容所で全財産を失うという、
アフリカン・アメリカンとはまた別の、東洋人の酷使と差別の歴史を知り、
こうしたすべてが、ネイティブ・アメリカンの悲史と根底で重なり合うような気がしていたので、最初に公表する物語として、こうした形で、ある意味鎮魂に近いものを書けて本当によかったと思っているところです。