門田岳久 Takehisa Kadota
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門田岳久 Takehisa Kadota
@kadotatakehisa.bsky.social
文化人類学・民俗学/離島/聖地/『民俗学の思考法』『巡礼ツーリズムの民族誌』『宮本常一 〈抵抗〉の民俗学』/アイコンは佐渡のムジナ/立教大学教員
非常勤@駒場。銀杏の季節ですね。今日のテキストは松田素二『抵抗する都市』4章で、久しぶりの松田さんの文章に痺れる。
November 13, 2025 at 8:48 AM
そのほか今治のおもしろい建築:1.みなと交流センター(原広司)、2.今治造船寄贈の巨大スクリュー、3.日本食研KO宮殿工場、4.今治市街地模型(隈研吾研究室)
November 4, 2025 at 1:47 PM
先週末は今治にある丹下健三建築群を堪能。公会堂、市役所、市民会館、愛媛信用金庫(3、4枚目)。1950年代の初期建築で、コンクリ(に塗料が吹き付けてある)の灰色が冷たく直線的でとても良い。
November 4, 2025 at 1:43 PM
授業期間は終わってるのにだらだらと業務が続く謎の季節、7月末。会計が済んだのに退店せず居酒屋に居残ってる時間のように、弛緩したよくわからない時間を私たちは過ごしているのです。科研申請書でも書くか。
July 23, 2025 at 8:00 AM
『SISU シス 不死身の男』(2023)

フィンランド、アメリカ合作。ソ連に復讐中のヤバいフィンランド人老兵がラップランドで金鉱石を掘っていたところにナチのやつらが来て悪行三昧なので、一人でボコボコにする。

みんな大好き無双系映画ですが、冬戦争の英雄シモヘイヘを想起させる話はあながちフィクションでないわけではなく、ラップランドも美しいし、セリフが少ない&間合いが長いのもフィンランド映画らしいし、意外と見所あり。しかしナチ側はアメリカの俳優で、悪そうな雰囲気を出そうとしてるけどその演技が極めて米兵っぽさを醸し出してて(当然ドイツ語ではない)、敵表象はこれでええんか、という気にはなりました。
July 20, 2025 at 6:26 AM
佐川徹他編 2025 『その空間を統治するのはだれか:フロンティア空間の人類学』

山岳地帯や海上など辺境、国境地帯、国家の余白などのフロンティア空間。先住民、国家、グローバル企業、武装集団など様々なアクターにとって、その空間は何か新たなことをなすことができるのではないかという想像力を掻き立てられ、だからこそ衝突やせめぎ合いが生じる。現代のゾミア的空間をめぐる、複数主体による領域化闘争の民族誌。大変面白かったです。

紛争地帯だったりアクセスしにくい場所であったりというフィールドの特性ゆえか、どうしても男性研究者中心になってしまい、装丁の色彩を含め、少しマッチョな書籍という印象は拭えないですが
July 17, 2025 at 3:25 PM
秋刀魚の味(1962)

娘が結婚してひとりになった男の話。主人公(笠智衆)は駆逐艦の元艦長で、元海軍の人や敗戦を語る人が多く出てきて、権威主義的だった元教師も落ちぶれ、敗戦国の黄昏が描かれているようにも思える。

この黄昏ムードは英語圏でこの映画が人気である理由の一つかもしれない。が、よく見ていくと登場人物たちは敗戦にさほど打ちひしがれていないし、むしろ今の安穏さを考えると、負けて良かったねという雰囲気すらある。むしろ彼らの関心事は娘の結婚であったり男やもめの寂しさをどう乗り越えるかであったりと、すべて日常のこと。小津監督はこの遺作で「戦後」の終わりを示したのかなと感じた。
July 14, 2025 at 5:05 AM
『ウンタマギルー』1989

沖縄・西原の民話、運玉義留をもとに、戦後沖縄を舞台に義賊・ギルーの活躍を描く。全編琉球語で進み、現実と幻の境目があいまいな民俗的世界観をとてもうまく表現している。

昔見たときは理解不能な部分もあったけど、沖縄について勉強し始めた今見ると、民俗的感覚だけでなく、本土復帰を前に揺れる沖縄のアイデンティティが主題の一つとなっていたことも分かる。

作中の村落やコミュニティには独特のユートピア的雰囲気があり、照屋林助や戸川純の歌がそれを形作る。しかし映画は、復帰によってそのユートピアは失われたのだ、と伝えているのではないか。沖縄の「社会」を描く高嶺剛監督の傑作。
July 12, 2025 at 4:13 PM
学会等で沖縄に行って騒いでいたら揺り戻しで体調を崩し、昨日おとといと安静にしてたけどベンザブロック飲んだらすぐに体調よくなって、なんか変なクスリでも入ってるんかって思った(薬だけど。まあ要するに風邪だったということ)。沖縄は電動スクーターに侵食されていて、色んな意味で本当これはよくないですね。
July 10, 2025 at 3:25 PM
『花様年華(In the Mood for Love)』2000
先日、NYタイムズが選ぶ21世紀の映画4位に入ってたので再見。
60年代の香港。偶然隣室になった男(トニーレオン)と女(マギーチャン)が、互いに配偶者がありながら惹かれ合う…も結ばれることも恋として始まることもなく、すれ違いのまま終わる。

昔見たときは中年の淡い恋を描いた特に山場のない映画に何の価値が?と思っていましたが、反省…。愛と悲しみの「ムード」を表現する繊細な描写と美しい音楽に深く心を動かされました。山場のないまま人生終わるのかなと思っている中年になって見るべき映画ですね…。ウォンカーウァイ監督天才すぎ(今さら!?)
July 1, 2025 at 4:39 AM
西の人間なので、どうせ暑いならクマゼミにがんがん鳴いていただいたほうが気分も盛り上がるのですが、蝉もおらず、しーんとしてただ暑いだけという…
June 30, 2025 at 5:49 AM
『アイアンハート』MARVELテレビシリーズ@Disney+

天才エンジニアのリリはトニースターク奨学金で学ぶMIT学生だが、数々の問題により退学に。シカゴに戻り、”スーツ”を武器に謎の犯罪集団の一因として金を稼ぐようになるが…。

とりあえず2話まで見た。アイアンマンの2代目、ってことなんでしょうか。てっきり『アイアンマン3』(と、『アヴェンジャーズ エンドゲーム』の葬式シーン)で出てきたエンジニア少年がトニー・スタークを継ぐのかと思ってましたが。キャプテンアメリカをサム(アンソニー・マッキー)が継いだように、白人→黒人という継承にマーヴェルの意思を感じます。
June 28, 2025 at 4:50 PM
都議選、わが大田区は公明党が2人とも落選という驚きの結果。

湾岸エリアは地域事情で公明党、共産党が強く、公明にとっては池田元名誉会長の生まれた”聖地”でもあったわけですが、選管PDFをClaudeに読ませて過去6回の都議選得票数を整理させたところ、両党とも漸減していることが分かります。今回の当選ラインは約23,000票。共産党が過去に候補者を1本化したように、公明党は次回同じような戦略を採らざるを得ないのかなと思いますね。

しかし共産党の得票数減少は著しく、今回は2位当選でしたがこの減少幅だと4年後は当落上なのでは…
June 23, 2025 at 4:39 AM
伊藤将人『移動と階級』2025
ジョン・アーリ、アンソニー・エリオットら英国社会学における移動論的転回をふまえ、移住や仕事、観光などで人々が自由に移動することと、逆に移動しない/できないこと(インモビリティ)との関係を、ジェンダーや収入などの格差から読み解いていく。アマゾンでは一部低評価も付けられていますが(SNSマーケティングの弊害?あるいは格差を問う本に起こりがちなこと?)、本書の提起はモビリティスタディーズの基本的な視点として重要で、観光学とかを学んでいる学生は読んだら良いのでは。
June 22, 2025 at 1:54 AM
『脱観光化の人類学』ゼミ文献として読み終わる。面白かった。人類学で観光というと基本的にクリティカルな思考の対象として語られてきたが、本書はコロナ期の転換期を踏まえ、観光の「善きもの」としての側面も語る。徹底してローカルな生活の側から見ることで、通常言われる観光の経済的メリット以外の「善」が何であるのかを探る思考でもある。他方でコロナ期に照準があるとはいえ、脱観光化を論じる以上、その前から取り沙汰されてきたオーバーツーリズム現象やそれに対するアンチツーリズムアクティビズムやプロテストなども議論に含めてほしいところではあった。
June 16, 2025 at 3:47 AM
アメリカの軍事パレード、倍速で概ね見ましたが全然だめですね。軍事パレード愛好家の私から申し上げると、あの手のものは宗教的ともいえる熱狂を呼び起こすスペクタクルが全て。なのに兵士は少ないしダラダラ歩いたりしてるし、トランプはつまらなさそうにしてるし、客ものんびりしてるし、逆効果では。

ロボット犬が歩いているのとか、カントリー歌手の緩いコンサートとかちょっと面白かったですが。もうちょっと北朝鮮のガチ軍事パレードとか、インドの3時間半超絶カオス軍事パレードをYoutubeライブで見習ってほしいですね。できないなら専制国家は向いてないんで、自由主義国家のままでいいんじゃないですかね…
June 15, 2025 at 2:37 PM
菊地暁『柳田国男と民俗学の近代』は当時高くて買えなかったので文庫版が出て嬉しい。久しぶりに開くと2001年の空気感が甦ってきて眩暈がする…しかしこの空気感は、本書序章が「表象の危機」「文化を書く」「民族誌的近代」など、記述をめぐる権力性へのクリティカルな問題意識から出発していることを考えると、当時の民俗学のものというより文化人類学のものかもしれません。(では当時の民俗学の空気とは何か、と言われたらよく分からないですが、宮田登を失ったアノミー状態とかですかね…)

文庫版は各章末尾に、著者による、初版の「若書き」への自己言及的な追記がなされていて面白いし、佐藤健二さんの解説もよい。
June 14, 2025 at 12:35 PM
先日の文化人類学会は研究発表だけでなく出版・企画ブースが充実していて本当に楽しかったんだけど、ついに人類学会でもZINEやジーンズやTシャツが売られるようになったかと嬉しく思うとともに、だからこそ、出版社ブースで売られているプロの編集者の手の入ったガチの学術書の迫力(?)を感じ取ることもできた。今後もぜひこの開かれた感を維持してほしい。

と同時に、民俗学会はずっと前からこのような垣根のない学会運営(少なくとも書籍コーナーに関しては)をしていたんだということを自己再評価し、そこから何かさらに発展的ことが生まれたらいいのになとは思う。
June 12, 2025 at 1:47 PM
日本文化人類学会@筑波。発表者も参加者も若い人が多く、書籍コーナーはコミケ会場のようなイベント広場となっていて、お昼にはアフリカ家庭料理「シダモ」さんのキッチンカーが出ていて、懇親会や二次会は相変わらずで、発表はもちろん全般にとても盛り上がっていました。年々フェス感が増しているような。
June 8, 2025 at 12:10 PM
今週は文化人類学会@筑波があるので準備が大変…なのに学内やら科研やらの紙仕事がええじゃないかのごとく天から降ってきて今日が山場(毎週言っている)。それはともかく、学会3日前なのに懇親会場未定とは…。さる人に関わるセキュリティ問題に起因することなのかなと思われ、中の人の苦労がしのばれます。
June 4, 2025 at 4:53 AM
「宗教と社会」学会@北大。アメリカ学会、口承文芸学会が同一建物で偶然同時開催というややこしさ。それもあって賑わっていました。常任委員を退いたのでしばらく宗社からは足が遠のく可能性もありますが、今回発表した内容は早々に論文化したいと思っています。次週は日本文化人類学会@筑波で、私的にはこちらの方が山場(毎週山場ですが…)
June 1, 2025 at 12:30 PM
「宗教と社会」学会。時計台を見に来たわけではなくキンコーズに(泥縄で作った)レジュメ印刷に来たら向かいにあっただけですが、北海道にはよく来る割にいつも北大札駅間の極めて狭いエリアしか動いてないので、約20年ぶりに見てなかなか感銘を受けました。以前の定宿センチュリーホテルはついに解体の模様です。
May 30, 2025 at 12:33 PM
そろそろ買わんとな…と思ってはや20数年。ようやく買いました(ギデンズのほう)。この間7刷までいったようですが文庫化してほしい
May 27, 2025 at 12:06 PM
ジェームズ・スコット『In Praise of Floods: The Untamed River and the Life It Brings』2025

洪水は生命力の源であり、ダムや堤防による人工的制御がそれを殺しているのではないか。河川を生きた動的システムとして再定義し、人間による自然の管理を問い直す。『ゾミア』の中心的フィールドとなったミャンマー(ビルマ)エーヤワディ川を事例とした、スコットの(たぶん)遺作
May 23, 2025 at 2:57 AM
必要に迫られやむを得ず、決死の思いで自分の修論(博論ではなく。20年前の)を見返しているのですが、この頭文字以外は大文字なのに微妙に小さいという独特の引用符表記法、いつの間にか見なくなりましたね。あれはなんだったのか?
May 22, 2025 at 11:57 AM