「リンク」
「はい、なんですか?」
「ありがとう」
不思議そうな顔をした彼へ微笑めば、途端に彼の頬も緩んで笑みを形作った。勇者としての役目を終え、騎士としての身分からも解放されても、彼は私を大切にしてくれている。それがいったいどれだけ有難く、私の心の支えになっている事か。私を元気付けようと駆けずり回ってくれている彼に、お世辞でなく側にいてくれるだけで良いのだと、いえ、側にいてほしいのだと、どうしたら伝わるだろう。繋がれた手を握り締めながら、私は思案するのだった。
「リンク」
「はい、なんですか?」
「ありがとう」
不思議そうな顔をした彼へ微笑めば、途端に彼の頬も緩んで笑みを形作った。勇者としての役目を終え、騎士としての身分からも解放されても、彼は私を大切にしてくれている。それがいったいどれだけ有難く、私の心の支えになっている事か。私を元気付けようと駆けずり回ってくれている彼に、お世辞でなく側にいてくれるだけで良いのだと、いえ、側にいてほしいのだと、どうしたら伝わるだろう。繋がれた手を握り締めながら、私は思案するのだった。
白き龍は、優美に空を泳ぎ続ける。一人の男を乗せたまま、応えぬまま。奇跡が起こる、その日まで。
白き龍は、優美に空を泳ぎ続ける。一人の男を乗せたまま、応えぬまま。奇跡が起こる、その日まで。
それを伝えたら、ゼルダの頬は庭の木になるリンゴみたいに真っ赤になった。
それを伝えたら、ゼルダの頬は庭の木になるリンゴみたいに真っ赤になった。
うっかり声に出してしまったから、俺はその後しばらく無言でゼルダの抱き枕に徹することになった。
うっかり声に出してしまったから、俺はその後しばらく無言でゼルダの抱き枕に徹することになった。
階段下の寝床に潜り込み、再び浅い眠りに身を委ねる。俺が大して睡眠を必要としない体質で良かった。いつかゼルダが自分を許せるようになるその日まで、必ず俺が護るから。今度こそ護るから。だから、どうか早く、ゼルダが幸せになる事を許して。そうしたら俺も、貴女が好きだって、漸く言えるようになるから。
階段下の寝床に潜り込み、再び浅い眠りに身を委ねる。俺が大して睡眠を必要としない体質で良かった。いつかゼルダが自分を許せるようになるその日まで、必ず俺が護るから。今度こそ護るから。だから、どうか早く、ゼルダが幸せになる事を許して。そうしたら俺も、貴女が好きだって、漸く言えるようになるから。