ふるいはさみ
furuihasami.bsky.social
ふるいはさみ
@furuihasami.bsky.social
はさみふたたび。
電車で30分も揺られたら
季節の一つくらい飛び越えられるさ
November 17, 2025 at 11:23 PM
早朝のわずかな時間。音がほとんどないこの時間は自分の内面と向き合うのにちょうどいい。こころが凪いでいるのを感じながら戻るべき場所を確認している。砂浜で少しずつ落ちてゆく太陽を眺めているような、いずれはじまる永遠の夜が満たされたものであることを想いながら。
もうすぐ日の出。つかの間の夢がはじまる。
November 16, 2025 at 8:59 PM
ここは野球場だけど冬の間はクロスカントリースキーのコースになる。すでにそのためのポールが立てられていた。
避けられないものは受け入れるしかない。そうしてしまえばきっとこの冬も温かさを失わず生きてゆけるだろう。
November 16, 2025 at 9:32 AM
もう少しだけ
夢を見させて
欲しかったけど
もう時間だね
眠りにつくよ
雪に埋もれて
凍りつくまで
そらの蒼さが
目に染みるけど
いつかこの日を
思い出したら
ぼくの背中を
そっと揺らして
そしたら時は
また動くから
風に消された
おとぎばなしの
最後の行を
書き換えるから

#七ならべ
November 15, 2025 at 1:33 PM
屈託のない秋空が哀しい。あまりにも青く透きとおっていて、それが生への別れを紛らわせようとしているように感じてしまう。さまざまな後悔が雲のように浮かぶ。膨張し続ける宇宙の片隅が薄れてゆくように、振り向くとそこに今という一瞬はもういない。

#散文
November 15, 2025 at 4:44 AM
そういえば、さよならの文字はいつも黄色いペンで書いていた。目立つように、目立たないように。見送られる人になりたくなくていつまでもこの場所から離れられないでいる。消えてゆく記憶は大地がすべて飲み込んで、だから地球は涙色をしている。

#散文
November 9, 2025 at 5:59 AM
22時の電車に揺られている。この世界はどこを切り取っても割り切れることがない。かといって円周率のようになにか適当なひとことで言いくるめることもできない。22時の電車にも終点はある。でも電車にとってそこが安住の地でないように、いつかは割れてしまう欲望がそこらじゅうに花を咲かせようとしている。

#散文
November 4, 2025 at 1:19 PM
虹の向こうは雨が降っている。それなのに虹をみて何か希望のようなものを感じることがある。あるいは希望とは、のぼせ上がった感情を冷やし置き場所のない記憶を剥がしてゆく、そんな雨のような優しさなのかもしれない。秋の虹は遠慮がない。次いつ会えるかなんて約束をする気もない。

#散文
October 27, 2025 at 1:09 PM
ひと雨ごとに
寒くなります
何度も告げる
気象予報士
遊具は雨に
濡れるしかなく
声の記憶を
剥がされてゆく
やがて迎える
沈黙の日々
世界は音で
できているから
音を奪えば
世界は消える
遊具は冬に
埋もれるけれど
奪われたのが
何だったかを
思い出せずに
雨に濡れてる

#七ならべ
October 26, 2025 at 9:28 AM
おどるリスをみて忘れられることがあるとしたら、それはゆで玉子の殻がきれいに剥けた時と同じくらいにはしあわせだった出来事に違いない。朝は誰にでも平等にやって来るなんて嘘っぱちで、捨てられない荷物を背負って歩く朝の路はいつだってぬかるんでいる。

#散文
October 16, 2025 at 9:57 PM
ほんのわずかの
空さえあれば
秋はどこでも
再生できる
その深遠な
嘘をひろげて
時の経過を
見過ごしている
それではぼくは
きみに気づけず
きみもぼくには
気づくことなく
運命なんて
口にするから
ウソが嘘では
なくなるんだよ

#七ならべ
October 14, 2025 at 8:00 PM
さがしていた空
でもつかめない
October 10, 2025 at 10:40 PM
あの秋の日々はもう動かない。川沿いの街灯は今もさみしいままつぶやいているに違いなく、月のかけらを探し歩いた坂道はそろそろ落ち葉で埋もれはじめることだろう。星座のため息をどれだけ集めても、一方通行の糸でんわは二度と震えることがない。

#散文
October 10, 2025 at 9:14 AM
ぼくの知らない
海がわずかに
欠けているのに
気づいた夜は
置き去りにした
記憶をひらく
ふりかけのない
お子様ランチ
そこに立ってる
国旗はいつも
すこしかなしい
顔をしていた
ハンバーグには
赤いケチャップ
それが世界の
秩序なのだと
気づいたときは
夢はすっかり
覚めてしまった

#七ならべ
October 8, 2025 at 7:40 PM
守るよころびを知っている。対象が何であれ、結局は自分を守ることに他ならないことを知っている。だから守るべきものがそこから去ってしまったとしても守り続けるしかないのだ。記憶がそこに残る意味、ぼくがここにいる意味。

#散文
October 5, 2025 at 12:27 PM
点火した瞬間の花火が語り出すものがたり。一日という単位は瞬くには短すぎて永遠を紡ぐには長すぎる。はじまっておわる繰り返しの、気づけば背中しか見ていなかった。

#散文
October 4, 2025 at 8:37 AM
虹になりきれなかった光たちのうしろ姿をいつまでも見送って、晴れたり曇ったり一喜一憂している生き方を改められないでいる。変わらないものを探し続けて見つけられずに、探す行為だけがいつまでも変わらない。

#散文
September 23, 2025 at 4:40 AM
きっと懸命にいきていた。
September 21, 2025 at 2:10 AM
きっと懸命にいきている。
September 21, 2025 at 2:03 AM
そろそろ夏を片付けなきゃと思う間もなく冬はやってくる。そういう定めの土地でちょうど良いものを探すのは難しい。難しいから探さずにはいられない。すべての事象は相対的と識れば恐ろしくて正義を語ることはできなくなるけれど、それでもコーヒーの重力は絶対だと信じてしまう。朝になにかを手繰り寄せたくなる。

#散文
September 18, 2025 at 8:56 PM
江の島がそこにあるだけで、季節のはなしはもう必要ないと思われた。終わるもの、終わらないもの。混沌とした感情が島というかたちで海に浮かんでいる。ぼくがここに来るとき何も残そうとは思わない。何も奪おうと思わない。ことばはいらない。でもことば以外に伝える術もない。

#散文
September 6, 2025 at 2:40 PM