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うつわ継ぎ山鳥|漆修繕・金継ぎ教室・作品制作
普段使いのうつわの修理から木製品や鉄製品の修繕まで、日常で役立つ漆の使い方をお伝えしています🕊️

tsugiyamadori.com
10月より始まる教室のご案内です。これまで学芸大学〈インヤンレスト〉で行っていた講座は、建物の建て替えに伴いレンタルスペース「レスピラール」にて、引き続き開催いたします。
少人数で、ゆっくりとした暮らしに寄り添う金継ぎの時間を、ご一緒できればと思います。
———
所在地:〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-9-5
アクセス:東急東横線・大井町線「自由が丘駅」徒歩7分/東急目黒線「奥沢駅」徒歩4分
開催日:毎月第2日曜日
時間:10:30〜12:30/13:30〜15:30
講座費:7,500円
定員:各6名 
申し込み:HPプロフィールリンクにて

お問い合わせお待ちしております
October 4, 2025 at 10:09 AM
イタリア・ベネツィア地方 ムラーノガラスプレート修理です

緩やかな歪みがあるため、三つ足が安定する位置を保つよう留意して組み立てました。やや斜めに走る割れ口には金箔を挟み、角度を変えて眺めると金色が見えます。
裏側の欠けた部分、一部鋭利な段差にのみ錆漆を埋めて、金蒔きで仕上げています。
August 23, 2025 at 9:41 AM
八重山徳利の修繕です

口縁部に生じていた大きな欠損を、錆漆で造作し、銀丸粉を蒔いて仕上げています。
蒔いた銀は硫化させることで、深い土味と馴染むよう、時代を経た風合いに整えました。

大きな欠損を埋める際、単一の材料であれば、曲面を大きく研ぎ進めても質感に段差が出にくく、仕上げ後の調整もしやすいという利点があります。
また、時間の経過とともに締まることで、より堅牢に定着するのも特徴です。

こちらは、べにや民芸店さんで開催された「能野(よきの)と琉球」展に出品されたもので、古民芸たつのさんより一括でご依頼いただいた品のひとつです。
July 19, 2025 at 8:36 AM
連日、厳しい暑さが続いています。梅雨時は漆の乾きが早く、接合作業や拭き漆には適していますが、かぶれやすくもあります。作業の際は肌の露出を避け、保湿などの事前対策を行っておくと安心です。
麦漆や錆漆が付着した箆や定盤も、すぐに硬化が進みます。丁寧に扱っていても、漆は少しずつ定着してしまいますので、使用後はできるだけ早く拭き取り、必要に応じてペーパーで表面を整えておくとより使いやすくなります。
教室では、自作の竹箆をお渡ししています。特に先端の状態は仕上がりに影響します。光にかざして、わずかに透ける程度まで研いでおくと、細かな作業がしやすくなりますので、お手元の箆もときどき確認してみてください。
July 3, 2025 at 3:52 AM
お預かりしていた平佐焼の徳利。
全体の写真を撮りそびれていたため、銀の色味についてご相談の際にお送りした画像を使っての記録投稿です。

徳利の大きさは一合ほど。
修繕箇所は、上部と裏側の2箇所、計3箇所の欠けを埋め、銀丸粉3号と1号を打ち込んでいます。研磨を施し、手触りのよい表面に仕上げました。

先に仕上げた古琉球展用の修繕と同時進行でしたが、こちらは銀を硫化させず、新しいままの仕上がりとしています。

#金継ぎ
June 21, 2025 at 3:18 PM
第二日曜日は、インヤンレストさんでの金継ぎ教室。

最近は、うつわ以外の補修にも取り組む方が増えてきました。こちらは竹製の行李(こうり)の四隅を、一閑張りの手法で補強している様子。濡らしてちぎった和紙を糊付けして重ね貼りまで行いました。繊維の長い和紙を使うと、より丈夫に仕上がります。

来月は、漆を染み込ませて仕上げます。
漆の、守備範囲の広さを感じる一例です。

#うるしで繕う生活道具
June 10, 2025 at 1:08 PM
ご依頼者様が objects さんのご紹介で、螺鈿陶額の修繕をお預かりしました。陶は山口和声さん、螺鈿は小島紗和子さんによる作品です。

破損は額縁のみでしたので、掛けひもを外してから接合し、錫を蒔いたあと、裏面には和紙を貼り合わせて仕上げました。

和紙は、紗和子さんから作品に使われているものと同じものを分けていただいたものです。おかげさまで、仕上がりも自然なかたちに整えることができました。
お心遣い、ありがとうございました。
June 3, 2025 at 6:36 AM
局面は平均的にペーパーが当たらず、なかなか平滑にならなかったため、粉蒔きと研ぎを数度繰り返して表面を整えました。
錫粉は従来の#350に加え、新たに求めた#400も併せて蒔いたことで、肌理がより細やかになり、地味ながらもしっとりとした存在感が生まれています。
May 22, 2025 at 1:48 PM
自宅教室の生徒さんが手がけた、40センチほどあるガラスの大皿の修繕です。
五つの割れすべてに金箔を施したうえで接合に進み、正確に位置を固定しました。硬化後は、ガラス特有の鋭利な合わせ口や細かなほつれを錆漆で丁寧に塞ぎ、錆の入った箇所のみに真鍮粉を蒔いています。

およそ一年をかけて仕上げた力作です。
ご依頼くださったご友人にも、きっと喜んでいただけることでしょう。

自宅教室では、1コマ3時間と、ゆったりとした時間のなかで、手間をかけた丁寧な修繕に取り組んでいただけます。もしご興味がありましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
May 16, 2025 at 10:00 AM
山田洋次さん作のスリップウェアをお預かりしました。

割れた4片を、漆による適した材料でつなぎ、オーブンのご使用が今後も可能なように仕上げています。土鍋など蒸気のあたる器も、同様の方法で修繕を進めています。

上塗りには呂色漆を使用し、落ち着いた仕上がりに。
最後の一枚は、ご依頼時に添えていただいた写真を掲載しています。
May 6, 2025 at 1:34 PM
「日常に息づく漆の繕い」展、無事に会期を終えました。
お越しくださった皆さま、気にかけてくださった皆さま、そしてサポートしてくださったアトリエニノンさん、本当にありがとうございました。
会期中は多くの方が足を運んでくださり、展示の場も賑やかになりました。心より感謝申し上げます。
たくさんの出会いと、豊かな時間に恵まれた、実りある展示となりました。また次の機会へ繋げていかれればと思います。

追記)大勢の外国人観光客で連日賑わっている通りに面しているので、試しに英語表記バージョンも作ってみたのですが…どうやらおにぎり屋さんと間違われた方がいたようで(汗)美味しそうすぎますからね🍙
April 22, 2025 at 8:07 AM
仏製のカップ、持ち手修理をお預かりです
接着後、接合部分だけでは強度が得られないため、破損箇所を補強し、真鍮粉を蒔いています。
Atelier Ninonのオーナーさまからご依頼いただいた一品で、ただいま開催中の金継ぎ展にて展示しております。
ご来場の際は、どうぞお近くでご覧いただけましたら幸いです。
「日常に息づく漆の繕い ー うつわ継ぎ山鳥の金継ぎ展 ー」
4月10日(木)〜 4月21日(月)
【Atelier Ninon】
営業時間:12:00 - 19:00
定休日:火・水曜日
☎️:03-6721-1689
住所:東京都渋谷区神宮前3-27-22 ル コタージュビルディング103
April 14, 2025 at 1:17 PM
ローマンガラスの修理をお預かりしました。
使い方や強度についてご相談のうえ、断面に銀箔を貼り、錫粉で仕上げています。

汚れを防ぐため、作業部分にはフエキ糊を少量つけて影響がないことを確認したうえでマスキングし、全体はラップで覆って作業を進めました。
接合部分は当初ほとんど埋めない予定でしたが、ほつれや光の屈折で仕上がりが美しく見えなかったため、錫で埋める方法に変更しました。
April 1, 2025 at 12:22 PM
(時々ご質問いただく線の塗り重ねについて)
重ねて塗ったはずなのに、蒔くと塗れていない部分が現れたり、凹凸が目立ってしまうことがあります。その場合、横からの視点で確認すると解決の糸口が見つかるかもしれません。角度を変えてサイドから眺めると、塗り残しや小さな窪みが見えやすくなるため(やや右下方面)、筆の先端を使い、慎重に塗り重ねていきます。

また、視力のサポートも大切です。
リーディンググラスや拡大鏡を活用し、作業環境を明るく整えることで、より精密な作業がしやすくなります。
👓⚡️
March 25, 2025 at 11:17 AM
多肉植物の"火祭"を仕立て直しました。冬を越えて、辰砂と織部のような美しいグラデーションが現れています。
昨年に継いだ、元湯呑みの鉢が活躍しています。

noteは三月の「そろそろ春かな…」という季節に、心がけていることを綴っています。

そして、新しいことを始めたくなる四月。Atelier Ninonさんにて、ワークショップを予定しています。詳細は改めてご案内いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

#金継ぎ
#金継ぎワークショップ
March 20, 2025 at 4:17 AM
村田亜希さん作のマグカップを修理しました。
4片を接合し、ほつれを埋めています。
仕上げはご相談の上、色合いを少し落ち着かせた弁柄漆を選びました。

作陶展で村田さんと直接お話しされた思い入れのあるもの。蒔き仕上げと悩まれましたが、普段使いしやすく温めにも適した仕上げとして、漆塗りをご提案しました。

初めての金継ぎ依頼とのこと。これからも長く手元で活用していただけたら嬉しいです。

#村田亜希
#金継ぎ
#漆繕い
March 18, 2025 at 6:36 AM
木彫仏像のひび修理をご依頼いただきました。
漆器や木工品の補修には、通常、小麦粉と漆を混ぜた「麦漆(むぎうるし)」を使用していますが、今回は仏像修理のサイトを参考に、ひび割れ部分に数回に分けて少しずつ膠(にかわ)を入れ、これ以上の割れを防ぐ方法を取りました。
March 4, 2025 at 12:29 PM

土屋典康さん作の土瓶を修理しました。
本体の内側の欠けは白漆で仕上げ、蓋の縁の欠けはやや茶色味を帯びた呂色漆で調整しています。
白漆はのちにうるしの茶色が薄くなり、もう少し白さが現れる予定です。
曲線部分の錆埋めは、均一に埋まるまで少しずつ形を整えながら進め、埋めた後はカーブを意識しつつ細かい番手で研磨しています。光に当てながら、ラインが違和感なく自然につながる仕上がりを目指しました。

#金継ぎ
February 24, 2025 at 9:25 AM
少し前の時代の民芸の碗の修理です(窯元についてはお伺いしておりませんので、不明とさせていただきました)。

チップ状に割れた縁を繋ぎ、真鍮粉で仕上げました。
土がこぼれた部分は錆漆で補填し、接合する際には、押してヒビが入らないよう、また位置がずれないよう細心の注意を払いました。

以前、古い牛の戸の皿をご依頼くださったお客様から、再度ご依頼をいただきました。また頼っていただけたことに、大変嬉しい思いでおります。

#金継ぎ
February 18, 2025 at 1:21 PM
昨年コツコツと進めてきた口縁の直しの第一便を、無事にお返しすることができ、少し肩の荷が下りました。
自宅で保管している間、じっくりと眺めながら楽しく作業を進めていたので、ぽっかり空いた棚を見ると少し寂しく、早く次を並べたくなります。

#金継ぎ
February 15, 2025 at 11:00 AM
岩井窯山本教行さん作の銀彩ピッチャーを修理しました。
外側は下線半分ほどの位置、内側はそれよりやや大きめに欠けていましたので、縁の欠けを曲線に整え、銀丸粉を蒔いて仕上げています。

もとの銀彩に影響が出ないよう、マスキングで覆いながら作業を進めましたが、接着成分が影響することもあるため、ラップなども併用し、周辺への影響を最小限に抑えています。
最終的に磨き剤が当たった部分も時間とともに馴染んできますが、金彩・銀彩ともに作業中は極力触れないよう工夫すると安心です。

#岩井窯 #山本教行
#金継ぎ
February 11, 2025 at 7:47 AM
撮影当日の朝、宅配で届いたばかりの野菜や冷蔵庫にある食材を使い、繕いがよく見えるよう美しく盛り付けて、位置を決めていく長尾さんがかっこいい。
撮っていただいた写真は、今後リーフレットやポートフォリオ、展示の資料、記事などに活用する予定です。

撮影を終え、改めて見ると、いつもの朝食の場所や使っているうつわがより輝いて見えます。
光の向きや配置を間近で拝見しながら高揚感を覚え、その後、長尾さんが作ってくださった料理を二人で少し遅めの昼食としていただきました。
February 6, 2025 at 1:35 PM
我が家で使っている繕いのうつわは、ほとんどが漆塗り仕上げなので、たくさん並べても金継ぎらしさは控えめです。
雑誌やレシピ本で金継ぎのあるうつわを見つける度にうれしく思いつつ、「もっと蒔絵のないシンプルなうつわが増えたらいいのに」と感じていました。また、実際に使っている風景を切り取った写真があれば、よりシンプルな仕上げの魅力が伝わるのではないか、と常々考えていました。
先日、郷土料理家で写真家の長尾明子さん @minokamo に思いを伝えてご相談したところ、快く引き受けてくださり、
#長尾明子 さん #minokamoごはん
#金継ぎ
#kintsugi #kintsugirepair
February 6, 2025 at 1:35 PM
フランス Tsé & Tsé associées(ツェツェ・アソシエ)のボウル修理をお預かりしました

一昨年に修理させていただいた同型のボウルが破損したとのことで、再度ご依頼いただきました。前回は錫仕上げで、今回はご希望で真鍮粉仕上げにし、ニュウの止めと跡を加飾いたしました。

こうして頼っていただけることに、心より感謝しております。ご依頼、誠にありがとうございました。

#金継ぎ
January 27, 2025 at 12:51 PM
平山元康さん作陶の焼〆小鉢の修理です
鳥足状の割れに加え、極小の破片を貼り合わせています。
ピースが多い場合、糊代の膨らみによって角が出てしまったり、収まりきれないズレが生じることがありますが、今回も同様の現象が見られました。
縁の鋭利な段差は、錆でスロープを作り、触り心地をなめらかに整えています。割れ中心部の小片周りにできた段差も、同様に処理しました。
外側の焼締部分については、マスキングをしても漆が溝に入り込んでしまいましたが、揺らぎが出来た境目の線は漆を繰り返し塗り重ねて、滑らかに見えるまでリカバリーしています。

#金継ぎ
#漆繕い 
#平山元康 #民藝
January 20, 2025 at 9:33 AM