誰であろうか、同じ嘆きを抱いたものが立てたらしい、まだ新しい卒塔婆を見ても悲しく、見知らぬ誰かの供養の功徳が身に染みて、しばらく念じて伏し拝み、ゆこうとしても幾度もまた立ちもどっては、樹下の陰の青葉もいつか暗くなる夕暮れとなり、誰のことを嘆いているのか、鳴く山鳥とともに塒を捜し求めた。
曲亭馬琴『椿説弓張月5』
誰であろうか、同じ嘆きを抱いたものが立てたらしい、まだ新しい卒塔婆を見ても悲しく、見知らぬ誰かの供養の功徳が身に染みて、しばらく念じて伏し拝み、ゆこうとしても幾度もまた立ちもどっては、樹下の陰の青葉もいつか暗くなる夕暮れとなり、誰のことを嘆いているのか、鳴く山鳥とともに塒を捜し求めた。
曲亭馬琴『椿説弓張月5』