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たくさんの破片のなかであらゆる感覚が鮮明になり始めた。わたしは溢れんばかりの声を聞いた。マリがここに残した、どれ一つとして決して同じではない無数の声を。

「マリのダンス」
December 16, 2025 at 7:24 PM
死の循環を宇宙全体に置き換えてみれば滅亡の価値が浮かび上がる。ある種の死は別の生を支えるのだ。

最後のライオニ
December 9, 2025 at 1:26 PM
陽光は等しく人生の海に注がれるが、光明は苦海にしか差さない。

「早く歩くか、ゆっくり歩くか。何日で廻るか、何日廻るか。そんなことよりしっかり歩け。そして何かをのこせ」

(黛まどか『私の同行二人』)
November 2, 2025 at 2:22 AM
やたらとレティシア・ナサレノという名前が目についた。心の嘆きをこんなふうに、牛の小便のように書き残すほど不幸な人間がいったい何者であったのか、まったく見当がつかなかったが、しかし彼自身の文字であることは間違いなかった。

『族長の秋』
October 5, 2025 at 5:45 AM
……ほんとは叫ばなくたって泣かなくたって
たすけがきたらいいっておもう
……だけど
ー世界はそんな風にできていない
敵も味方もごちゃまぜの中の人でー……これが欲しいって叫ぶしかないんだ

『魔法使いの嫁18』
August 3, 2025 at 11:13 AM
桜梅桃李
読み方 おうばいとうり
意味 桜(さくら)、梅(うめ)、桃(もも)、李(すもも)がそれぞれ独自の花を咲かせるように、人もまた、自分らしさや個性を大切にし、それぞれの特性を活かして生きるべきであるという考え。
July 26, 2025 at 8:21 AM
結局、どんなに私小説から遠い作品を書いても、どんなに身の回りの「自分の事だけ」書いても、「他者がない」と言われても私にはこの病がちの肉体があった。どう出るか判らない他者としての持病。そんな中で想像の世界にも現実にも似た、私的虚構を書いた

これからも「他者がない」と誤解される小説を平気で書いていく。身体性は私の社会性だから。

『未闘病記 膠原病、「混合性結合組織病の』
April 29, 2025 at 2:06 PM
「では次は麻にゃん先生でブリンバンバンボンです。どうぞ!
なんで歌ってくれないの。壊れちゃったのかなあ」
April 18, 2025 at 4:49 PM
彼の体は、まだ世界のどこかにあるだろうか、どうだろうか。わたしの時代のあの日々は、どこかに残っているだろうか。なぜ今も、わたしは思いだすのだろう。彼と交わっていたあの日々に、あのときわたしに満ちていたすべての死にたさよりも、生き残った何かがあったということだろうか。
「花瓶」
March 30, 2025 at 10:15 AM
仰向けになったあなたは電話をつかんで目の前にかざし、他人の彩りあふれる生活の写真や、読むことのできる言葉のつらなりを、際限なく目に入れてゆく。ぜんぶがおなじでぜんぶが違い、ぜんぶが光ってぜんぶが苦しい。全体としての白痴、全体としての盲目、全体としての同意、全体としての加担。あなたが見つめる画面には、知りたいものも、知るべきことも読むべきものも本当はありはしないのに、あなたはどこからも目を逸らすことができないでいる。瞬きするごとに虚しさが滴り落ちていく。

川上未映子『春のこわいもの』「淋しくなったら電話をかけて」
March 30, 2025 at 9:13 AM
「先パイといるとなんでかさびしくなる時があったりしてさ
そうすると先パイが俺のもとめてることを探し始めるんだ
早く自分を安定させてそういうのなくしたいんだよね
大切な人をコントロールするような素ぶりはしたくないからね」

池辺葵『ブランチライン07』
March 17, 2025 at 5:12 PM
どんな身体でどんな時代に生まれても
魂は揺らがないと思います。

さのさくら「ただの飯フレですが」
February 25, 2025 at 3:29 PM
白露は消なば消ななむ消えずとて玉に抜くべき人もあらじを

白露よ消えるなら消えてしまえ
消えずにいても誰もあなたを白玉として糸でつなげてくれないだろうよ
February 12, 2025 at 6:35 PM
「空っぽの人間だね!しかし、間違いなく天国に行くだろう。あの女はすべてをゆるしている、だから彼女自身すべてゆるされるのだ」侯爵夫人にはこんな噂もあった。彼女が街から去ったあとには必ず債務者が残る、しかし、彼女から恩恵を施された人たちも同じくらい残るのだ、と。やわらかな心というのは、いずれの方向にたわむも思いのままなのだろう。
『19世紀ロシア奇譚集』 「クララ・ミーチリ -死後」
February 7, 2025 at 5:38 PM
一度私を発見したからには、もう私を見つけることは簡単だ、今後の難問は私を失うこととなるだろう。
January 23, 2025 at 11:59 AM
入院、その後のインフルでマイナス×マイナスはプラスやん!って一瞬思ったけど、よく考えたら失恋に禁煙にと実際はマイナスの何乗なんだい?
January 23, 2025 at 10:41 AM
「でもベッドの上で何もできない時にやってたことが恋愛なら上出来じゃない?」
January 13, 2025 at 8:59 AM
ハムレットは一貫した心理としてではなく、一個の生きた人間として、舞台の上で、自由に、その場その場に即して「演戯」をしているのである。だから、そこには一見して矛盾もある。が、それは作品上の矛盾というより、生きた人間の矛盾なのである。
January 10, 2025 at 12:48 PM
二度ともどって 来ぬかいな?
二度ともどって 来ぬかいな?
なんでもどろか 亡き人の
帰らぬ旅路 待つよりは
いっそわが身を 捨てやんせ
雪のおひげも いまはなく
麻の白髪も いまはなく
かいなき涙 ぬぐいつつ
どうぞあの世で しあわせに!
それから、みなさんも、どうぞおしあわせに。さようなら。

『ハムレット』
January 9, 2025 at 11:00 AM
遍在する麻にゃん。
January 7, 2025 at 1:07 PM
他者から一方的に課される「自己」を、なんの理由も無く、誰の力も借りずに受容すると決め、今度は別人の「自己」」の受容を、その存在を深く尊重することによって促す。ここに「一切の他者の利益をはかる行い」の本領がある。そしてそれこそが、互酬関係としての世俗規範(たとえば「情けは人のためならず」)を起動させる原動力となる。
January 6, 2025 at 11:03 AM
自分は女に、餓えている。この餓えを自分は、ある美しい娘が十二分に癒してくれるものと、信じて疑わない。実はいまだに口をきいたことすらなく、この一年近くは姿を目にしてもいない、いや、だからこそますます理想の女に近づいてゆく、あの娘が……。あまりに熱烈で一方的な片恋。その当然すぎるまでの破局を、豊かな「失恋能力」の持ち主・武者小路実篤が、底抜けの率直さで描く。
December 18, 2024 at 10:29 AM
あなたが信じている「正しい」世界だって、この世界へのグラデーションの「途中」だったんだと叫びたくなる。
 私たちはいつだって途中なのだ。どの世界に自分が洗脳されていようと、その洗脳で誰かを裁く権利などない。
(消滅世界)
December 17, 2024 at 8:13 AM
牛乳の紙パックは、息をふきこまれて、ぱんぱんにふくらんでいる。
若槻ナオトと逃亡したように、彼女の手をとって教師や警察から逃げればよかったのだろうか?
彼女は、学校にも、自宅にも、もどってこなかった。
取り調べを終えたあと、警察署のトイレに行き、そこから出てこなかったのだ。
目の前の紙パックに、彼女のはきだした息が今も充満している。

(山羊座の友人)
December 14, 2024 at 9:56 AM
お菓子とか美味しいものが出てくる作品が好きだとおっしゃるあなたが好きで。
December 13, 2024 at 9:47 AM